ゲームブックリプレイ・ブラッドソード2

2010年3月28日 (日)

ブラッドソードリプレイ2-21 魔術王を倒せ!

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:4 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:7(-1) 機敏度:8 生命力:25
装備:ブラッド・ソードの鞘 ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金87) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 膏薬の瓶(残り5回) 聖アシャナクスの十字架

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:4 戦闘力:8(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8 機敏度:7 生命力:21
装備:ヘラクロスの戦斧 六尺棒 鎧(鎧強度:3) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金87) 魔法の弓 金の巻物

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:4 戦闘力:7(-4) 打撃力:サイコロ1個+1(-2) 精神力:8(+1) 機敏度:6 生命力:21
装備:銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金92) 琥珀の火口箱 魔法のパン 回復薬(生命力をサイコロ2個回復) 鉄の鈴

Photo スクリーボ

旅の途中で買われたカラス。
お値段は金貨1枚。
とりあえず当面、役に立つような能力は無い。
しょせんは金貨1枚。

前巻までのあらすじ

レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。彼らは腕試しがてらに迷宮突破競技へ挑んだ。そこで幾多の罠や敵を切り抜け、見事に優勝の栄冠を手にする。激闘を終えた三人は、再び気ままな旅を続けるが、この地で新たな冒険に巻き込まれるのであった……。

宝剣ブラッドソードの鞘を手に入れた三人は、一路、柄を持つというワイアード王国のワーロック王の下へ向かった。“永遠のたそがれ”城に乗り込んだ三人は、闘技場にて襲いかかって来た骸骨軍団を退け、ワーロック王へと迫る。ついに決着の時が来た……!

テツヤ「しかし俺ら、いつの間にかこの王様と戦う事になってたよな。ブラッド・ソードの柄を持ってるっていうから来ただけなのによ」

ミヤ「でも話なんかしようとしなかったよ、この王様。ふりかかる火の粉ははらわなきゃ! あと村の人達も王様のせいで苦しんでるしさ」

ディアブロ「この王様が、自国民に凄い良い人で、柄を求める者にだけ攻撃的だったら、俺らが悪役になるところだったぜぇ

そんな事もなく、万人へ平等に攻撃的な人だったので、安心して最後の戦いへ臨めるのだ。

【項目15】
ワーロック王は、あっと息をのむ場所を決闘の場に選んだ……。
気がつくと、冷たい金属製の枝にしがみついていた。
どこからともなく、冷たい風が吹いてくる。
あわてふためき、周りの状況を見極めようと努める。
手につかんでいるのは、空に張り巡らされた蜘蛛の巣のような、網目状になった金属製の枝の一本だ。
あたりを見まわしても、はるか遠くを流れる青い靄しか見えない。
眼下を見ると、数百メートル下に雲がわずかに二つ三つ浮かんでいる。

ミヤ「地面が見えない……どういう事?」

テツヤ「無いんだろ。どうせ異次元かなんかだ」

ディアブロ「本当に地面が無いなら墜落死の危険はないぜぇ。永遠に落下するうちに餓死するだろうけどねえ」

ワーロック王は巣の中央に座っている。
水晶の巨大な王座が、寒空に浮かんでいる。
王は水晶の冠をかぶり、探し求めていたあのブラッド・ソードの柄を、紐に結んで首からかけている。

テツヤ「おう、持ちだしてきやがったか」

ミヤ「むむ。氷か水晶かわかんない筈だった冠が水晶に限定されてるぞ? 明るい場所に来て見えやすくなったのかな?」

ディアブロ「それを考えて、何か益になるのかねえ? この状況で」

こちらが柄に目をとめたのを見て、王は微かな笑いを浮かべた。
「大事な御守りだ。これのおかげで、わしはマグス達の支配を受けずにすんでいる。だから、これを手放すつもりはない。だが、そちらはどうだ? 喜んで鞘を手放すのではないか?」

テツヤ「手放してゲームオーバーになる物を渡すって選択肢は、事実上ありえないな。さて、一戦交えるとすっか」

ミヤ「ちょいタンマ。叔父ちゃん、ここで道具が使えるみたいだよ」

正面から挑むのはかなり危険だ。ワーロック王は相当に虚弱で、はっきりいってザコレベルの戦闘力しかない。しかしワーロック王は枝を伝播する衝撃波を放つ事ができ、接近するまでに倒されてしまう可能性が高いのだ。魔法や飛び道具も枝につかまった状態では使えないので、正面決戦は得策ではない。

なお、接近戦に持ち込んでしまえばたいした事の無い相手なので、1~2人の少人数パーティでランクを高めにしておき、盗賊のダブルアクションを使って高速接近すれば、正面決戦でも割と簡単に勝つ事はできる。

テツヤ「ま、道具でなんとかできるならそうすりゃいいだろ」

【項目282】

テツヤ「さて、何か使える物は……と」

ミヤ「ウルバちゃんから貰った鉄の鈴が、ここで使えるみたいだよ。新旧の交代の時に鳴らせって言ってた」

ディアブロ「これかね? 俺が持ってるぜぇ。一介の予言者がくれた物で、王様の幻術に対抗できるのかねえ」

ともかく、鳴らしてみる事にする。

【項目460】
鈴をふる。
ワーロック王の唇には軽蔑の笑いが浮かんでいたが、鈴を鳴らすと、恐怖の表情に変わった。
鈴が鳴り響くたびに、王の座っている水晶の王座に深いひびがはいっていく。

ミヤ「うわー! なんか凄い効き目だよ!」

テツヤ「……王様より予言者の方が強いんか? だったらさっさと王様を倒しに来いよ……」

ディアブロ「道中をクリアできないから、冒険者を待っていたのかもしれないぜぇ。ともかく、利いてるなら鈴をふり続けますかね」

「やめろ」
王は叫んで、王座から飛び降りた。
何千という幻が周りに渦巻いていた。
破壊された王座から脱け出した幽霊の一団のようだ。
力いっぱい鈴をふりつづける……。

やがて、ワーロック王は肩をガクリと落とし、降伏の意を表した。
「おしまいだ」
彼は言った。
額の上の水晶の冠が無数の破片になって飛び散る……。

テツヤ「おいおい、鈴だけで倒せたぞ!」

ディアブロ「今後のワイアード名産品は鈴に決まりだぜぇ」

ミヤ「そんな事より、ブラッドソードの柄を取らないと! どこへ落ちたの?」

【項目62】
気がつくと、湖のそばの草叢に横たわっている。
起き上がってあたりを見まわす。
湖は驚くほど見なれた景色だ。
「永遠のたそがれ」城のそびえる湖にそっくりなのだ。
だが肝心の堂々たる城の姿はなく、蔦におおわれ、崩れ果てた廃墟だけがポツンと残っている。
そしてあのよどんだ湖は綺麗に透き通り、陽の光を受けてキラキラ輝いている……。

これがあの湖だとすると、後ろには……あの忌まわしいソーンズの森があるはずだ。
だが、ふり返ってみると、そこには、あの悪魔の森とは似ても似つかぬ美しい松林が広がっている。

テツヤ「城自体が幻だったって事か?」

ミヤ「うーん、だったら王様は廃墟に目くらましをかけて誤魔化してたのかなあ? 圧政を強いてるわりには、新築のお金も工面できなかったんだね」

ディアブロ「確証はないが、それは言いがかりに思えてならないぜぇ」

テツヤ「で、王様はどこだよ?」

暖かい陽だまりの中に、一つの影が現れた。
急いで身構える。
しかし、現れたのはグリスタンではなかった。
ぼうっとした老人の手を引いた女が、賢そうな目にやさしい笑みを浮かべて、前に立っている。
女は、老人の首にかかっていた物を取って、差し出した。
それはあのブラッド・ソードの柄だった!

テツヤ「あ、どうも。貰っときます」

ディアブロ「あの爺さんがワーロック王で、女は森で洞窟にいた人か。二人はどんな関係なのかねえ?」

ミヤ「もと夫婦じゃないかな? きっと二人の間には、それはそれは長いロマンスが……」

テツヤ「今後は長い介護が始まるわけだな。まぁその予想は外れてると思うが」

女に礼を言おうとしたが、二人はすでに草叢の向こうに立ち去ろうとしていた。

【項目570】
南へ南へと戻る。
ワイアードの国は、悪夢からようやく目覚めたようだった。
昨夜まで貧困と苦しみの中で眠った人々が、目覚めた時に見たのは、青々とした豊かな土地だった。
ワーロック王の部下だったアーミジャーは鎧を脱ぎ捨て、ソロン達は、裁判官の杖を草叢へ投げ捨てた。
笑い声と歌声が再び島に蘇った。

テツヤ「土地の質まで王の魔力が関与してたのか? それでもここは北の果て、肥沃な土壌ってことも無いだろうがよ」

ミヤ「きっと緯度も魔術で歪められていたんだね」

ディアブロ「地軸を操作できる魔力の持ち主だったのかね。神クラスの強さでないと無理だと思うぜぇ?」

テツヤ「鈴で倒れる爺さんにはちと無理だな」

数日後、三人は見事な松林の中でたき火の側に座っていた。
たき火の周りでは、幸せそうなワイアードの人々が、冬の精をなだめる踊りを踊っている。
冬が厳しかったここ数年は、祭りどころではなかったのだ。
だが今夜は寒さも緩み、心地よい。
もうこれからは、夜や冬もかつてほど恐ろしい物ではなくなるだろう。

テツヤ「なんか、この巻の始めと同じような場面になっちまったな」

ミヤ「いいじゃない、平和で陽気で。あたし、こういうの大好きだよ!」

森の住民達の祭りを見守るうちに、この冒険の始まった時の事が思い出された。
たき火の側でキラキラ輝くブラッド・ソードの柄と鞘を見つめる。
旅はまだ終わってはいない。
剣の最後の部分、刀身を見つけなければならないのだ……。

テツヤ「部位三つのうち、二つが2巻だけで揃うんだな」

ミヤ「そう考えると、いきなりあと一歩だね」

ディアブロ「しかしここで次のあてが無くなっちまったぜぇ」

テツヤ「それも明日から探せばいいじゃねぇか。今日はゆっくりするか」

そう言って寝転がるテツヤ。一つの戦いは終わり、次の戦いが始まる。無論、次の戦いはここまで以上の物になるだろう。それまではしばし休息の時……。

次巻「悪魔の爪を折れ!」 近日開始予定

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2010年3月21日 (日)

ブラッドソードリプレイ2-20 軍団激突

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:4 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:7(-1) 機敏度:8 生命力:25
装備:ブラッド・ソードの鞘 ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金87) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 膏薬の瓶(残り5回) アンボラスの心臓 旧セレンチーヌ帝国の第一軍団の軍旗 聖アシャナクスの十字架

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:4 戦闘力:8(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8 機敏度:7 生命力:21
装備:ヘラクロスの戦斧 六尺棒 鎧(鎧強度:3) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金87) 魔法の弓 金の巻物

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:4 戦闘力:7(-4) 打撃力:サイコロ1個+1(-2) 精神力:8(+1) 機敏度:6 生命力:21
装備:銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金92) 琥珀の火口箱 コマ 魔法のパン 回復薬(生命力をサイコロ2個回復) 象牙の杯 鉄の鈴

Photo スクリーボ

旅の途中で買われたカラス。
お値段は金貨1枚。
とりあえず当面、役に立つような能力は無い。
しょせんは金貨1枚。

前巻までのあらすじ

レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。彼らは腕試しがてらに迷宮突破競技へ挑んだ。そこで幾多の罠や敵を切り抜け、見事に優勝の栄冠を手にする。激闘を終えた三人は、再び気ままな旅を続けるが、この地で新たな冒険に巻き込まれるのであった……。

宝剣ブラッドソードの鞘を手に入れた三人は、一路、柄を持つというワイアード王国のワーロック王の下へ向かった。“永遠のたそがれ”城に乗り込んだ三人は、闇の魔神を退け、不気味な観衆の待つ闘技場へとたどり着いた。

テツヤ「で、何と戦わされるんだ? さっさと出しやがれ」

ミヤ「おー、遠慮なくばっちこーい」

【項目508】
競技場は、柱の上に置かれたランプの不気味な緑色の光に照らされていた。
雛壇式の座席にうずくまる観衆には、人間らしさがまるで見えない。
黒いマントを羽織った大きな虫のようだ。
彼らは手をこすり合わせ、血を求めて、うなるような歌を歌っている。

