« 2011年5月 | トップページ | 2011年7月 »

2011年6月

2011年6月26日 (日)

好かれるキャラクター

 今日も仲間内で集まってTRPGで遊ぶ事ができた。
 今回は予想外のハプニングもほとんど無く、概ね上手く終える事ができた。

 まぁ完全に予定通りではないし、完全に予定通りだとそれはそれで味気ない物もあるが。

 今回だしたザコモンスターに「ドレイク」という魔物を入れておいた。
 これは今あそんでいるゲームにおいて「魔物達の幹部クラス」とされている半人半竜の種、制作会社の執筆するリプレイでも4レベル少々のシナリオでボス各として登場している。

 だがウチのPC達は既に7~8レベル。
 6~7レベルモンスターのドレイクはもはやタイマンでも葬れる相手でまさにザコだ。

 ザコとしてちょうどいいレベルのモンスターは他にもいたが、今回はあえてこの「幹部として登場することが多い敵」を混ぜておいた。
 ウチでやっているキャンペーンも割と終盤になっているので、演出の一環として利用したのである。

「魔物の幹部級でさえザコとして駆り出されるほど、今首をつっこんでいる話は佳境になっているんだぜ」という演出だ。
 格闘漫画などで、本当なら強い格闘技の使い手(ボクサーとか柔道家とか)が敵の強キャラにかませ犬にされる……そんな展開に近い。

 さて実際のプレイ。
 予定通り、あっさりと叩きのめされるドレイク君。
「つ、強い! なんだコイツらはー! まさに○○達(←本命の敵)に勝るとも劣らない……」
 みたいな事を吐かせ、後は倒されて退場――になるはずだったが、PCらが「まぁ有り金おいていくなら見逃してもいいや」と言い出した。

 別にドレイク君が会心したような展開にもしていないので、慈悲をかける理由は全く無いのだが……○○達(←本命の敵)の情報も欲しいし、とるにたらない情けない相手だし、という事で命は助けてしまった。

 その後、ゲームも終わり雑談タイム。

 なぜかは忘れたが「るろうに剣心」という漫画の話になった。
 十本刀(作品の最盛期に出てきた敵幹部10人衆)はかませもダメな奴もいたが、宇水さんはもっと評価してあげるべきという流れになった。
 彼は盲目ながらも「心眼」と称するほどの超聴覚の持ち主で、獲物は盾と槍。視覚に頼らず戦えるので、盾の後ろに身を隠しながら槍で敵を突くというスタイルで戦う。

 視認も困難な超高速移動や一瞬で繰り出す6連斬など、既に超人芸が惜しげもなく出てくる展開になっていたのだが……敵組織で三番目に強いはずの男がものすごく現実的でリアルでもかなり再現できそうな戦い方をしているのは不思議。

 つーかこの人、四番目に強い岩をも砕く衝撃拳の使い手より弱そうに見えるのだが。
 岩をも砕く拳で盾ごと粉砕されて死ぬだろ。

 ボス打倒を狙っているように見せかけて本当は諦めているというセオリーの逆をやってみた性格付けもいい味を出している。確かに斬新だが、恐ろしくカッコ悪いこの設定で表現された物は小物臭だけなのではないか。

 意地っ張りな小心者が超人技も使わず防具の陰に隠れて槍で敵をつつき、それでも敵組織の三番手を維持しているのだから評価せざるを得ないはずだ。
 そんな錯覚を起こさせる宇水さん凄いですね。
 二重の極みの和尚さん(名前忘れた)も、その根性を認めて三番手を譲ってあげたんじゃないでしょうか。可哀そうだからあげるよ、てな流れで。
 二番手を譲らなかったあの小僧(名前忘れた)はまだ人間ができていないな!
 ましてや体がふっとぶ威力の突きで宇水さんを殺害した斉藤氏は反省すべき。ただの人に超人技をぶつけてはいけないだろう。強者は弱者への労りを忘れるべきではない。

 今日のセッションと雑談で感じた事:不遇な凡人は共感してもらえる。

 だって自分たちは超人でもエリートでもヒーローでもないから!
 ゲーム内でそれらになろうとも、プレイヤー目線は変わってないから!

