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2012年2月29日 (水)

ブラッドソードリプレイ3-13 マギ派との合戦

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:5 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ2個 精神力:7 機敏度:8 生命力:31
装備:ブラッド・ソードの鞘 ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 弓 矢筒(6本) 金貨袋(所持金100) 金貨袋(所持金35) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 木の人形

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:5 戦闘力:8(+1) 打撃力:サイコロ2個 精神力:8 機敏度:7 生命力:26
装備:ブラッド・ソードの柄 ヘラクロスの戦斧 鎧(鎧強度:3) 魔法の弓 矢筒(6本) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金100) 金の巻物

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:5 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8(+1) 機敏度:7 生命力:26
装備:銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金100) 琥珀の火口箱 魔法のパン ファティマの銀の鍵 鉄の鈴 聖アシャナクスの十字架 真鍮のびん エメラルド

Photo スクリーボ

旅の途中で買われたカラス。
お値段は金貨1枚。
とりあえず当面、役に立つような能力は無い。
しょせんは金貨1枚。

レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。伝説の“生命の剣”ブラッドソード探索の旅を続け、その柄と鞘を手に入れた彼らは、最後の部品である刀身を探す。刀身を求めてたどり着いたのは、十字軍が拠点とする都・クレサンチウムだった……。

クレサンチウムでブラッドソードを求め、三人は伝説の海賊船からエメラルドの目を奪った。これがあれば生命の剣への道が拓けるはずなのだ。魔神ジニーを従えた三人、帰路の途中にあった廃城で爺さんを助ける。爺さんはついでにもう一仕事頼んできた……。

ディアブロ「きいてやるためにはジニーへの願いを二つ使っちまうんだがねえ」

テツヤ「ああ、とんでもねぇ話だ。助けてやる側が、見返り有るどころか損しろってんだからな」

ミヤ「でもきいてあげていいよね?」

テツヤ「ああ、当然」

ミヤ「だよね!」

プレイヤー側が損する事前提で、善意のみが引き受ける動機というイベントは、本来あまり感心しない。そういう流れを“やらされる”と白ける事も多いからだ。
 だがこのゲームのこのイベント、別に必須でもなんでもないので、やりたくなければ平気でシカトして普通にクリアできる。自分がこのゲームを評価している一因でもある。

というわけで爺さんの頼みを引き受け、マギ派から若木を取り返してやる事にする。ジニーへの頼みは使いきり、クレサンチウムへ帰る道もこの後探す事になるはずだが……。

【項目316】
手に乗り移ると、ジニーがぶつぶつ言った。

「とんでもない話だ。何をしようとしているのか、自分でわかっているのか? この老いぼれを助けるために、自分の冒険をふいにしようというんだぞ。あんな爺い、狂ってるにちがいないんだ……」

ミヤ「よしなよ。あの人は助けを求めてきたんだから。できるだけの事はしてあげないと」

ふり返って修道院長に手をふる。
修道院長はここに残って、こちらの帰りを待つことに決めたのだ。
そのほうがこちらにも好都合だ。
彼を連れていけば、若木を探して取り戻すかたわら、彼をマギ派の連中から守ってやらなければならない。
彼はここにいたほうが安全だ。
どう見ても、勇ましい冒険に向いている男ではない。

ディアブロ「実際、スタート直後に失敗してたぜぇ」

テツヤ「修道院の連中が束になっても人食い鬼一匹に勝てなかったんだよな……魔物がうろつくファンタジー世界で秘宝を求める旅をするにゃ、戦力の乏しい修道院だったんだよなぁ……」

「神がお守りくださいますように!」

彼はテラスから叫んだ。
一つ目の化け物の焚火の光を背に受けて、修道院長は教会の窓を飾る聖人のように見えた。
遠ざかるサークナサールの宮殿が豆粒のようになるまで、じっと見守る。
院長の姿も焚火も、濃くなった夕闇の中に消えた。

