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2010年1月10日 (日)

ブラッドソードリプレイ2-7 港町カノング

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:4 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:7 機敏度:8 生命力:25
装備:ブラッド・ソードの鞘 ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金89) 弓 矢筒(矢6本) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 膏薬の瓶(残り5回)

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8 機敏度:7 生命力:21
装備:六尺棒 鎧(鎧強度:3) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金90) 魔法の弓 矢筒(矢3本) 回復薬(生命力をサイコロ2個回復) 青い目の宝石 聖アシャナクスの十字架

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+1 精神力:8(+1) 機敏度:6 生命力:21
装備:剣 銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金94) チェッカー盤 コマ 火の球

前巻までのあらすじ

レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。彼らは腕試しがてらに迷宮突破競技へ挑んだ。そこで幾多の罠や敵を切り抜け、見事に優勝の栄冠を手にする。激闘を終えた三人は、再び気ままな旅を続けるが、この地で新たな冒険に巻き込まれるのであった……。

宝剣ブラッドソードの鞘を手に入れた三人は、一路、柄を持つというワイアード王国のワーロック王の下へ向かった。ブラッドソードを狙う“真のマグス”の刺客、道中で出あった騎士の旧敵・灰色のレディ等を退け、三人はワイアードへ向かう旅を続ける。

ミヤ「ちょいと遅めですけど、あけましておめでとうございまーす! 今年も元気に冒険の旅を続けますんで、よろしくね!」

テツヤ「世界観ブチ壊しだな。まぁ挨拶自体はあるべきだがよ」

ミヤ「正月は一日中食べて寝てたから、あたしも体重が心配でさ。だから二日目は近所の河川敷で、父ちゃん母ちゃんも強制参加の耐久凧揚げ合戦をずっとやってたよ。思い切り走りまわって凧が見えなくなるまで上げるのがウチの掟なんだけどね、父ちゃ……」

テツヤ「俺らは旅の途中って設定なんだよ! 黙れよ!」

ディアブロ「ご両親も、娘がそんな歳になってまでそんな行事に付き合わされるとは思ってなかっただろうねえ……」

ミヤ「でも毎年、最後には母ちゃんが一番はりきって熱中してるよ」

テツヤ「だから凧揚げの話はやめろって言ってるだろ! レジェンドの世界に凧があるとでも思ってんのか?」

ミヤ「この世界、忍者がいるんだから凧だってあるかもしれないじゃん?

テツヤ「少なくともカノングまでの道程に凧は無ぇ!」

ディアブロ「雑煮も無いし炬燵も無い。正月を迎えるには寂しい地方だぜぇ。……おっと、向こうに街が見えてきた。その向こうには海も見えるな」

ミヤ「じゃ、あれがカノングだね! よし、一気にダッシュだ!」

テツヤ「なんですぐ走りたがるんだよ、お前は!」

【項目116】

東に向かう。
港町のカノングに着いたのは昼近くだった。
退屈そうな顔をした衛兵が一人、町の入口の狭い門の横に立っている。
町はごったがえし、タールと魚と潮の臭いに満ちていた。
静かな田舎を旅してきた後に、急に町の喧騒に巻き込まれて、一瞬ぼう然と立ちつくす。

ミヤ「うわー、人が多いなあ! 新年も十日となると、みんな忙しく働いているんだね!」

テツヤ「正月からそろそろ離れろ」

そこへ、顔に傷あとのある水夫がやってきた。水夫は尋ねた。

「捕鯨船を探しているんじゃないのか? そんなら、もう探すには及ばんぞ。俺たちの船で頑丈な若いもんを集めてるんだ」

水夫は見えるほうの片目でこちらをじろじろ眺めた。

テツヤ「で、その船はどこへ行くんだ? 俺らはワイアード王国へ行くんだがよ。寄ってくれんのかい?」

【項目395】

男はふくみ笑いをしながら、首を横にふって言った。

「ワイアード王国だと? あそこに渡るには春まで待たなくちゃな。ワイアードの周りの海岸は、今頃の季節、固い氷に閉ざされてるのさ。そりゃあもちろん、どんな苦労をしてもというんなら、行ける所まで船で行って、あとは歩いて渡るって事もできん話じゃないがね。へっへっへっ」

