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2012年10月

2012年10月24日 (水)

作業その1

「魔人竜生誕」のiアプリの話。

 編集のS氏やiGameBookの方とメールをやり取りしていると、やはり嬉しくてテンションが上がり気味になる。
 ではやる気のあるうちに次の作業を……と思いいきや、今のところ、自分が行う作業は特になかったりする。
 まぁしゃあないわな……今回は原作を提供する側で、自分が作成するわけじゃないからのう。

 なお、既に一通り行った作業ではあるが――

 今回の話が持ち上がった後、今一度「魔人竜生誕」を読み直してみた。
 そして――本来、書くべきではないとは思うが、それでもあえて書かせてもらうと――

 文章下手すぎ何これ。

 お前はそれで金をとったよな? という話になるので、これは書くべき感想では無い。
 だが書かざるをえない。

 文章ヘタスギナニコレ。

 というわけで編集のS氏に相談(極めて一方的に)し「てにをは」レベルでの修正をしておいた。制作会社には修正後の原稿を渡してもらったはずだ。よって開発が中止されず完成した暁には、本よりは読みやすい代物になる予定である。

 さて、次は何をどうした物か。
 開発中の物なので、下手な事を漏洩できんからのう。
 ○○は××する事になりました!→なりませんでした の繰り返しになっても、まぁそれはそれで面白いが、やはりあまり良くないからのう。
 

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2012年10月23日 (火)

自作近況

本当に久しぶりですが、自作ゲームブックについての近況を。

今までずっと停滞していましたし、未だに新作については再開予定未定の延期状態ですが、この度、それとは別に一つ情報をお届けできるようになりました。

iGameBookというiPhoneとiPadで遊べるゲームブックアプリのシリーズがあるのですが、そのラインナップに「魔人竜生誕」を予定していただいたのです。
別ハードへの移植、という奴ですな。

http://igamebook.jp/

(Premium Series を右にスクロール)

このシリーズでは、グレイルクエストが既にいくつか発売されており、あの展覧会の絵もこの前出されたので、知っている方もおられるかもしれません。
そこに著作を加えていただける事、とても光栄でございます。

無事に発売まで至った暁には、さしでがましくはありますが、応援のほど、ぜひともよろしくお願い申し上げます。

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2012年10月21日 (日)

ブラッドソードリプレイ3-17 復活と喪失

このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:5 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ2個 精神力:7 機敏度:8 生命力:31
装備:ブラッド・ソードの鞘 ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 弓 矢筒(6本) 金貨袋(所持金100) 金貨袋(所持金35) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:5 戦闘力:8(+1) 打撃力:サイコロ2個 精神力:8 機敏度:7 生命力:26
装備:ブラッド・ソードの柄 ヘラクロスの戦斧 鎧(鎧強度:3) 魔法の弓 矢筒(6本) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金100) 金の巻物 司祭長の杖

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:5 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8(+1) 機敏度:7 生命力:26
装備:銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金100) 琥珀の火口箱 魔法のパン 鉄の鈴 聖アシャナクスの十字架 真鍮のびん

Photo スクリーボ

旅の途中で買われたカラス。
お値段は金貨1枚。
とりあえず当面、役に立つような能力は無い。
しょせんは金貨1枚。

レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。伝説の“生命の剣”ブラッドソード探索の旅を続け、その柄と鞘を手に入れた彼らは、最後の部品である刀身を探す。刀身を求めてたどり着いたのは、十字軍が拠点とする都・クレサンチウムだった……。

ブラッドソードを手に入れるため、ササリアン王子に協力した三人。裏切られはしたもの、街の地下にあった古代遺跡でガーディアンを倒し、王子を追いつめる。だが王子を討ったのは、道中で知り合った暗殺者のハサンだった。目指す物はもうすぐそこだ……。

ミヤ「ボスキャラもやっつけたし、ブラッドソードの刃はすぐそこだよね! れっつごー!」

テツヤ「さすがにもう面倒事はねぇよな」

スクリーボ(実はあるのダ。あと一つ)