 今回あり金と引き換えに命は助けてもらえたドレイク君、名ありキャラに昇格させてまた出そう。次の役割は本命敵の直接ふみ台かな……。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2011年6月19日 (日)

ブラッドソードリプレイ3-10 激戦海賊王

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:5 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ2個 精神力:7 機敏度:8 生命力:31
装備:ブラッド・ソードの鞘 ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 弓 矢筒(6本) 金貨袋(所持金100) 金貨袋(所持金35) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 木の人形

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:5 戦闘力:8(+1) 打撃力:サイコロ2個 精神力:8 機敏度:7 生命力:26
装備:ブラッド・ソードの柄 ヘラクロスの戦斧 鎧(鎧強度:3) 魔法の弓 矢筒(6本) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金100) 金の巻物 金の鏡 黒い絹のクッション

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:5 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8(+1) 機敏度:7 生命力:26
装備:銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金100) 琥珀の火口箱 魔法のパン ファティマの銀の鍵 鉄の鈴 聖アシャナクスの十字架 水晶の瓶 膏薬の瓶(残り5回)

Photo スクリーボ

旅の途中で買われたカラス。
お値段は金貨1枚。
とりあえず当面、役に立つような能力は無い。
しょせんは金貨1枚。

レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。伝説の“生命の剣”ブラッドソード探索の旅を続け、その柄と鞘を手に入れた彼らは、最後の部品である刀身を探す。刀身を求めてたどり着いたのは、十字軍が拠点とする都・クレサンチウムだった……。

クレサンチウムでブラッドソードの在処を知る人物・ササリアン王子に出会う三人。剣の有る場所へ行くには海賊王ハンガックからエメラルドを2個、奪わねばならないという。次元の狭間を流離う伝説の海賊船に、三人は乗り込んだ……。

ミヤ「さあ、甲板から船の中へ降りていくよ。鬼が出るか蛇が出るか! わくわくするね!」

テツヤ「時間制限がある事を忘れんようにな。時間経過の印が10個集まったら強制イベント発生だからよ」

ディアブロ「一つ目は階段を降りるときに既に記入してあるぜぇ。あと9つだ」

何が起こるかはその時のお楽しみである。三人は階段を降り、船の通路に立った。

【項目487】
空気は濁り、かび臭かった。
だが少なくとも、白い霧に包まれた甲板の上より、ここのほうが暖かい。
通路の壁にはめこまれた球体のランプから、ほの暗い明かりが差していた。
床は琥珀でできているようだ。
天井と壁はマホガニーの板張りで、古風な装飾がほどこされている。

二つ目の印を記す。

テツヤ「床が琥珀の船だと!?

ミヤ「贅沢だよね。普通は木なのに。たぶんこれも略奪した琥珀で張り替えたに違いないよ」

ディアブロ「琥珀が余ってるから床に使おうってかね。さすが海賊王ともなると発想が違うぜぇ」

理解しがたい贅沢の仕方に思いをはせる。ここからは船首と船尾に向かえるようなので、三人は船首の方を選んだ。しばらく進むと……

【項目182】
ドアがあったので、あけて中に入る。
そこは前甲板下の船員室だった。
ぐるりの壁には四段ベッドがずらりと造りつけられ、優に千人の船員を収容できそうだ。
しかしどのベッドも空っぽで、あるものといえば、ほこりの山と人骨とボロボロの衣服ぐらいのものだった。

三つめの印を記す。

テツヤ「船員が死んでるじゃねぇか。どうやって海賊稼業をやってるんだ?」

ミヤ「前の仕事で全滅しちゃったのかもしれないね」

ディアブロ「その仕事もずいぶん前らしいぜぇ」

テツヤ「しゃあねぇ、ちと調べてみるか。目当てのエメラルドがありそうな場所じゃねぇけどな」

【項目242】
ベッドは金属製で、寝床には銀の針金細工の綱が張ってあった。
床には弾力性のある灰色のマットが敷かれているベッドの一つに近づこうとしたところ、船員の死体に突き当たり、骸骨の手がこちらの頭の上へドサッと落ちてきて、ギョッとする。
ふるえながら、船尾へ向かう事にする

四つめの印を記す。

テツヤ「驚かせやがって! てっきりアンデッドモンスターと戦闘かと思ったぜ」

ミヤ「あー、ありそうなパターンだよね」

【項目564】
甲版へ上がる階段まで戻る。
あせりながら、船尾へ急ぐ。

五つめの印を記す。

ディアブロ「ここは通り過ぎるだけの項目、と」

テツヤ「どう考えても時間を無駄にしてるよな。これ、選択を間違えたように思うんだが」

スクリーボ(実にその通りだゾ。魔術師のいないパーティがこの選択で時間を無駄にすると、最悪強制ゲームオーバーになるのダ)

【項目437】
通路の両側には、たくさんの船室が並んでいる。

六つめの印を記す。

ミヤ「こういう場所に来ると、一つのぞいてみたくなるよね!」

テツヤ「まぁ一つぐらいならいいけどよ」

ディアブロ「物をとりに来たんだから、あちこち探る事自体は間違いじゃないぜぇ」

というわけで扉を一つ開ける事にした。

【項目34】→【項目392】

開ける事を選ぶと、魔女プシュケに会ったことがあるかどうか、殺したか否かを尋ねられる。それによって部屋の中の展開が少し異なるのだ。
まぁゲーム的には大差ないのだが。

