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2017年8月25日 (金)

自卓リプレイ SW2.0 第1話の1

キャラクター作成

その日、もう何度目かわかりもしない、仲間内でのTRPGプレイが始まった。
総勢4人の小グループだが、日程を合わせるのに少々手こずる。
全く、世の中は思い通りにいかないものだ。

ゲーム開始前、キャラクターメイキングでもそうだった。

自分「今回はランダム作成でキャラクターを作ろうと思う」

プレイヤー達「なにィ!?」

サイコロ2個の期待値は5.5。このグループの共通認識である。
ソードワールド2.0には作成ポイントを割り振ってキャラクターを作る選択ルールがあるので、皆は自然と毎回それを使うようになっていた。
だが1回ぐらいはランダムメイキングも面白かろう……と思い、ゲームマスターを務める自分から提案したのである。

プレイヤー1「今回、ライダーメインの舞台でライダー技能持ち2人パーティにするとか言ってなかったか…?」

その通り。
今回はラクシアという舞台世界の片隅に、自分が設定したオリジナル都市とその周辺で、騎獣に乗って戦うライダーがメインとなるキャンペーンをやろう……と事前に連絡していたのである。
しかも使う種族も「この中から選べ」と、30種ほどある選択肢を10種ほどに絞らせていた。
そんな縛りを入れておいて、ダイス運に自信の無い奴らが、要求されるパーティを作る事ができるのか。
まぁ無理だろ。
しかし何も考えなかったわけではない。

自分「安心しろ。キャラ6人作れ。その中から一番使えそうな奴を選んでいいから」

公式ルールだと“作ったキャラクターを破棄して、2~3回作り直して良い”となっている。
それを、作ったキャラクターをストックして6人作成、どれを選んでも良いというハウスルールに変更だ。
これならかなり使えるパーティをかなり思う通りに用意できる筈であろう。

プレイヤー2「……種族までランダムか……」

これまたハウスルールだが、今回使って良い種族から、サイコロで決めるという事にしておいた。
もちろん、その表も自作した。
逆に生まれ(初期技能と基礎能力値傾向)は、通常作成ならランダムに決めるところを、自由に選んで良い事にした。
しかも能力値のサイコロを振ってからである。
これで「知力高めだから魔術師生まれ」「筋力高めだから戦士生まれ」等、かなり思い通りに進む筈であろう。

しばらくサイコロをふる音が響く。

やがて、4人一同で向かい合ったまま、ため息をついた。

まさかこの作成方法でロクなパーティが組めないとはな……。

プレイヤー3「全員、後衛かな…?」

あんまり偏ったパーティは、ゲームマスター(=自分)の負担が大きいから嫌だ。

こうしていつもどおり、作成ポイントを割り振って各人がキャラクターを作る事になった
やはり慣れない事はするもんじゃねぇな。

こうして完成した精鋭達は、以下のとおり。

Photo_2プレイヤーY

キャクラター名:サグウェン
種族:ソレイユ(男)18歳
器用:16
敏捷:18
筋力:24
生命:23
知力:3
精神:9

ファイター:2/ライダー:1
戦闘特技:武器習熟/ソードA
騎獣に乗って剣を振り回す純脳筋。
レベルが低くて各キャラクターのMPが低いうちは、こういうキャラがいると安定して戦う事ができる。