そんな事は露と知らぬ三人、ハサンとともに迷宮の最深部へと向かう。そこには……。

【項目40】
310 ハサンははね上げ戸に近づき、それをこともなげに開けた。
こちらも試しに持ってみたが、凄い重さだ。
彼のしなやかな身体には普通の人間の三倍ほどの力が秘められているに違いない。
まったく、彼がこちらの敵でなくて幸運だった。

ディアブロ「普通の人間というと、そこらを歩いているオッサンとかで、ランクにすると1ってところか。その3倍だから、ハサンはランク3のキャラクターなんだぜぇ」

テツヤ「なるほど。クソ強い凄腕NPC様かと思いきや、ちょっと腕に覚えのある程度の冒険者だっんだな。んなわけねーだろ

彼の後について、白い大理石でできた細長い大広間に入る。
磨き上げられた黒い花崗岩の柱が、はるか向こうの壁までずらりと二列に並んでいる。
そしてその間には、天井に達する円形の光線と、床に達する円形の光線とが見えた。
天井への光線は燃え立つように赤く、床への光線は冷たい緑色の光を放っている。
ハサンが言った。

「これは永遠の集約点だ。生と死の極なのだ。我々はハクバッドの地底を通ってここにたどり着いた。しかし実は、ここに至る道は数多く、真実も数多いのだ」

ミヤ「探せば他の場所にも別口があるんだ」

テツヤ「他の口は、外海の幽霊船から宝石をとってくる方法より遠回りなのか? そうでなけりゃ、わざわざこの道から来たのは損だった気がするな」

スクリーボ(もっと近い道が本当にあるっぽいのダ

彼と一緒に、突き当たりの灰色の石の上まで進む。
ハサンは石の上に手を伸ばして、輝く円月刀を拾い上げた。
そして腕の毛に刃をあてて切れ味を確かめ、その刀の美しさに深いため息をついた。
しかし、そこにはもっと美しい物があった。
石の上に置かれているのは、この長い年月探し求めてきたブラッド・ソードの刀身だった。
ハサンは死の剣を背中にくくりつけると、こちらを振り向いた。

「ササリアンは裏切っただろう。あの男が欲しかったのは死の剣だけだ。しかし、裏切るのがあの男の生まれながらの性質だ。覚えておくがいい。裏切りが彼の性質だったと。生命の剣と死の剣は対立すべき物ではない。二本は互いの片割れなのだ。だからこそ、我々が再び会うとき、敵同士としての再会でない事を祈るぞ」

最敬礼をして、同じ気持ちである事を彼に告げる。
目を上げたとき、彼の姿はなかった。
音も無く消えた彼の手際に驚き、敵にはまわしたくないと、心から思う。

テツヤ「ま、なったらなったで仕方ねぇが。それより今は、剣のほうだ」

ディアブロ「コイツが今まで探してきたお宝か。感慨深いぜぇ」

ミヤ「じゃ、あたしが拾うよ? 拾うからね? 拾った!」

そしてようやく、ブラッド・ソードの刀身を手に取る。
刀身は柄にきっちり収まった。
この冒険を託した、あの年老いた吟遊詩人を思い出すあの忌まわしい森のできごと以来、このために戦い続けてきた。
彼との約束がいま達成できたのだ。
生命の剣は修復された!

ミヤ「ちゃきーん! 柄と鞘と刀身が合体! 完成・ブラッドソード! 任務達成、ミッションコンプリート!」

生き残ったキャラクターに1000点の経験点が与えられる(全員で平等に分ける)。ただしレベルアップは3巻の終了時に行う。 

また、柄と鞘を所持していたキャラクターは、この二つをキャラクター・シートから消す。これからはブラッド・ソードは一つの持ち物になる。冒険を達成した事により、ブラッド・ソードの助け無しでも真のマグス達に対抗できるだけの力を得た。だからブラッド・ソードを失っても475へ進む必要はない。