テツヤ「おいディアブロ、お前のクソな知人だった女だな」

ディアブロ「そうだったねぇ。お前さんが殺しちまった女だぜぇ」

テツヤ「そうしなきゃこっちが殺されてたからな」

その場合、この部屋には……

【項目523】
船室のドアを開けたとたん、プシュケの美しい姿が目にはいった。
しかし前に会った時とは様子が違う。鉄の手錠につながれ、美しかったガウンや宝石のついた飾りはボロボロになっている。
彼女がうめいた。

「助けて。この手錠を外して。早く……」

七つめの印を記す。

テツヤ「生きてるじゃねぇか。なんでだよ?」

ミヤ「私たちが去った後、屋敷に控えていたクレサンチウム最高の医師団が三千年の医術の秘を駆使して一命をつないだんだね!」

ディアブロ「俺ら、あの屋敷に一晩はいたんだけどねぇ。ま、助ける気にもなれないし、そこらへんの理由をちょいと聞いてみるぜぇ」

【項目175】
「ばかなことを聞くんじゃないよ!」

プシュケが叫んだ。
以前の毒のある口調が少し戻ってきたようだ。

「私は死んだのさ。私の魂は邪悪なペスト王エクフェリナーに担保として取られていた。お前らが私を殺すと、あいつは私を奴隷にしてしまった。そのあとで、あいつは海賊王ハンガックとの賭けに敗れ、私はこの忌まわしい軍艦に連れてこられたのさ。早く私を自由にしておくれ。この船室でひとりぼっちにされるのもつらいけど、もっとつらいのは、ハンガックがここにやってくることさ」

テツヤ「その鎖はお前自身が作ったんだ。お前は悪魔を崇拝する罪深い人生を選んだ。いま、その代価を払うしかねぇだろ。定まった運命からお前を救い出そうなど、考えるだけでも神さんを冒涜する事になるだろうよ」

ドアを閉めて、船尾に向かう。

八つめの印を記す。

ミヤ「海賊王さんに売り飛ばされたのはわかったけど、何されてるんだろ? なんで辛い目にあわされてるのかな?

テツヤ「妾にでもするつもりで連れてこられたが、あの性格なんでハンガックを怒らせちまったんだろうよ。ま、俺らにゃ関係ないこった」

ディアブロ「時間もないしねぇ。印あと二つでタイムオーバーだぜぇ」

【項目473】
円形の大きなドアの前にやってくる。
しばらくためらった後、中央のハンドルを回した。
ワイン色の木のドアは、花のつぼみが開くように少しずつ開いていった。
部屋に入ると、中には身長二メートル以上の大男のために作られたような家具があった。
古いタピストリーで覆われたベッドがあり、テーブルの上には黄色くなった海図が数枚、広げられている。
そして正面の骨董品の並ぶ棚に挟まれて、もう一つドアがあった

九つめの印を記す。そしてMYTHAGOという暗号を記す。

テツヤ「どうやら船長室のようだな」

ディアブロ「エメラルドがあるならここだろうぜぇ。で、どこを探すかね?」

ミヤ「ちょっと興味あるんで海図を見てみよう。どれどれ……」

【項目209】
それはこれまでに見たこともないような海図だった。
歴史と伝説の地が楕円の碁盤目と収束線の上に記され、余白には魔法使いの文字とおぼしきものが殴り書きされていた。
が、まるで解読不可能だった。
 

ミヤ「私にもわかんない字だなー。ハンガックさんは海賊なのにこれ読めるんだ? 実は魔法使いなのかな?」

ディアブロ「メガネかけたインテリ風あんちゃんが出てきて『フッ……僕がハンガックだ』とか言い出すのかねぇ」

テツヤ「どんな海賊王だよ。ともかく、この机にエメラルドは無いんだな? じゃ他を探すか」

だがここで経過時間を示す印が十個になる。よって強制的に項目422番へ移動。

【項目422】
船内を探索するうちに、なんらかの暗号を書きとめなかったか?