テツヤ「しかし、この客どももあんま人間ぽくねぇな」

ミヤ「また幻術かなんかで作られた賑やかしだったりして」

ディアブロ「客席になんか出てきたぜぇ?」

211 歌声がささやき声に変わった時、競技場を見下ろす貴賓席に年老いた男が現われた。
唇の端を歪めた邪悪な目つきの男だ。
男は燃える杖をかかげた。
その光で男の姿がくっきりと浮かびあがった。
同時に、周りの光景はぼんやりかすんでしまった。
男の灰色の皺だらけの額には、氷か水晶の冠が輝いている。

男の不気味な声が聞こえると、観衆のささやき声がやんだ。
「ここはわしが何世紀ものあいだ支配してきたワイアード王国だ」
男はこちらを指さして言った。
「よくもわしの国に侵入し、わしの城に入りこんでくれたな。わしを殺すつもりであろう……」

彼は声を低くして、こちらをじっと見つめた。
「愚か者め。わしを殺そうとした者は自分だけだと思うのか? 正しい支配者にも、敵は必ずいるものだ。人殺しになりそこなった者たち、わしのこの胸に剣を突き立てることを望んだ無作法者たちは、どこに行ったと思う? ここだ! 彼らは、己の学んだ教訓を教えにやってくるのだ……」

テツヤ「ほう、ついに王様の登場かい」

ミヤ「なんか戦う気満々だなー。もうちょっと交渉とかさー」

ディアブロ「ま、城の住民をどかどかブチのめしちまったから仕方ないぜぇ。住民はモンスターばかりだったけどねえ」

彼は眉をひそめ、両手を広げた。
すると、目の前の土の中から何かが突き出てきた。
それはピクピク動く白い骨ばかりの手だった。
やがて地面のいたるところで土が盛り上がり、それが口を開けると、中から錆びた鎧をつけた骸骨が飛び出してきた。
次から次へとその数は増し、化け物の一団はこちらに向かって押し寄せてきた。

テツヤ「おいおい、数多すぎだろ!」

ミヤ「うわー、本当に遠慮なくこられたよ」

【項目25】
ワーロック王は、こちらを殺すために骸骨軍団を召集した。
敵がこんなに多くては、勝ち目はない。
彼らの槍にひとたまりもなくやられてしまうだろう。
あたりを見まわしても逃げ道は見当たらない。
そのとき
軍旗が光りはじめた。
マントをはおった観衆は、恐怖にあえぎながら席を立ち、物陰に逃げ出した。
何が起こったのか理解できないまま、
軍旗を頭上高く掲げ続ける。
その時、光があたりを包んだ。
旧セレンチーヌ帝国の将軍たちの幽霊が耳もとでささやく。

「この旗に賭けて、ひるまずに戦え」
軍旗の目もくらむような光を見ると、ワーロック王でさえ後ずさりして、長い袖で目をおおった。
骸骨軍団の動きがあやしくなる。
軍旗の光はなおも増していく……。

ミヤ「お、おお? これは逆転の予感かな?」

テツヤ「しかしこっちも動きがとれねぇ!」

そしてこちらと骸骨軍団のあいだに、いつのまにか幻の軍団が現れて整列していた。
再び肉体を得たかつての軍団が、命令を待っている!

ミヤ「おー! これは凄い。この人達が骸骨軍団と戦ってくれるんだね!」

テツヤ「だが数が少なくねぇか?」

ディアブロ「少ないねえ。このまま戦わせたらこっちが負けちまうだろうな」

ミヤ「じゃ、どうすんの?」

ディアブロ「他に使えるアイテムを探すとしますか」

【項目178】
ここまでに集めたアイテムの中には、同様に軍団を召喚できる物があるのだ。

ディアブロ「俺達が持っていて、ここで使える物はあと三つあるぜぇ」

テツヤ「よし、どんどんいくぞ!」

さっそく三人は荷物をあれこれ引っ張り出す。ここで使う物とは……

【項目405】
旧セレンチーヌ帝国の不屈の第一軍団とはいえ、ワーロック王が地下から召集した無数の死者の軍団が相手では、単独で勝つことは難しい。

だが幸運にも、彼らは単独で戦う必要はなさそうだった。
アンボラスの心臓
が手の中でどくどくと脈を打ちはじめると、黒い血が足元の砂の上にしたたりはじめた。
そしてその血から黒い臭気が漂いはじめ、それが固まると、黒の制服の大男たちになった。
黒の軍団はこちらの命令を待っている。

テツヤ「まずはこれか! しかしこいつら、本当に味方なんだろうな?」

ディアブロ「心配ご無用。裏切る可能性は全くのゼロだぜぇ」

ミヤ「やっつけたモンスターから出たアイテムなのに、不思議!」

 さらに荷物を探る三人。次に効果を表すのは……

【項目31】
軍旗の放つ光が象牙の杯を照らした。
すると杯は輝き始め、やがてそこから赤い蜂蜜酒があふれ出た。
酒が地面に広がると、そこから荒々しい大男の戦士たちが現れた。彼らは骸骨軍団を睨みつけ、今にもつかみかからんばかりの勢いだ。

これからは、この狂戦士たちが味方だ。

テツヤ「何かを飲むのに使うのかと思ったが、まさか召喚アイテムとはな」

ミヤ「なんかさっきから敵っぽい味方ばかりだね?」

ディアブロ「贅沢は言うもんじゃないぜぇ。さて、もう一つ……」

 ディアブロはポケットに手を入れる。

【項目292】
エルフのリーダーはあの時、こう言った。
「最後の敵に立ち向かうとき、この魔法が役立つだろう……」
チェツカーのコマは明るい緑色の光に包まれていた。
そして、森に咲く花の香りがした。

チェッカーのコマ
を地面に投げつけると、それは軍馬に乗った等身大のエルフの騎士に変わった。
馬も人も明るい緑色の衣裳をつけている。
武器と馬具は鉄ではなく、銀でできている。

ワーロック王は鼻先で笑い、冷たく言い放った。
「優美な戦士たちのご登場か! 我が軍はエルフの剣など恐れはしないぞ……」
しかし、その言葉とは裏腹に、彼の顔には驚きの色が浮かんでいた。
彼は、こちらが召集した援軍との勝負が楽ではない事を知っているのだ。

これからは、この森の騎士団が味方だ。

ミヤ「おー、やっと味方っぽいのが来たよ」

テツヤ「なんかこいつらだけ、ワーロック王の反応が大袈裟だな」

ディアブロ「案外、裏では王とエルフの熾烈な戦いとかやってるのかもねえ」

【項目21】
さて今度は、骸骨軍団と戦うために召集した援軍の軍力を確かめなければならない。

ディアブロ「各軍団の力は以下の通りだぜぇ」

セレンチーヌ帝国第一軍団――軍力4
黒の軍団――軍力4
狂戦士軍団――軍力3
森の騎士団――軍力3

ツヤ「合計14か。で、これはどの程度の強さなんだ?」

ディアブロ「敵に圧勝するぐらい

【項目359】
前進の命令を下すと、こちらの軍はワーロック王の軍に襲いかかった。
こちらの軍隊は、寄せ集めではあるが強力だ。
骸骨軍団に、勝ち目のあろうはずは無かった。
最初の攻撃で敵の隊列は乱れ、まもなく彼らは、こちらの軍団に踏みつけられてしまった。
槍に突かれた頭蓋骨が一つ飛んできて、足もとに落ちた。
それを蹴って脇によけ、ワーロック王の立つ貴賓席に進む。

ミヤ「ふっ、ざっとこんなもんよ。あたしに出あった不幸を呪え」

ディアブロ「君、今回何かしたかね?」

テツヤ「まぁ俺ら三人、道具引っ張り出して見てただけだわな」

【項目300】
正確な足取りで、ワーロック王の立つ貴賓席に進む。
真正面に立ったとき、彼はこちらを睨みつけた。

「ゲームはもう十分だ」
彼は甲高い声で言った。

「ワイアードの王の力を見るがいい!」
王が薄っぺらな手を打つと、雷のような音が響き渡り、周りを取り巻く光景は、鏡が割れるように粉々に砕けた。

テツヤ「なんだ、やっぱり幻だったのか? ソーンズの森からこっち、このパターン多いな」

ミヤ「ちぇっ。不利になったら台をひっくり返すのって大人げないなー」

ディアブロ「そりゃ悪役だからねえ。さて、結局は俺らの手で戦えって事になったわけだが……」

どこでどんな戦いが起こるのか? それはまた次回の話。

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2010年3月14日 (日)

ブラッドソードリプレイ2-19 影の悪魔

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:4 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:7(-1) 機敏度:8 生命力:25
装備:ブラッド・ソードの鞘 ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金87) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 膏薬の瓶(残り5回) シャドークリーバー 旧セレンチーヌ帝国の第一軍団の軍旗 聖アシャナクスの十字架

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:4 戦闘力:8(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8 機敏度:7 生命力:21
装備:ヘラクロスの戦斧 六尺棒 鎧(鎧強度:3) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金87) 魔法の弓 金の巻物

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:4 戦闘力:7(-4) 打撃力:サイコロ1個+1(-2) 精神力:8(+1) 機敏度:6 生命力:21
装備:銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金92) 琥珀の火口箱 コマ 魔法のパン 回復薬(生命力をサイコロ2個回復) 象牙の杯 鉄の鈴

Photo スクリーボ

旅の途中で買われたカラス。
お値段は金貨1枚。
とりあえず当面、役に立つような能力は無い。
しょせんは金貨1枚。

前巻までのあらすじ

レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。彼らは腕試しがてらに迷宮突破競技へ挑んだ。そこで幾多の罠や敵を切り抜け、見事に優勝の栄冠を手にする。激闘を終えた三人は、再び気ままな旅を続けるが、この地で新たな冒険に巻き込まれるのであった……。

宝剣ブラッドソードの鞘を手に入れた三人は、一路、柄を持つというワイアード王国のワーロック王の下へ向かった。“永遠のたそがれ”城に乗り込んだ三人は、様々な罠を潜りぬけて古代王国の軍旗を手に入れた。

スクリーボ(しかもこれがクリアに必須のアイテムなんだナ……)

ミヤ「で、この旗は何の役に立つの?」

ディアブロ「今は何も起こらないぜぇ。ま、持っていればじきに使う時もくる」

テツヤ「この旗のもと、大いなる共栄圏を打ち立てるのだぁあぁあ」

ディアブロ「亜細亜最強が世界最強では無かったのが悲しいねえ」

 だがその亜細亜最強に勝ったと言えるのはメリケン様ぐらいで、他の連中は尻馬に乗っただけなんじゃねぇの。とか言うと大陸とか半島に怒られるらしいよ。でも単独じゃいい所無かったんじゃない? とか禁句なんだってさ。

ミヤ「よくわかんないから先行くよ?」

 三人は教会から出て、入り口の方へ戻る。そこを通り過ぎて、さらに奥へ行くと……。

【項目547】
高くそびえる灰色の大理石の列柱のあいだを進むと、迷路のような部屋にたどり着いた。
高さが百メートルを超える天井は、闇に包まれている。
壁のガーゴイルの彫刻がこちらを睨んでいる。
あらゆる物の上に、数世紀を経たほこりが積もっているので、ほこりの海をかき分けるようにして歩かなければならない。

ミヤ「ちょっとは掃除ぐらいしようよ……」

ディアブロ「ま、中世ぐらいの衛生観念なんてこんなもんだぜぇ」

テツヤ「化け物を飼う余裕はあっても清掃人夫を雇う金は惜しいとはな!」

やがて、中庭へ通じる通路を発見した。
ひびの入った敷石に足を置くと、石は傾き、下から地虫が這い出してきた。

すり減って苔の生えた階段をのぼる。
手すりは枯れた蔦におおわれている。
蔦の上には羽を広げた蛾が止まっていた。
はらいのけると、粉々に砕けた……。

ミヤ「なんか本当に人が住んでるのか怪しくなってきたね」

テツヤ「王座についたらひからびた屍が座ってるだけってか!」

ディアブロ「それはそれで手間が省けるから悪くないぜぇ」

【項目353】
階段をのぼりきった所に、青銅の扉があった。
押し開けると、天井の低い部屋に出た。
壁と床は灰色の大理石でできているが、天井一面は石炭のように真っ赤に燃え、所々に黒い部分がある。
ときどき黒い灰の塊が床に落ちてくる。

ミヤ「なんか炙られそうな部屋だね」

テツヤ「だが別に熱くは無いな!」

部屋の中央に置かれた黒い大理石の台に近づく。
その上では火が赤々と燃えている。
台からニュッと突き出た蔓状の物が炎の周りでゆらめいて、壁に影絵を映し出している。
やがて甲高い口笛のような音が聞こえ始めた。

テツヤ「なんだよ、ありゃあ!」

ミヤ「あたし知ってるよ」

例によって僧侶の知識の出番だ。

【項目105】
3(僧侶)

蔓の動きを見ているうちに、それが計り知れない力を持つ影の悪魔アンボラスを呼び出す儀式だと気づいた。
壁の上でちらちらと舞っている影が、まもなくアンボラスの身体になるはずだ。
奴が姿を現す前に、この儀式を中断させなければならない。
だがどうやって?