ふと気が付くと、ジニーは夜空にのぼっていこうとしている。
飛んでいくつもりか……。
やつが説明した。

「長旅だからな。いつもなら、エネルギーを消耗するから空を飛ぶのは嫌なんだが、オパラールまでは長旅だから、しかたあるまい」

周りで雷の音が響き渡った。
嵐になった。
冷たい雨まじりの風が顔に吹き付ける。
先刻の会話を思い出して、思わずニヤリとする。
ジニーに尋ねた。

テツヤ「これを見た連中は、何と思うだろうな?」

「夜空を見上げた善良なターシム人は、何やら光りながら飛び去るものを見かけるかもしれないな。連中はそれを、伝説のデーモンだと思うだろうさ」

やつの目は東のはるか遠いオパラールをじっと見すえていた。

「だが、西の空を見ているマギ派の連中がいたとしたら……俺は大昔に、やつら一派と対決したことがあるんだ」

ジニーの声には憎しみがこめられていた。

「そいつらは、復讐に燃える天使の姿を見るだろう!」

テツヤ「おいおい。こいつもマギ派って連中にめっちゃ因縁あるんじゃねぇか」

ディアブロ「積極的に行くほどには恨んでないのかねぇ」

ミヤ「きっとあたし達の願いを使うのがもったいないって思って、黙っててくれたんだよ! ジニーも結構いい子だね!」

なぜか天使を自称しはじめたジニーに乗って、一同はマギ派の本拠地に直行する。

【項目284】
ハロガーン山脈を越えるころ、夜が明けた。
朝日を受けた雲が、はるか眼下の峰々を包んでいる。
ジニーは旅のあいだじゅう静かだった。
しかし、マギ派への憎しみを燃やしている様子はありありとうかがえた。
山の東側のふもとをめざして降下を始めた時、奴はようやく口を開いた。

「俺たちジニーは火から作られた。マギ派は火を崇めている。それなら、やつらは我々を崇めると思うだろう? ところが違うんだ。やつらの崇拝の仕方は狂っている。吸血鬼が血を崇めるように、奴らは火を崇めるんだ。捕らえたジニーから火を吸い出し、生命の無いぬけがらにしてしまう。あるいはその火を消して、やつらの奴隷にしてしまうのだ。邪悪な一族、マギ派どもめ! やつらの巣に近づくにつれ、我が一族の情熱がむらむらと蘇る! 復讐の炎が胸に燃え上がる! やつらとの対決の時には、俺も加勢するぞ!」

やつの怒りを見て、砦へこっそりもぐりこむ望みはなくなった。
やつは盲めっぽうにマギ派の砦に突っ込んでいくだろう。
それなら、やつを囮に使うのが一番だ。
少なくとも、やつに急襲されて、マギ派たちが右往左往しているうちは、若木の守りが手薄になるはずだ。

36テツヤ「なんかジニーの奴、いつのまにかスゲーやる気になってんぞ」

ディアブロ「なら率先して協力してくれりゃ、願い事を消費せせずに済んだと思うんだぜぇ」

ミヤ「ジニーも好きでわたし達に従ってるわけじゃないからね。仕方ないよ」

テツヤ「しかしジニー族をそうたくさん捕まえる事ができるんなら、マギ派の連中、強すぎなんじゃねーのか?」

マギ派の砦が地平線上に現われた。
砦は、切り立った崖の上に建っていた。
朝日に照らされて、なめらかな黒灰色の石の柱が輝いている。
建物全体が、まるで巨大な岩を削って造られたように見えるが、まさかそんなはずはあるまい……。

砦の中央の塔のてっぺんに、紅玉髄とトパーズがちりばめられた卵形のドームがのっている。
それは、第二の太陽のように、灰色の建物の上におさまり、朝日を受けて光り輝いていた。

