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2010年1月

2010年1月30日 (土)

ブラッドソードリプレイ2-10 海中の番人

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:4 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:7 機敏度:8 生命力:25
装備:ブラッド・ソードの鞘 ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金87) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 膏薬の瓶(残り5回) 手袋 毛皮のマント 毛皮の毛布

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8 機敏度:7 生命力:21
装備:六尺棒 鎧(鎧強度:3) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金87) 魔法の弓 聖アシャナクスの十字架 手袋 毛皮のマント 毛皮の毛布 金の巻物

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:4 戦闘力:7(-3) 打撃力:サイコロ1個+1(-2) 精神力:8(+1) 機敏度:6 生命力:21
装備:銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金92) チェッカー盤 コマ 火の球 魔法のパン 火鉢  毛皮のマント 毛皮の毛布 回復薬(生命力をサイコロ2個回復)

Photo スクリーボ

旅の途中で買われたカラス。
お値段は金貨1枚。
とりあえず当面、役に立つような能力は無い。
しょせんは金貨1枚。

前巻までのあらすじ

レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。彼らは腕試しがてらに迷宮突破競技へ挑んだ。そこで幾多の罠や敵を切り抜け、見事に優勝の栄冠を手にする。激闘を終えた三人は、再び気ままな旅を続けるが、この地で新たな冒険に巻き込まれるのであった……。

宝剣ブラッドソードの鞘を手に入れた三人は、一路、柄を持つというワイアード王国のワーロック王の下へ向かった。真のマグスの部下・オーガスタスを退け、流氷の海を渡る。ついにワイアードの島影が見える所までたどり着いたが……。

テツヤ「やっとこさ見えて来たか。ようやく氷の上で寝る過酷な生活とおさらばできるぜ」

ディアブロ「次は雪の上で寝る生活が始まるんじゃないかねぇ」

ミヤ「宿屋とかに泊めてもらえばいいじゃない。それじゃー海岸までダッシュだ!」

テツヤ「すぐに走ろうとするのはいい加減やめろ……」

【項目404】
海岸線に近づくにつれて、足の下の流氷は薄くなっていった。
奇妙な形をした、高くそびえる氷山はなくなり、氷の裂け目から灰色の海がのぞいている。

テツヤ「これはこれで、割れて海に落ちないか心配だな」

スクリーボ(逆に海から出てくる奴の事を心配した方がいいゾ)

あと一キロほどで海岸という所で、遠く離れた氷の上に倒れている毛皮を着た人影を発見する。
人影は動かない。
だが、毛皮の男を助けに行っていっては、夜までに海岸に着くのは不可能になるかもしれない。

ミヤ「だったら夜中に海岸へ着けばいいよ! さ、助けに行こう!」

テツヤ「ま、異論はねぇ。この先の情報が聞けるかもしれねぇしな」

 三人は人影へ急ぎ駆け寄る。

【項目465】
倒れている男を助け起こす。
ところが、それは男ではなかった。
分厚いマントの下に手織りの質素な衣装をつけた黒髪の若い女だ。
女はとても弱っていたが、まだ息をしている!
肌は雪花石膏のように真っ白だ。

テツヤ「こいつはなんとか手当てしねぇと保たねぇぞ」

ミヤ「はいな! あたしにお任せだよ」

 さっそく生命力回復術を使うミヤ。景気良く6点ほど回復させてみる。女の顔にわずかだが赤みがさし、うっすらと目があいた。

テツヤ「よし、でかした。後で頭撫でてやるぞ。おい、あんた。しっかしろ、大丈夫か?」

【項目48】
彼女はかろうじて話せる状態だったが、意識ははっきりしていた。
彼女は小さな声で言った。

「私はワイアード王国の者です。私は二人の弟と一緒に国から逃げ出そうとしました。ワーロック王の専制政治の下で、私たち家族は長居あいだ耐え忍んできたのです。でも、アイスクラーケンが追ってきて、弟二人を殺しました。あいつは……逃げ出そうとする者を……みんな殺して……」
彼女の声は聞きとり難くなり、昏睡状態に落ちこもうとしていた。
発見されるまでに、彼女の体温はあまりにも下がりすぎていた。
もう手のほどこしようが無い。

ミヤ「そんな……結局ダメなんだ……」

ディアブロ「HPが回復すればそれまでのダメージがノーカンになるのはプレイヤーキャラの特権て事だぜぇ

テツヤ「チッ……おいあんた、仇を討ってやる事になるかもしれねぇ。ワーロック王はどうすえば倒せる? 方法を聞いた事は無いか!?」

【項目284】
女は弱々しく頭をふった。
「まず……『永遠のたそがれ』城を探さなければなりません。ワイアード島の最北端にあるという人もいます……。でも私は、城は私達の夢の中にしか……存在しないのだと聞かされてきました……」
女はまばたきをした。
声はほとんど聞き取れなくなっていた。

