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2012年2月 5日 (日)

ブラッドソードリプレイ3-12 廃墟の鬼女

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:5 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ2個 精神力:7 機敏度:8 生命力:31
装備:ブラッド・ソードの鞘 ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 弓 矢筒(6本) 金貨袋(所持金100) 金貨袋(所持金35) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 木の人形

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:5 戦闘力:8(+1) 打撃力:サイコロ2個 精神力:8 機敏度:7 生命力:26
装備:ブラッド・ソードの柄 ヘラクロスの戦斧 鎧(鎧強度:3) 魔法の弓 矢筒(6本) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金100) 金の巻物 金の鏡 黒い絹のクッション

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:5 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8(+1) 機敏度:7 生命力:26
装備:銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金100) 琥珀の火口箱 魔法のパン ファティマの銀の鍵 鉄の鈴 聖アシャナクスの十字架 真鍮のびん エメラルド

Photo スクリーボ

旅の途中で買われたカラス。
お値段は金貨1枚。
とりあえず当面、役に立つような能力は無い。
しょせんは金貨1枚。

レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。伝説の“生命の剣”ブラッドソード探索の旅を続け、その柄と鞘を手に入れた彼らは、最後の部品である刀身を探す。刀身を求めてたどり着いたのは、十字軍が拠点とする都・クレサンチウムだった……。

 クレサンチウムでブラッドソードを求め、三人は伝説の海賊船からエメラルドの目を奪った。これがあれば生命の剣への道が拓けるはずなのだ。魔神ジニーを従えた三人、後は街に戻るだけなのだが……。

テツヤ「まぁ街に戻ってから、また一波乱あるだろうってぐらいは想像つくわな」

ディアブロ「本当に何事もなく普通に剣が落ちていて、その日のうちに悪党の親玉に出くわして袈裟斬り一つでケリがつく……てのも悪くないんだがねぇ」

 ここまで来てそんな終わり方だったら、ある意味で伝説にはなれそうだ。「え? こんな終わり方!?」と言いたくなるゲームはごく一部に本当にあるが……。

【項目44】
35夜が近くなると、ジニーを取り巻いていた嵐は徐々におさまり、やがて雲におおわれた空から、暖かい霧雨が降ってきた。
前方に垂直に切り立った岩山が見える。
その頂上は、ちょうどジニーの頭の高さだ。
これが、魔法使いサークナサールの難攻不落の砦があるというあのグレイ・ロックにちがいない。
砦の廃墟が見えている。
横を通り過ぎながら見ると、風雨にさらされた砦は、岩の頂上にはりつくフジツボの化石のようだった。

ディアブロ「空き家があるぜぇ。なかなかの年代物だと見たね」

テツヤ「立地場所を考えるに、物件としての価値は最低峰だろうがな」

そのとき明かりが目にはいった。

ミヤ「止まって!」

ジニーは立ち止まり、こちらをのぞきこんだ。

「どうしたんだ? 旅がゆっくりすぎるというのか? それとも速すぎるのか? そうか、それで気分が悪くなったんだな? 何をしたいのかいってくれ。俺はおまえのいう事を聞くためだけに生きているんだ!」

ミヤ「これ、別にお願いじゃないんだけど……。それにしても、皮肉な言い方はやめない? あたしたち、あんまし長い事いっしょにいないんだしさ。ハクバッドに着いたら別れちゃうんだし、今ぐらい仲良くしよ?」

「わかったよ。どうして止まれといったんだ?」

廃墟のあいだの明かりを指差して教えた。

ミヤ「誰かがサークナサールの宮殿にいるの。調べた方がよくないかな」

「俺たちが? 新しい友情関係からいわせてもらうが、調べるのは反対だ。サークナサールの宮殿跡にだれが住み着いていようと、こちらの知ったことか。好奇心は危険だぞ。ヴィジールと四人のドワーフの話を知らないのか……」

やつが長たらしい話をはじめる前に、黙れと合図した。

ミヤ「え? あたし、どんな話か聞きたいんだけど」

テツヤ「興味がねぇから俺が合図した」

ディアブロ「で、家の中についてのご興味はどうかね?」

テツヤ「イマイチってところかね」

ミヤ「はいはい! あたしはめっちゃ有る!」

 というわけで、ここは調べてみる事になった。

【項目306】
こちらが宮殿を調べるあいだ外で待っていればいい、とジニーにいってやる。
ただし、その後で、こちらが再び願わなくても旅を続行する、という条件つきだ。