テツヤ「よし、引き上げるか。コイツを使った戦いが俺達を待っているぜ」

大広間から出ていく。
ドアの側の階段の上で、すらりと背の高い男がしゃれた異国風の鎧をつけ、こちらを待っていた。
ひと目でそれが何者かを悟る。
ブラッド・ソードを探す冒険の旅に出る前からの宿敵、あのクラースの戦闘場のライバルだった男だ。

テツヤ「イコン……」

ミヤ「1巻に出てきて、再戦するみたいな事言って、全然出てこなかった人」

ディアブロ「前は遠距離攻撃に手も足も出なかった兄ちゃんだぜぇ」

テツヤ「お前らいらん事言い過ぎ」

ディアブロ「まぁ戦闘になるだろうぜぇ。ネメシスの電光を準備して、バトルオーダー3番にまわっとくか」

【項目415】
311「異国の奴らは、いつも俺の名を間違える。エイケンが先祖からいただいた俺の名だ」 

首を横にふる。

テツヤ「立ち去れ、イコン……エイケンか……名前などどうでもいい。そんな事を言い争ってなんになる。ここで一晩中、流血の戦いがあったんだ。お前も死者のリストに名前をのせてもらいたいわけじゃねぇだろ」 

奴が怒鳴った。

「俺の名誉にかけて、戦いを挑むぞ! 俺が敗れるとでも思うのか? アリのように、この踵で踏み潰してやるわ! 五年もの間、俺は追ってきたのだ。青二才め、あのクラースで俺を負かしたのは、ほんの偶然だったんだぞ。クレアンチウムにいる妹サイキの館へ着いた時、そちらもオトレメールへ来ている事を知った。

スクリーボ(そのサイキというのが、魔女プシュケの本名なのダ。それから一人で追いかけてここに来たのだから、やはりこの迷宮にはPCが通ったのとは別の、もっと楽な道がどこかにあるのだナ

その時から俺は追跡を開始した。必要とあらば、この世の果てまでも追う覚悟でな。俺の恨みは落雷のように激しいのだ!」

突然やつはおとなしくなった。
こちらを横目で睨みつけながら、奴は上着から銀の粉の袋を取り出し、粉を左右にふりまいた。
奴の後ろに真紅の炎の壁ができて、大広間の出口が塞がれた。
奴は籠手をつけた左手を炎の中に突っ込み、炎の包帯を引きずり出すと、それで自分の身体を包んだ。
以前、奴が似たような手品を使うのを見た事がある。
報復の火の呪文だ。
数年の間にかなり上達したようだ。
ため息をついて言う。

テツヤ「よしわかった、イコン。戦いたいというのなら、お前の思いどおりにしてやろう」

突然、怒声をあげて、奴に向かって突進していく。

神を恐れぬイコン(I)
戦闘力=9 精神力=9 鎧強度=2
生命力=55 打撃力=サイコロ5つ 機敏度=9
※奴に盲目的服従の呪文は効かない。戦いの最中に彼を攻撃して打撃を与えたキャラクターは、その度に報復の火の呪文のために1点の生命力を失う(鎧をつけていても同じ)。

テツヤ「俺より速いか! こいつは強敵、腕を上げたな……だがこちらには既にブラッド・ソードがある。こいつの切れ味を確かめてやるぜ!」

だがこの戦闘では使えない。

テツヤ「……なんでだ?」

仕様。そうとしか言いようが無いのだ。なにせデータが無いのだから。

テツヤ「納得いかねぇ……」

ディアブロ「ま、仕方ないねぇ。というわけでいつもの戦法で」

ミヤ「あきないね……」

ディアブロ「魔術師の商売だけにw

ミヤとディアブロの機敏度が同じなので、行動順をダイスで決める。ミヤ=2、ディアブロ=4でディアブロが先に動く。

B15○第1ラウンド
イコン:C-3へ移動。

テツヤ: B-4へ移動。
ディアブロ:E-5へ移動。
ミヤ:E-4へ移動。

ここで勝負あり。後は一番近くにいるテツヤを追って動くので、テツヤが毎ラウンド、イコンの側をちょろよろすれば、相手はずっと追いかけ続けるだけだ。
ここからディアブロは遠慮なくネメシスの電光を詠唱し始める。
というか、そうしろと言わんばかりの位置取りから戦闘が始まっている……。