「あの塔の上に降ろしてやったら、俺は攻撃を開始する」

ジニーが言った。

「俺が奴らを相手にしているあいだに、若木を探してくるがいい」

ここでは別れて行動するか、一緒に急襲するかを選択する事ができる。

テツヤ「まぁ別行動だな」

ミヤ「そうなの?」

テツヤ「マギ派ってのはジニー族をとっ捕まえる事ができる力があるんだろ? 正面から行くのは危険だ」

ディアブロ「まぁ負けなくとも甚大な被害を被る可能性はあるだろうぜぇ」

ミヤ「しゃあないなあ。でもジニーの掌の上じゃ、動きも制限されちゃうし仕方ないか!」

というわけで三人は別行動を選ぶ。

【項目39】
ジニーはこちらを塔の上に降ろすと、攻撃を開始するため、飛んで行った。
マギ派はあわてなかった。
銅の冠をつけ、金の縁飾りの真紅のガウンで着飾った司祭達が、中央のバルコニーに続々と現われた。
真ん中に立つ司祭長は、彼らに自分を取り巻くように合図をした。
彼は降下してくるジニーを、うす笑いを浮かべて見ていた。
自信たっぷりの様子だ。司祭達が甲高い声で歌い始めた。
司祭長が金と宝石で飾られた杖をかかげる。
杖は魔法のパワーに震えた。

テツヤ「ジニーと正面からやって勝てる自信があんのか……この世界の坊主はちと強力にすぎるんじゃねぇか」

スクリーボ(ドラゴンウォリアーズに神官なんて職そのものが無かったのはそのせいかもナ)

のんびり見物している暇はない。
こちらは塔の中へ入っていく。
ドームの中央には祭壇がしつらえてあり、その上に大きな水晶の卵が乗っていた。
ドームにはめこまれたトパーズを通して朝日が差しこみ、卵はキラキラ輝いている。

下へ降りる螺旋階段を見つける。

テツヤ「階段を降りるぐらいしかねぇかな」

ディアブロ「卵をブッ壊すってテもあるぜぇ?」

ミヤ「え? 持っていくんじゃなくて?」

ディアブロ「そんな選択肢は無いねえ。後は俺が呪文を使う程度だね」

久々に非戦闘シーンで魔術師の呪文を使うチャンスだ。

【項目75→213
Photoここで魔術師が呪文を使う事にすると、予言の呪文か魔法探知の呪文か、どちらかを選ぶ事ができる。

ディアブロ「どっちも無難で鉄板だぜぇ」

テツヤ「無難でも鉄板でもない呪文て何だよ?」

ディアブロ「ファルタインの召集

とりあえずここでは魔力探知の呪文を選ぶ。

(魔術師)

水晶の卵自体にも、そしてその周辺にも強力な魔力が感じられる。
そのあまりの強さによろめいた。
精神力がにぶったため、予言の呪文を使うのはあきらめる。

ディアブロ「というわけで半端なく感知したぜぇ。で、卵を砕くか階段を降りるかなんだが」

テツヤ「どうして卵をいきなりブチ壊すような不自然な選択肢を強調してんだ」

ミヤ「可能性その1。あの卵がマギ派の大事な物で、壊すと有利になりまーす」

テツヤ「で、その2は?」

ミヤ「単なる罠でーす」

ディアブロ「その上、やっちまったら即死だったりな。理不尽な即死こそレゲーの醍醐味だぜぇw」

テツヤ「……そんなクソな展開はねぇだろ。よし、いっそ叩き壊すか」

【項目567】
力いっぱい卵を打つ。
卵は無数の水晶のかけらとなって飛び散り、中心で火の玉が炸裂した。
水晶の破片は火を吐くような熱風に乗ってゆっくりと降り注いだ。
こちらも炎に包まれ、悲鳴をあげる。

テツヤ「熱っちー! マジで罠かよ!」

ディアブロ「ブッ壊されたマジックアイテムが暴走してんのかもしれないぜぇ」

各キャラクターは7点の生命力を失う。鎧は役にたたない。

テツヤ「ひでぇ目にあったな!」

ミヤ「生命力満タンだったから死なないけど……痛いよー」

スクリーボ(しかしこれで事態は急展開するのダ)