「どっちみち、おれの体は大きすぎて、あの中に入れないものな」

やつが言った。

「まあいいだろう。真夜中まで、ここで待つことにする。それまでに戻ってきたら、ハクバッドへの旅をつづけよう。戻らないときは、もうおれを必要としないのだと考えて、好きな所へ行く。それでいいな?」

もちろん、真夜中よりずっと前に戻ってくるつもりだ。
「いいよ!」と答え、やつの手から大理石のテラスへ飛び移る。
明かりは列柱の向こうに見える。
アーチをくぐり、大広間へはいっていった。

ミヤ「たいがいの事はできる魔力があるんだから、ジニーも小さくなってついて来れると思うんだけどなー」

テツヤ「んな事に願いを1個使うのも勿体ねぇだろ」

ディアブロ「小さくなってついて来い、で願い1個。何かあった時に手助けしてもらってさらに1個。帰り道をもう1回頼んだ時に『全部使っただろ』と言われてお終いだぜぇ」

ゲームオーバー確定が見えているのにそうする理由はもちろん無い。三人だけで奥へ進む事にした。

【項目39】
大広間を進んでいくと、夕陽が雲間から顔を出し、はるか遠くの壁の高窓から、一条の血の色をした光線が差し込んだ。
そして、消えかかっていた焚火の輝きと混じり合った。
するとその燃えるような赤い光が、奇妙な光景を照らし出した。
シェロの木のような黒い肌の大女が、鉄の鍋をひざにはさんで座り、べとべとしたシチューを手ですくっては食べている。
身体の大きさも異様だが、さらに驚くべき事に、女には目が一つしかない。
額の中央に黄緑色の大きな眼球が一つはめこまれているだけだ。

ディアブロ「ギリシャ神話のオデュッセウスの航海に出てくるサイクロプスを思い出すぜぇ。単眼の人食い鬼と、それに捕まった船員達の話だが」

テツヤ「とすると、あっちにいるのが食われる船員て所か?」

女のそばに鉄の檻が置かれ、その中にあごひげの長い老人が閉じこめられている。
老人は足に灰色の木綿のゲートルを巻き、ブルーのベルベットのひきずるようなガウンをはおっている。
そして檻の格子にしがみつき、大女が食事をするのを悲しげに見守っている。