4ラウンド目で詠唱成功。ダメージ27(被害25)。

ディアブロ「どうも威力が揮わないぜぇ」

ミヤ「でも相手が倒れるまで続けるんでしょ?」

ディアブロ「もちろんw」

5ラウンド目に呪文(ネメシスの電光)準備。9ラウンド目で詠唱成功、ダメージ28(被害26)。

テツヤ「イコンの生命力は残り4点か。もう斬って倒してもいいんじゃねぇか?」

ミヤ「でももし仕留め損ねたら、反撃はかなり痛いね」

ディアブロ「次のネメシスの電光が飛ぶまで安心して待っててくれていいぜぇ」

テツヤ「もういらねぇだろ! そんな強力呪文」

しかし容赦なくかつ無駄に最強の攻撃呪文を準備。

10ラウンド目に呪文(ネメシスの電光)準備。12ラウンド目で詠唱成功、ダメージ31(被害29)。撃破。

ディアブロ「おーおー、イコン殿の断末魔を聞くのも久しぶりだぜぇ。景気良くあげてくれw」

テツヤ「ロクでもねぇなコイツ……」

【項目304
イコンは血を吐いた。
顔は真っ青だ。
しかし奴は倒れなかった。
こちらの目の前で、奴は輝く霧に変わり、空中に漂いはじめた。
肉体を離れた声が言った。

「俺はお前達との以前の戦いの最後に、逃げるために霧の呪文を使った。だが、今度はそれが俺の活力を取り戻してくれる」 

奴は何を言っているのだ?
炎の壁を見つめる。
鎮火しかけているようだが、まだかなりの熱だ。

テツヤ「チッ、まだ外には出られねぇか」

ミヤ「イコンさんも何か企んでいるみたいだね? 放っておいたらマズいんじゃないかな」

実はその通りだ。だがここではイコンに対し、あるアイテムを使う事ができる。

【項目144→388
ディアブロ「取り出しましたるはこの真鍮の瓶。ジニーを閉じこめていた瓶だぜぇ」

312瓶の栓を抜いて、登っていく霧の上に逆さに掲げた。
イコンの魂胆はわかっている。
霧に包まれて、天井の生の集約点まで漂っていく気だ。
その光源から放射されているエネルギーによって傷を癒し、戦う力を回復しようと考えているのだ。

ミヤ「その集約点、あたし達が使って同じ事できないかな?」

ディアブロ「できないぜぇ」

ミヤ「なんで?」

仕様ですから。仕方が無いのでディアブロが瓶をかざす。

ところが奴は、生の集約点の光源に入る代わりに、瓶の中に吸い込まれていった。
霧が全部中に収まった時を逃さず、栓をぐいと押し込む。
イコンの声が瓶の中で響いた。

「なんという卑劣なやり方だ! 俺をここから出せ。堂々と戦う勇気もないのか?」

テツヤ「うるせー! 自分だけ無償回復しようとしてた奴が言う事じゃねぇだろ!」

イコンが黙るまで、瓶を柱に打ちつけた。
この瓶は、あの強いジニーを千年近くも閉じ込めていたのだ。
きっとこいつも閉じ込めていてくれるはずだ……。

しかし、こちらの望みどおりになるとは限らない。
万一を考え、唇を噛む。
奴がここから逃げ出したら、恨みも力も倍増させて、こちらを追ってくるに違いない。
いつ力を回復して、襲ってくるかわからないのだ。
この先ずっと、枕を高くして眠れないだろう。