ミヤ「確かこの儀式を邪魔できる道具がある筈だよ」

テツヤ「おお、なんだそりゃ! 今持ってるのか?」

ミヤ「持ってない。牛乳パックとかあればいいんだけど、村で貰ったぶんは飲んじゃった」

テツヤ「なんじゃそりゃあぁあぁ! 牛の乳に負ける悪魔も悪魔だが、お前も大概だな!」

というわけで、この悪魔とは正面から戦うしかない。

ディアブロ「はは、NAKERUDE」

【項目380】
口笛はどんどん大きくなり、耐え難い音になった。
耳をおおっても、その音は鋭い針のように脳に突き刺さってくる。

テツヤ「ちぃいぃうるさい野郎だ!」

ディアブロ「騒音攻撃とはなかなか新しいぜぇ」

突然、それが恐ろしいうめき声に変わった。
何者かがあえいでいるような声だ。
その時、壁に映っていた影がムクムクと動き始め、大コウモリのようにこちらをめざして舞い降りてきた。

気味の悪い声が部屋じゅうに響き渡った。
「はるばるよく来たな! 今度は、誰もが恐れる闇の守り神アンボラスが相手だ。覚悟するがいい!」
大きなひとかたまりの影が、目の前にぼうっと浮かんでいる。
その中に、濃い霧の向こうに霞む明かりのような目がある。
ぼろぼろに欠けた刃のような黒い爪が、こちらの方へのびてくる。

テツヤ「お出ましか! やるしかないならやってやるわ!」

ミヤ「あ、こいつに普通の攻撃は効かないからね

テツヤ「じゃあどうすりゃいいんだぁあぁ!」

その時、持っていたシャドークリーバーが光り出す……。

【項目34】
銀の偃月刀に力が満ちてくるのを感じる。
覆っていた錆が消えて、刀身はキラキラと輝きはじめた。
突然、部屋の隅々に砂漠の太陽のような容赦ない光が降り注いだ。

テツヤ「おお! こいつはいけそうな気がするぜ!」

ミヤ「いけいけGOGO!」

アンボラスはうなり声をあげた。
炎に焼かれる人間の悲鳴のようだ。
魔法の刀は、苦しむ化け物を哀れむ心など持ち合わせてはいない。
刀を持つ手が自然に上がったかと思うと、こちらの躊躇いを無視して、刀は悪魔の胸に深々と突き刺さった。

テツヤ「自動攻撃機能つきか! こいつを造った奴は、よほどこの悪魔を始末したかったとみえる」

ディアブロ「ま、こんな厄介な奴に暴れられたら困るからねえ。対抗手段を用意しておくのは理にかなってるぜぇ」

静寂が訪れた。
化け物は影も形も無い。
シャドークリーバーは足元に転がっている。
白く熱して、その光が部屋じゅうを照らしている。
これを再び手にする事はできない。

その側にタールの塊のような物が転がっている。
アンボラスの心臓だ。
奴が残していった唯一の物だ。

テツヤ「剣の代わりにこれ持って行くか」

ミヤ「なんか気持ち悪いなー。変な病気とかうつらないよね?」

ディアブロ「しかしこの部屋、なんか行き止まりに見えるぜぇ」

 確かに、他の出口は無さそうだ。しかし……

【項目145】
部屋の輪郭がぼやけはじめた。
今立っているのは、果てしない霧の中だ。
やがて刀のぶつかり合う音や人の悲鳴が聞こえてきた。
その音が消えると、次にドシンドシンという音が周期的に聞こえはじめた。
まるで巨大な心臓が脈を打っているようだ。
その音はどんどん近づき、どんどん大きくなっていく。
そして、周りに一つの光景が現れた。
あの音は心臓の脈打つ音ではなかったのだ。

気がつくと、競技場の中央に立っている。
心臓の音と思えたのは、こちらの戦いっぷりを見たがっている残忍な観衆の歓声だった。

テツヤ「気が付いたら周囲が変化してるってパターンの多い城だな! 今度は競技場かよ」

ミヤ「競技って、何させられるんだろ?」

ディアブロ「心臓の脈と聞き間違えるような声をあげてる観衆のいるような競技場じゃあ、どうせロクでも無い事だろうぜぇ」

まぁその通りなのだが、それは次回の話だ。

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2010年3月 4日 (木)

ブラッドソードリプレイ2-18 弐千六百七拾年

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:4 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:7 機敏度:8 生命力:25
装備:ブラッド・ソードの鞘 ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金87) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 膏薬の瓶(残り5回) 手袋 頭蓋骨のお守り 毛皮の毛布

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:4 戦闘力:8(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8 機敏度:7 生命力:21
装備:ヘラクロスの戦斧 六尺棒 鎧(鎧強度:3) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金87) 魔法の弓 聖アシャナクスの十字架 手袋 シャドークリーバー 金の巻物

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:4 戦闘力:7(-3) 打撃力:サイコロ1個+1(-2) 精神力:8(+1) 機敏度:6 生命力:21
装備:銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金92) 琥珀の火口箱 コマ 魔法のパン 回復薬(生命力をサイコロ2個回復) 象牙の杯 銀の粉 鉄の鈴

Photo スクリーボ

旅の途中で買われたカラス。
お値段は金貨1枚。
とりあえず当面、役に立つような能力は無い。
しょせんは金貨1枚。

前巻までのあらすじ

レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。彼らは腕試しがてらに迷宮突破競技へ挑んだ。そこで幾多の罠や敵を切り抜け、見事に優勝の栄冠を手にする。激闘を終えた三人は、再び気ままな旅を続けるが、この地で新たな冒険に巻き込まれるのであった……。

宝剣ブラッドソードの鞘を手に入れた三人は、一路、柄を持つというワイアード王国のワーロック王の下へ向かった。“永遠のたそがれ”城に乗り込んだ三人は、奇怪な城内の探索を始める。

ミヤ「いやー変なのに襲われて死ぬかと思ったよ」

テツヤ「あんま心配させんな。ま、ただ寝てただけみてぇだが」

スクリーボ(本分を読む限りは本当に死の縁を覗いてきたみたいだガ……)

ディアブロ「さて、それじゃそろそろワーロック王を探すとしようぜぇ」

【項目174】
骨でできた不気味な教会から出ていこうとした時、一つの通路を見つけた。
普通の教会なら、その先には翼廊があるはずだ。

テツヤ「ちと覗いてみるか」

ミヤ「どこにワーロック王がいるか、わかんないもんね」

ディアブロ「王様は王座にいるもんだと思うが……ま、値打ち物があるかもしれないから反対はしないぜぇ」

【項目411】
通路に向かおうとした丁度その時、か細い声が静かな教会の中に響き渡った。
見上げると、傷ついたファルタインが籠に入れられ、天井の梁に吊り下げられている。

「待ってください」
そいつは弱々しげに言った。

「私を助けてください。あなた達のお手伝いをしますから」

テツヤ「ディアブロ、お前の知り合いの親戚がいるみてぇだぞ」

ミヤ「助けてあげようよ。困った時はお互い様だしさ」

ディアブロ「困った時につけこんでくる種族なんだぜぇ、あいつら……」

【項目314】
相手は地上数メートルの所にぶら下げられている。

テツヤ「まぁ魔術師がなんとかすべきだろ」

ミヤ「魔術師のお友達だもんね!」

ディアブロ「いや、あいつらは断じてフレンドなんぞじゃないぜぇ。ま、なんとかしろってんならしますかねえ」

【項目260】
Photo_2(魔術師)

ファルタインを救出する方法は二つある。
一つは、自分を転送してファルタインを救い出す方法だ。
問題は、転送しそこなって落下するかもしれないという点だ。
そしてもう一つは、別のファルタインを呼び出して、囚われている仲間を救い出させる方法だ。

ディアブロ「ここは転送の魔法一択だぜぇ」

ミヤ「ファルタインを呼び出せばなんとかしてくれそうだけど?」

ディアブロ「いや、それがしてくえねえんだわ」

 正確には、助けるために高い報酬を要求するのだ。同胞意識の薄い種族なのである。

【項目150】
(魔術師)

ディアブロは転送の呪文の名人だ。なんの苦もなく、籠の中に入り込む事ができた。
ファルタインを人骨の十字架にはりつけていた釘を抜いてやると、ファルタインはディアブロを連れてフワリと地面に降り立った。

テツヤ「なんだ? 転送しそこなう可能性はどうした?」

ディアブロ「あ、それは作者からのコケ脅しだぜぇ」

実際、緊急救出の魔法には「転送位置を間違う可能性」など無い。詠唱に成功しさえすれば必ずFLEEマスにワープしてくれるのである。
ともかく、これでファルタインの救出には成功した。

【項目568】
「助けてくれたお礼にあなたのお役に立ちましょう」
ファルタインが言った。
そして翼廊に通じる通路を指さした。

「あの翼廊には、危険がいっぱいです。強い魔力を秘めた道具があるといいですね。頭蓋骨のお守りは、きっと役立ちますよ。ひと握りの銀の粉も結構です。でも、なによりもお勧めしたいのは、棺台に巻き付けてあるかたびらを切り取って、聖水盤の水にひたし、それでご自分の口を覆って行く事です……」
そう言うと、ファルタインの姿は消えた。
棺台の側にはかたびらが落ちていたし、聖水盤には水がたたえられていた。

テツヤ「じゃあ言うとおりにしてみるか」

ミヤ「翼廊の中には詳しいけど、奥に何があるかは教えてくれないんだね」

ディアブロ「奥の方でとっつかまったんじゃないかねえ」

三人は濡れたマスクをしながら翼廊に入る。なんかべたべたして気持ち悪そうだが、これは後々貴重な防御手段になるのだ。

【項目40】
翼廊に入って行く。
中を見渡すと、壁を形作っている骸骨の腕が、哀願するように前に突き出されていた。
不吉な予感がする。

ミヤ「なんだろーね、この雰囲気。ディアブロ、予言の呪文は使えないの?」

ディアブロ「使える事は使えるぜぇ。けどな……」

スクリーボ(結局、奥に進まなければならないので、ここで先を覗いてもあんまり意味が無いのダ)

しょうがないのでここは前進の一手だ。退かぬ、媚びぬ、顧みぬ。聖帝と必須アイテムを前にした冒険者に選択肢は無いのである。

【項目160】
あたりは真っ暗闇だった。
壁の向こうから不気味な鳴き声が聞こえたような気がした。
そして、ぜいぜいという音がした。
だが松明をかざしても、物の動く気配は見えない。
その時、病気を運ぶ恐ろしい風が吹いてきた。
「腐敗の風」だ。
これをうまく潜りぬけなければ、病気にとらえられてしまう……。

テツヤ「ずいぶんと衛生状態の悪い城内だぜ!」

ミヤ「ま、日本が清潔だから比較しちゃいけないんだよ」

各キャラクターはサイコロを1個、五回ふる。出た目が1か2なら病気にかかるが、濡れたかたびらで顔を覆っている場合は、1でのみ病気にかかる。病気はこの巻が終了するまで続く。
・1回目:マラリア   機敏度が1点減。

・2回目:腸チフス   戦闘力が1点減。
・3回目:精神分裂  精神力が1点減。
・4回目:血友病    損傷を受けた時、常に余分に生命力を1失う。
・5回目:消耗性疾患 身体が弱って、八つ以上の所持品を持てなくなる。

判定の結果……

テツヤ:精神分裂で精神力1減少。
ミヤ:消耗性疾患でアイテムを7個しか持てなくなる。
ディアブロ:腸チフスで戦闘力が1減少。

ミヤ「荷物が重いよー。叔父ちゃん、ちょっと持って」

テツヤ「うおあぁあ、俺を殺そうとするんは誰じゃあ!

