« 2010年10月 | トップページ | 2010年12月 »

2010年11月

2010年11月 7日 (日)

飛竜

 久しぶりにブログ更新。

 ちょいとばかり行き詰って、どうしたもんかと考えていた。
 本音で話せばわかってもらえるはず……と思いきや、どうにもこちらの主張は理解されていないようだ。
 自分の文章はそんなにわかり難いのか?
 始めから見る気が無い……わけは無いはずなんだが。

 自分の意思が・行動が、好意を持つ相手へ伝わらない。望む場所へ届かない。望んでいない形で受け取られる・表れる。
 誰しも経験はあるだろうが、何度味わってもしんどいもんだ。

 

 さて先日「聖闘士星矢 The LostCanvas 冥王神話」を大量に大人買いした(頭はガキで買う物は漫画でも“大人”買い)。
 とある知人が紹介してくれたブログで、最近の展開もだいたい教えてもらった。

 いやはや、目を離している間に素晴らしすぎる事になっていたようだ。

 この漫画、ワイバーンのラダマンティスが優遇されすぎ。最高。

 蟹がカッコよくなるのはわかる。全国の蟹座が無念だったからな。
 だがワイバーンのラダマンティスなんて、星矢の加熱期が終わってからの、いっちまえばマイナー(ファンしか知らないだろ的な)扱いされても仕方なかったキャラクターだ。
 それが敵側において、ラスボスの次かその次ぐらいに出番・見せ場で優遇されるとは。
 三巨頭の他二人や格上のはずの二神よりも明らかに扱いが良い。

 まぁ他にパッとした冥闘士が原作にいたか? となれば、こうなるのも仕方ない……のだろうか。

 自分もラダマンティスが聖闘士星矢で一番好きなキャラクターなので、素直に嬉しいです。
 正直に言うと、初登場のコマを見た時は「まーたテンプレ臭い敵幹部だな」ぐらいにしか思っていませんでした。

 しかし奴は格が違った。

 斜め45°を向きながら目を瞑って「フッ」と余裕の笑みを浮かべる、そんな奴らが大物を気取るのがいつものパターンなこの漫画。
 最初はラダマンティスもそうしようとしていたようだ。
 だが創造主の気まぐれか、なんらかの計算か、単なる偶然(多分これだろう)か。
 ラダマンティスはどんどん違う方向へ、一人だけ元気に突っ走りだした。

 ラダマンティスは真面目だった。
 自分が戦う機会があればちゃんと敵と戦った。「今日は見逃してやる」といって後に倒されるような自爆癖なんぞなく、自分の持ち場からちっとも動かず待ちガイルする事もなく。むしろ率先して前線に出たがった。上司に「俺を敵本陣に殴りこませてください」と直談判までしていた。
 だが上司は許可してくれず、建物が崩壊するとか部下が割り込んでくるとか神様が召集をかけるとか、常に周囲が横やりを入れ続けてくれた。

 ラダマンティスはやる気もあった。
 敵本陣に部下達を刺し向けもしたし、自陣地内を自ら見回って敵を迎え撃とうともした。
 部下が返り討ちにあったとか、上司も同僚も警備に協力してくれないとか、そういう不幸がちょっとあっただけだ。
 同僚の二人が初登場直後に敵の技を食らって眠りこけ、ラダマンティスだけが一人で主人公の星矢達(複数形)と戦わされる一幕もあった。
 後に同僚二人はラダマンティスが(この時の傷が元で)苦戦している所に遅れてやってきて「不甲斐ないぞラダマンティス。私ならそんな奴は一撃で倒せる」と大口を叩き、二人がかりで一人の敵をいたぶっていた。
 大口を叩いた奴は、そこへ駆けつけた別の敵にあっさり倒される事になったが……。それ見て「むう、信じられん」と呻くラダマンティス。そりゃ信じ難いだろう。俺もだよ。コイツは何しに来たんだ、という思いでいっぱいだった筈だ。
 上司も同僚もラダマンティスほどのやる気はなかった。なんて事だ。

 ラダマンティスは実力もあった。
 ムウに必殺技一発でやられて戻って来た蟹と魚を、必殺技も使わずに一発でお仕置きしていた。後に対峙した星矢達も「黄金にもここまでの奴はそういない」と言っていた。黄金級だという最強の白銀聖闘士の不意打ちをしのぎ、そいつを返り討ちにした。
 だが上級ではあっても最強ではなかった。双子座のカノンとの戦いは常に劣勢だった。
 それでも敵を討つのがラダマンティスの仕事だ。紆余曲折あって互いにボロボロになりながら、カノンと最後の対決。
 カノンが自爆を仕掛けたので5~6ページで散ってしまった。
 ここらへんは展開を急いでいた感もあり、いまさらラダマンティスにさけるページはこれが限度……と言わんばかりだった。

 ラダマンティスは一人だけ、この漫画のキャラとして明らかに異質だった。

 能力はある。やる気も出す。頑張りもする。
 でもいつも、それがいま一つ報われない。
 時には完全に裏目に出る。
 結果が出る時も貧乏くじがしっかりオマケでついてくる。

 そのラダマンティスが「LostCanvas」で新たな舞台を与えられた。
 原作に匹敵する出番と、上回るパワーを与えられて。

 ようやく時代が追いついたのか。世紀の移り変わりとともにラダマンティスが新たに飛翔する……!

 いろいろあったのを略して、最近の展開と結果を見る限り、彼の努力はやっぱり少し空回りしており、やっぱり彼の落ち度はそんなに(全くではないが)無く、そして行動は裏目に出る方向で進んでいるようだ。

 良かった。ラダマンティスはやっぱりラダマンティスだった。

 派手な技がとびかい、世界の平和だとか地上の危機だとかの大きな話が普通になされる漫画の世界。
 そこに超人の一人として存在している筈なのに、なぜかいつもそこらを歩いているリーマンみたいな悩みと苦労が付きまとう。
 奴こそは冥界三巨頭の一人、ワイバーンのラダマンティス。
 この作品において「俺ももう少しだけ頑張ろう」という気持ちを、勇気と元気を一番与えてくれるキャラクターは間違いなくコイツだった。
 そんなラダマンティスに関して、別展開にしつつ相当に再現度の高い演出を見る限り……「LostCanvas」における手代木氏の仕事を、自分は高く評価せざるを得ない。 

 

 だから自分も今一度、もうちょっとだけやる気を追加する事にします。
「共感できる」って事は凄い事だ。応援を相手へ、鼓舞を自分へ。いいもんがいっぱい詰まっているじゃあないか。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

« 2010年10月 | トップページ | 2010年12月 »