テツヤ「穴でも掘って埋めるか。犬が掘り出すかもしれねぇが……」

ディアブロ「地の底へ放り込むなら、あちらに丁度いい物があるぜぇ」

ぼんやりと大広間を見まわす。
そうだ。死の集約点の緑色の輝きが、こちらの悩みを解決してくれるぞ。
伝説によれば、この光源は死の国へ直結している。
そこから生きて戻った者はないのだ。
少しだけイコンが可哀想になる。
だがほんの少しだけだ。
ちょっと躊躇った後、瓶を緑色の光の中へ放り込む。

奴はこちらの考えに気づいて、悲鳴をあげた。
奴の声が、轟く雷のように響き渡った。

「俺が死ねば、復讐はいよいよ凄まじい物になるぞ。俺は最後の望みを達成するため、先祖の霊を全て呼び寄せる。死の復讐の呪文をかけるぞ。これから落ちていく世界で彼らを招集するのだ。俺の命を奪うなら奪え。望むところだ。俺は霊達に、そちらのいちばん大事な物を奪うよう命じてやる……」

瓶は見えなくなった。
しかし、入れかわりに光線の中から何かが噴き出した。
最初は緑色の霧の塊のようだった。
しかしそのうちに、顔が見えてきた。
こちらを睨みつけ、口を開けて声にならない叫び声をあげ……やせこけた両手を差し伸べている……。
イコンの先祖の霊が、奴の最後の望みをかなえるために死の国から這い出してきたのだ。

ミヤ「死霊? だったらあたしの悪霊払いの術で……」

ディアブロ「あ、それここじゃ使えないぜぇ」

ミヤ「なんで?」

ディアブロ「仕様」

テツヤ「クソッそればっかだな!」

背を向けて逃げ出そうとする。
霊達は光線の中から次々に飛び出してきた。
奴らに取り巻かれ、その恐ろしい呪いの言葉を聞くと、身体中の血が凍るようだった。
呻き声をあげて大理石の床に倒れ込む。
不気味な笑い声が響く。
イコンの顔が霊の群れの中にちらりと見えた。
奴はやっぱり死の国へ行ったのだ。
奴の顔が迫ってくる。
そして呪いの言葉が響く。

「そちらの一番大切な物をな」

ようやく目を上げ、一瞬、視力を失ったかと疑う。
霊達は大広間から消えてしまっていた。
出口を塞いでいた炎の壁も、跡形も無い。そして、ブラッド・ソードに手を伸ばしかけて、勝利が泡と消えた事を悟る。
絶望の叫びが口から漏れた。
霊達は、死の王国へブラッド・ソードを持ち去ってしまったのだ。

テツヤ「これも仕様……か?」

ディアブロ「まぁ仕様だぜぇ」

ミヤ「むっきー! 仕様って言えばなんでも通ると思っているなー!」

残念ながら、ここらへんはイベントシーンでひたすら事態が進むだけだ。もしTRPGでこんな展開やったら、プレイヤーから少々批難も出てくるだろう。まぁここらへん、本の形式でキャンペーンゲームをやると仕方ない場面もあるという事で。 

【項目489】
落胆のあまり、茫然自失のまま、来た道を戻る。
井戸から這い出すと、ようやく夜が明け始めていた。

ミヤ「これからどうすんの?」

テツヤ「ちと思いつかねぇが、とりあえずここを出るしかねぇだろ」

足元の石など蹴飛ばしながら、とぼとぼと歩いていく三人。

【項目31
再びファティマの庭園の門を目の前にする。
門は開いていた。
そして門の前には、ファティマがハサンと並んで立っていた。
悲しい気持ちのまま、彼らに近づく。

テツヤ「とりあえず、事の顛末でも話してみっか」

ミヤ「そだね。何か耳よりな情報とかあるかもしれないし」

二人はにっこり笑って迎えてくれたが、今までの話を聞いて、たちまち眉をひそめた。
ハサンが言った

「悲しい知らせだ。エイケンという男は、よほど執念深い魂を持っていたに違いない。私がもう少しご一緒していれば、短剣で奴の心臓を貫き、この悲しい結末を防げただろうに。しかし私の言う事を聞いて、元気をお出しなさい。この世には良い事も悪い事もない。そう思えるのは全て妄想でしかないのだ。今は絶望の極みと思っているかもしれないが、見方を変えれば、事態は好転する。絶望のどん底に、ぱっと光が差し込むという事はよくあるのだよ」

