« 全滅 | トップページ | 石の上にも…… »

2011年10月30日 (日)

聖戦士物語

今日もTRPGの話ですよ。リプレイの感想です。

先日購入したソードワールドのリプレイに、ちと面白い事が書かれており、それについて考える事がありました。
リプレイのタイトルは「聖戦士物語」です。

ほう、オーラバトラーストーリーとは……スパロボで初めてダンバインに触れた者としては、オーラ力(おーらちから)を“おーらりょく”と読んでいたのが懐かしいわい。
ハイパーオーラ斬りが主人公の並外れたオーラ力を表現するためのオリジナル武装であり、原作には無かったというのも驚きだったのう。
スパロボEX(SFC)の頃には妖精が精神コマンドを使えるシステムなど無く、聖戦士で「気合」の精神コマンドをもっているのはショウだけ。激励や気力系アイテムも無く、必要気力125(当時)のハイパーオーラ斬りは実質ショウ専用武器じゃったのよ。
まぁそれ以上に気力不要で射程9で非ビーム武器で攻撃力が必殺技級のヴェスバーがゲームを狂わせておったが……。
邪神の分身体も当時最新のガンダムの前では形無しじゃわい。

なおソードワールドの聖戦士物語では、主人公はガンダムサンドロックに乗ったカトル君ぐらいの強さです。わかり難い例えをやめるなら「微妙」の一言です。
しかしPTメンバーには、ちゃんと強い女騎士とか強力な範囲攻撃を連発する兄ちゃんとかがいるので戦闘力は問題ありません。
やったー仲間にGガンダムとWガンダムがいたよー!

自分がマスターなら、魔法技能だけ単伸ばししているナイトメアにはレベル制限かけたくなる光景。
しかしこの本のGMはそんな事はしません。

そしてここからが本題で、ゲームを作ったりゲームマスターをやったりする人間として思う所があった事なのですが……2巻の後書きに、作者氏は本人のゲームマスターとしてのスタイルをこう書かれているのですね。

「PCが積極的に関わらない限り、黒幕の都合のいいように事件は進む。不特定多数の第三者が英雄的行動で事件を解決する事はない」

実際、2巻にはドタバタに終始して何も解決しなかった話なんかもあります。
解決する方向に向かわなかったので、まぁ失敗と言えるでしょう。

ただ、その話自体は、ゲームマスターは面白おかしくシナリオを進めているのです。
また、後書き一発目に「バッドエンドルートです!嘘だけど(笑)」みたいな事が書いてあります(正確には「さあ、ついにバッドエンドルートの始まりです。いやまあ、ちょっと大げさな言い方なんですが(笑)」)。予定外の方向に向かってはいるらしいのですが、シナリオの方を修正する気満々ですね。

……むかーし昔、ゲームブックがいっぱい出ていた頃。
必須アイテムや入手情報の関係で、実質一本道だったゲームは一つじゃなかったのじゃよ……。
時には正解の道を外れたら即死だったりしてな。あーこの作者、こっちの道をちゃんと作る気なかったんだなーと、子供心にも思ったもんじゃ……。
あと個人的な体験談になってすまんがな……TRPGではな、想定した事“しかさせない”ゲームマスターというのも居るもんでのう……。

シナリオが失敗しているのだから、聖戦士物語は「完全にお手本となるリプレイ」では無いのかもしれん。
だが個人的には「TRPGのリプレイとして」面白い本だと思う。
敵から入手した手紙を読む前に燃やしたり、かつての敵が助けを求めてきた時に話や情報を聞くだけ聞いて「やっぱ嫌。じゃノシ」とやったりと、ゲームマスターサイドから見て結構頭の痛い展開があるのだが……それでもちゃんとシナリオ進行させてるもんなコレ。

アマゾンの書評なんかでは、この後書きを「言い訳ではないのか」と指摘している人もいるが。
ゲームマスターの反省は書いていても、別に誰のせいにもしていないし自己弁護も無い。
自分としてはこういう内心や思惑はどんどん書いてくれると嬉しく思う。
「作家は書いた物が全て、自分の胸の内や作品の解説は控えるべき」という意見の存在は知っているが……そう思う人は自分がそうすりゃいいだけ、読者としてならその部分を読み飛ばせばいいだけの事だわな。後書きを読み飛ばしたからって作品を読めないわけじゃねえし。表紙と違って絶対に目に入るもんでもねえし。
何より、俺が読みたい。
なんぞ参考になる事の一つもあるかもしれん。
実際この本の後書きは、ルート分岐がどうこう……という物を書く人間として少々考える事があった。
なお、アマゾンの書評自体を否定はしない。書評は一つでなかったし、総計すれば3~4点の間ぐらいだった(5段階評価、現時点)。だいたいこのぐらいでいいのではなかろうか。
個人的には4点前後だと思うので、まぁそんなに差は無い。

そういえばダメ神ユリスってノベルの時も、後書きが一番インパクト受けたが。
聖戦士物語、その作者さんがゲームマスターやってなさるわ。
だから何ってわけじゃ別にねえけど。

|

« 全滅 | トップページ | 石の上にも…… »

TRPG」カテゴリの記事

コメント

ほほぅ、ソードワールドがバイストンウェルの世界観をサポート始めましたか…ってタイトル見たら思いますよね。

私も作者さまの創作における意図などは読みたいと思っているほうです。
実際、何気ない検索から辿り着いた駄人間生誕サイトで松友先生ご自身による魔人竜生誕の解説を拝読したことが購入のきっかけとなりました。

投稿: HA | 2011年10月30日 (日) 20時44分

あとがき…ネタばらしや本音を言ってもらえるのは、書かれてましたが考えを知る上で重要な記しであり同時にどーでも良い事。申されてた様に読みたい方が読めば良いだけの事なんです。

でもマスター経験者なら分かりますが、案外自分の考えが狭くなっている事に気付かない状況が続いている事に。そんな時に他人の考えを知る事は発展のキッカケになります。勿論気付けない事の方が多いんですが、自己満足だけのマスターはプレイヤーがついてこれない状況になってしまいます。

この考えも自己満足なんですがね、完全な正解が無い問題は永遠のテーマとして立ちはだかります。そしてきっと楽しんで貰えると信じて作り続けるのがマスターや作者の使命なんですよね。

投稿: かずお | 2011年10月30日 (日) 21時06分

>>HA 殿
おお、そんな経緯があったとは。あのサイトを作ったのは無駄ではなかった。
自分が楽しむために作った物でしたが、役立って良かった。
まぁ何度も期待できる偶然ではありませんが。

>>かずお 殿
まぁ唯一絶対の正解が必要か? というとそうでもないかな、とは思う事ですな。
ともかくシナリオやゲームを作る時に、他人のやった事や考えていた事が参考になるのは事実。
反面教師的な意味の事もありますが、それも含めていろいろ見たいかな、と。

投稿: 松友健 | 2011年10月31日 (月) 22時13分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1177371/42752456

この記事へのトラックバック一覧です: 聖戦士物語:

« 全滅 | トップページ | 石の上にも…… »