「夢は……」

ミヤ「どういうこと? 異次元にでも潜んでいるの?」

テツヤ「だとしても、そこに居るっていうなら行く方法があるだろうよ。誰も行けない場所なら本人だって行けるわけねぇんだからな」

【項目59】
目を閉じて、女は死んだ。
夕陽が沈もうとするところだった。
女が気の毒だったが、できるだけの事はしたのだ。
今は薄明かりが残るうちに陸にたどり着かなければならない。

ミヤ「こんな所じゃ埋葬もしてあげられないね……」

ディアブロ「ま、仕方ないねぇ。ここで寝ていてもらうしかないぜぇ」

テツヤ「念仏の一つもよんでおいてやるか」

 しばし死者を悼み、三人は再びワイアードを目指す。

【項目365】
ワイアード島の灰色の断崖めざして急ぐ。
その時、足元の氷の下で何かが動きまわる気配を感じる。
見ると、厚い流氷の下に一つの赤く光る目がある。
思わず震えあがる。

テツヤ「こいつがアイスクラーケンか!」

ミヤ「出る人は許さないけど入る人はオッケー……て話はないよね?」

突然、周りの流氷の表面に、八つの穴があき、氷を突き破って、八本の巨大な触手が現れた。
大きな吸盤から水をほとばしらせながら、触手はこちらの方へのびてきた。

ディアブロ「無さそうだぜぇ。これはやるしかないな」

テツヤ「おいおい、今気付いたけど、俺ら生命力が激減りしたまんまだぞ!」

現在値:テツヤ10点、ミヤとディアブロは6点。

ミヤ「そういえば流氷の海を旅して減ったままだよ」

スクリーボ(ま、もともと戦うのは無謀だけどナ)

なにせアイスクラーケンは触手1つずつが敵1匹。計8匹の敵と戦う事になる。個々の触手は決して強い敵では無いが、隣接していない敵を普通に殴れるという反則な能力を持っている。移動に1行動を費やすこのゲームのルールだと、ひたすらサンドバッグにされるのと同じ事。現時点のレベルで太刀打ちできる敵ではないのだ。
そこで、この場ではアイテムを使って切り抜ける必要がある。

【項目549】
大きな触手が迫って来る。
何を使えばいいかを冷静に考える。

選択肢の中に『透明人間の巻物』という物があるが、これは1巻を含めてここまでのどこを探しても見つからない。ボツアイテムの名前を記してしまったのか、はたまた何かのひっかけか。或いは、1巻に『雲隠れの巻物』というアイテムがあるので、これの事なのかもしれない。
とはいえそれを手に入れていないこのパーティにとってはどうでもいい事。ディアブロは急いで火の球を取り出す。

【項目78】
火の球の合言葉をささやく。
球はたちまち熱なり、火傷しそうになったので、慌てて放り出す。
氷に当たると、球はシューシューと音を立てたが、
火の球の勢いは少しも衰えなかった。
やがて、
火の球を包む白い炎の周りに、融けた流氷から立ち昇る水蒸気の雲が生まれた。
部厚いマントを着ていたので、数分間というもの、うだるような暑さだった。
火の球が融けた氷の下へ落ちていくと、巨大な赤い目は訝しげな瞬きをした……。

テツヤ「おいおい、球が沈んじまったぞ!」

ディアブロ「慌てない、慌てない。魔力はまだ失われていないぜぇ」

突然、化け物の恐ろしい叫び声があたりに響き渡った。
触手が気が狂ったようにのたうちまわる。
岸に向かって駆け出しながらふり返ると、化け物は水面から半身を出して苦しんでいた。
あんな化け物に同情の余地はない。
だが、苦しむ姿を喜んで見ている必要もないだろう。
化け物に背を向け、陸に向かって歩きはじめる。

ミヤ「うわー、熱湯責めの刑だよ。湯でダコになっちゃうんじゃないかな」

テツヤ「漁師さんらが腹いっぱい食えて結構なこった」

ディアブロ「今のうちにとっとと上陸しようぜぇ」

 歩く事しばらく。三人はようやくワイアードの土を踏む。

【項目117】
ワイアード王国の海岸線は切り立った崖に囲まれ、その下には凍った土と小石の浜があった。

テツヤ「なんか荒涼とした所だな」

北に目をやる。
この未開の土地を旅して、ワーロック王の住む「永遠のたそがれ」城に行かなければならないのだ。
奴は強力な敵に違い無い。
しかし、ブラッド・ソードの柄を取り戻すには、奴を倒すしかない。

テツヤ「さて、どこへ向かうにしろ、この島の情報が欲しい所だがよ……」

ミヤ「はいはい! あたし、ちょっとはこの国の知識あるよ」

【項目209】
3_2 (僧侶)