ディアブロ「落ちつけ。まぁ俺は能力的には痛くも痒くもない結果だぜぇ。血便はちと心配だがねえ……」

罹病したが、こんな場所で静養するわけにもいかない。病に冒された身体をおして、三人はさらに先へと進む。

【項目557】
さらに進むと、翼廊の壁は湿った粘土に変わった。
その時、暗闇があんぐりと口を開け、ぞっとするような声が響いた。
「運命の呻き声」だ。

呻き声に士気をくじかれ、全員、戦闘力が半分(端数切上)になる。

ミヤ「変な声で精神攻撃をかけるのって、クラースのダンジョンにもあったよね」

ディアブロ「この世界ではポピュラーな罠なのかねえ」

テツヤ「はーっ、はーっ……誰かが俺の悪口を言ってやがるな……」

ミヤ「叔父ちゃん、この声はそういうのじゃないから。安心して、ね?」

その時、鉄の鈴がひとりで鳴りはじめた。呻き声はかき消され、その効果は消滅する。

テツヤ「ふぅーっ、ふぅーっ……」

ミヤ「おお、叔父ちゃんが落ちついた! この鈴、凄いじゃない! きっと悪い魔力に対抗する物なんだよ」

ディアブロ「とりあえずテツヤの首にずっとさげておくとするかねえ」 

【項目188】
その先は真っ暗闇だった。
闇の中から、いくつかの光がゆっくりとこっちへ向かってきた。
光は「忘却の侍女」達の目だった。
侍女たちは、死のくちづけを与えようと迫ってきた。

各キャラクターはサイコロを2個ふり、精神力以下の目を出さねばならない。これに失敗すれば侍女達に抱きしめられ、この世から永遠に姿を消してしまう!

ミヤ「次は何を使うの?」

ディアブロ「ここは銀の粉だぜぇ」

銀の粉を彼女達の目にふりかければ、催眠状態から解放して無力化する事ができるのだ。

テツヤ「無力になったのか! よし殺す!」

ミヤ「どうどう、どうどう。落ちつくんだ叔父ちゃん」

ディアブロ「なんかもう色々とヤバいぜぇ……」

【項目367】
枯れ葉の敷きつめられた敷石の上を歩く。
風に吹かれて、枯れ葉がカサカサと音を立てる。
やがて、枯れ葉はむくむくと山になると、長いマントをはおったせむし男のような姿になった。
それは人の記憶を奪い去る「思い出の枯れ葉」だった……。

枯れ葉の下敷きになった者は、過去の技術を全て忘れ、第2ランクのキャラクターへ格下げとなる。

ミヤ「当然、対抗策があるんだよね!」

ディアブロ「無論だぜぇ」

琥珀の火口箱があれば、素早く魔法の火をおこして枯れ葉を焼き払い、無事にここを通過できる。

ミヤ「おー、よく燃える。暖かいね」

ディアブロ「病に弱った身体に、熱が染みていい気持ちだぜぇ」

テツヤ「虫か……虫が端の方を飛んでやがる」

ディアブロ「……暖の関係無い病もあったねえ。早く先に進むとするか」

【項目527】
翼廊はそこで終わっていた。
その先にも通路は見えていたが、行く手に大男の戦士が立ちはだかっている。
戦士は紫色の宝石と黒檀でできた奇妙な鎧で全身を包んでいる。
男は黒い金属製の籠手をつけ、ギザギザの刃の剣の柄に手を置いている。
剣の切っ先は、ひびの入った敷石に突き立てられている。
足元には、数世紀を経たほこりが積み重なっていた。

ミヤ「最後は敵の挑戦かあ」

ディアブロ「教会のファルタインもこいつに捕まったのかねえ」

「俺はタナトスだ。ここを通る者全てと決闘する事にしている。一人でも大勢でもかかってこい。相手になってやるぞ」
地響きを立てるような声で男は名乗った。

テツヤ「おおおおやってやるわあああ」

ミヤ「おお、叔父ちゃんがやる気だ! あたしの持ってる盾のお守りも貸してあげよう。がんばれー!」

ディアブロ「どうして君はこの叔父ちゃんを普通に受け入れているのかね?」

【項目477】
タナトスの挑戦を受けて立った。

巨人タナトス
戦闘力=8 精神力=8 鎧強度=2 生命力=45
打撃力=サイコロ4個 機敏度=7

頭蓋骨のお守りがあれば、タナトスからかなりの程度、身を守る事ができる。これを身につけている場合、この戦いのみ鎧強度と打撃力に7点を加える。

一対一なので戦闘MAPは意味が無い。真正面から殴り合うのみである。

○第1ラウンド
テツヤ:出目8で命中。ダメージ12(被害10)。
タナトス:出目6で命中。ダメージ11(被害1)。
テツヤ(ダブルアクション):出目5で命中。ダメージ12(被害10)。

○第2ラウンド
テツヤ:出目7で命中。ダメージ15(被害13)。
タナトス:出目5で命中。ダメージ16(被害6)。

○第3ラウンド
テツヤ:出目8で命中。ダメージ10(被害8)。
タナトス:出目5で命中。ダメージ14(被害4)。

○第4ラウンド
テツヤ:出目5で命中。ダメージ10(被害8)。撃破!

テツヤ「ふぅーっ、はーっ……くたばりおったか」

ミヤ「頑張ったね、叔父ちゃん! 偉いぞ」

ディアブロ「それはえらい事になってるという意味かねえ?」

ミヤの生命力回復術で、傷ついたテツヤを完全回復。そしてさらに奥へと進む。

【項目111】
タナトスの死体を乗り越えて、彼の守っていた部屋をのぞきこむ。
あまり大きくない空っぽの円形の部屋だ。
丸天井から吊り下げられたランプが、室内を照らし出している。
部屋の中央には、なんと、あの
旧セレンチーヌ帝国の第一軍団の栄光の軍旗が立っている。
およそ千年も前の物に違いない。近づいていって、それを手に取る。
軍旗の旗手の亡霊が、過ぎ去った時代の、恐れを知らぬ軍人精神を吹きこんでくれるような気がする……。

ディアブロ「ははっw 軍靴の足音が聞こえるぜぇ。皇軍万歳!」

テツヤ「七生報国! 我、七度生マレ変ワロウト故国ニコノ身コノ魂捧グベシ!」

ミヤ「おお、なんかよくわからないけど、みんな元気になってよかったよ」

軍旗は翼廊の恐怖に再び立ち向かう勇気を与えてくれた。
しかし、来た道を戻って行くと、それは全てかき消えてしまっていた。
内陣に戻り、教会から出る。

ミヤ「あれ? 全部消えてるよ。タナトスが倒されて魔力が消えたのかな?」

テツヤ「我勝テリ! 我勝テリ! 我勝テリ!」

ディアブロ「……係わり合いになるのを嫌がられたのかもしれないぜぇ」

戦わずに済むなら良い事だ。世界平和への第一歩である。こうして、このリプレイ始まって以来の穏やかな気持ちで次回へと向かうのであった。

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2010年3月 2日 (火)

ブラッドソードリプレイ2-17 死の教会

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。全てを破壊し全てを繋げ! 今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:4 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:7 機敏度:8 生命力:25
装備:ブラッド・ソードの鞘 ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金87) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 膏薬の瓶(残り5回) 手袋 毛皮のマント 毛皮の毛布

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:4 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8 機敏度:7 生命力:21
装備:ヘラクロスの戦斧 六尺棒 鎧(鎧強度:3) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金87) 魔法の弓 聖アシャナクスの十字架 手袋 毛皮のマント 金の巻物

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:4 戦闘力:7(-3) 打撃力:サイコロ1個+1(-2) 精神力:8(+1) 機敏度:6 生命力:21
装備:銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金92) 琥珀の火口箱 コマ 魔法のパン 回復薬(生命力をサイコロ2個回復) 象牙の杯  毛皮のマント 鉄の鈴

Photo スクリーボ

旅の途中で買われたカラス。
お値段は金貨1枚。
とりあえず当面、役に立つような能力は無い。
しょせんは金貨1枚。

前巻までのあらすじ

 レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。彼らは腕試しがてらに迷宮突破競技へ挑んだ。そこで幾多の罠や敵を切り抜け、見事に優勝の栄冠を手にする。激闘を終えた三人は、再び気ままな旅を続けるが、この地で新たな冒険に巻き込まれるのであった……。

宝剣ブラッドソードの鞘を手に入れた三人は、一路、柄を持つというワイアード王国のワーロック王の下へ向かった。“永遠のたそがれ”城に乗り込んだ三人は、門番や罠の待ちうける橋を突破し、ついに城内へと足を踏み入れる。

テツヤ「ようし、ついに殴りこみだぜ。用意はいいかテメエら」

ミヤ「オッケー! どんとばっちこい!」

ディアブロ「しかし三人で城一つ落とそうなんて、よく考えたら正気の沙汰じゃないぜぇ

 ファンタジーRPGの勇者なら、そんな弱音を吐かない物だ。魔王の居城に攻め込むからといって数千・数万の軍勢を募っていては、ジャンルが戦記物になってしまう。

スクリーボ(あくまでヒロイックファンタジーだから、正気は捨てて勇敢に突撃せねばナ)

 覚悟を決めて扉を開け、中に踏み込むと……

【項目35】
 建物の中に入ると、顔色の青ざめた大勢の男女が、埃をかぶった華やかな衣装を身につけて、悲しげに踊っていた。伴奏の音楽は聞こえない。彼らは一人また一人とこちらに気づいて、踊るのをやめた。

テツヤ「兵士か化け物が出迎えてくれるかと思ったが……外の騒ぎは聞こえてねぇのか」

ミヤ「妙に陰気なダンスパーティだなあ……」

ディアブロ「ま、邪魔しないならさっさと通りすぎようぜぇ」

 広間に進み出ていくと、みんながこちらを見つめた。しかしもう一度彼らに目をやると、踊り手達は消えていた。そこは蜘蛛の巣だらけの空っぽの部屋で、大きな灰色の蜘蛛が動きまわっているばかりだ。

テツヤ「……いきなり幻覚か。しかも無意味な」

ミヤ「ソーンズの森からこっち、なんだか現実と幻が入り混じってるような気がするよ」

 どこか遠くから、悲鳴とも笑い声ともつかぬ金切り声と、鐘と笛と竪琴の、調子はずれな音楽が聞こえてきた。横木に文字の刻まれた石の扉に近づく。そこには「ここは汝の旅の終着の地。浮かれ騒ぐ人生を終えて、安らかに眠れ」と記されていた。扉を押すと、きしみながら開いた。

【項目428】
 遠くの音楽もやんだ。真っ暗闇の中で黙ったまましばらく待っていると、闇の中に灰色の光が射してきた。気がつくと、高くそびえる八面の壁に囲まれた部屋の中に立っている。正面に一つの扉がある。扉は、床の上に置かれた四本のロウソクの明かりに照らし出されている。近づいていくと、四本のロウソクは四角形に配置されていた。ロウソクロウソクの間には銀の粉が線状に撒かれて、四角形の中にはルーン文字が記されている。

テツヤ「ロウソク銀の粉は持って行けるな」

スクリーボ(ロウソクは別に要らんが、銀の粉は必要だゾ)

ディアブロ「何に使うのかね、これは。吸ったら気持ち良くなるのかねえ

ミヤ「それは凄く嫌だなー。さっさと拾ってここから出ようよ」

 ミヤが先頭をきって進む。バトルオーダーを変更、1=ミヤ、2=テツヤ、3=ディアブロに。

【項目566】
 ルーン文字の記された部分の床は危険な臭いがする。そこを避けて通る事にする。石の扉の前に立って、思わずほっと安堵のため息をつく。しかしそれもつかのま、扉の中からなにやら恐ろしい物が現われ、ギョッとして立ちすくむ。死刑執行人の服を着た腐った死骸が、前に立ちはだかったのだ。にたりと笑った骸骨の目からは、ミミズがポタリ、ポタリと床に落ちた。

ミヤ「え? 敵!?」

 そいつの手にした大鎌が、ミヤ(バトルオーダー1番のキャラクター)を直撃した。避けようもなかった。ミヤの身体は薄い霧の中に消えてしまった!

【項目390】
 死刑執行人は勝ち誇ったように大鎌をふり上げた。そして不気味な笑い声を残すと、ミヤが消えた霧の中に消えていった。

テツヤ「なっ……なにぃー!? おいこらちょっと待てぇ! ミヤ? ミヤ! どこだ、おーい!」

ディアブロ「……死んだか?」

テツヤ「もう一度言ったらお前を殺す!