Photo_3 プレイヤーN

キャクラター名:セヴウェイ
種族:シャドゥ(男)17歳
器用:21
敏捷:21
筋力:15
生命:15
知力:11
精神:11

フェンサー:2/ライダー:1/レンジャー:1
戦闘特技:挑発攻撃

騎獣に乗る剣士。
これまた物理戦闘担当の前衛だが、挑発攻撃で敵の攻撃をひきつける役目のようだ。

Photo_4 プレイヤーU

キャクラター名:シエン
種族:人間(男)16歳
器用:6
敏捷:6
筋力:6
生命:12
知力:24
精神:20

コンジャラー:2/セージ:1
戦闘特技:魔法拡大/数

知力系技能担当の魔術師。
他の二人が知力を捨て去ったキャラ構成なので、こういう奴が一人は必要になる。

この3キャラクターが、今、ソードワールド2.0はラクシアの大地で旅立つ。

旅立ちの日

ラクシアという世界にデュボールという国がある。
「竜の城塞」と呼ばれ、5人のドラゴンライダーを擁する竜騎士の国だ。

公式にある国家
ここからオリジナル設定

首都の高級住宅街に、ダバイン子爵家という貴族の別荘があった。
100年以上前、当時一、二を争う竜騎士を世に出した事もある、古くからの名門である。
今は領地の管理を代官に任せ、領主を始めとした一族は首都で暮らしていたのだが……

GM(自分。以降、GMとだけ表記)「当主ビジョットは、いまいち頼りない顔を深刻に落ち込ませて言うぞ。『すまん……小豆相場が上手くいかなかった』」

シエン「小豆かぁ!?」
サグウェン「先物か……」
セヴウェイ「先物か!」

当主ビジョット(GM)「だが安心してくれ、息子達よ。お前達に負担はかけない」

そう、今回のPC3人は全員兄弟という設定である。
サイコロ3個+10で各人の年齢を決めさせたところ、サグウェンが18歳で長男、セヴウェイが17歳で次男、シエンが16歳で三男末弟となった。
全員種族が違うので、母親が異なるという事になるが……まぁ貴族だし、なんか許される手段があるだろ多分。
なお、ソレイユ族が人間と混血できるのかどうか、実は知らん。ただ「使いたければまぁいいだろ」と言ったところ、使いたがったプレイヤーがいたので許可しておいた。
まぁ身体同サイズの生身ヒューマノイドだし、なんとかなるだろ多分。

当主ビジョット(GM)「既に借金は清算してある(キリッ」

シエン「屋敷を売ったか」

当主ビジョット(GM)「領地もだ(キリキリッ)。というわけで、私はこれから親戚を頼ろうと思う。既に向こうとは連絡をとってある」

そういう子爵とPC達の横を、元使用人達が荷物を持って出て行く。
彼らの間では、こんな日が来るだろうと薄々わかっていたのだ。
母親たちの姿も、既に見えない。

幸い、馬と荷車だけは残っていた。

GM「当主ビジョットは『さあ、出発しようか』と言いながら、当然のように荷車に座っている。馬は息子が乗る物と既に決まっているようだ」

シエン「私も馬に乗れませんので、荷車で本を読んでます。さあ兄さん達、馬に曳かせてください」

セヴウェイ「お前は相変わらず体が弱いな。しゃあないから、兄上と交代で馬に曳かせるわ」

サグウェン「シエンも生命力は12あるやんけ」

能力値ボーナス+2のラインにはギリで引っかかっているので、初期レベルの後衛としては言うほど虚弱でもない

こうして馬と荷車に乗り、親戚家へ向かうダバイン子爵と息子達。
首都を出て、向かうは南西。
国境を越えて、さらにその向こうへ進む。
北をティラの樹海という広大な森、南をルデア山脈という大きな山地に挟まれた街道を3~4日ほど行くと……

GM「やがて城塞都市が見えてくる。当主ビジョットは『あれがドライダンド侯国。大きな地図には載っていないが、かつて我々の同胞だった国だ』と言うな」

サグウェン「かつて?」

60年ほど前の事。
デュボール国が国境の外・南西の未開地へ、国家主導で開拓事業を行った。
だが南・カルゾラル高原から攻めてきた蛮族軍との間で戦争が起こり、あわや全滅の危機に。
しかし当時のドラゴンライダーの一人が目覚ましい活躍をみせ、戦いはデュボール側の逆転勝利に終わった。
この戦いで本国に不満を持った開拓民達を鎮めるため、また大きな戦で開拓地の面倒を見る余裕が無くなった事もあり、デュボールはこの地を救ったドラゴンライダーに爵位を与え、この地の領主とした。
こうして誕生したのがドライダンド侯国である。