アイアード王国についての知識を整理してみる
この国の支配者であるワーロック王は「永遠のたそがれ」城に住んでいる。
クラースの古文書によると、彼の統治は六世紀も前から続いているという。
また彼は、支配している人々の夢の中に入り込む力を持っているとも言われている。
だから、誰かが反逆を企てたりすると、たちまちそれを悟り、その反逆者を眠っている間に葬る事ができるのだった。

テツヤ「だったら俺ら、ここからは不眠不休でワーロック王の所まで行けって事かよ」

ミヤ「うーん……あたし達は他所者だから大丈夫じゃない?」

ワイアードは階級社会だ。
まず、アーミジャーという郷士階級がいる。
彼らは、今ではいささか落ち目の階級と言わざるを得ない。
なにしろワイアード王国が参加した戦いは、旧セレンチーヌ帝国の崩壊以前にさかのぼる大昔になるのだから。
それになんといっても、ワーロックの統治が厳しくて、彼らが国内でいざこざを起こす余地など残されてはいない。

法を司るのがソロンと呼ばれる階級で、彼らは国の政治や、ワイアードで事あるごとに行われる儀式を執り行う人々を管理している。

一万とも二万ともいわれる人口の大部分を占めるのが農民で、彼らの生活はクラースの貧しい人々以上に悲惨な物だ。
不毛の土地は、彼らがそこに生活する事すら拒絶している。
朝早くから陽が落ちた後まで、彼らは畑に頑固にはびこる根っこを引き抜く仕事に追われていた。

テツヤ「なんか農民と王様以外は空気じゃないか? この国」

スクリーボ(ゲーム中でも、その二つ以外はほとんど出て来ないしナ)

唯一、伝統の重みに縛られないのが予言者の階級だ。
彼らは好きな所を巡り、森や農家で眠り、ソロンが従わせようとする法律をまるで無視する生活をしている。
ワーロック王がなぜこういう異分子を黙認しているのかは謎だ。
彼らは予言者でもあり、吟遊詩人でもあって、農民達に、権威を恐れるなと説いてまわっている。
果たして、彼らの見る夢もワーロック王の管理下にあるのだろうか?

ミヤ「と、これが今のアイアードの実態だよ」

スクリーボ(実は知らなくても問題ない情報が大半なんだガ。このゲームは背景世界がきっちり作りこまれた作品なんで、それを垣間見る事ができる項目なんだナ。RPGはただ文章で構成されただけのスゴロクではないという事ダ

この国で三人を待ちうける物は何か。それは次回のお話。

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2010年1月26日 (火)

本格ファンタジー

お世話になっている創土社が、今度、本格ファンタジー小説を翻訳・出版するらしい。
リンクにも張っておいたけど、一応こちら。

特設サイト http://www.soudosha.jp/lycidas/

編集者ブログ http://ameblo.jp/bassrandy2/

本格といっても「どこかの惑星のどこかの国の、剣と魔法を使う逆毛勇者の話」というパターンではなく、イギリスが舞台で主人公は12歳の女の子のようだ。

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2010年1月25日 (月)

ホームページ

このブログを立ち上げた一年近く前、ホームページから“近況報告”を消した。
容量削減のためである。

が、それからを振り返るに、ほとんど更新しなくなったので削減の必要が実は無かった。

というわけで、ホームページの過去の日記を復活させておく。
あそこの本格的な更新は、次の創土社のゲームノベルが発売された時になるだろう。

予定通りなら、それはドルアーガの最終巻である筈だ。

20年越しの疑問、ドルアーガ(正体)の技量値が一時的に23へ低下する事があるのは誤植か仕様なのか。それが解ける日が来る……。

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2010年1月22日 (金)

性根……?

執筆を進めていると、妙に書きやすい所となかなか進まない所が出てくる。
まぁ当然だ。何でも同じぐらいやれる奴なんてそういるわけがない。
だが己の好みと一致していないような気がするのは不思議だ。

一番たやすく進むのがルール・システム・バランス周りだ。
まぁ数値をいじるだけだからな。
どういう遊び方をするのか考えればすぐ決まる。

だがストーリー・文章において、どうも頭と手が止まりがちな所と、頭の要求する速度に手がおいつかないぐらいポンポンと文が沸いて出る部分がある。

とりあえずわかった事は、陽気な日常みたいな物を書く技術が無いらしい。

まぁ強大な敵との単騎決戦みたいな話にするつもりだから問題無いんだけどさ。
舞台も剣と魔法のファンタジーだし、バケモノ相手に精強な主人公が殴りこみかけるっていうありがちな話なんで。
どこかで見たような話になるかもしれんが、前2作も“類似作の全く無いオリジナル”じゃなかったから気にするような事でもないな。

まぁパクリはすれども丸投げはせんよ。そこらへんは前2作も、次も、(あるとして)今後も変わらない。

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2010年1月19日 (火)