ミヤ「んー、先入観で決めるのも良くないし、もうちょい様子を見ようよ」

【項目379】
檻に閉じこめられた老人は、弱々しいうなり声をあげた。
大女は巨大な片手をかざして、夕日をさけながら頭をめぐらした。
あざけるように大女が言った。

「どうしたんだい、おチビさん? この食事をわけてほしいのかい?」

「悪魔め! それをのどにつまらせて、思いきり苦しめばいいんだ」

老人が言った。
大女は顔をしかめ、やがて下品な声で笑いはじめた。

「おあいにくさまだね。おまえの仲間はみんな、じつにうまかったよ」

大女は空の鍋を放り投げた。
鍋は後ろの炉に当たって、大きな音を立てた。

「ひと眠りするとしよう。目がさめたら、今度はお前の番だよ……」

大女は板切れを二、三本炉に放り込んだ。
船材を割ったもののようだった。
錨を火かき棒がわりに使うと、その板切れにパッと火がついた。

テツヤ「様子を見た結果、人食いの邪悪な化け物だと確定したな」

ミヤ「むむ、これは見過ごせないぞ。よし、あの怪物をやっつけてお爺ちゃんを助けよう!」

テツヤ「ああ、困ってる年寄りを助けるのはこの世の法律だと相場が決まっているからな」

ディアブロ「まぁ助ける事に異論は無いが、正面から巨人となぐり合うのは避けたいぜぇ」

 そこで使えそうな物が無いか、持ち物から探してみる事にした。

【項目2】→【項目504】
ここで取り出すのは、プシュケの塔で手に入れた黒い絹のクッション

テツヤ「よし、狙いをつけて……ほらよ!」

黒い絹のクッションを投げると、ちょうど大女の背後に落ちた。
大女はあたりを見まわしたが、こちらはとっくに柱の陰に隠れている。
大女は檻の中の老人にたずねた。

「何か音がしなかったかい?」

老人が答えた。

「べつに。自分の犯した罪への良心の呵責から、ありもしない音が聞こえたんだろうよ、根っからの悪魔め……」

物音のことは忘れて、大女がいった。

「ふん。おまえの屁理屈はいただけないね。根っからの悪魔に良心の呵責があるものかい?」

大女が後ろへ下がると、かかとがクッションに当たった。

「おや、これはなんだい? 枕じゃないか……これはいいね! 色もあたしの肌にぴったしじゃないか! 今まで目にはいらなかったというのは変だね。でも、まぁいいさ。生まれたときからあんなに欲しかった枕が手にはいったんだから」

大女が瓦礫の山のベッドに寝ようとすると、老人がいった。

「待ってくれ。おまえが目をさましたとき、私を食うというのなら、せめて最後の願いを聞いてくれ」

「だめだよ」

大女は嬉しさを押えて、吐き出すように言った。

「なあ、頼むよ。願いを聞いてもらえず、嘆きながら死んだ私の身体は、まずくなるに決まってるぞ……」

大女は考え込んだ。

「それもそうだね。それで、どんな願いなのだい?」

老人は炉のそばの背負い袋の山を指さした。

「私の仲間の持ち物の中に竪琴がある。それを私に渡してくれ。仲間の死をいたむ最後の曲を演奏したいのだ」

「そうしてあたしの眠りのじゃまをする気かい? 冗談じゃないよ!」

老人は頭をふった。

「どうしてお前は、そんなに気が短いのかね? 美しい曲なのだ。これを聞けばぐっすり眠れるぞ。そして目ざめたら、食欲も増していることだろう……」

「まったく! ベチャクチャとよくしゃべるねえ! おまえもおまえの仲間も、わけのわからないことをしゃべりまくるんだから! おまえは最後のごちそうだから、そのおしゃべりもがまんして聞いてやっているけれど、あたしは神様にお願いして、この一つ目に合わせて耳も一つにしてもらいたいよ。余計なことを聞かないですむようにね。おまえが口を開くたびに、あたしはむしずが走るんだ!」

老人が静かに言った。

「お前こそ私の十倍はしゃべるじゃないか。それで、竪琴を取ってくれるのかね、くれないのかね?」

「いいだろう。だけど、あたしの眠りのじゃまをしたら、許さないよ!」

大女は袋の中から竪琴を見つけだし、ぷりぷり怒って老人に渡した。

テツヤ「おやま。結局、願いはきいてやるのかよ」

ディアブロ「殴り殺して冷蔵庫に入れとく、という案は無いようだぜぇ」

ミヤ「冷蔵庫が無いんじゃないかな?」

大女がクッションを巨大な頭の下にあてがって寝転がると、老人は物悲しい歌をかなではじめた。
音色は静かで、メロディーは押し付けがましいところのない魅力的な物だった。
美しい調べに引き込まれ、こちらもしばし我を忘れた。
柱の陰からもう一度のぞくと、大女はぐっすりと眠りこんでいた。

テツヤ「よし今だ! 行くぞ」

そっと近づいて、檻から老人を出してやる。
ほっとして泣きそうな顔つきで彼が言った。

「ありがとう。あの女は私の仲間を一人残らず食べてしまいました。そして今夜、私も食べられるところだったのです」

こちらの声で大女が目をさますのではないかと心配したが、老人は首をふって言った。

「いいえ、よほどのことがなければ、あの女は目をさましません。私が歌ったあの歌は、コーナンブリアの吟遊詩人から教わった強力な催眠の歌なのです」

ミヤ「そうだったんだ」

そう答えたものの、大女が眠りこけているのは、やはりクッションのせいだと、こちらは思う。

テツヤ「さてどうすっか。爺ちゃんは助けたが、化け物を放っておいていいもんかどうか」

スクリーボ(実は放っておいてもゲームは何も問題無く進むし、倒しても何一つ得は無イ。ゲーム的には放っておくのが正解なのダ)