そう、今回はワールドガイドに無いオリジナル都市を舞台にするのだ。
細かい設定もある程度は決めてある。

GM「……というわけで、暴徒化した市民によって火炎瓶が役所に投げ込まれる毎日は、新領主の下で独立する事で終わりを告げたのでしたマル」

シエン「それ、今はデュボールへの反感は無いのか」

GM「ある意味では有る。だがまともに交易できる国は位置的にデュボールしかないも同然だし、そもそもかつての同国民。交易のほとんどはデュボール相手だ。戦後60年経つうちに、頭の良い奴はデュボールの大学へ行ったり、観光旅行で普通に行き来したりするようになっている。デュボールから来る奴は温泉や静養のため、ドライダンドから行く奴は大都市の店で爆買い目的だったりと違いはあるがな。流行の新ファッションがデュボールから入ってきて、カッコイイその服に『チッ、またデュボールか』と舌打ちしながら値札を確認して買って着て街の通りを歩く、というのもよくある事だ」

セヴウェイ「なるほど……気には食わないが憧れてはいるのか」

サグウェン「うーん……なんというか」

シエン「どこかの某国みたいだな」

そんなドライダンド侯国領内に入ったダバイン子爵と息子達。
しかし父の指示で、城塞都市ではなく山の方へ進路を変える。

セヴウェイ「親父? この道であってるんだよな?」

当主ビジョット(GM)「うむ。田園地帯へ行くぞ」

平野に恵まれない国なので、田園地帯はルデア山脈北辺に設けられた棚田と段々畑だ。

シエン「あれだな……これ、立派な都落ちだよな。ここまで行くと清々しい」

獣避けの柵をぬって進む。
周囲はだいたい田んぼだ。

一同「……ライス?」

当主ビジョット(GM)「この国の主食は米なのだ。(とってつけたように)ここの米は美味しいぞ」

田園地帯で一際大きな建物に向かう一行。
そこで、麦藁帽を被った恰幅の良いおっさんに会う。
60~70年前、開拓事業が始まった頃に「ならば俺も行って土地を手に入れよう」と参加した、当時のダバイン子爵家次男だか三男だかの息子にあたる男だ。
彼の名はドルレイクという。

ドルレイク(GM)「遠い所をよく来た。ビジョットがこうなるだろうとは薄々思っていたが、そこは親戚。食っていける程度の田はやろう。ビジョットがくたばるのは勝手だが、息子らまで巻きぞえにするのは良くなかろうからな。色々あるだろうが、まぁ何かあったら言え。親父に何かあれば、葬式の手配ぐらいはしてやろう」

セヴウェイ「いい人だな、このおじさん。おい親父、いつ頃くたばる予定だ」

GM「ビジョットは『何を言う。私はまだ健康だ』と言うが、この親父がまともな野良仕事などできないだろうという事は、お前達は皆知っている」

シエン「元気なのは『ムスコ』だけか……俺達というわけではなくて」

ドルレイクは周囲の田園を指し示す。

ドルレイク(GM)「ここはこの国の穀倉地帯でな。飼料をドラゴンベースに収めてもいる」

サグウェン「ドラゴンベース? どこの事だ?」

GM「それに関して、ドルレイクの使用人が出てきて説明してくれる」

わかりやすく書くと、この国のライダーギルド本部だ。
なぜ騎獣の元締めが「竜の基地」なのかというと、この国で最も流通している騎獣が多種多様なドラゴンだからである。

使用人(GM)「この国では、ドラゴンがデュボール以上に(←ここ重要。強調する)流通していますからね!」

サグウェン「デュボールだと、ワイバーンぐらいではドラゴンと認められてなかったようだが……この国には、立派なドラゴンがそんなに流通しているのか?」

頷く使用人。
彼が指さす先では、何頭もの大トカゲが荷車に米俵を乗せて曳いていた。

シエン「爬虫類……ですな」

使用人(GM)「ドラゴンです。この地の開拓民が驚いた事に、ここには爬虫・両生類型の幻獣が幾種類も住んでいましてね」

しかも人に慣れ、調教できる種類もとても多かった。
現地調達できる労働力として、牛馬の代価品として重宝し、すぐに飼育技術が確立して戦闘にも用いるようになった。
そしてデュボールからの独立後、独自の法を使うようになると、これら「人が調教可能な爬虫・両生類型の幻獣」もドラゴンの一種だと正式に定められたのである。
この国独自の分類に基づいた法律で。