レビュー マージナル・ライダー(2) 第六話 遮蔽越し歌合戦

Mr8  紆余曲折の末、ラファルは蛮族軍を率いる地獄王子コーカサスバーバリアンを追って海上の敵戦艦へ。仲間達は戦艦が沈むのを見るが、ラファルは帰ってこない。

「でも私、ラファルが生きてるって信じてる」

 そう言うメルティーは、青空の向こうにラファルを見るのであった――。

 

 そんな嘘八百を並べても通じそうなぐらいイケメンなラファルが描かれているが、この巻では普通に事件が解決して普通に続巻されるので安心していい。
 

 さて、肝心の六話の内容だが……この話は要約すると「マージナル・シンガー」である。呪歌ってハマれば強いねー、という結論が出た。聞いてる者へ敵味方無差別に効果を発揮するので、時と場合に左右されがちではあるが……この巻の最終決戦の趨勢を決めたのが呪歌なのは疑う余地は無い。
 敵味方でとりあったブツも呪歌だし、決め手も呪歌。俺の歌をきけー。まさにデカルチャー。ヤーック。

 おっと、この話で新メンバー登場・さらに入れ替えで新メンバー交代とかめまぐるしい事をしてたけど、まぁそいつらについてはあまり触れなくていいよね。
 ヒゲのオッサンと禿ヒゲのオッサンだし。
 ラストバトルに参加したドワーフの方は、離脱したリルドラケン同様の壁+回復型だったけど。これは基本メンバーの構成上、強めの敵と戦う時は壁と回復が欲しいっていう都合があるのでどうしてもこうなりがちになるのだろう。残念ながら、グラスランナーのフェンサー(基本ルールブックに掲載されていたネタっぽいキャラ)とかが面白半分に顔だしする隙間は無さそうだ。

個人的に期待していた展開↓

GM「今回のシナリオ、助っ人は懐かしのあの人達だー!」

シャーリィ「シャーリィでーす!」

チロル「チロルだよー!」

GM「肉弾型バトルヒロインコンビが参戦だー!」

ラファル「で、誰が俺の回復すんねん

 倒れるまで敵と殴り合い、倒れた奴は放置される。死して屍拾う者無し。女キャラ率高いくせに無駄に修羅道を歩まされる伝説のセッションが幕を開ける……!

 

 とりあえず三巻が出たらまた購読しようとは思います。あとがきでラファルがドラゴンライダーになれるまで続けたいとか書いてますし、まだ当分続くでしょう。
 モンスターレベル50000・能力的には5レベル程度の敵を出して無暗に経験値だけ稼がせ、2話ぐらいでドラゴンライダーになるとかいう馬鹿な荒業とか使って無理矢理短期終了させたりしないと思いますし。

ラファル「俺はようやく登りはじめたんだからな……この果てしない竜騎士への道をよ……」

こんなラストなら普通にありえるかもしれんけど。

(C)田中公侍・グループSNE/富士見書房 

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2010年1月16日 (土)

ブラッドソードリプレイ2-9 流氷の海

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:4 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:7 機敏度:8 生命力:25
装備:ブラッド・ソードの鞘 ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金87) 弓 矢筒(矢6本) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 膏薬の瓶(残り5回) 手袋

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8 機敏度:7 生命力:21
装備:六尺棒 鎧(鎧強度:3) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金87) 魔法の弓 矢筒(矢1本) 回復薬(生命力をサイコロ2個回復) 青い目の宝石 聖アシャナクスの十字架 手袋

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+1 精神力:8(+1) 機敏度:6 生命力:21
装備:剣 銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金92) チェッカー盤 コマ 火の球 手袋

Photo スクリーボ

旅の途中で買われたカラス。
お値段は金貨1枚。
とりあえず当面、役に立つような能力は無い。
しょせんは金貨1枚。

前巻までのあらすじ

レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。彼らは腕試しがてらに迷宮突破競技へ挑んだ。そこで幾多の罠や敵を切り抜け、見事に優勝の栄冠を手にする。激闘を終えた三人は、再び気ままな旅を続けるが、この地で新たな冒険に巻き込まれるのであった……。

宝剣ブラッドソードの鞘を手に入れた三人は、一路、柄を持つというワイアード王国のワーロック王の下へ向かった。空飛ぶ絨毯でワイアードまで連れて行ってやるという魔術師オーガスタスに会うものの、それは真のマグスの巧妙な罠だった。しかし軽く撃退したので、三人はオーガスタスの居城を調べる事にする。

テツヤ「さて、何があるかな。とりあえず片っ端から覗いてみるか」

ミヤ「叔父ちゃんが久しぶりに盗賊らしい事を言ってるね」

スクリーボ(この城を調べるのに、盗賊の能力は役に立たないんだけどナ……)