テツヤ「特に情報は無かったな! 観念論かよ」

しかし短気は良くない。ハサンはともかく、ファティマには何か話があるようだ。

【項目588
ファティマがハサンの腕に手を置いた

「いいえ、ハサン。それは貴方のやり方です。貴方は、行動しようと努めずに行動します。でも他の人達は、英雄の道をめざして努力しなければならないのです。無益とわかっているもののためにも戦わなければならないのです。貴方の一生は努力とは縁が無いけれど、英雄はこの世にどっぷりつかって、人生を味わい尽くさなければならないのです」 

彼女はこちらを向いて、門の向こうの庭園を指さした。

「ハサンは敗北を受け容れ、そして拒否しろと忠告しています。でも別の方法もあるのですよ。それは危険をはらんでいますが、だからこそ貴方達は惹きつけられると信じます。生命の剣は永遠に失われたと思っているのでしょう。仇が死の国へ持ち去ったのですからね。死の王国は、二度と戻ってこれない所と言われています。でも、そうではないのです! 全ては可能なのです。それを試みる勇気さえお持ちなら、黄泉の国へ通じる道をお教えしましょう。どうすれば死の国に挑む事ができるかを、お教えしましょう……」 

ミヤ「……そっか! 黄泉の国へ持っていかれたんだから、黄泉の国へ行って取り返してくればいいだけだね! なんでこんな簡単な事に気が付かなかったのかな」

テツヤ「そりゃ、どこに行けばあの世へ着くのかわかんねぇからな」

ディアブロ「首を吊ればすぐそこだろうけど、それじゃ帰ってこれないからねぇ」

しかし帰還できる行き方に、ファティマは心当たりがあると言っている。ならば次の道は決まった。完成した伝説の剣・ブラッドソードを求める旅は、冥府の彼方へと続くのである。

次巻「死者の国から還れ!」 近日開始予定

(C)D・モリス O・ジョンソン 著 大出健 訳/富士見文庫

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2012年10月13日 (土)

戦闘力比較

久し振りにゲームブックを1冊購入。
懐かしのFFシリーズ13巻「フリーウェイの戦士」
荒廃した近未来世界を改造車で走り回るというゲームで、マッドマックスという映画の影響が窺えるらしいが……その映画を見た事が無いのでよくわからん。

幸い、キャラシートも付属していた。
車用の記入欄もあるので、横の長さは4枚折り。FF標準品は2枚折りなので倍の長さだ。
マシンガンにロケットに鉄びしと武装し、車体を装甲板で固めたダッジ・インターセプターには男の子が一度は考える「僕の欲しい強い車」感があって大変よろしい。

この恵まれた武装が「蘇る妖術使い」の主人公にもあったらのう……
ラザックごとき蜂の巣にできるんじゃなかろうか。
ラザックの剣しか通用しない? ロケットで吹っ飛ばしてボロ雑巾になった所で剣を突き刺せばええじゃろが。

そんな事を考えていると、ふと、ゲームブックで最強の主人公って誰かいな、と考えだした。
まぁ自分とてこの世で刊行されたゲームブックを全部知っているわけではないが。
知っている限りで考えてみる。
細かい順位付けは不可能なので、大まかにランク付けで。

【最強】
宇宙刑事シャイダー
イクサー1

最強争いをするのはおそらくこの二人だろう。
どちらも人間が刃物で斬りかかってどうにかできるレベルの武装じゃないし、宇宙や異次元でも戦闘可能な装備だし。
その上、ロボットや宇宙船で戦闘を挑まれても、彼らもロボットや宇宙船で対応可能。
なお、自分はシャイダーのゲームブックは持っていないが、情報によると戦闘また戦闘の脳筋ゲーであんまり出来がよろしく無いらしい。残念。
イクサー1の方は普通にお勧め。