テツヤ「MYTHAGOだな。これ、進行チェックのフラグだったんだな」

暗号が一つも無い場合、船とととも異次元に引きずり込まれゲームオーバーだ。だがこれ一つだけ記録してある場合は……

【項目271】
もう一つのドアが突然バタンと開いた。
とたんに灰青色の強い光が押し寄せてきた。そこに肩幅の広い男が立っている。
船室の天井は高かったが、それでも前かがみにならなければならないほど、その男は大きかった。
両腕を上げると、鉄の鎧がジャラジャラと重そうな音を立てた。
両手には血のりのついた戦斧を一本ずつ握っている。
雷のような声で、やつがいった。

「海賊王の宝庫に盗みにはいるとは、どこのどいつだ? この代償は血で支払ってもらうぞ!」

テツヤ「見つかっちまったぞオイ!」

ミヤ「しかもインテリメガネさんじゃない!」

ディアブロ「エメラルド見つけたら帰りますんでもうちょっと待ってくれ……と言っても許しちゃくれないだろうねぇ」

どう見ても、戦いたい相手ではない。
ハンガックはもはや人間ではない。数世紀を経て、神話のヒーローとなってしまった男だ。
ブラッド・ソードを求める冒険の旅に、運悪くこんなやつが紛れ込んできて行く手に立ちふさがってしまうとは!
エメラルドを手に入れるためには、やつを倒さなければならない。
それには、戦うしか手はあるまい。

B310_2ハンガック(H)
戦闘力=10 精神力=9 鎧強度=5 生命力=100
打撃力=サイコロ6つ 機敏度=9
※ハンガックはラウンドごとに二度打ちかかってくる(二本の戦斧を使って)。彼には盲目的服従の呪文は通じない。海賊王に命令を下せる人間などいないのだ。

テツヤ「とりあえず死ねって言われてるような能力だな! 暗黒聖闘士を倒しに富士の風穴に行ったら黄金聖闘士が横から出てきたみてぇだぞ!」

ミヤ「ダメージ期待値は31点前後だね。攻撃されたらだいたい即死しちゃうよ」

ディアブロ「でもこいつ、近接攻撃しかできない敵単体だぜぇ」

テツヤ「久しぶりに逃げ回り&固定砲台か……」

○第1ラウンド
ハンガックがD-3に移動。
テツヤがB-4に移動。
ミヤがC-4に移動。
ディアブロがF-5に移動。

事実上決着。
戦闘ルールでは、敵は近接攻撃の目標として近いキャラクターへ移動する。一番遠いディアブロへは向かわなくなったので、あとはミヤとテツヤがハンガックの側で移動を続ければいい。ディアブロは心おきなく最強の呪文を詠唱し続ける事ができる。

呪文を準備していなかったので、2ラウンド目にはネメシスの電光を準備。
4ラウンド目に詠唱成功、ダメージ29(被害24、残り76)。
5ラウンド目に呪文を準備、7ラウンド目に詠唱成功。ダメージ30(被害25、残り51)。

8ラウンド目に呪文を準備、14ラウンド目に詠唱成功。ダメージ34(被害29、残り22)。
15ラウンド目に呪文を準備、18ラウンド目に詠唱成功。ダメージ38(被害31、撃破)。

ディアブロ「海賊王に勝ったぜぇ

ミヤ「牛さんが卑怯攻撃で倒されたみたいな光景だね!」

テツヤ「それを自分たちがやるとはな……」

まともに戦ったら即死なので仕方がない。

【項目547】
カシの古木が倒れるように、ハンガックは船室の床に音を立ててころがった。
不気味な静寂が流れた。ハーハーという自分達の息だけが聞こえる。
魔力がこめられているはずの、奴の戦斧を手に取ろうとしたが、びくともしない。
奴の鎧の一部をはがしてみる。
この戦いの前に、やつはひどく傷ついていた。
大きな爪をもつ化け物の一撃を肩に受けたのだろう

鉄の鎧が肉に深く食い込んでいる。
これを見て、勝利の喜びはふっとんだ。
ハンガックはこんな傷を負ったまま戦っていたのか。
普通の人間なら、とっくに死んでいるところだ。
そのとき、やつがうめき声をあげた。
 

テツヤ「ゲーッ! 生きてやがる!?」

ディアブロ「もう一度同じ戦法で戦うしかないかねぇ」

ミヤ「でもちょっと様子が変だよ?」

【項目154】
ハンガックは低いうなり声をあげて、よろめきながら起き上った!
床に座り込んだやつの目は、立っているこちらの目と同じ高さだった。
やつはかぶとを脱いで、こちらの顔を見つめた。
灰色の目には、もはや敵意は見えなかったが、じっと見つめられると、やはり体が震えた。
恐怖でなければ、畏怖の震えだっかもしれない。

テツヤ「あんたは死んだはずだ……」 

「死んだ? 海賊王ハンガックが?」

やつは立ち上がった。

「いや死んではいない! フェシティスさえとどめをさせなかったのだ。そのかぼそい腕で、そんな芸当ができると思うのか?」

一瞬、やつは戦いをつづける気がどうか考えた。
しかしやつは戦斧をテーブルの上に置き、ベッドにドスンと腰をおろした。

「やれやれ、わしは疲れたよ。いつまでも骨の冷えがひかんのだ……」

やつはこちらを見た、

「いい戦いぶりだったぞ。大胆で、しかも堂々としていた。わしは滅多にほめんのだから、誇りに思うがいい! 大声で自慢しろ。女のようにぼそぼそいうのは、ヒーローにふさわしくないからな。さあ、そちらの冒険談を聞かせてくれ」