ディアブロ「城は三階建てだぜぇ。どこから行く?」

テツヤ「よし、上から順に行こう」

【項目252】
最上階の回廊には、オーガスタスの個室が並んでいた。
分厚い絨毯の上には、
毛皮のマント毛布が多数散乱していた。
流氷の上を旅する時に役立つ物ばかりだ。

テツヤ「よし、各自マント毛布を持って行くぜ」

ミヤ「叔父ちゃん、あたしはもう荷物いっぱいだよ」

テツヤ「なに? おっと、俺もだな」

仕方ないので荷物を整理。使わない物をほいほいと捨てていく。

テツヤ「バトルオーダーが常に一番の俺がを抱えてても滅多に使わんな。矢筒を捨てて1個あけるぜ」

ミヤ「あたしもが残り一本だから捨てちゃおうっと。青い目の宝石も別にいらないね」

ディアブロ「俺は2個ぴったり持てるぜぇ。万事問題無し、と」

スクリーボ(2巻は荷物のやりくりが一番の問題なんだよナ……)

テツヤ「よし、じゃあ下の階を調べんぞ」

ミヤ「あいあいさあ!」

【項目140】
真ん中の回廊には、いくつかの扉が並んでいた。
鍵のかかった扉もあったが、かかっていない扉を見つけて中に入ると、そこは魔法使いの実験室だった。

テツヤ「さっそくマジックアイテムを探すか。さて、何を持っていくかな……」

ミヤ「おおっと、叔父ちゃんちょい待ち」

【項目12】

(僧侶と魔術師)

オーガスタスは、いろいろな装置を作り出す魔法使いのようだ。
棚に山積みされた品物のほとんどが、何に使うのかわからなかった。
だが、面白そうな物を二、三見つける……。
その一つに手を伸ばして、一瞬躊躇う。
オーガスタスは、盗っ人を捕える罠をしかけているかもしれないではないか?

ミヤ「というわけで、無暗に手を出しちゃいけないよ?」

テツヤ「つっても、どこにどんな罠があんのかあらかじめわかるわけじゃないんだろ?」

ディアブロ「おやま。そう言われるとつらいねえ」

【項目453】
部屋には奇妙な物がたくさん散乱していた。
その中には、
火鉢カチカチのパン液体の入った灰色の瓶、ペンタグラムの記された銀のプレート金縁の巻物などがあった。

テツヤ「火鉢とパンと、巻物を持っていくか」

ミヤ「全員、荷物がいっぱいだよ?」

ディアブロ「また整理か。とりあえず三つ空けるとして、俺は剣を置いていくぜぇ」

テツヤ「剣を使わないと開き直ったな。よし、俺も弓を捨てよう。この巻ではもう射撃はなしだ」

ミヤ「あとはあたし? うーん、それじゃあ、えーと……」

ディアブロ「おっと、手袋もすてるかね。これで2個空いた」

スクリーボ(だったら手袋、買わなくて良かったんじゃないカ)

テツヤ「さて、貰ったアイテムの効果だが……」

【項目455】
火鉢は今すぐ役に立たない。

ミヤ「ま、これは旅の途中で暖をとるためのもんだからね」

ディアブロ「巻物は読む時に指示された項目へ進めとあるぜぇ」

テツヤ「そこで消滅しそうだな。いずれ戦闘中に使うとして、あとはパンか」

【項目327】
パンを食べると、カチカチで、とても美味いといえる代物ではなかった。
しかし、驚くほど栄養があった。
がつがつとむさぼり食うと、手の中にわずかなパン屑が残った。

ミヤ「ごちそうさま。うーん、味はイマイチだなあ」

テツヤ「お前な。今全部食ってどうすんだ……」

その時、びっくりする事が起こった。
パン屑がどんどん大きくなって、元の大きさのパンに戻ったのだ。
この魔法のパンを持っている限り、飢える事は無い。
今後、食事をせよと指示された場合に、そのために金を払ったり、食料を消費する必要は無いのだ。

ディアブロ「ほほう、こりゃ便利なアイテムだぜぇ」

ミヤ「……あたし、思うんだけどさ。このパンがあったら、この世から飢餓は無くなる筈じゃない? だってこれ、人が作った物なんでしょ? 誰か良い人が一人作って飢えた街とかにあげれば、後はどんどん増えて皆に行きわたるじゃない?」

テツヤ「よく見てみろ。“1個のパン”以上に復元しねぇだろ。この世の飢えた人何十何百万に1個のパンをまわし食いさせて、本当に皆が飢えから救われると思うか?」

ミヤ「パンを何万何十万と作ればいいじゃん!」

テツヤ「できれば誰かがやってんだろ! まず事実の否定ありきで正確な結論が出るわきゃねぇよ! 半端に屁理屈が好きな奴にありがちだがな!」

ディアブロ「実際、レジェンド世界では高位の魔術師はマジックアイテムを作成できるルールがあるんだが……材料費がある程度、そして時間が物凄くかかるんだわ。物によっちゃ、生半可なレベルでは無理だしねえ。このパンを量産しようとしたら、先に不老不死の秘術を編み出す必要があるぜぇ」