【第2グループ:巨大兵器組】
ガンダムはじめ、ロボットアニメ原作作品
主人公が宇宙船を持っているSF作品

最強の次に来るのはここらへんだろう。
パイロットが常人でも、宇宙船のビーム砲のボタン1つ押せれば“強い戦士”ぐらいなんとでもなる。
「宇宙の連邦捜査官(FF15巻)」の主人公船には、相手の宇宙戦艦を一撃で粉砕するスマートミサイル(ただし消耗品)が標準装備されており、このランクの中でも強豪ではないだろうか(作品自体は地味でほとんど語られていない気がするが……)。
無駄にパーティメンバーの多い「さまよえる宇宙船(FF4巻)」なら、もし白兵戦になった時もそこそこ有利に戦えるかもしれん。
自分は未所持だが、聖戦士ダンバインのゲームブックもあるらしい。主人公が誰かは知らないが、もしオーラ力の高いパイロットなら、核ミサイルの直撃も防ぐオーラバリアが張れるのでこのランク最強も狙えるだろう。
なおこのランクには、あの「赤い彗星」シャア・アズナブルもいる。知名度なら群を抜く彼だが、ゲームブックになっているのは一年戦争直後であり、機体の文明レベル的にはこのランク内では低めかと思われる。

【第3グループ:変身超人】
てつを(仮面ライダーBLACK)
サイボーグを倒せ(FF17巻)
他、おそらく少数

巨大兵器組の次に来るのはこれか。
ロボ抜きならシャイダーやイクサー1とも普通に戦えるし。
やり方次第では巨大兵器組に勝つ事も充分に可能であろう。
特にてつをさんなら、面倒な魔法や超能力を使われても「キングストーンフラッシュ!」と叫んでおけばとりあえずどうにかなる。このランク最強はてつをさんで決まりだ。決定したので反論は不要。いっそ全部ぶっちぎりで最強という事でもいいぞ。むしろそうすべき。
まぁここが最も層の薄いグループである事は確かだな……。

【第4グループ:伝説の勇者】
ドルアーガの塔(鈴木直人著)
第7の魔法使い
グレイルクエストシリーズ
ブラッドソードシリーズ
ドラゴンクエストを原作にした作品

ようやく人間の話になった。
まぁファンタジーRPGの英雄達なのだが、特別な一品物の武具や魔法の奥義を許された物達という枠組みで。
仮に技量が五分なら、武装や習得呪文の差が出るだろう……という考えで、そういう物が出てこないゲームの主人公より有利だと判断。
ブラッドソードの主人公達が伝説の武器を入手できるのは、和訳版の最終巻のラストだけだがな……。
この層で最も多勢なのは、おそらくファミコンゲームが原作の双葉社勢。
だがこのカテゴリーで最強最有力なのは、やはり「グレイルクエスト」シリーズのピップか。なんせ死んでも同一人物が復活してくるからな。回数制限無しで復活が可能な主人公なんて彼ぐらいではなかろうか。ある意味では最強とも言える。

【第5グループ:TRPGソロゲーム組】
T&T ソロアドベンチャーシリーズ
ソードワールド2.0 サプリメントシリーズ

この組もファンタジー世界の冒険者にすぎないのだが、原作ゲームのルール上、レベルアップ・パワーアップの上限が物凄く高いのでカテゴライズしておいた。
まぁ実際のプレイでは、腕の立つ冒険者というぐらいで終わるか、あっさり死んで終わるかのどちらかが普通なのだが……。
「カザンの闘技場」を1000戦すれば経験値が最低100万点入るけど、そんな事を本当にした奴はいねーわな。
とりあえずレベル上限無し、地獄の爆発!と叫べば即死攻撃OKなT&Tがソードワールドよりやや有利か。でもゲームとしてのお勧めは(以下削除)。

【第6グループ:近代兵器組】
宇宙の暗殺者(FF12巻)
フリーウエェイの戦士(FF13巻)