テツヤ「いや……あの戦法は大胆でも堂々ともしていないと思う」

ミヤ「知恵を駆使したことを認めてくれてるんだよ、きっと。あとあたし女だからぼそぼそ言っても許されるんだよね?」

ディアブロ「君が一番声でかいんだがねぇ」

やつは話すのをやめて、目を閉じた。

「わしは休まねばならん……休むことができたらなあ……」

やつは大きな手を棚に向けて振った。

「欲しい物を持って行け。勇気をもって、自らが勝ち得た物だ。若さゆえのその無鉄砲さを克服できたときには、伝説のヒーローとなれることだろう。さあ、行くがいい!」

エメラルドは粘土のかめの中にあった。ハンガックに一礼をして、船室から出ていくことにする。 

テツヤ「よし貰った! ほなさいなら!」

ディアブロ「気が変わる前に立ち去るとするかね。接敵状態で戦闘をはじめられたら間違いなく屍の山だぜぇ」

ミヤ「でもなんか、思ったより悪いおっちゃんじゃなかったね!」

廊下を走る三人。なお、エメラルドは2個で一つの持ち物となる。荷物もいっぱいなので、プシュケの館で拾った水晶のびんを捨てていく。

テツヤ「あれ、中身なんだったんだ?」

ミヤ「回復薬だよ。生命力がサイコロ4個回復するの」

テツヤ「なるほど、いらんわ」

【項目185】
階段にさしかかると、なにか恐ろしいことが起こる予感に襲われた。
思わず足を速める。
甲板に出たとたん、何かがすぐそばを矢のように通り過ぎた。
見ると化け物のような奇妙なものが、まわりをすいすいと飛び交っている。
それが船体やマストに触れるたびに、パッと赤い火花が散った。
一陣の風が甲板を渡ると、凍てつくような雨が霧を二つに分けた。
前方に見えるのは真っ黒な闇ばかりだ。
ふり返ると、船尾の眺めはトンネルの中から見る外の景色のようだった。
あの島が見える。
そして湾の水は夕陽に染まっていた。
だがそれらは恐ろしい速度で後退しつつあった。
デビルス・ランナー号はこの世の海を離れようとしているのだ!
 

テツヤ「おいおい、異次元に引きずり込まれそうになってるんじゃねぇか!」

ミヤ「急いで離れようよ! あたしたちの船、鎖でつないでたよね」

【項目369】
小舟をつないでおいた鎖を伝い、小舟に乗り移る。
オールを握ると、手遅れにならないうちにデビルス・ランナー号から離れようと、死に物狂いでこいだ。

ディアブロ「なんだかんだいって役に立つ小舟だぜぇ」

【項目99】
ようやく島にたどりつくと、ふり返ってハンガックの船の出発を見守った。
船は厚い霧に覆われ、夕陽に赤く染まった雲に映る大きな影にしか見えなかった。
やがて風が霧を吹き飛ばした。
あとには、平らな海に霧の切れ端がかすかにたなびいているばかりだった。
デビルス・ランナー号は影も形もない。
船が起こした最後の波が足元に打ち寄せ、それが行ってしまうと、あたりの海は星空の下で鏡のように静かになった。

テツヤ「ふう……なんとか助かったな。えらい目にあった」

ミヤ「ハンガックさんさようなら。元気でね」

ディアブロ「いや、あの人無駄に元気だったように思うぜぇ」

テツヤ「不死身のおっさんより、俺らの今後を心配した方が良さそうだ」

行きがあれば帰りもあるのだ。また海を渡ってクレサンチウムへ戻らなければならない。はたして無事に戻れるのか……それは次回のお話。

(C)D・モリス O・ジョンソン 著 大出健 訳/富士見文庫

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2011年6月11日 (土)

ブラッドソードリプレイ3-9 海賊船

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:5 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ2個 精神力:7 機敏度:8 生命力:31
装備:ブラッド・ソードの鞘 ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 弓 矢筒(6本) 金貨袋(所持金100) 金貨袋(所持金35) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 木の人形

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:5 戦闘力:8(+1) 打撃力:サイコロ2個 精神力:8 機敏度:7 生命力:26
装備:ブラッド・ソードの柄 ヘラクロスの戦斧 鎧(鎧強度:3) 魔法の弓 矢筒(6本) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金100) 金の巻物 金の鏡 黒い絹のクッション

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:5 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8(+1) 機敏度:7 生命力:26
装備:銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金100) 琥珀の火口箱 魔法のパン ファティマの銀の鍵 鉄の鈴 聖アシャナクスの十字架 水晶の瓶 膏薬の瓶(残り5回)