ミヤ「むむむ……上手くいかないなぁ」

仕方ないので最下層も調べる事にする。

【項目524】
一番下の回廊には、客間が並んでいた。
どの部屋の扉も、外から南京錠がおろせるようになっていた。
中には興味をひく物は見つからなかった。

テツヤ「客間に外から鍵かけんのかよ……」

ミヤ「よっぽど信頼できない人しか来ないんだね」

ディアブロ「そもそもこんな僻地に誰が来るのかねえ?」

 もう手に入る物も無いようだ。三人はここを出る事にした。

【項目548】
塔の一階へ降り、大きな鉄の扉を力いっぱい引く。
扉の前には大きなデーモンが背中を向けて立ちはだかっていた。

ミヤ「バトルだな? よーし、まずはあたしが……」

テツヤ「しかし襲ってこないみたいだな?」

 その冷たい体を押しのけて外に出たが、そいつは目もくれず、尻尾をシュッと鳴らしただけだった。奴の役目は人を外に出さない事ではなく、人を中に入れない事なのだろう。進むうちに、ミストラル海の見渡せる断崖にたどり着いた。この断崖をくだらなければならない。転送の呪文を使える高さではないが、僧侶なら空中浮遊術を使う事ができるかもしれない。

ミヤ「じゃああたしは飛びまーす」

テツヤ「見てる方が心臓に悪い術だよな、これ」

【項目273】
3_2 (僧侶)

眼下には目もくらむような断崖がある。
師匠のパラメデスの事が心に浮かぶ。
彼はどんな場合にも、心の平静を失わない人だった。
その穏やかな声が、心に問いかけてくるような気がした。

「この瞬間をお前はなんと表現する?」

それはパラメデスの声ではなかった。
己自身の内なる声が尋ねているのだ。

ミヤ「そして相変わらずの二択なんだよね。“崖から飛び降りるところ”か“羽のように漂っていくところ”か。ま、こういう時はあえて危なそうな方かな」

【項目94】
(僧侶)

断崖から足を踏み出した……。
目を開けると、体はゆっくりと漂いながら降下していた。
まもなく崖下の流氷の上に音も無く降り立つ。

ミヤ「というわけで“崖から飛び降りた”よ。おーい、叔父ちゃん達も早くおいで」

スクリーボ(じゃあ遠慮なく行くとするかナ)

 ミヤの肩へ飛んでいくスクリーボを眺めながら、残された二人はため息をつく。

テツヤ「俺らは単純に身軽さ頼りだな……」

ディアブロ「俺はこういうの、苦手なんだがねえ」

【項目498】
崖を安全に下っていくためには、各キャラクターはサイコロを2個ふり、機敏度以下の目を出さねばならない。

結果、テツヤは当然のように成功。ディアブロは失敗して崖を転がり落ち、サイコロ2個の被害を受ける(7点のダメージ)。

ディアブロ「ぐへっ! 高速で降りる方法を実践しちまったぜぇ……」

ミヤ「大丈夫、あたしの回復術でちょいちょいだよ」

相変わらずのチマチマ回復で難なく全快状態へ。僧侶が先に下へ降りていて、生命力が13点以上残っているなら、この崖は全く被害が出ないのである。

【項目344】
北に目をやると、白く光る流氷がまぶしい。
あの方角のどこかにワイアード王国があるのだ。
だが、正確な場所はわからない。
あの氷の海を何日間も歩き続けられるだろうか?
北極から吹きつける寒風の中を?

テツヤ「ここから氷の世界を旅するわけだが……まずいきなり迷いそうだな」

ディアブロ「極世界で地図無しとか、まぁ死ぬぜぇ

ミヤ「大丈夫! これ見てよ、これ」

 ミヤは聖アシャナクスの十字架を取り出した。

【項目346】
十字架は、見えない力に引っ張られてピンと立ちあがった。
祈りを捧げて十字架の指す方向に向かって歩きはじめる。

ミヤ「旅人の守護聖人だもんね! ご利益ありがとうだよ」

テツヤ「へえ、たいしたもんだ。あとは寒さに耐えるだけだな……」

ディアブロ「ここから体力勝負になるぜぇ。俺はそういうの好きじゃないんだがね」

【項目422】
26ミストラル海の凍りついた表面が、平らで歩きやすいと思っていたのは大間違いだった。
それは鋼鉄のように硬くて、灰色をしたデコボコの連続だった。
そこここに、風にえぐられたグロテスクな形の氷山がそびえている。
吹きつける北風に、着た物が引きちぎられそうだ。
骨の髄まで冷えきってしまった。
昼も夜もとぼとぼと歩き続け、氷の上で三日間を過ごした。
寒さのために体は弱っていく……。