男は溝につばを吐いて、人ごみの中へ消えていった。

ミヤ「うーん、上手くいかないね。もっといろいろと探してみた方がいいかな?」

テツヤ「そうするしかねぇだろうな」

ディアブロ「じゃ、一休みとしますかね。ちょうどそこに宿屋があるぜぇ」

 宿屋には“ウルリック・ボーンズ”という看板がかかっている。三人は宿の戸を開けた。

【項目17】

宿屋のバーに入る。
客の水夫のほとんどがタバコを吸っていて、煙が充満している。
部屋の向こうには、僧の一団がいて、黒の錦織りのマントをはおった老人に熱心に話しかけている。
そしてカウンターの近くには商人の一団が陣取っていて、騒々しく品物の売り買いをしている。

ミヤ「どっちかの団体さんに話を聞いてみようよ。あの人達も船旅をしてきたのかもしれないし」

ディアブロ「あるいはこれから船に乗るのかもしれないぜぇ。どちらにしろ、航路について聞けるかもな」

テツヤ「じゃ、坊さんの方から聞いてみるか」

【項目83】

バーの人だかりをかきわけていくうちに、僧の一団を見失ってしまう。
ようやく彼らの姿を見つけたときには、さっき彼らと一緒にいた老人の姿はなかった。
僧たちは色鮮やかな漆塗りの面をつけていた。

「ここへ来て、お座りなさい」

一人の僧が言った。
面で口を覆っているため、声はくぐもっている。
僧はテーブルの端の椅子から、彼らの飼っているカラスを払いのけた。
カラスは怒って金切り声をあげると、テーブルの側を気取って歩きまわった。

テツヤ「……なんか物すごく怪しい一団だな」

ディアブロ「常時顔を隠しているってのも不気味だぜぇ」

ミヤ「ま、気にしない、気にしない。それよりワイアードへの行き方を聞こうよ」

ワイアード王国の事を教えてくれないかと言うと、しばらくの沈黙の後、僧達は次々に話し始めた。

「ワイアード王国はここから北東の方角にあります」

最初の僧が言った。

「冬になると、北から流れついた流氷の上を渡らなければなりません。骨の折れる旅です」

次の僧が言った。

「どんな船もあそこまでは乗せていってくれませんし、どんな船長もワイアード王国の海岸に近づこうとはしないでしょう」

三人目の僧が言う。
四人目の僧がため息をついたので、またしばしの沈黙が流れた。
彼はテーブルの下で歩きまわっているカラスを悲しげに見つめて言った。

「私達の老いぼれカラスを買う気はありませんか? スクリーボという名でしてね。金貨一枚で結構ですが」

Photoテツヤ「……なんだ、このブサイクなカラスは」

ミヤ「やーん、可愛いじゃない! おいで、スクリーボ。こっちこっち!」

ディアブロ「買う事に決まったらしいぜぇ……」

テツヤ「この肥満鳥をかよ……。坊さん達が厄介払いで売りつけるような代物なんだよな、コイツ」

僧達はもう話す事もなさそうなので、彼らに別れを告げる。

【項目54】

ミヤ「スクリーボ、あたしの肩に乗る? ほらほら、いい子いい子!」

テツヤ「大丈夫かよ、このデブ。かなり頭悪そうだがよ……」

スクリーボ(お前に言われるのは納得がいかんナ)

ミヤ「この子は賢いよ? 自分でちゃんと着いてくるから荷物として扱わなくていいって本文に書いてあるもん」

スクリーボ(まぁそのぐらい余裕だナ。フラグ立てないとフラフラほっつき歩いて邪魔してくるスカンタコとはデキが違うゾ)

ディアブロ「ま、邪魔にならないならいいんじゃないの? 商人の方とも話してみようぜぇ」

【項目358】

こちらが近づいていくと、商人達はひじを突っつきあい、慌てて荷をほどいて、商品を並べ始めた。
一人が、豹の毛皮のマントを手にして言った。

「どうです! この辺りじゃ最上の毛皮ですよ。これさえあれば、どんな寒さもこたえやしません」

別の商人が片手に金属製の小さな火鉢をつかんで、飛び出して来た。

「いやまったく、今年の冬はかつてなく寒さが厳しいようで、だからこそ、これをお勧めしたいのですよ!」

値切りに値切って、いくつかの品物の値段を決める。

分厚い毛皮のマント(金貨10枚)