Photo スクリーボ

旅の途中で買われたカラス。
お値段は金貨1枚。
とりあえず当面、役に立つような能力は無い。
しょせんは金貨1枚。

レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。伝説の“生命の剣”ブラッドソード探索の旅を続け、その柄と鞘を手に入れた彼らは、最後の部品である刀身を探す。刀身を求めてたどり着いたのは、十字軍が拠点とする都・クレサンチウムだった……。

クレサンチウムでブラッドソードの在処を知る人物・ササリアン王子に出会う三人。剣の有る場所へ行くには海賊王ハンガックからエメラルドを2個、奪わねばならないという。海岸にいた漁師から小舟を買って、三人は海に乗り出した……。

ミヤ「〽海は広いな大きいぞ、水平線の向こうには虹の橋があるんだろーっと」

ディアブロ「混ぜて歌えばひっかからないかねぇ」

テツヤ「歌っててもかまわんがサボるんじゃねぇぞ」

海の上で何が忙しいのかというと……。

【項目341】
「小舟のあやつり方なんぞ、簡単なもんだ」というのが、漁師ウーラックの別れのあいさつだった。
四苦八苦の末、帆を上げて、湾にこぎ出したとき、あいつのいうことなぞあやしいものだと思い始める。
やつがあえて値上げ交渉をしなかった理由もわかった。
しょっちゅう水をかい出していなくては、船は沈んでしまうのだ。
目的地に着くまで、いい天気が続き、海が荒れないことを祈るしかない。

ディアブロ「まぁ本当に荒れないなら、わざわざ項目割かないだろうけどねぇ」

テツヤ「祈るだけならタダだろ」

しかしここでも、こちらの祈りはまたもや裏切られることになった……

テツヤ「こうなる事がわかっていてもな!」

資本主義社会にある以上、タダに過剰な期待は無駄というのものだ。

【項目423】
ササリアンの天体図で確かめながら南へ向かううち、航海にも慣れてきた。
リラックスして、午後の太陽を浴び、さわやかな塩風を思いきり吸い込む余裕も出てきた。
水をかい出す仕事さえ苦にならなくなる。

ミヤ「フンフフーン。いやー、お日様ぽかぽかでいい気持ちだよ」

テツヤ「やけに不吉なことが書いてあったわりに順調だな」

むろん、そんな事が長続きするわけもない。

日暮れ近くに、岸へ戻る漁船の一団とすれちがう。
漁船は、夕日で真っ赤な西の水平線の上に、黒いインクのしみが垂れるように現われた。
漁師のあいさつのことばにこちらが答えると、彼らは大声で何かを叫んでこぎ去った。
空は暗くなり、星が一つ、また一つと出てきた。
冷たい風が船首に吹き付け、頭上ではカモメが甲高い鳴き声をあげながら旋回している。
生暖かい海中に泳がせていた手に、何かが触れた。
ハッとして、あたりを見まわす。海は無数の死んだ魚の死骸で埋まっていた。

水面が盛り上がり、泡立ってきた……。

ディアブロ「ここらで夜釣りは厳禁みたいだぜぇ」

ミヤ「中国なら魚が浮かんでたらみんなが殺到するのにね」

テツヤ「そりゃ今からでてくる化け物も大喜びだろうな」

こんなのがうようよしていれば、ファンタジー世界では海水浴の光景がめったに見られないのも仕方がないことだ。
年中半裸の人間が多い事と何か関係あるかもしれない。無いかもしれない。

【項目497】
何かが大きく水面にせり上がると、船はその渦に引きずられ、翻弄された。
最初は盛り上がった水面が大きすぎて全体を見ることができず、それが何なのかわからなかった。
やがてそれが巨大な魚のヒレだと悟る。
見れば、水中深くから、巨大な魚がいままさに海面に現われ出ようとしている。
うろこ一枚が盾十数枚ほどの大きさで、そいつがほら穴のような口を開けると、大きな渦が巻き起こる。
ちっぽけな船はあっという間に渦に巻き込まれた

テツヤ「次のダンジョンは魚の胃袋だな!」

そういう展開のゲームも時折あるが、このゲームでは呑み込まれるとただ死ぬだけだ。だが『紫の玉座の塔』という宿に泊まって老水夫の話を聞いていたので、助かるチャンスは与えられる。