ミヤ「うひゃー、寒い寒い! スクリーボ、こっちおいで、ほら、遠慮しない!」

テツヤ「懐に押し込めるんじゃねぇよ。窒息するんじゃねぇのかソイツ」

ディアブロ「お嬢ちゃんが突然巨乳になってるぜぇ」

ミヤ「あ、ズリ落ちた」

ディアブロ「今度は妊婦さんか」

テツヤ「中でスクリーボがもがいてんぞ」

各キャラクターは、一日につき5点の生命力を失う。さらに以下の損失がある――

毛皮のマントを着ていなければ1日つき1点。

食料が無ければ1日つき1点。

寝袋が無ければ1日つき1点。

火鉢が無ければ1日つき1点。

また、手袋が無ければ凍傷にかかり、この巻の間は戦闘力が1減点。

テツヤ「寒さへの備えは万全だが、それでも15点の失点か!

ディアブロ「おー痒い。凍傷になっちまった。ま、武器はふるわないから問題ないぜぇ。剣も捨てちまったしな」

ミヤ「寝袋は無いけど、この毛布が代わりなんだよね

テツヤ「拾った時の記述を読む限りはそうだろ。とりあえず、みんな生きてるな?」

ミヤ「はーい。元気じゃないけど生きてるよー。あっちに陸地も見えるよー」

テツヤ「なにぃ?」

過酷な三日間を生き抜いたキャラクターは、ついに島影を発見する。
ワイアードの海岸だ。

テツヤ「やっと着いた!」

ミヤ「いやー、なんか長い事かかったねー」

ディアブロ「やれやれ。早くどこかの街で宿をとりますかい」

 しかしたどり着く前にまだ一波乱あったりする。それは次回で。

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2010年1月13日 (水)

ブラッドソードリプレイ2-8 空飛ぶ絨毯に乗って

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:4 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:7 機敏度:8 生命力:25
装備:ブラッド・ソードの鞘 ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金87) 弓 矢筒(矢6本) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 膏薬の瓶(残り5回) 手袋

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8 機敏度:7 生命力:21
装備:六尺棒 鎧(鎧強度:3) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金87) 魔法の弓 矢筒(矢3本) 回復薬(生命力をサイコロ2個回復) 青い目の宝石 聖アシャナクスの十字架 手袋

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+1 精神力:8(+1) 機敏度:6 生命力:21
装備:剣 銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金92) チェッカー盤 コマ 火の球 手袋

Photo スクリーボ

旅の途中で買われたカラス。
お値段は金貨1枚。
とりあえず当面、役に立つような能力は無い。
しょせんは金貨1枚。

前巻までのあらすじ

レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。彼らは腕試しがてらに迷宮突破競技へ挑んだ。そこで幾多の罠や敵を切り抜け、見事に優勝の栄冠を手にする。激闘を終えた三人は、再び気ままな旅を続けるが、この地で新たな冒険に巻き込まれるのであった……。

宝剣ブラッドソードの鞘を手に入れた三人は、一路、柄を持つというワイアード王国のワーロック王の下へ向かった。港町にてなかなか船足を確保できなかった三人は、知りあった魔術師オーガスタスの空飛ぶ絨毯に乗せてもらい、海を渡る事になった。

ミヤ「いやー、親切な人がいて良かったよ。渡る世間に鬼はないって言うね!」

テツヤ「鬼が出るか蛇が出るか……かもな。話は最後までわからねぇってこった」

ディアブロ「どっちにしろ、目的地には向かっているみたいだぜぇ? 今の所はねえ……」

【項目424】

絨毯は海上千メートルほどの所を飛んでいる。
捕鯨船が小さな染みくらいにしか見えない。

ミヤ「うひゃー、高い高い。すごーく気持ちいい!」

テツヤ「乗り出すなよ、危ねえぞ」

ディアブロ「その娘なら落ちても浮遊術で助かるんじゃないかねえ。後は泳いで行く事になるが……」

オーガスタスが言った。

「ワイアード王国へは、普通なら何日もかかるところだが、こうやって行けば、ほんの数時間だ」

勝ち誇ったように彼が叫ぶと、絨毯の速度は増し、強風にあおられて、彼のマントが翻った。
できるだけ姿勢を低くするように努める。
初めての空の旅で興奮していたが、冷たい風が骨の髄まで染みる。

ディアブロ「着くまで一眠りしたい所だが、そうも言ってられないぜぇ」

スクリーボ(じきに嫌でも雪中泊に挑戦する事になるゾ)

ミヤ「寒いなあ。スクリーボ、こっちおいで。暖めあお!」

スクリーボ(もちろん喜んデ。ぎゅって抱きしめテ)

テツヤ「鳥臭えな。飼うならこれからはちゃんと洗えよ?」

スクリーボ(お前があっち行ってロ)