非常携帯食1週間分(金貨2枚)

手袋(金貨2枚)

寝袋(金貨5枚)

燃料つきの火鉢(金貨7枚)

ここで必要なのは手袋だけだ。三人は己のぶんの手袋を買う。

スクリーボ(他の物は後で拾えるからナ。付け加えるなら、ここの商人どもにこの先の道を尋ねる必要もないのダ。街の入り口で出会った水夫と同じような話しか聞けないからナ)

ミヤ「おー、手袋あったかいね。ここからどうする?」

テツヤ「そろそろ船を探すか」

三人は宿を出る事にする。目指すは港だ。

【項目306】

カノングの港町の人ごみの中を進む。
悪態をつく水夫達、油布に身を包んだ鯨獲りの男達、高価な毛皮を着た商人達で、通りはごったがえしている。
派手な色の衣裳を身につけ、通りすがりにこっそりウインクを送ってよこす女もいる。

やがて港に着いた。
二隻の大洋を行く頑丈そうな船が目にはいる。
一隻は捕鯨船のようで、甲板には釣り針や銛や鉄の鎖といった捕鯨の道具が山積みにされている。
その後ろには「マグダレーン号」という名の一本マストの帆船が停泊していた。
各地の港をめぐる交易船のようだ。

船長を呼ぶと、背の高いやせた男が道板の上に現れ、こちらをじろじろと眺めまわした。
船の目的地と船賃をたずねると、男は耳障りな声で言った。

「俺達はダーヘブンへ行くんだ。漕ぎ手をやる気があるなら、ただで乗せてやろう」

ミヤ「おー、タダだよ! どうする?」

テツヤ「急いで決めるのはやめとけ。他にも無いか探してからだ」

ディアブロ「もっと近くまで行ってくれる船があるならよし、無ければ戻ってくればいいんだしな。金は多少あるから、無理にタダの船に乗る必要はないぜぇ」

【項目72】

三人は船から離れた。次にどこへ向かった物か、頭を寄せ合って考える。

桟橋を離れた所で、紫色のマントをはおった痩せた男が近づいてきて、挨拶をした。

「わしはヴァントリーのオーガスタスと言って、少しは名の通った魔法使いだ。今の会話を偶然聞いてしまったのだが、ワイアードへ渡るのは楽じゃないぞ。だがどうしてもというなら、わしが手助けをしてやろう」

彼は、紐で首からぶら下げた白い石のお守りを指でさわって言った。

ミヤ「へえ、魔法でどうにかしてくれるのかな?」

テツヤ「そりゃあ魔法使いと名乗って近づいてきて、普通に別の船を紹介するパターンは無ぇだろ。まぁこの状況ならそれでも一向に構わないけどよ」

ディアブロ「じゃあ話だけでも聞いてみるかねえ」

【項目166】

魔法使いは、港の露店で買ったお茶をすすめた。

テツヤ「手助けとはどういう事だ?」

彼に尋ねる。
お茶は苦いが、その温かさが、冷えきった体にしみ入るようだ。

彼は頭をふってにっこり笑った。目が輝いている。

「お見せするのが一番だ!」

彼は手を打って、魔法の言葉を叫んだ。
すると、足の下に広げてあった絨毯がフワリと空中に浮かんだ。
水夫や荷揚人足たちが驚いて見守る中、絨毯は湾を出て行った。

絨毯の上でうずくまっていると、オーガスタスは笑って助け起こしてくれた。

「怖がる事はない。まだ乗客を落とした事は無いからな」

ミヤ「うわー、凄い凄い! 本当に飛んでるよ! いけいけGOGO!」

テツヤ「お前も飛べるだろ。浮遊術で。ま、この絨毯ほどの速度は出ないだろうけどな」

ディアブロ「これでなんとか足は確保できたぜぇ。無事にワイアードへ行けりゃいんだが」

本当に無事に済むかどうか……それはまた次回の話。

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コメント

>ミヤ「あたしも体重が心配でさ。

テツヤ と ディアブロ も、ミヤは太ってると思いますか?

投稿: | 2016年11月13日 (日) 12時05分

テツヤは全く気にしていないと思います。
ディアブロはどうでもよすぎて考えてもいないと思います。

投稿: 松友健 | 2016年11月14日 (月) 07時05分

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