【項目77】
水夫はこの海の化け物のことを話していた。
彼はこいつをデンダンと呼んでいた。
化け物を魔法のことばで静めた魔法使いの話を思い出せ。

ミヤ「ハイ、ユー、ヤン! だね」

テツヤ「よーし、つまらんボケをかまさずよく一発で言えた」

それを唱えると……。

【項目551】
巨大な海の化け物、デンダンはあばれるのをやめ、波の下へゆっくりと沈んでいった。
危険は去った。
極度の神経の疲労から、小舟の底にひっくり返り、そのまま眠りこんでしまう。
船は穏やかな海流にのって漂流しはじめた。
次の朝目覚めると、水はくるぶしのところまできていた。
水をかい出してから調べると、船はコースをそれほどはずれていなかった。
風も潮流も、こちらに味方してくれたのだ。

ミヤ「ついてるね! あのお魚もそうそう出会うもんじゃないみたい」

テツヤ「さすがに毎晩出るんなら、もっと真剣に対策してんだろ」

ディアブロ「クジラ漁ならぬデンダン漁がおこなわれて地元のメシの種になるわけだぜぇ」

おおよそ人間が己の糧にしない物は無い。ときおりやめとけと言いたくなる物もままあるが。

二日後、ハンガックの船が現れる地点近くの海上に、草木の生えていない島を発見する。

傷ついていたキャラクターは、この航海のあいだに身体を休めることができたので、4点の生命力を回復する。さらに、食べ物を持っていれば、それを食べて2点の生命力が追加される。

ミヤ「なくならないパンを持っててよかったね!」

テツヤ「逆に食料を持っていないと、二日は飲まず食わずで我慢するのか……?

回復しない程度に魚でもとって食べているんだろうとは思うが……ゲームの世界のメシにあまり深く考えても仕方がない。

島に上陸して、デビルス・ランナー号が現れるのを待つことにする。

【項目488】
太陽が沈むと、島は霧に包まれた。
どんよりとしめった空気に息が詰まりそうになりながら、ハンガックの船が見えないかと必死に目をこらす。
ササリアンの天体観測図が正しければ、船はすぐそばまで来ているはずだ。
ゴウゴウという振動が足元の岩に伝わってきた。
人間の耳では聞き分けられない低い音だが、あれは海賊王の船の到来を告げる先触れだ。
ついに、霧を背景に、城のように巨大なデビルス・ランナー号がぼうっと浮き出てきた。
そしてゆっくりと目の前を横切っていく。

ディアブロ「意外と早く出てきやがったぜぇ」

テツヤ「あれがそうか……霧の中から沸いてきたみてぇだな」

ミヤ「よし、さっそく出発だよ! さあ、やるぞー!」

みなで小舟に乗り込み、海賊船を目指す。自分たちの小舟と海賊船のザイズ差が、そのまま存在の差であるかのようだ……。

【項目210】
ほとんどこぐ必要はなかった。
小舟はまもなく船首方向からの波に乗り、見えない手に引き寄せられるように、船に近づいていった。
水の中をのぞきこむと、人間の顔をした紫色のウナギが海中深く泳いでいくのが、ちらりと見えた。
おそらく船の引き波につかまって、どこかこの世でない国から、デビルス・ランナー号に引きずられ、ここまでやってきたのだろう。
その化け物はみじめな恐怖の表情で、こちらをじっと見つめ返し、やがて視界の外へひきずりこまれていった。

テツヤ「つまりこの船はずっと海の上を走っているんじゃなくて、異次元を渡り歩いているわけだな」

ディアブロ「なるほど。そりゃ伝説にもなるわけだぜぇ。滅多に会えるもんじゃないからねぇ」

ミヤ「それじゃ珍しい物があるかもしれないね! うん、わくわくしてきたぞ!」

ディアブロ「まぁその珍しい物を今とりに来たわけだぜぇ」

小舟の船首がデビルス・ランナー号の脇腹にぶつかった。
係留用の鎖の端に小舟を縛り付け、甲版にのぼっていくことにする。

そして甲板にたどり着くと……

【項目374】
 どこまでも途切れることのない霧に包まれて、デビルス・ランナー号は世界と世界のはざまにぶら下がっているようだった。
方向も時も失ったようだ。茫然として手すりから下を見下ろす。
もはや海面も見えない。
船に打ちつける波の音すら聞こえない。遠くからうめき声が途切れ途切れに聞こえてくる。
まるで海で死んだ水夫たちの泣き声のようだ……。

テツヤ「不気味ではあるが、いきなり襲われたりはしないわけだな」

ミヤ「門番がいて名乗りをあげてかかってくるような展開かと思ったよ」

ディアブロ「どっちかというと、この世界なら腐った不死系モンスターがうらーうらーと呻きながら大挙して来る方がありそうだぜぇ」

だが、そんな考えを払いのけるように、甲板の調査にとりかかる。
船は十字軍最大の軍艦よりも大きく、千人は収容できそうだ。船幅は9メートルほどで、高さは海面から約十二メートルあった。
銅でおおわれた太いマストが数本あるが、帆はクモの巣だらけで使われていないようだった。