ミヤ「ほったらかしにして次の犠牲者が出たらいけないよ。やっつけよう!」

 というわけで大女を退治しておく事にする。バトルオーダーはテツヤ=1、ミヤ=2、ディアブロ=3で、ディアブロはネメシスの電光の呪文を1発だけ準備。

【項目484】→【項目398】
 

テツヤ「では遠慮なく寝込みを襲うとすっかね」

ディアブロ「はは、それでこそこのゲームの盗賊だぜぇ」

Photo(盗賊)

大女は簡単には死ぬまい。
最初の一撃で目をさましたら、抵抗してくるだろう。
最初の一撃は効果的なやつを見舞ってやるしかない。
そこで、大女の目を狙った。
大女は悲鳴をあげて飛び起き、盲めっぽうに巨大な握りこぶしをふりまわした

テツヤ「よし、こんなもんでどうだ!?」

ディアブロ「近接戦闘しかできない敵単体なら、いつものネメシス電光責めで楽勝なんだがねえ」

ミヤ「どっちにしろ卑怯な事は変わらないんだね……」

大女(G) 戦闘力=4 精神力=8 鎧強度=1 生命力=59
打撃力=サイコロ五つ-1 機敏度=5

B12_3テツヤ「この命中率なら正面からでも勝てるだろ。ディアブロの呪文が成功する前に勝負を終わらせるぜ」

ディアブロ「まあ頑張んな」

味方同士でサイコロを振りあい、ミヤ→ディアブロの順番に決定。

○第1ラウンド
テツヤ:出目5で命中。大女にダメージ11(被害10)。残り49。
ミヤ:出目7で命中、大女にダメージ2(被害1)。

ミヤ「ありゃ、ピンゾロ出ちゃった」

ディアブロ:出目5で「ネメシスの電光」詠唱失敗。
大女:ミヤを攻撃、出目7で失敗

○第2ラウンド
テツヤ:出目11で攻撃失敗。
ミヤ:出目7で命中、大女にダメージ4(被害3)。残り46。

ディアブロ:出目8で「ネメシスの電光」詠唱失敗。
大女:テツヤを攻撃、出目8で失敗

○第3ラウンド
テツヤ:出目7で命中。大女にダメージ10(被害9)。残り37。
ミヤ:出目10で攻撃失敗。
ディアブロ:出目6で「ネメシスの電光」詠唱失敗。
大女:テツヤを攻撃、出目10で失敗

○第4ラウンド
テツヤ:出目7で命中。大女にダメージ5(被害4)。残り33。
ミヤ:出目9で攻撃失敗。
ディアブロ:出目8で「ネメシスの電光」詠唱失敗。
大女:テツヤを攻撃、出目9で失敗

○第5ラウンド
テツヤ:出目6で命中。大女にダメージ4(被害3)。残り30。
ミヤ:出目11で攻撃失敗。
ディアブロ:出目7で「ネメシスの電光」詠唱成功! ダメージ34(被害33)。撃破。

電撃に打たれ、大音響をあげて大女は倒れた。

ディアブロ「ウェヘヘ、結局は俺の呪文でケリだぜぇ」

テツヤ「チッ……まぁいいだろ」

ミヤ「うーん、あたし絶不調だったなー」

ともかく、助けた老人に話を聞いてみる事にする。

【項目467】
すこし落ち着くと、老人は話し始めた。

「カールランドの北のドラッケン山のふもとに、復活派の修道院がありましてな。無慈悲な一つ目の大女に食われてしまった仲間は、そこで長く修行した修道僧で、わしは修道院長なのです。我々の負っている使命は、人類全体にかかわる重大事なのです。我々は何年もかけてその準備をしてきました。ご存じかもしれませんが、新しい千年王国の夜明けには、万物の創造主は、ご自身の作品、つまりこの世界をすべて取り除かれ、新たな世界を創りはじめられる。悪は雑草のごとくこの世から引き抜かれ、悪魔やその家来は永遠に抹消されるのです。そして我らの子孫は新たな神の王国、千年王国を見出すのです」