【項目463】
永遠に燃え続けるかと思われた火が消えた。
外は静まりかえっている。
黒くなった水晶の破片を踏んで、手すりに近づいた。
マギ派の連中が集まっていたバルコニーを見おろすと、黒焦げの死体がいくつか転がっているだけだ。
ジニーはこちらに気づき、にっこり笑って手を差し出した。
やつの手にのって、バルコニーに降りながら尋ねる。

テツヤ「何があったんだ?」

「危ないところだった。ところが突然、やつらのパワーが切れたんだ。防御の呪文を効かなくなったから、俺は雷を一発見舞ってやったんだ」

ジニーはおおげさに肩をすくめた。
焼け焦げた死体の顔に目をそむけ、臭いをかがないようにしながら、焼死体を点検していく。
何か光る物がある。
司祭長の杖だ。
奇跡的に、傷一つない。

テツヤ「何かの魔力でもあんのかね」

ディアブロ「じゃ持って行こうぜぇ」

スクリーボ(パーティ構成次第では、ほぼ必須アイテムなのダ)

指導者が死んだ今、生き残ったマギ派の連中は何の抵抗も見せなかった。
彼らは
若木を差し出した。
それを受け取った瞬間、身体に強いエネルギーがみなぎった。

これにより、全キャラクターはサイコロ2個ぶんの生命力を回復する。幸い、前の項目で受けたダメージを完全に癒す事ができた。まぁ僧侶がパーティにいるので、このイベントがなくても生命力を回復させる事はできるんだが。