無論、これはドラゴンライダーを擁する国家から分かれた地である事、最大の英雄であった初代領主もドラゴンライダーであった事が、大きな要因となっている。

まぁ後付けの設定はともかく、せっかくファンタジー世界なのだから竜騎士メインの話を一回はやりたいと思っていた。
しかし当然ながら、ドラゴンを乗り物として常用するようなレベル帯はかなり高い。
もっとやり易い、低めのレベルでプレイしたいと思い、作ったのが今回の舞台なのだ。
PCらにもその事はあらかじめ話してあり、ライダー技能持ちが1パーティに二人もいる。

シエン「確かに、それなら『ドラゴン』ですな……」

使用人(GM)「(真顔で真剣に)ええ、ドラゴンです。この国の騎士達は、みな馬ではなくドラゴンに乗っています。ドラゴンライダーの数なら、デュボールに負けていません! いや勝っています!」

サグウェン「(そこらへんをてくてく歩いている『ドラゴン』を眺めながら)ああ……そうだな……」

こうして和やかに話をしていると、血相を変えた別の使用人が走ってくる。

使用人(GM)「た、大変です! 49番倉庫に……またゴブリンが入りました!」

セヴウェイ「ゴブリンすか?」

GM「ドルレイクが形相を変えるな。『おのれぇ……八つ裂きにしてカオスにくれてやらねばならんな……!』。彼の後ろのでかいトカゲが『んげー』と鳴く」

もちろんそのトカゲがドルレイクの飼ってる愛竜カオスだ。
ドルレイクはPCらを見る。

ドルレイク(GM)「そうだ。腕に覚えがあるようだな、一つここで見せてもらおうか。役人達を呼ぶよりは早いだろう」

セヴウェイ「なるほど……これから世話になるんだから、いいんじゃないか兄貴達」

サグウェン「ではそうしようか」

ドルレイク(GM)「うむ。こちらの施しを受けるだけより、そちらの面子も立とうからな」

横目でビジョットを見るドルレイク。
ビジョットは明後日の方を向いて口笛を吹いている。

報酬は一人400ガメル
成功報酬だが、前金代わりに薬草類(救命草7つ、魔香草3つ)を渡される。
また、ゲーム的には既に所持金を減らして購入していた筈の最初の騎獣を、ここでドルレイクの厩舎から渡してもらえた。

サグウェンはコアトル姿の飛行種ドラゴンを、セヴウェイはオロチ姿の蛇型種ドラゴンを借りる。
無論、両方とも今回のために作成したオリジナルデータだ。
各タイプの説明はここで
初期作成キャラの最初のシナリオから、飛行や攻撃阻害能力を利用できる、結構PCらに有利なデータだと思う。

そして慣れない土地を案内する意味も兼ね、使用人の一人が同行してくれる。

Photo_5 同行NPC

キャクラター名:ザウェル
種族:人間(男)22歳
器用:16
敏捷:16
筋力:8
生命:12
知力:18
精神:18

プリースト(ル=ロウド):2/スカウト:1
戦闘特技:魔法拡大/数

このゲームである程度技能構成に融通の利くパーティを作ろう思うと、メンバーが4人程度は必要になる。
よってゲームマスター側から、プレイヤーが持っていないがパーティ全体には欲しい技能を担当するキャラクターを1人同行させる事にしている。

準備は万全、最初のミッションを開始。
古典ファンタジーRPGではかつてド定番だった初回ミッション、ゴブリン退治である。
はてさてどうなる事か。

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