ミヤ「見えない海面から目測して、高さは十二メートルほどだよ」

テツヤ「いらん揚げ足はとらんでいい」

ディアブロ「あっちに階段があるぜぇ」

悪魔の彫刻で飾られた階段を見つけて、降りていこうとすると、舵輪のそばをうろついている人影が目にはいった。
うす気味悪い霧に包まれて、長いマントの男は黒コウモリのように見えた

ミヤ「この人が門番で、ハンガック最強部隊12人衆の一番手なんだよ。それを一対一で次々と倒していくと、最後にハンガックが出てくるの。美形の人は後で仲間になってくれるけど、巨漢の人は後で次の敵の最強部隊にイッパツで倒される仕事が待っているんだよ。あと生き別れの兄弟とか師匠の仇とかが混じっているから見落とさないように注意しようね

ディアブロ「でもこの人、襲いかかってこないぜぇ」

ミヤ「あれ?」

テツヤ「……とりあえず話しかけてみるか」

【項目296】
男に近づいていく。しかし近づきすぎないように気をつける。
男の頬はカサカサで青ざめ、はりついたような笑いを浮かべている。

「おれを知っているか?」

灰色の嵐を思わせるような声だ。
男の吐く悪臭で、胸が悪くなる。

テツヤ「海賊王ハンガックだろう……」

男は笑った。

「ハンガックだと? ちがう! おれはシャンビアといって、ハンガックの忠実な舵取りだ。この舵輪を見たか? この年老いた手は、七年ものあいだ舵輪から離れたことがないのだ。『ハンガックに仕えて寿命を延ばした男』、それがこのシャンビアだ」

男が弱々しく笑うと、長いマントの下で、やせた骨がぴくぴくと動いた。

テツヤ「違ったか。ま、そう簡単に出くわすもんでもないだろうからな」

スクリーボ(事実、簡単にはハンガッックに出会えない。だが出会うと確実に戦いになるし、まず勝てないオーバーキルな戦闘力の持ち主だゾ)

こちらが質問を始めても、男は固く口を閉ざしたまま、一心に霧を見つめていた。
男が叫んだ。

「我々の周りは恐ろしいものだらけだ! 邪悪な者に平和はない。そうだろう? さあ、質問するがいい。だが手早くな。おれが仕事から気をそらすと、悪魔の猟犬がおれたちの骨をしゃぶりにくるぞ!」

質問は一つに限られる。

テツヤ「質問してから『さあ、質問するがいい』もないもんだ」

ディアブロ「まぁ言いたい事を言ってからしか答える気がないんだろうぜぇ。で、何を聞く?」

ミヤ「そうだね……この船はどこに向かっているの?

【項目79】
シャンビアがうなった。

「なんだと! おれの知ったことか? 水先案内人はいなくなり、今や目の見えない運命の女神が、船の進路を決めているんだ。ただし、これだけは教えてやろう。この船がこの世の海を航海しているのは、あと五分だけだ。それまでに仕事を終えて、去るがいい。さもなければ、デビルス・ランナー号の乗組員として、永遠につづく航海に同行させられるはめになるぞ……」

声もなく笑うシャンビアを見て、急いで甲板に下に降りていく。

ミヤ「時間がきれると海賊に強制転職なんだね!」

テツヤ「つーかあのおっさん、舵輪を握っているだけで進路は関与してねぇのか……?」

【項目59】

さて、ここから船の探索が始まるわけだが……魔術師がいればそれを有利に進める事ができる。

ディアブロ「出番が来たぜぇ」

さっと呪文を唱え始めるディアブロ。何をするのかといえば……

【項目14】
Photo(魔術師)

シャンビアは時間に限りがあると忠告している。
そこで予言の呪文を唱えて、近い未来をちらりとのぞこうと考えた。
そうすれば危険を避けながら、時間を有効に使って、船内の探索ができるだろう。

 紙になにかの印を一つ記し、その脇に422と記す。
この先、次のセクションに進むごとに、印をつけろと指示される。
この印が、船内の探索に要した時間を示すことになるのだ。
印が10個になったら、ただちに422に進まなければならない。

ディアブロ「時間制限もあるし、これでちょっとは進めやすくなるぜぇ」

なお、魔術師が行動を起こさない場合、印8個で時間切れとなる。2項目ほど余裕ができているわけだ。

テツヤ「海賊に転職する気もねぇし、ゆとりがあるのは良い事だ」

ミヤ「よーし、それじゃあ海賊船の探索を始めるよ!」

この中に何がいるのか、何があるのか……それは次回のお話。

(C)D・モリス O・ジョンソン 著 大出健 訳/富士見文庫

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2011年5月 | トップページ | 2011年7月 »