銃や車両で武装できる人達。
ただ携行型のハンドガンが山をも吹き飛ばす魔法に勝てるかどうかは怪しいので、組としての順位はここにしておいた。
しかしある程度以上の強さを安定して得られるので、下限の高い組ではある。普通は第4・5グループより強い。

【第7グループ:冒険者たち】
該当作無数

FFシリーズなどの、剣と魔法の世界の冒険者達がここ。
“普通のゲームブック”の数限りない冒険者達がここに入る。
層は最も厚く、作品によっては上位の組へ余裕で食い込める(最後に半神になる「奈落の帝王(FF32巻)」等)。
「ドラキュラ城の血闘」などの、現代物の主人公もここに入れていいだろう。
個人的には「タイガー暗殺拳」の主人公がイチオシ。

【第8グループ:小学生の女の子】
バニラのお菓子配達便!シリーズ
他、いろいろあったらしい

いや……こういう順位付けに考慮する事自体がいろいろ間違っているとは思うが……。
「小学5年生の女の子(きみ)」と書かかれると逆に壁を感じるので、個人的には最も難易度の高い組ではある……。

とりあえずゲームブック最強の主人公を讃える意味で、久しぶりに特撮大戦でもやろうかのう。

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2012年10月 1日 (月)

D&D

D&Dといえばダンジョンズアンドドラゴンズの略称表記で、世界最古のTRPGである。
ちょくちょく行くゲーム屋で、そのD&Dの体験版ルール小冊子を貰ってきた。
エンカウンターズとやらの、メーカー主導のキャンペーン(だと思う。ちょっと曖昧ですまん)をやっているんで、良ければ参加どうですか、との事。

正直、興味はある。
なんせD&Dの名だけは知っているが、実際にやった事は無かったからな。
とりあえず「レベル1の戦士のHPは1~8」「店屋で買える長剣の攻撃力は1~8」「防具は被弾確率を下げる物であり、ダメージを軽減する物ではない」ここらへんは知っていた。

つまりレベル1戦士同士がチャンバラすると、先に一撃食らった奴が切り殺される、というシビアにもほどがあるゲームだと認識していた。

D&Dはデンジャラス&デッドリーの略です!
刃物で切りあうのが危険なのは当たり前じゃないですか!

と、まぁ半端な知識だけしか無い状態だったので、小冊子を読んでビックリ。

現行ルールは第四版との事だが、能力値が結構細分化されているんだね……。
パワーと称する技能や特技も、1キャラ10個以上あるぞ。
小冊子の簡易戦闘ルールが、これまた10ページぐらいある。
攻撃力は5~12ぐらいで、HPは30以上あるから被弾即死というわけでもなさそう。
だがサンプルキャラ4人の中に、他人のHPを回復できる奴がいない。

4版まで進むうちに、いろいろ変わったんだろうか。
サンプルキャラのイラストはおもくそバタ臭い洋絵で、これはイメージ100%だったが。

(サンプルキャラ)
パラディン・坊主のおっさん(見た目三十路)
ヒゲのドワーフ
顔皺だらけなガングロのアーチャー
オッサンの魔術師

この世界は変な病原菌のせいでオッサン以外は死滅したんだろうか。
まぁ見ているだけでプレイしたくなるのは確かなので、そういう意味ではナイスなサンプルキャラではある。
だがジジイ獣人忍者・ロンゲのイケメンがどれもいないな……プレイし易い四天王だというのに。

ジジイ:かんしゃく起こしていればそれっぽいロールプレイになる。
獣人:ギャオーとかギルルンギルルンとか言っていればそれっぽいロールプレイになる。
忍者:語尾にゴザルをつけていればそれっぽいロールプレイになる。
ロンゲのイケメン:「フッ」「ほう」「なんだと……?」と言ってればそれっぽいロールプレイになる。

嘘だと思うなら一度試してみるといい。
意外な汎用性の高さに気づくはずだ。
別に演劇団員ではないのだから、できもしないキャラを無理にする必要など無いのである。
まぁD&Dを本当にやってみるかどうかは、また別の話だが。

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