ディアブロ「落ちつけ、落ちつけ。目がマジだぞ。とりあえずこのゲームは避けられないトラップでキャラ殺してくるようなクソゲーじゃないから。探せば近くで見つかるはずだぜぇ」

テツヤ「そうだな、そうに違いねぇ。そうじゃなきゃ勘弁しねぇぞ、クソッ……完全なる俺の怒りはとどまる事を知らねぇからな……」

スクリーボ(日本語がおかしくなるほど平静を失っておるナ)

 前進する事にする。静かな回廊へ入ると、右手の壁には大きな鏡がずらりと並んでいる。鏡の中には、こちらの姿と、左手の壁にずらりとかかった異様な肖像画が映っている。しかし左の壁をふり返ると、そこにも鏡がかかっている。そして右の壁にずらりとかかった肖像画が映っているのだ。完全に方向感覚を失ってしまい、不安な気持ちに襲われる。

テツヤ「チッ、鏡のどれかにミヤが捕まってるんじゃないだろうな」

ディアブロ「居ないようだな。もっと先へ行こうぜぇ」

 長い時間が経過して、ようやく回廊のはずれにたどり着く。そこからは、一段低くなった所に、ほら穴のような通路が横に延びている。はるか高い所に輝く星が見えるようだから、これはほら穴ではなく、高い壁に囲まれた道なのだろう。幅の広い階段を降りていく事にする。もう少しで降りきるという時に、奇妙な行列が見えた。青いロウソクをかかげ、かたびらに包んだ死体を棺台に乗せて運ぶ僧衣の集団だ。彼らは通路をゆっくりと、黙ったまま進んでいく。

ディアブロ「葬式かね。城内なのに屋根が無くなってたり、なんとも混沌とした場所だぜぇ」

テツヤ「ミヤがどこに居るか知ってやがるかもしれねぇ。ちと近づいてみるか」

【項目177】
 勇気を奮いおこして階段を降り、手すりの陰に隠れる。行列が通り過ぎたとき、棺台に乗せられた死体が、死刑執行人の直撃を受けて消えてしまったかつての仲間である事を知った。その顔は、身体を包んでいるかたびらにも負けないくらい白かった。棺台の四隅には、火の点っていないランプが立っている。行列は、こちらには目もくれずに通り過ぎていく。

テツヤ「ミヤ! あんな所で眠らされてるのか!」

ディアブロ「あの様子だと死んで……」

テツヤ「お前を殺すぞ

ディアブロ「ソーリー。とにかくつけてみようぜぇ」

【項目45】
 仲間を乗せた棺台の行列の少し後をついていくと、まもなく行列は大きな教会のような建物に着いた。尖塔が夜空にそびえている。建物全体が骨でできている事に気づいて、思わず息をのむ。尖塔は人間の頭蓋骨が円錐形に積まれ、扶壁は人間の腿の骨で、壁はあばら骨と腕の骨でできている。真っ暗な建物の中に入ると、鼻をつくような香の匂いと強烈な腐敗臭が漂っていた。行列は埃をかき分けて内陣を進み、奥の祭壇に棺台を降ろした。内陣の高窓から微かな星明かりが射し込んでいるが、それ以外に建物内を照らす明かりといえば、行列のロウソクの青い光と、天井の微かな光だけだ。よく見ると、それは人骨の十字架に逆さまにはりつけられ、鉄の籠に入れられて、たる木から吊り下げられた、ちらちら光るファルタインだった。

ディアブロ「俺が呼べる奴とは別物みたいだな。この世界、あちこちにファルタインがうろついているのかねえ」

テツヤ「そんなもんはどうでもいい。早くミヤを起こしてやらねぇと」

 祭壇に目を戻すと、棺台をかついでいた男の一人が、祭壇の側のアルコーブから錆びた偃月刀を取り出して、かつての仲間の胸の上に置いた。

ディアブロ「そろそろなんとかしようかねえ。で、どうするよ?」

 ここは道具を使うべきである。

【項目448】
 仲間を助けるには棺台のランプをつければいいのではないかと思う。

テツヤ「しかし、火をつける道具ってもな」

ディアブロ「火の球は使っちまったしねえ。ま、ここに琥珀の火口箱がある。こいつを試してみるぜぇ」

【項目195】
 火口箱の火打石を打つ。たちまち火花が、棺台めざして矢のように飛んでいった。ランプがパッとつくと、僧衣の男達は突然の明かりに目が眩み、仰天して逃げ出した。

テツヤ「よし、追い払った! ミヤ、今行くぞ!」

ディアブロ「この火口箱、火花の発射機能もついてたのか。造った奴が何を考えていたのかいまいちわかりかねるぜぇ」

 ディアブロが感心しているのを尻目に、テツヤがミヤに向かって走る。すると……

ミヤ「ふわぁ……おはよー。でもここどこ?」

【項目197】
 突然、死んだ仲間が動き始め、立ち上がって、白いかたびらを脱ぎ捨てた! ミヤに駆け寄るが、全くの無傷で、大鎌にやられた後の事は何も覚えていなかった。

テツヤ「やっぱりだた寝てただけだったんだな! 俺はそう信じていたぜ! よかった、よかった!」

ディアブロ「はて、本文を読む限りは死んで……」

テツヤ「良かった、もう安心だな!」

ミヤ「うん、安心だよ。でも何が?」

ディアブロ「聞いてねえし、会話が噛み合ってもいないぜぇ……」

 ミヤは死を克服したので、もう怖い物知らずだ。これにより、戦闘力が1点増す。

 ミヤは胸の上に置かれた銀の偃月刀を握っていた。刀身にはシャドークリーバーの銘が彫ってある。僧衣の男達は、祭壇のそばに頭蓋骨のお守りを落としていた。

ディアブロ「この二つは持って行けるな。拾っていくぜぇ?」

 ふり返ってみると、テツヤがミヤを抱きしめて頭を撫でまわしていた。
 ミヤはくすぐったそうに笑っていた。

ディアブロ「……なんかここと向こうに、見えない壁が発生しているぜぇ」

スクリーボ(そうだナ。邪魔にならないようにしとケ)

 とりあえず黙ってアイテムを拾っておく事にするディアブロ。次回までには、二人に存在を思い出してもらえるだろう。

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2010年2月26日 (金)

ブラッドソードリプレイ2-16 奈落への橋

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:4 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:7 機敏度:8 生命力:25
装備:ブラッド・ソードの鞘 ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金87) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 膏薬の瓶(残り5回) 手袋 毛皮のマント 毛皮の毛布

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8 機敏度:7 生命力:21
装備:ヘラクロスの戦斧 六尺棒 鎧(鎧強度:3) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金87) 魔法の弓 聖アシャナクスの十字架 手袋 毛皮のマント 金の巻物

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:4 戦闘力:7(-3) 打撃力:サイコロ1個+1(-2) 精神力:8(+1) 機敏度:6 生命力:21
装備:銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金92) 琥珀の火口箱 コマ 魔法のパン 回復薬(生命力をサイコロ2個回復) 象牙の杯  毛皮のマント 鉄の鈴

Photo スクリーボ

旅の途中で買われたカラス。
お値段は金貨1枚。
とりあえず当面、役に立つような能力は無い。
しょせんは金貨1枚。

前巻までのあらすじ

レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。彼らは腕試しがてらに迷宮突破競技へ挑んだ。そこで幾多の罠や敵を切り抜け、見事に優勝の栄冠を手にする。激闘を終えた三人は、再び気ままな旅を続けるが、この地で新たな冒険に巻き込まれるのであった……。

宝剣ブラッドソードの鞘を手に入れた三人は、一路、柄を持つというワイアード王国のワーロック王の下へ向かった。城門の番人・悪鬼グリスタンから逃れ、虐殺の門へ飛び込む三人。矢の雨を抜け、荒くれ戦士どもの隊長を撃破した。

テツヤ「だが周囲の雑兵どもは襲ってこないんだよな」

ミヤ「実は隊長さんが嫌われてたとか?」

ディアブロ「褒美まで貰ったからねえ、俺ら」

三人がそんな話をしていると……

【項目226】
目の前で、赤い炎を上げていた広間の梁が、突然、焼け落ちた。
しかしなんの熱さも感じない。
猛火を通して、向こうの壁に通路が見える。

テツヤ「突然なんだ!?」

ミヤ「やっぱり炎は幻だったんだね。でもなんで急に部屋が崩れたのかなあ?」

ディアブロ「この部屋はいつもこうやって出入りしてるのかもな。ま、先に進むしかなさそうだぜぇ」

その中へ入って行くと、まもなく深い谷にかかる橋に達した。
目には見えなくても、数百メートル下を流れる激流の音が聞こえる。
あの激流が数千年の間にこの深い谷をつくり上げたのだろう。
傾斜した橋をのぼりつめた対岸には、楼門が立っていた。
橋の上空には、二本の矛槍が橋を挟むようにして浮かんでいる。
その奇妙な光景に思わず首をひねる。
しかしまもなく、シルフがその矛槍を操っているのだと悟る。
シルフは目に見えない化け物だから、普通の戦いで倒すことは不可能に近い。
しかも先は一本道だ。
後戻りもできない。
橋は一人ずつ通る幅しかない。

ディアブロ「というわけで、誰か一人がこれに対処するんだぜぇ。一応、ヤバいと思ったら退却して他のメンバーと交代する事はできる」

処理的には、各人の能力を活かした補正をかけて、戦闘を行う形になる。

ミヤ「一旦引き返して、あたしが傷を治して、同じ人がまた挑戦ってできないの?」

ルールを杓子定規に解釈するなら多分可能だ。そしてそれも考慮して、ここは盗賊のテツヤで攻略に挑戦する事にした。

テツヤ「俺かよ……まぁいい。やってやるぜ」

【項目392】
Photo(盗賊)

テツヤは橋の上を進んでいった。

剣で真正面から戦うか、それとも“得意の手”を使うかを選ぶ事ができる。

テツヤ「一巻の橋じゃ強行突破したが……」

あれが例外中の例外。
盗賊を含め、ブラッドソードシリーズでは、ほとんどの場合において力押しよりも各キャラクターの技能に頼った方が上手くいくのだ。

【項目123】
(盗賊)

観察したところ、二人のシルフは別々の行動をとっている。
一人は、橋の上でこちらの行く手をさえぎりながら矛槍を打ちこもうとしている。
もう一人は、こちらの左手を漂いながら突いてこようとしている。

彼らの動きは、計算されたように正確だ。
これなら一人ずつ倒せるかもしれない。
ただし、それには素早い行動が要求される。

この戦闘は特殊な処理で解決する事になる。
盗賊は敵を攻撃できない。代わりに毎ラウンド、サイコロを2個ふる。
出た目が盗賊の機敏度より大きければ、2匹のシルフに攻撃される。
しかし出た目が機敏度以下ならば、2匹の攻撃は互いへ向けて誘導され、シルフの攻撃は彼らに命中して互いにダメージを与えあうのだ。

テツヤはシルフ達を油断なく窺いながら、この戦法で挑む……!

【項目100】
シルフ(S)
戦闘力=7 精神力=8 鎧強度=0 生命力=14(二人とも同じ)
打撃力=サイコロ1個+3 機敏度=8

テツヤ「さあて、上手く行ったらお慰み……と」

○第1ラウンド
機敏度で判定。サイコロの目は6。
シルフの攻撃は互いにダメージを与えあい、被害は4。

○第2ラウンド
機敏度で判定。サイコロの目は3。
シルフの攻撃は互いにダメージを与えあい、被害は4。

○第3ラウンド
機敏度で判定。サイコロの目は6。
シルフの攻撃は互いにダメージを与えあい、被害は8。
シルフ達の生命点が0以下になったので戦闘は終了である。

テツヤ「よーし、上出来。上手い事いったな」

ミヤ「おー、叔父ちゃんさすが!」

しかし、間髪いれずに次の問題が……

【項目350】
真っ黒な雲が、深い谷の底から渦巻きながら昇ってくる。
楼門に向かって橋をのぼる。
傾斜は緩やかだ。
その時突然、ガラガラという大きな音がして、門が開き、そこから、人間の骨と血の波がドッと押し寄せてきた。
このままでは、橋の上から押し出されてしまう!

テツヤ「なんだ突然! こんな狭い橋に罠を2連発なんてするんじゃねぇよ!」

文句を言っても始まらない。バトルオーダー順に、この問題に対処せねばならないのだ。

【項目409】
Photo(盗賊)

敏捷性と素早い判断力、どちらが役に立つだろう?