テツヤ「無駄に6ゾロふっちまった……」

ディアブロ「どうでもいい時だけサイコロ様は良い目をお出しになるねえ

ジニーは得意満面の顔をしていた。
手に乗り移ると、やつが言った。

「我々の任務は、これ以上期待できないほどの成果をあげたな。これでマギ派もすぐには立ち直れないほどの打撃を与えてやったぞ!」

ミヤ「なんかジニーも嬉しそうだね! 笑顔見せてくれるの、初めてじゃないかな?」

テツヤ「文句言いまくってたわりに、コイツが一番楽しんでるよな。つーかさっきの卵、マギ派の連中の魔力源だったんだな」

若木を入手した一行、ジニーの手にのって廃城へと引き返す。

【項目494】
ジニーは空に舞い上がり、サークナサールの島へ向かった。
やつが言った。

「これで願いは使いきったな。修道院長の所に送り届けたら、おれは行くからな。あとの事は知らんぞ」

言い返す言葉が無い。
ハクバッドへ行く方法は他に考えるしかあるまい。
やつは七百年も閉じこめられていたのだ。
一刻も早く自由になりたいのも無理はない。

ディアブロ「輸送の願いの伝え方を間違ったねえ。どんな遠回りや迂回路を通ってでも絶対にクレサンチウムまで飛んでいけって言うべきだったぜぇ」

テツヤ「それ言ったら地球一周コースで帰還されそうだな」

レジェンド世界が球体なのかどうかは知らんが。

ジニーは戦いで疲れたのか、帰りに丸一日を要した。
やつの手のひらは居心地が悪く、こちらもほとんど眠れない。
疲れ果ててサークナサールの砦に到着した。

テツヤ「無人島の野宿でさえ回復する生命力が、全く回復しねぇ」

ミヤ「無人島の寝心地が良かったんだよ。あたし熟睡して12時間寝てたし!」

ディアブロ「若いうちはいくらでも寝てられるからねえ」

自分は今でも結構……まぁどうでもいい。

【項目531】
修道院長はたき火の前で高いいびきをかいていた。
老人の前に
若木を置いて、そっと彼を揺り起こす。
老人が目をさましてまず見た物は、若木だった。

ミヤ「これが求めていた若木だよね、院長さま?」

院長はまばたきをし、信じられないというように目をこすった。
しばらく口をパクパクやっていたが、言葉にならなかった。
やがて歓喜の叫びをあげて飛び起きた。

「私はまだ眠っているのだろうか? 魔王は空しい夢を見せて、私を苦しめようというのか? そうではない。この若木は本物だ! この指で触れる事ができる。若葉や芽や樹皮の香りをかぐ事もできる……確かめるために、我が身をつねってみよう。あいたっ! この痛みよりも美味なワインはこの世にあるまい。という事は、私は目覚めているのじゃな」

彼はふり返って、こちらに抱きついた。

テツヤ「危ね。よいしょ」

とっさにディアブロを爺さんの前に押し出す。おかげで院長殿が、15歳の少女に抱きつくお変態様というレッテルを張られずにすんだ。

ディアブロ「まあ構わんけどねえ…」

「私がどんな感謝したとて、すべての人間から受けるべき感謝の何百万分の一にもなりませんぞ」

やれやれと伸びをして、横になる。
どんな感謝よりも、今は眠りの方がありがたい。
眠りに落ちそうになりながら答える。

テツヤ「それはそうかもしれねぇが、生命の剣も取り戻さないことには、全てが無駄になっちまう。しかし、その事は八時間ほど忘れさせてくれ……」

そう言って目をつぶった。
数分後、院長が叫んだ。

「あれをごらんなさい! 東の空に、幻が浮かび上がりましたぞ……」

しかし、こちらは既に眠りこんでいた。

テツヤ「話は次の項目で聞くわ。じゃおやすみ」

ミヤ「zzz……」

ディアブロ「みな寝つきがいいぜぇ。俺もつきあうとしますか」

爺さんを引きはがし、ディアブロも眠りにつく。そして数時間後……

【項目435
37目を覚ますと、夕陽が沈もうとしていた。
修道院長がすぐに駆け寄ってきた。
旅の準備を整え、腕には若木をかかえている。

「ペレウスのアストラルの門をくぐって、修道院に戻ります。あなた達にこれをお渡ししようと待っていました」

彼の差し出す羊皮紙を、ねぼけた目でみつめる。
そこには謎のような絵がかいてあった。
院長が言った。

「あなた達が眠っているあいだに、東の空にこの幻が見えたのです。私はときどき幻覚を見るのですよ」

テツヤ「長いあいだ閉じこめられ、食べ物も与えられなかったあとでは、それも仕方ねぇよ」

絵を院長に戻していった。

「いいえ。これはあなた達が持っていなければなりません。この木と鹿の角とヘビとは、イグドラシルの伝説に出てくる重要なシンボルです。神はこれをあなたの冒険の案内役としてお送りくださったのです」

ミヤ「それなら、どうしてお爺ちゃんが幻を見たの?」

「おそらく、あなた達が私のいうことなら信用するからでしょう。あなたが同じ物を見たとしても、自分の目を信じたでしょうか? 私が恩返しをできるように神がこうなさったのでしょう。神は全能です。あの方がこのような示し方をなされたのなら、それが最良のやり方だったに違いありません」

絵を受け取り、荷物の中にしまう。

スクリーボ(この絵は持ち物に数えなくていいのダ。実は終盤で訪れる迷宮の地図、それも正解ルートを示しているのだゾ)