なるほど、一千年という年が嵐と流血の戦いの年になるだろうということは聞いていた。
その時、スパイトの門が開き、真のマグスたちがこの世に戻ってくるのだ……

ディアブロ「その地上の楽園は、戦いなしには実現しないだろうぜぇ」

修道院長が答えた。

「そのとおりだ! よくわかっておられる! 多くの人々は、その楽園が彼らの生まれながらの権利だと考えている。しかし実は、神は人間がそれに耐えうるか否かを判断なさるのだ。戦ってそれを勝ち取るだけの力があるかを。神はお導きになることはできる。しかし、この世の初めから我々を悩ませてきた悪を倒すのは、我ら人間の任務なのだ。それができないのなら、我々は楽園を手にする事は不可能なのだ」

肩に手を置き、院長をなだめる。

テツヤ「落ち着け、爺ちゃん。あんたはあの辛い体験のあとで、まだ混乱してるんだって……」

院長は激しい調子でいった。

「ちがう! わしはいま、さらに大きな苦悩に苦しんでおる。危険はまだあるのだ。わしたちは最後の審判の日の戦いに必要なある物を取り戻すため、はるばる旅をしておった。ある物とは、我らの修道院の僧たちが代々育てつづけてきた生命の若木だ。生命の大木イグドラシルから生えた若木なのだ」

テツヤ「さっきまでキリスト教的な終末論だったのに、急に北欧神話がまざったな」

ディアブロ「レジェンド世界の基本なんだぜぇ」

ミヤ「お爺ちゃん、それでその若木はどこにあるの?」

「盗まれてしまった。オパラールのマギ派の連中によってな。彼らは魔法を使って我らの防御を破り、炎の橋に乗って若木を持ち去った。わしらは、同僚ペレウスの開いたアストラルの門を使って、彼らを追おうと考えた。ペレウスはかつては異教徒であり、魔法を学んだことがあったのだ。しかし不幸なことに、彼は呪文を唱えまちがえたらしい。門はオバラールへではなく、この大広間に開いた。そして、門の中へ飛び込んだわしらは、あの化け物につかまり、檻に入れられてしまった! 神が助けをつかわさなければ、わしは食われ、わしらの探求の旅も失敗に終わったろう。さて、もう一度わしを助けていただけまいか。若木はぜひとも取り戻さねばならんのだ。生命の大木イグドラシルが、エデンの園に生えた最初の木であり、千年のあいだこの世を支えてきたように、あの若木は新しい時代を支えなければならないのだ。神を冒涜するマギ派どもから、若木を取り戻す手助けをしてくれ!」

テツヤ「いやにスケールのでかい事情が出てきたが、結局、泥棒からお宝を取り戻してくれって話だな」

ディアブロ「しかしジニーが寄り道してくれるのかねえ。回り道ふくめて一回の願いごと、という理屈に納得してくれりゃいんだが」

 ともかく、こうしていても始まらない。ジニーのもとへ戻る事にする一行。

【項目253】
院長をともなってテラスに戻りながら、彼の申し出について考える。
彼の話からすると、院長の冒険はこちらの冒険と同じぐらい重要な任務のようだ。
しかし、彼を助けて若木を取り戻すのが先決なのか、それともこのままハクバッドへ向かい、ブラッド・ソードの刀身を見つけるのが先決なのか?