テツヤ「自分がどう行動するのかノーヒントで選ばせてくれるとはな。泣けるぜ」

まぁ盗賊のサバイバビリティの高さゆえ、ここは「高確率で生きのびる方法」「確実に生きのびる方法」の2択なのだ。
ちなみに判断力勝負が「確実に成功」である。

【項目112】
(盗賊)

素早く状況を分析し、ある考えがはっと閃いた。
急いでマントを脱ぎ、橋をまたぐように広げた。
そしてその両端を掴んで、橋の下にぶら下がった。
頭の上を激流が通り過ぎていった。
血飛沫をかぶっただけで、傷ひとつ負わなかった。
テツヤは、再び橋の上によじのぼった。

テツヤ「実際にやろうとすればかなり高難度なアクロバットだが……まぁそこは俺の技量って事でな」

【項目561】
3(僧侶)

この状況では空中浮遊術が最も有効だろう。
ミヤはその準備を始めた……。

ミヤ「次はあたしかあ。しかもどう行動するのか、もう決められちゃってるし」

その上、空中浮遊術が成功するかどうかは「成功する選択肢」と「失敗して死ぬ選択肢」の2択で判断されるのだ。

ミヤ「なにそれ。叔父ちゃんを見た後だと不公平感ありまくりじゃない!」

ここで選ぶべきは“押し寄せてくる激流を心の中からはらいのけるのに神経を集中する”という方である。

【項目185】
(僧侶)

近づいてくる骨と血の激流を心から払いのけた。
生きようが死のうがかまうものか!
生と死はともに心の中にあって、現実でもあり幻想でもあるのだ。
目を開けたとき、ミヤは宙に浮かんでいた。
激流は既に飛び越えてしまっていた。
ミヤは橋の上に降りていく。

ミヤ「本心では生きるか死ぬか、かまいまくりだけど。まークリアしたんで良しだね!」

ディアブロ「そして最後は俺だぜぇ。ま、呪文でなんとかするかね」

アイテムを使うという選択肢もあるが、適当なアイテムを持っていないし、そもそもその選択肢自体が外れだ。“緊急救出”の呪文を準備してから激流に挑む。

【項目555】
Photo_2(魔術師)

時間は3ラウンドしかない。
その間に呪文を唱えるのに成功しなければならない。
成功したら、血の波の向こうに転送されて助かる。
失敗すれば橋から押し出されて、死の谷底へ真っ逆さまだ……。

ディアブロ「さあて、サイコロ様おたのみしますぜぇ……と」

一回目。目標は6以下。サイコロを2個ふり、出目は5。

ディアブロ「ありゃま。一発で成功しちまった

激流の向こうへとワープするディアブロ。これで三人とも、橋を渡り終えた事になる。

テツヤ「やれやれ。ようやく先へ進めるぜ」

ミヤ「いよいよお城に殴りこみだね! よーし、やるぞー」

ディアブロ「ま、一筋縄じゃいかないだろうぜぇ」

城の中で待ちうける物は何か? それは次回の話だ。

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2010年2月20日 (土)

ブラッドソードリプレイ2-15 虐殺の門

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:4 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:7 機敏度:8 生命力:25
装備:ブラッド・ソードの鞘 ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金87) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 膏薬の瓶(残り5回) 手袋 毛皮のマント 毛皮の毛布

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8 機敏度:7 生命力:21
装備:六尺棒 鎧(鎧強度:3) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金87) 魔法の弓 聖アシャナクスの十字架 手袋 毛皮のマント 毛皮の毛布 金の巻物

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:4 戦闘力:7(-3) 打撃力:サイコロ1個+1(-2) 精神力:8(+1) 機敏度:6 生命力:21
装備:銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金92) 琥珀の火口箱 コマ 魔法のパン 回復薬(生命力をサイコロ2個回復) 毛皮のマント 毛皮の毛布 鉄の鈴

Photo スクリーボ

旅の途中で買われたカラス。
お値段は金貨1枚。
とりあえず当面、役に立つような能力は無い。
しょせんは金貨1枚。

前巻までのあらすじ

レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。彼らは腕試しがてらに迷宮突破競技へ挑んだ。そこで幾多の罠や敵を切り抜け、見事に優勝の栄冠を手にする。激闘を終えた三人は、再び気ままな旅を続けるが、この地で新たな冒険に巻き込まれるのであった……。

宝剣ブラッドソードの鞘を手に入れた三人は、一路、柄を持つというワイアード王国のワーロック王の下へ向かった。城門の番人・悪鬼グリスタンから逃れ、虐殺の門へ飛び込む三人。そこは無数の矢狭間が待つ、大きな部屋であった。

ミヤ「なんか、いかにもあそこから矢が飛んできますよって感じだね」

ディアブロ「ま、ただの覗き穴って事はないだろうぜぇ」

テツヤ「扉は部屋の反対側か」

【項目157】

テツヤ「仕方ねぇ! ここは一気に駆け抜ける!」

ただしバトルオーダーは1=テツヤ、2=ディアブロ、3=ミヤに変更しておく。それから三人は部屋の出口へと走りだした。が……

【項目377】
矢の攻撃を避けるために、腰を低くして扉をめざして突進する。
だが扉にたどり着く寸前に、足元の床が口を開けた。

これにより、前から二人が穴に落ちてしまう。

テツヤ「なにー!」

ディアブロ「うおー!」

気をつけよう、車は急に止まれない。

ミヤ「ちょ、ちょっとぉ。あたし一人残されても困るよ」

その上、愉快な事に追い打ちまであるのだ。

【項目39】
仲間が落ちていった落とし穴を茫然と眺めていると、壁の穴から四本の矢が飛んできた。

ミヤ「うわっ酷い!」

1本ごとにサイコロを2個ふり、戦闘力より大きい目が出ると矢が命中する。それぞれの矢の被害はサイコロ1個、鎧強度は有効だ。
判定の結果、2本が命中。ダメージは3と6だが、ミヤの鎧強度は合計4なので、実際の被害は2点しかない。

ミヤ「とはいえ、このまま矢を受け続けているわけにもいかないね。しゃあない、叔父ちゃん達の後を追うかあ」

矢を防ぐには落とし穴に飛び込むしかないらしい。
穴に飛び込むと同時に、矢の一斉射撃が始まった。

【項目213】
真っ暗闇の中、ほとんど垂直に近い坂を真っ逆さまに転がり落ちる。
落ちていくにつれて、かすかな明かりの中で、にぶく光る鉄のような物が見えてきた。
壁に突き出た鋭い鉄の刃が衣服をびりびりと引き裂く。
転がり落ちていく坂の下には赤い炎のような輝きが見える。

ミヤ「追いついたよ、叔父ちゃん!」

テツヤ「来たか! しかしまぁ、ここもどうしようも無い状況だ!」

ディアブロ「壁の刃物を掴めば落下速度を緩められそうだぜぇ」

テツヤ「手が切れるだろ!」

仕方ないのでそのまま転がり落ちていく。

【項目431】
シミだらけの藁の上に、ドスンと着地する。

ディアブロ「おやま。クッションがちゃんと用意してあったぜぇ」

それでも各人、サイコロ1個のダメージを受ける。ただし鎧強度は有効だ。テツヤが6(被害4)、ミヤが3(被害0)、ディアブロが6(被害4)のダメージ。

テツヤ「チッ、ダイス目が悪いな!」

ミヤ「で、ここはどこかなー?」

今いるのは天井の高い木造の広間。
梁はいま火がついたばかりのような赤い炎に包まれている。
広間を取り巻くテーブルの前には、火のような赤ら顔をした赤髭戦士たちが座って、蜂蜜酒をあおっている。

テツヤ「火事なんじゃねぇのか! なんで悠長に酒盛りしてる奴らがいるんだよ!」

ディアブロ「燃えてるわけじゃないって事かねえ。あの炎、照明用の魔法なのかもしれないぜぇ」

ミヤ「なんかこの広間、真っ赤っ赤だね」

広間の奥の赤々と燃える炉の前には、大男の戦士隊長が立っている。
身長は二メートル半を超え、傍らには、それに劣らぬ長さの戦斧が立てかけられてある。
隊長の隣には、見た事もないような金箔で飾られた大きな宝物箱が置かれている。

隊長はメルカニーの言葉で怒鳴った。
言葉は聞き取れなかったが、何を言いたいのかは口調で理解できた。
こちらに喧嘩を吹っ掛けているのだ。

ミヤ「戦闘になるよね、これ。みなのケガを治しておくよ」

ディアブロ「バトルオーダーも再調整だな。俺は“ネメシスの電光”を準備しておくぜぇ」

生命力はあっさり完全回復。バトルオーダーを1=テツヤ、2=ミヤ、3=ディアブロへ変更。

テツヤ「準備完了! よし、挑戦を受けて立つぜ!」

【項目92】
隊長は戦斧を頭上にふり上げて、気違いじみた笑い声をたてた。
他の戦士達は、拳でテーブルを叩いて歌い始めた。
血が流れるのを見たがっているのだ。

隊長(C)
戦闘力=8 精神力=6 鎧強度=1 生命力=30
打撃力=サイコロ2個+1 機敏度=7

ディアブロ「物理攻撃のみの敵単体か。餌食だぜぇw」

テツヤ「……またあの戦法か」

ミヤと機敏度が同点なのでダイス勝負。ミヤが6、敵が3でミヤの先攻である。

B11○第1ラウンド
テツヤ:防御
ミヤ:F-5へ移動
隊長:テツヤを攻撃。出目9で失敗。
ディアブロ:C-3へ移動

○第2ラウンド
テツヤ:防御
ミヤ:F-6へ移動
隊長:テツヤを攻撃。出目9で失敗。
ディアブロ:B-3へ移動

ここで勝ち確定である。後はテツヤが敵の斜めマスへ動き続ければ良い。6ラウンド目に呪文が成功、ダメージ30(被害29)。残り1点になった敵をテツヤが剣でつつき、6点のダメージ(被害5)を与えて7ラウンド目に撃破した。

ディアブロ「無傷で勝利、余裕だぜぇ」

テツヤ「ブラッドソード未プレイの人間がこのリプレイ読んだら、原作を誤解しそうだな……」

【項目451】
流れ出る汗をぬぐいながら、部下の戦士達に向かって身構える。
しかしそいつらは、こちらに襲いかかってくるどころか、声をそろえて何事か怒鳴っている。
その中の一人が立ち上がると、酔っぱらいのような千鳥足でやってきた。
そして、こちらの手に
象牙の杯を押し付けると、再び自分の椅子にドスンと腰をおろした。

ミヤ「ほほう。健闘を讃えてプレゼントをくれたんだね」

テツヤ「あんな戦法でも物くれるのか。酔ってんじゃねぇの、こいつら」

ディアブロ「結構な事じゃないの。ついでに箱の中身もいただいていこうぜぇ」

【項目334】
壁の側に置かれた箱をこじ開ける。
中には、金の柄のついた
戦斧が収められていた。

テツヤ「武器か。どんな代物なのか……」

ミヤ「あっ! あたし知ってる!」

【項目541】
3 (僧侶)

あっと息をのんだ。
それは、伝説に名高いヘラクロスの戦斧だ!
この戦斧は、一人の人間を死に至らしめる魔法の力を持つといわれている。
戦士が持つのが一番だとミヤは考えた。

ミヤ「考えはしたけど、うちに戦士やってる人いないよね」

テツヤ「そもそも人を一人殺すってのは、持ち主が死ぬって意味か?」

ディアブロ「敵一人殺したら武器がブッ壊れるのかもしれないぜぇ」

テツヤ「ただの欠陥品だ、それは!」

ミヤ「ま、実はただの無害な魔法の武器だから安心してよ」

【項目454】

戦士以外は誰が持っても威力は変わらない。ディアブロは武器を使わないし、テツヤは既に戦闘力の上がる剣を持っている。そこでこれはミヤが持つ事にした。

テツヤ「六尺棒術が使えないぜ?」

ミヤ「現状、使ってないからいいよ」

【項目400】

戦士以外のキャラクターが使う場合、この斧は戦闘力を1上げてくれる。戦士ならば打撃力も1加算されるのだが、まぁいない物は仕方が無い。

ミヤ「これであたしも戦闘力8だ! 安定して命中する数値になったよ。よーし、この斧で悪者のドタマをかち割ってやろう!」

テツヤ「棒とか斧とか、女性らしさとは無縁の武器ばかりだな。こいつは」

ディアブロ「ドワーフの♀が“人間の美少女と同じ外見”として描かれる昨今、別にそうでもないんだぜぇ」

まぁ武装が強化されるにこした事はない。斧をぶちかます相手を求め、次回へ続く。

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2010年2月17日 (水)

ブラッドソードリプレイ2-14 不死身の門番

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:4 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:7 機敏度:8 生命力:25
装備:ブラッド・ソードの鞘 ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金87) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 膏薬の瓶(残り5回) 手袋 毛皮のマント 毛皮の毛布

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8 機敏度:7 生命力:21
装備:六尺棒 鎧(鎧強度:3) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金87) 魔法の弓 聖アシャナクスの十字架 手袋 毛皮のマント 毛皮の毛布 金の巻物