院長は袋の中から、ビスケットと塩漬けの牛肉と、ブランディーを一口わけてくれた。

 これにより全キャラクターは1点、さらに睡眠と休息で各自のランク数の半分(端数切上)の生命力を回復できる。

テツヤ「手のひらの上より石畳の方がよほど休息になるみてぇだな」

ディアブロ「しかし壊血病になりそうな保存食だぜぇ」

ミヤ「もぐもぐ……けっこうイケるよ?」

握手をかわすと、院長は壁を手探りしていって、何かを見つけた。
のぞいてみると、石の壁の上にかすかに光る物があった。

「さてと、ペレウスはなんといったかな……」

院長は目をつぶって考えた。
そして、しかめっ面をしながら、左手で鹿の角を描く異教徒のポーズを取った。

「神よ、魔法を使う事をお許しください。善い事のために行うのですから。それでは、ヴェスディジア・ヌーラ・レトロルサム!」

その言葉とともに、院長の姿は消えた。
こちらは、びっくりして立ち尽くすばかりだ。
壁にさわってみても、固いだけだった。

ディアブロ「行っちまったかい。騒がしい割にたいした事してくれねぇ爺ちゃんだったぜぇ」

テツヤ「年寄りに見返り求めるのは感心しねぇな」

しばらくしてから、テラスに出ていく。

テツヤ「問題はここからどうすっかだな。近くをハクバッド行きの船が通りがかってくれりゃいんだが」

ミヤ「ジニーは今ごろ何してるかなあ」

考えていても始まらない。ともかく三人は廃墟を出る。

【項目520】
そこには、驚いたことに、海の中に立って月と星を見ているジニーの姿があった。
やつは横目でちらりと、廃墟から出てきたこちらを見た

「それでは、院長は行ってしまったんだな。彼のためにしてやった俺たちの苦労を、ちゃんとわかってくれたのかね」

ミヤ「よくわかってくれたよ。けど、どうして行っちゃわなかったの? 七百年も閉じこめられていたから、やる事がいっぱいあるんじゃない?

やつは傷ついたような表情で、こちらを振り向いた。

「もちろん、やる事はたくさんある。実を言えば、俺は、お前たちが寝ているあいだにキータイへ行きかけた。だがその時ふと、まだそちらに借りがあるような気がしたんだ。マギ派のやつらをとっちめて、いい気分にさせてもらったからな。だからハクバッドへ連れて行ってやろうと戻ってきたんだ。ただし、これが本当に最後だぞ」

テツヤ「どう見たって、おまえの目には同情のかけらも見えないが? お前が礼儀にかなった事をする奴とも思えんしな?」

横目でやつを睨んでやる。
やつがうなり声で言った。

「言葉に気をつけろ! ハクバッドへは連れていってやる。だが侮辱は許さんからな」

そう言ってやつは手をのばし、こちらをそっとすくい上げた。

ミヤ「わあ、やっぱりこの子はいい子だよ!」

テツヤ「出してやったらまず踏みつぶそうとするような奴がかよ。思いつきで生きてるだけなんじゃねぇのか」

ディアブロ「マギ派に勝つ要因がこちらの加勢だったてのが、密かに大きい……かどうかはわからんねえ」

ミヤ「二人とも、いつまでもそういう事いうのは感心しないよ。さあ、ハクバッドへしゅっぱーつ!」

というわけで、街へ帰るのは次回のお話。

(C)D・モリス O・ジョンソン 著 大出健 訳/富士見文庫

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コメント

システム上なら選ぶ必要ない選択肢ですが、ストーリー上では重要な選択肢。確かにジニーの願いで能力底上げをしたいんですが…大半は此方を選ぶんだろうなぁと思い出します。

能力底上げがセブンセンシズ解放なら真っ直ぐ帰郷しましがね。そういえばテレビ続編の聖闘士星矢が放送されるそうですね。黄金聖闘士に昇格した星矢がいるとか。

投稿: かずお | 2012年3月 1日 (木) 18時52分

能力底上げ+武具強化で、この先を乗り切る事も可能ですが。
話の流れ的にやはりこっちルートだろうと思い、マギ派と戦っておきました。

TVオリジナル星矢……エピソードGを見るような気持ちで見た方が、いろいろな意味で良さそうですな。
映画やアスガルド編ふくめ、ああいうパラレル的な外伝て嫌いじゃありませんし。

投稿: 松友健 | 2012年3月 3日 (土) 07時50分

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