ミヤ「お爺ちゃんを仲間にして、一緒にブラッドソードを探しながら若木も追いかけるってのはダメかな?」

テツヤ「さすがにそこまで融通きかせるのはゲームブックの項目数じゃ無理だろよ」

ディアブロ「コンピューターゲームでもそこまでやらせてくれるシナリオは少ないだろうぜぇ」

考え込んでいると、ジニーを見つけた院長が大声をあげた。

「ターシムのデーモンだ! 見つからないうちに、中に戻りましょう」

「ああ、ようやく帰ってきたのか。新しい仲間を連れてきたんだな。えらくカッカしている老いぼれのようだが……」

院長をまるっきり無視して、ジニーが言った。

ミヤ「失礼だよ。こちらは修道院長さまなんだから」

院長は唖然としていた。

「この……化け物と知り合いなのですか? こいつを支配しているのですか?」

ジニーは大理石の手すりに手をのばしてきた。
奴がたずねた。

「旅を続ける準備はいいか? そのおえらい修道院長さまにお別れをいって、出発しようぜ」

どうするかの判断の前に、金の鏡を持っているかどうかのチェックがある。

【項目367】
院長はこちらの持ち物の中でキラキラ光っている鏡に目をつけ、それを手にとった。
彼はうっとりしているようだった。
院長は鏡を差し出して言った

「見えるかね? この木とヘビが見えるかね? どちらも生命のシンボルだ」

輝く鏡をのぞいてみた。シミが二つある。
金属内のヒビではないか?
だが想像力を働かせるうちに、院長のいうとおり、それが一本の木と一匹のヘビに見えてきた。

院長はもう一度鏡をのぞきこんだ。

「わしは占いの術も学んだのだ。ヘビは変わって、一本の剣になったぞ。生命の剣だ……これは何を意味するのだろう? 木の根元に剣が巻き付いている。ああ、だめだ。見えなくなってしまった……」

院長はまだたきをし、頭をふった。
沈黙が流れた。まもなく彼がいった。

「この鏡は非凡な道具だ。わしは未来をあんなにはっきりと見た事がない」

生命の剣か。
彼の冒険はこちらの冒険とつながりがあるのだろうか?

ここで鏡を院長にあげるかどうか、決めておけと指示される。

ミヤ「あげてもいいんじゃない? 拾い物だし」

ディアブロ「鏡を眺めてうっとりする爺さんて時点で、それ以上かかわりたくないから、まあくれてやってもいいような気がするぜぇ」

テツヤ「嫌な言い方すんじゃねぇよ。荷物も空いて丁度いいわ」

爺さんに鏡をくれてやる事にし、次の項目へ。

【項目19→343】
ジニーへの願い事が二つ残っていると、この項目に来る事ができる。

残る願いの使い方を考える。
考えながら声に出していく

ミヤ「オパラールのマギ派の砦へ行くのに、願いの一つを使うよ。そしてそこからハクバッドへ行くのに、もう一つの願いを使うの。これでオッケーだね!」

修道院長が言った。

「いいえ、いけませんよ! 若木はここに、グレイ・ロックに持ってこなければなりません。大広間にあるアストラルの門が、私が修道院へ若木を持ち帰ることのできる、唯一の安全な道なのですから

ディアブロ「この爺さん、自分の都合しか主張しやがらないぜぇ」

テツヤ「そう言うな。爺さんの気持ちになりゃ、ああも言いたくなんだろ。しかし俺らに不都合極まりないのは間違いねぇな……」

ジニーが口を挟んだ。

「ここに戻ると、願いは使いきってしまうぞ。それに、オパラールへ行けと命じれば、ハクバッドへ行くという目下遂行中の願いは無効になる。結論を言えば、マギ派の砦へ行って、その若木を持って戻ってくることはできる。しかしそのとき、俺は立ち去る。後の事は知らん。さあ、どうするつもりだ?」

ディアブロ「選ぶ余地ないぜぇ、普通に考えたらねえ」

テツヤ「しかし手助けはしてやりてぇな」

ミヤ「ん、じゃあ決まりだね?」

どう決まりなのか。それはもちろん次回のお話。

(C)D・モリス O・ジョンソン 著 大出健 訳/富士見文庫

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コメント

最初この選択肢に辿り着いた時は無視しました。願いを無駄にしてはナラヌ!と真っ直ぐ都へ。

まぁ…ね、この先の展開は先生にお任せして、我が儘なオッサン(多分偉い方?)に振り回されますね。教養は充分なんだろうが、エメリタス同様に最後まで情報くれるのかな?とそんな甘いオッサンではなかったです。

何度もプレーしてこのオッサンの価値が解りますが、最初はただの貴重な願い消耗トラップにしか感じませんでした。設定だけ読み取れば大変重要な方なんですがね…

投稿: かずお | 2012年2月 7日 (火) 20時41分

自分が初めてここに来た時は、願い事が残ってなかったので強制進行でした。
その後、この爺さんの真の価値はわかりましたが……
ぶっちゃけ、この人を助けるゲーム的なメリットがありませんな。
というわけで攻略上は無視して通り過ぎるのが正しいんですけれど。
そこはまあ、いろいろイベントがあった方が楽しいって事で。

投稿: 松友健 | 2012年2月 9日 (木) 00時47分

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