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:4 戦闘力:7(-3) 打撃力:サイコロ1個+1(-2) 精神力:8(+1) 機敏度:6 生命力:21
装備:銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金92) 琥珀の火口箱 コマ 魔法のパン 回復薬(生命力をサイコロ2個回復) 毛皮のマント 毛皮の毛布 鉄の鈴

Photo スクリーボ

旅の途中で買われたカラス。
お値段は金貨1枚。
とりあえず当面、役に立つような能力は無い。
しょせんは金貨1枚。

前巻までのあらすじ

レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。彼らは腕試しがてらに迷宮突破競技へ挑んだ。そこで幾多の罠や敵を切り抜け、見事に優勝の栄冠を手にする。激闘を終えた三人は、再び気ままな旅を続けるが、この地で新たな冒険に巻き込まれるのであった……。

宝剣ブラッドソードの鞘を手に入れた三人は、一路、柄を持つというワイアード王国のワーロック王の下へ向かった。真のマグスの部下・オーガスタスを退け、流氷の海を渡る。ワイアードへ着いた三人は『永遠のたそがれ城』を目指し、ソーンズの森を抜けようとする。

ミヤ「さーて、お城はどこかなー……と」

テツヤ「あそこ……湖の向こうに見える、アレじゃねぇか?」

ディアブロ「おやま。本当に森を抜けたすぐそこにあったぜぇ。ま、易々とは入れないと思うけどねえ」

 とりあえずバトルオーダーは1=テツヤ、2=ミヤ、3=ディアブロ。ディアブロには“ネメシスの電光”を準備させておく。

【項目168】
「永遠のたそがれ」城が目の前にそびえていた。
それは湖の真ん中の小島の上に、堂々たる偉容を見せていた。
中央の本丸からは、凍りついた湖上の上を渡る屋根つきの橋が三本延びている。
湖の岸には、それぞれの橋に通じる門がある。
混乱の門と虐殺の門と恐怖の門だ。

ミヤ「あれが、ウルバちゃんの言ってた三つの門だね」

テツヤ「どれがどれか、見てわかるか?」

ミヤ「うーん……ま、近くに行けばわかるんじゃない?」

ディアブロ「そう簡単には行かせてくれないみたいだぜぇ?」

210 何物かのうなり声が足元の地面を揺らした。
岩陰から巨大な化け物が現れた。
そいつは二本足でよたよたと歩いている。
身体をおおう鱗は、一枚一枚が騎士の盾のように大きく、角は槍の柄のように太い。
そいつの足がかかると、雪は融け、わずかに残った草もしなびて枯れた。
ワーロック王の砦の周囲を見張る化け物、グリスタンだ。

テツヤ「海にも番人、森にも番犬、そして城にも門番か!」

ミヤ「いやー、防犯に熱心だね」

ディアブロ「さすがワーロック王さんは何世紀も統治者やってるだけの事はあるぜぇ」

テツヤ「こっちにとっちゃ面倒極まりねぇがな!」

グリスタン(G)
戦闘力=8 精神力=8 鎧強度=3 生命力=60
打撃力=サイコロ3つ+1 機敏度=6

テツヤ「典型的なウスラデクだな!」

ディアブロ「それでも俺と機敏度が互角だぜぇ」

1d6を振りあって、ディアブロが2で敵が5。先手は取られてしまった。

B10_2○第1ラウンド
テツヤ:防御
ミヤ:D-5へ移動
グリスタン:テツヤに攻撃。13で外れ。
ディアブロ:G-4へ移動

○第2ラウンド
テツヤ:防御
ミヤ:D-6へ移動
グリスタン:テツヤに攻撃。8で外れ。

テツヤ「また盗賊の“身をかわす技術”に助けられたぜ」

ディアブロ:H-4へ移動
テツヤ(ダブルアクション):E-5へ移動

この時点で勝利確定。距離の問題でディアブロの方へは寄って行かない。テツヤとミヤを追い回すグリスタンへ、遠距離から容赦なく“ネメシスの電光”を浴びせる。

7ラウンド目に炸裂、ダメージ32(被害29)。
11ラウンド目にも放電、ダメージ33(被害30)。
17ラウンド目にとどめの一撃、残り生命力1点のグリスタンにダメージ35(被害32)。

テツヤ「どう考えても三発目は無駄すぎるだろ……」

ディアブロ「ほっほっほ、見なさいテツヤさんミヤさん。綺麗な花火ですよだぜぇ」

ミヤ「わー、悪役だー」

【項目10】
化け物が倒れると、その衝撃で地面が揺れた。
化け物の死骸に触れないようにして、湖のほとりに下りる。
湖はよどんで悪臭を放っていた。
水は凍ってはいないが、冷たくて泳ぐ気にはなれない。
門の一つに向かう。
その時、威嚇するようなうなり声がこちらの足を止めた……。

ディアブロ「おや? 卑怯攻撃でウスラデクは粉々にした筈だぜぇ?」

テツヤ「卑怯って自覚はあったんだな……」

ふり返ると、グリスタンが息を吹き返して立っている。
ワーロック王の魔力によって力を完全に回復した奴は、再びこちらに襲いかかろうとしている。

ディアブロ「おやま。“緊急救出”で逃げた方が手っ取り早かったぜぇ

テツヤ「10ラウンド以上の無駄だな!

ミヤ「ま、何か消費したわけじゃないし。逃げるのは今でもいいんじゃない?」

また奴と戦うのはエネルギーの無駄だ。
奴に背を向けて走る。

【項目432】

ミヤ「で、どの門に飛び込むの?」

テツヤ「どれがどの門だ!? わかるか?」

ディアブロ「ああ、門に表札がついているぜぇ

テツヤ「そんなわけあるか!

 しかしそうでもなければ、どれがどれか見ただけでわかる筈もない。

テツヤ「だからってな……ええい、虐殺だ!」

得られるアイテムを考慮するとここがお勧め。三人は門の中へ走り込んだ。

【項目528】
虐殺の門の落とし戸は底がかみそりの刃のように鋭くとがり、人間の血がこびりついていた。
その下には押しつぶされた骸骨が転がっている。
錆びついた鎧は穴だらけだ。
よほど素早く駆けこまなければ、こちらも同じ運命だ。
後ろからグリスタンのうなり声が聞こえてくる。覚悟を決めるしかない。

テツヤ「チッ、くどい野郎だ」

ミヤ「この門に挟まってくれないかな?」

中へ飛び込んだ途端、背後で落とし戸がドスンと落ちて、こちらと化け物を遮断した。
化け物は、落とし戸の格子の向こうでうろうろしながら唸っている。
用心して、奴のつばがかからないように、その場を離れる。かび臭い壁かけのかかる薄暗い部屋に出る。
壊れて散乱する家具に手をふれると、ほこりが舞い上がった。
やがて天井の高い円形の部屋に通じる入り口が見つかった。
中をのぞくと、壁には頭の高さの所に矢を射る穴が開いている。
そして、部屋の向こう側には閂の下りた扉が見える。

テツヤ「……いかにも穴から矢が飛んできそうだな」

ミヤ「“虐殺”の門だからって、入っただけで死んじゃう事確定、とかは無いよね?」

このゲームブックはそんなクソゲーではない。実際に何があるか……それは次回の話。

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2010年2月14日 (日)

ブラッドソードリプレイ2-13 茨の森

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:4 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:7 機敏度:8 生命力:25
装備:ブラッド・ソードの鞘 ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金87) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 膏薬の瓶(残り5回) 手袋 毛皮のマント 毛皮の毛布

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8 機敏度:7 生命力:21
装備:六尺棒 鎧(鎧強度:3) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金87) 魔法の弓 聖アシャナクスの十字架 手袋 毛皮のマント 毛皮の毛布 金の巻物

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:4 戦闘力:7(-3) 打撃力:サイコロ1個+1(-2) 精神力:8(+1) 機敏度:6 生命力:21
装備:銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金92) チェッカー盤 コマ 魔法のパン 回復薬(生命力をサイコロ2個回復) 毛皮のマント 毛皮の毛布 鉄の鈴

Photo スクリーボ

旅の途中で買われたカラス。
お値段は金貨1枚。
とりあえず当面、役に立つような能力は無い。
しょせんは金貨1枚。

前巻までのあらすじ

レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。彼らは腕試しがてらに迷宮突破競技へ挑んだ。そこで幾多の罠や敵を切り抜け、見事に優勝の栄冠を手にする。激闘を終えた三人は、再び気ままな旅を続けるが、この地で新たな冒険に巻き込まれるのであった……。

宝剣ブラッドソードの鞘を手に入れた三人は、一路、柄を持つというワイアード王国のワーロック王の下へ向かった。真のマグスの部下・オーガスタスを退け、流氷の海を渡る。ワイアードへ着いた三人は『永遠のたそがれ城』を目指し、ソーンズの森を抜けようとする。

テツヤ「博打好きの原住民も退けたし、とっとと森へ入るとするか」

ミヤ「もう夜だね。朝早く村を出たのに、一日が早いなあ」

ディアブロ「これもワーロック王の魔力か、緯度の関係か。はたまた単に村と距離が離れていただけかねえ」

【項目501】
夜になり、空は真っ暗になっていた。
だが辺りは、まるで雪がほのかな光を発しているかのように、白一色だった。
背よりも高い茨の茂みが、クモの巣のように黒く浮かびあがっている。

ミヤ「夜なのにあんまり暗くないや。雪明かりにしても、反射元の光源は何なのかなあ?」

テツヤ「月も星も見えないな……。ま、考えても仕方ねえわ」

さらさらの雪を踏みしだいて進む。
いつの間にか風がやみ、寒さはいくらかやわらいでいた。
そろそろ野宿の用意をしようと考えたとき、雪を踏む微かな足音が聞こえた。

ディアブロ「で、ここらで野宿すんのかい?」

テツヤ「馬鹿言え。何か近寄って来てるってのにグースカ寝てられるか。追手の正体がわかるまで前進すんぞ」

【項目338】
何かがつけてきている。
不気味な息づかいが聞こえる。
それも一つではない。
あれは獲物を狙う猟犬の息づかいだ!

ミヤ「そういえばウルバちゃんが、王様が猟犬を森に放ってるって言ってたね」

テツヤ「そいつらのお出ましか……」

振り向いた時、茨の茂みの向こうで素早く動き回る奴らを発見した。
氷のような目と黒いつららのような牙を持つ、氷の猟犬(フロストハウンド)だ。

このシリーズには、各巻にまず勝てない敵がいる。このフロストハウンドもその一つで、ランク6~7程度の強さの敵が6~7匹いっぺんに出てくる。
無論、猟犬という生物は強くて当然ではあるが、重武装の戦士顔負けな質の敵が数も揃えて出てくるというのは、やられる方にすればたまったものでは無い。

スクリーボ(というこわけで、ここは逃げの一手だナ)

こちらが足を速めると、奴らも足を速めた。

ディアブロ「ついて来るぜぇ」

テツヤ「そりゃ猟犬だからな。とりあえず走れ!」

【項目447】
フロストハウンドは、後ろにぴったりとついてくる。
凍りつくように冷たい奴らの息を背中に感じる。
雪を踏みしだいて走るその足音も耳に響く。
仲間の吠え声を聞きつけて、奴らの数はどんどん増えていく。
足がくたびれ、息も苦しくなってきた……。

ミヤ「うわー、なんか状況が悪化してるよ!」

テツヤ「立ち止まったら最悪まで落ち込むぞ! 止まるな!」

ディアブロ「しっかし、王様を倒そうって俺らが猟犬には敵わないとはね。じゃあ猟犬が王様を襲ったらワーロック王は悲鳴あげて死ぬのかって話になるぜぇ

テツヤ「死ぬんだろ! 調教師がドーベルマンと喧嘩して勝てる見込みは低いだろうからな!

死に物狂いで走る。
前方で道は二た手に別れている。
見たところ、右の道はそのまま続いているが、左の道は洞穴に達しているようだ。
洞穴からは明かりが漏れている。
安全な隠れ家になるかもしれない。
だが逆に、そこに閉じ込められて逃げ出せなくなる恐れもある……。

テツヤ「よし左だ!」

ミヤ「そのこころは?」

テツヤ「とりあえず囲まれる心配は無くなる!」

ディアブロ「地形を利用できるならそうするってのも、このゲームの醍醐味だぜぇ」

三人は洞窟の中へ一目散に駆け込んだ。

【項目399】
洞穴の入り口には、毛皮の敷物がかけてあった。
その隙間からわずかに明かりが漏れている。
明かりはこちらを呼んでいるようだ……。

ミヤ「誰かいるよ!」

ディアブロ「敵か味方か、考えている暇が無いのが困ったもんだぜぇ」

テツヤ「行けばわかる!」

29_2 中に飛び込むと、一瞬、目が眩む。
そこにはシチュー鍋をかけた大きな炉があった。
焼き肉の匂いがする。
ワインや蜂蜜酒の瓶がある。
凍りつきそうだった身体が生き返っていくようだ。

テツヤ「誰かの家? こんな所にか?」

ミヤ「あの人だね、住んでるの」

火の側の椅子に女が腰掛けている。
女は顔を上げてにっこり笑った。
目が暖炉の光を受けてキラキラ光った。
「さあ、お入り」
片手をあげて静かにするように彼女を制し、洞穴の入り口に戻って様子を窺う。
何も聞こえない。
猟犬は息を潜めて、待っているのかもしれない。
しかし毛皮の敷物の陰から覗いても、外には降りしきる雪と茨の茂みしか見えなかった。

ミヤ「猟犬がいない……どこ行ったんだろ?」

女が言った。
「あの連中は、ここには入ってこないよ。火が嫌いなんだろうね」

テツヤ「あなたは誰なんです?」

女に勧められるままに火の側へ近づいて、尋ねかける。
いつもなら本能的に用心するところだが、疲れと寒さがあまりに酷くて、今やそれどころではなかった。
彼女の差し出す食べ物と飲み物に思わず飛びついてしまった。
「眠る時間だよ」
女が優しく言った。
年はとっていても、美しい顔立ちの女だった。
その声を聞くうちに、いつしかいい気持ちになっていった……。

テツヤ「……眠いな……」

ディアブロ「……眠いぜぇ……」

ミヤ「……zzz……」

年老いた茶色の手が毛布をかけてくれた。
こちらを見おろした老女の顔はすっかり若返り、知性と気品とで光輝くようだった。
女のまとった白い絹の衣装も、金色の炉の火を受けて白く輝いていた……。

【項目403】
はっとして目を覚ます。
女は消えていた。
どれほど眠ったのか知らないが、すっかり元気を取り戻していた。

ここで全てのキャラクターは生命力を完全に回復する事ができる。ほぼ半分まで減っていたHPが完全回復である。

ミヤ「うーん、いい気持ちだぁ。……あれ? お婆ちゃんがいないよ」

テツヤ「代わりに何か置いてあるな」

爽快な気分で出発の準備を始める。
老女は、
琥珀の火口箱を贈り物に置いていった。

ミヤ「えーと、持って行っていいんだよね? これ」

スクリーボ(というか、クリアにはほぼ必須なのダ)

洞穴を出る。
もう夜明けが近いのではないかと考えていたのに、森は灰色の闇に包まれたままで、夜明けを思わせる物は何も無かった。
洞穴を出て北へ向かって進む。
悪魔のように枝を広げた、茨の茂みが薄明かりの中に浮かんできた。

ミヤ「夜は時間帯の割に明るかったけど、朝は時間帯の割に暗いなぁ」

テツヤ「チッ、結局いつ歩いてもあんまり変わり無いって事か」

ディアブロ「これもワーロック王の魔力なのかねえ。だったらもっと居心地良さそうな状態にしておいて欲しいもんだぜぇ」

愚痴っていても仕方が無い。三人は再び歩きだす。

【項目104】
呪われた森は果てしなく続くように思われた。
茨の茂みは無数の暗殺者が振りかざす毒を塗った黒い短剣のようだ。
雪は降りしきり、無情の風が肌を刺す。
空はどんよりした鉛色だ。

ミヤ「あんま楽しくないハイキングだなぁ。いつまでこの森、続くんだろ?」

テツヤ「誰かが“あまり長い旅にはならない”って言ってたのを信じるしかねぇな」

知らないうちに時間の感覚を失っていた。
何時間歩いているのやら、何日歩いているのやら、わからなくなっていた。
夢の中を歩いているようだ。
ぼんやりした目に映るのはどこまで行っても変わらない風景だけだ……。

テツヤ「……ん? ここは?」

そして突然、ソーンズの森の外に出た事を知る。
今立っている、雪を少しかぶった不毛の荒野の向こうには、奇妙な形の岩に囲まれた、大きな湖が広がっている。
湖の面がもの寂しい夜明けの光を受けて輝いている。
森の中を来た旅が夢のような非現実的なものに思われる。

ミヤ「なんか、いつの間にか抜けてたね」

ディアブロ「確かに長い旅にはならなかったな。洞窟を出てからは1項目だぜぇ」

テツヤ「項目数と時間をイコールで結ぶんじゃねぇよ。俺達はあの森を苦労して……」

そしてふり返って背後の雪を見た時、思わずそこに釘付けになる。
森のはずれから足元まで、雪の上にはなんの足跡も残っていない!
どうやって、足跡を残さずに雪の上を歩いてきたというのだ。

テツヤ「……抜けてきた、と思うんだが」

ディアブロ「これもワーロック王の魔力かねえ」

ミヤ「うーん……ま、着いたんだからいいんじゃない? それよりお城はどこかなぁ?」

森を抜ければ城があるというなら、すぐそこにある筈なのだ。それについては次回の話。

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2010年2月 6日 (土)

ブラッドソードリプレイ2-12 ゲームバトル

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:4 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:7 機敏度:8 生命力:25
装備:ブラッド・ソードの鞘 ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金87) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 膏薬の瓶(残り5回) 手袋 毛皮のマント 毛皮の毛布

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8 機敏度:7 生命力:21
装備:六尺棒 鎧(鎧強度:3) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金87) 魔法の弓 聖アシャナクスの十字架 手袋 毛皮のマント 毛皮の毛布 金の巻物

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:4 戦闘力:7(-3) 打撃力:サイコロ1個+1(-2) 精神力:8(+1) 機敏度:6 生命力:21
装備:銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金92) チェッカー盤 コマ 魔法のパン 毛皮のマント 毛皮の毛布 回復薬(生命力をサイコロ2個回復) 鉄の鈴

Photo スクリーボ

旅の途中で買われたカラス。
お値段は金貨1枚。
とりあえず当面、役に立つような能力は無い。
しょせんは金貨1枚。

前巻までのあらすじ

レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。彼らは腕試しがてらに迷宮突破競技へ挑んだ。そこで幾多の罠や敵を切り抜け、見事に優勝の栄冠を手にする。激闘を終えた三人は、再び気ままな旅を続けるが、この地で新たな冒険に巻き込まれるのであった……。

宝剣ブラッドソードの鞘を手に入れた三人は、一路、柄を持つというワイアード王国のワーロック王の下へ向かった。真のマグスの部下・オーガスタスを退け、流氷の海を渡る。ワイアードへ着いた三人は『永遠のたそがれ城』を目指し、ソーンズの森を抜けようとする。

テツヤ「ソーンズ(茨)の森か……名前からして地元民に好かれてなさそうだな」

ミヤ「エルフさん達がとおせんぼしたり、ワーロック王の猟犬がうろついていたりするみたいだからね。でも、その両者が戦いになったりしないのかなあ?」

ディアブロ「人知れずやってるのかもしれないぜぇ?」

【項目520】
28 雪の降りしきる中を北へ向かう。
できるだけ松の木の陰を歩いて、肌を刺す風を避けるようにして進む。
吐く息は凍り、白いきれいな雪の粉になって飛んでいった。

ミヤ「凄い、息が凍るとか何気に超低温だよ!」

デァイブロ「じきに凍ったバナナを武器にする鬼とか出て来るかもしれないぜぇ」

テツヤ「いや、それは無い」

昼過ぎには、雪は深く降り積もっていた。
やがて、黒いいばらが絡み合う森に着いた。
一本の小道が前方に延びていたが、そこを行こうとすると、灰色と緑の衣装をつけた背の高い人影がバラバラッと姿を現した。
彼らは大弓と細い銀の剣を持っている。
エルフのリーダーが進み出て、正面に立った。
そして冷たい緑色の目で、こちらの挑戦的な目を受けとめた。

「この道は我々のものだ。通行税として、血をいただく事にしている。この森の中に入れるわけにはいかんのだ。去れ! 来た道を戻るがいい。決して通しはせんぞ」
エルフはいつだってこういう言い方をする。
奴をにらみ返しながら、次の行動を考える。

ミヤ「ここはチェッカーで勝負を挑むんだよね。ウルバちゃんの助言に従うならさ」

力押しで通ろうと戦いを挑む事もできる。だがエルフ達は数が多い(7体)上に、個々の戦闘力がランク4~5のプレイヤーキャラクター程度にある。戦いを挑んでもまず勝てないのだ。

テツヤ「こういうNPCどもがいると、テメーらが悪者と戦えよ……と思うよな」

まぁ彼らはワーロック王の治世に不満を感じていないのかもしれない。彼らがマゾの集団だったり、単に何か貰っている可能性もあるではないか。

スクリーボ(まぁ無いナ)

【項目361】

ディアブロ「ようやく、ここまで延々と持ち運んできたチェッカー盤コマの出番だぜぇ」

エルフ達に用意させる事もできるのだが、自前で用意すると後でプレゼントがあるのだ。

【項目384】
エルフのリーダーは、こちらの提案に心を動かした。
多くのフェアリーがそうであるように、エルフはゲームや謎かけに目がなかった。
他のエルフ達も弓を下に置いて、こちらが素早くコマを並べたチェッカー盤をのぞきこむ。

ミヤ「じゃ、こっちのプレイヤーはあたしね!」

テツヤ「大丈夫か、おい……」

ミヤ「大丈夫だよ? だって攻略法はウルバちゃんに教えてもらってるもん。だから高慢ちきなこのヤローの鼻をあたしがへし折ってやるの。もう根元からぼっきりと」

リーダーは雪の中に座ると、チェッカー盤の向きを変えた。
「お前が黒のコマをとれ。俺が白をとる」
不満だったが、彼には挑戦を受けた者として、白か黒かを選ぶ権利がある。
彼はこちらが前に座るのを待って、最初の手を打った。

【項目546】
エルフに対してどんな作戦を用いるかを、決めなければならない。
魂を持たない彼らは、几帳面ではあっても、閃きでゲームを進めるプレイヤーではない。

ミヤ「整然とコマを進めればいいだけだよね。前進、ぜんしーん」

テツヤ「向こうが普通にプレイしたら通じ無さそうな手だな……」

ディアブロ「ま、予言は正しかったようだ。向こうの様子がおかしくなってきたぜぇ」

プレイヤー側の魔術師呪文といい、レジェンド世界の予言の信頼度は恐ろしく高いようである。

【項目321】
エルフのリーダーは、次第に落ち着きを失っていった。
こちらの戦略にどう対処していいかわからず、途方にくれているようだ。
細心の注意をはらって配置した外側のコマが彼のコマに達した時、彼はついに負けを認めた。

ミヤ「ふっ、相手が悪かったようだな。あたしに出あった不幸をのろえ」

テツヤ「勝ち方を教えてもらってた奴の態度じゃねぇだろ……」

リーダーはコマを集めながら、高慢ちきな目を伏せて、静かに言った。
「お前の勝ちだ。だが俺は、汚い手を使わなかった事で満足している。お前の方は怪しいがな」

テツヤ「確かにまぁ、完全にクリーンじゃねぇが……」

ディアブロ「ウルバの予言が正しかったって事は、エルフ側も隙あらばサマをしようとしてたって事だからねえ。“使わなかった”ではなく“使えなかった”だけって事だぜぇ」

ミヤ「負けたからって言いがかりは無しだよ。何を根拠にそんな事を言うの?」

奴は冷淡な目を向けた。
「確かに、不穏当な発言だった。その詫びをしなければなるまい。侮辱した償いに贈り物を差しあげよう」
彼が何かを呟くと、チェッカーのコマが緑色に光りはじめた。
「このコマにいま、呪文をかけた。お前が最後の敵と戦うとき、この呪文が役に立つだろう。これで借りは帳消しにしてくれ」

ミヤ「わかった、おっけー! ありがとう!」

ディアブロ「おやま。別にワーロック王と仲良かったわけじゃないのかねえ」

テツヤ「こいつら、人間の国の統治者がどんな奴で何してるのか、関心が無いだけなのかもな」

コマを受け取る。
そのとき触れたリーダーの手は、死人のように冷たかった。
エルフの兵士たちをちらりと見て、彼らの前を通り過ぎ、森の中へ入って行く。

テツヤ「さあて、森の中へ入るとするか」

ミヤ「猟犬が出るって聞いたけど、言いかえればそれだけなんだよね」

ディアブロ「そういう風に言えば楽勝に聞こえるがねぇ……」

楽勝か地獄か。森の中の実態は次回のお話。

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