まもなく、北の海をおおう流氷の白い輝きが見えてきた。
西には灰色の細い海岸線が見える。巨大な流氷の漂う青い海を、目を丸くして見おろす。
その時、オーガスタスが白い石のお守りを手に、何かを呟いた。
すると絨毯は、急に東に方向を変えた。

テツヤ「おいおい、オーガスタスさんよ。方向が変わってるぜ?」

【項目16】

「静かにしてもらおうか」

オーガスタスが言った。

「泣いて抗議したところで、この絨毯は言う事をきかんぞ」

オーガスタスの怒った口調に驚く。
つい先ほどまでは、あんなに親切そうにふるまっていたのに、今では唇に残酷な笑みを浮かべて前方を睨んでいる。

「どこへ行くのか知りたいなら教えてやろう。この絨毯は私の城へ向かっている。ある物を取ってきたいのでな」

テツヤ「へえ……そうかい。じゃあ連れて行ってもらおうじゃねぇか」

ミヤ「え? そうなの?」

テツヤ「ここでコイツを叩きのめしても、下に降りるのは一苦労だ。だったら連れて行ってもらおうじゃねえか。ワーロック王の部下なら、その陣地までよ」

スクリーボ(役に立つ物も奪えるしナ

【項目65】

25 時間は過ぎていった。
眼下を飛び去る凍りついた風景を見守っていると、オーガスタスが何かを呟いた。
前方に目をやると、凍った海の中から突き出た大きな岩山が見えた。
霜に覆われたその頂上には、陽の光を受けて白く輝く城が立っている。
絨毯は城に向かって降下を始めた。
オーガスタスはこちらを振り向いた。

「さて説明する時がきたようだな。私は、ホワイト・ライトの名で神格を得た真のマグス、ウルに仕える者だ。そちらの持っている宝石のちりばめられた鞘は、あの方の物だ。だからここで渡してもらおう。拒否する時は……」

彼は後まで言わずに、意味ありげに眼下の流氷を見おろした。

ミヤ「叔父ちゃん、ワーロック王じゃなくて別口だったみたいだよ?」

テツヤ「上手くいかねぇな。一応、ワイアード近くまでは来たけどよ」

ディアブロ「ま、請求された代金は不当に高額って事でお断りするかねぜぇ」

スクリーボ(渡したらゲームオーバーだからナ。実質、選択肢になっておらン)

ミヤ「よし、ここは断固とした態度にでるかあ!」

【項目504】

ミヤ「卑怯者! あんたみたいな人にブラッド・ソードの鞘を渡さないよ!」

オーガスタスは軽くほほえむと、差し出していた手をおろした。

「結構。もうすぐ私の城に着く。手下どもの歓迎を受けるがいい」

【項目208】

空飛ぶ絨毯は、氷のように冷たい空気の中を降下していき、白い塔の胸壁に着地した。
オーガスタスはニッコリ笑った。

「ここが、我がすみかだ」

彼が手を打つと、ずんぐりしたデーモンのような姿の四人の従者が、胸壁の上に飛び出してきた。
胸壁から下を覗くと、地面まではかなりの高さがある。

ディアブロ「逃げる事はできそうに無いぜぇ」

テツヤ「腹をくくるしかねぇな」

「最後のチャンス。潔く鞘を渡せ。さもないと、従者どもに力づくで奪わせるぞ」

オーガスタスは言った。
もうほほえんではいない。
デーモンのような従者達は、ニタリと笑って短剣を抜いた。

ミヤ「やだ! 絶対に渡さない!」

 譲りようが無いので交渉決裂である。バトルオーダーは1=テツヤ、2=ミヤ、3=ディアブロ。ディアブロは“白い火”の呪文を準備する。

【項目76】

こちらの厳しい表情を見ると、オーガスタスは一歩退いた。
奴は従者達に攻撃を命じた。

デーモンの従者(DS)
戦闘力=8 精神力=6 鎧強度=1 生命力=8(四人とも同じ)
打撃力=サイコロ1つ+1 機敏度=5

テツヤ「なんだ? 意外とたいした事ねぇぞ、こいつら」

ミヤ「“従者として仕える悪魔”じゃなくて“悪魔の従者をやってたなんか弱い魔物”なのかな?」

スクリーボ(しかもこの布陣、連れ込んだはずの敵が圧倒的に不利だゾ。頭までお粗末だナ)

B9_2○第1ラウンド
テツヤ:従者1を攻撃。出目4で命中。ダメージ4(被害3)。残り生命力5。
ミヤ:従者1を攻撃。出目9で失敗。
ディアブロ:白い火の呪文を詠唱。出目12で失敗。

ディアブロ「全体的に不調かねえ」

テツヤ「チッ、無傷で勝とうという思いは捨てるか!」

従者1:テツヤを攻撃。出目10で失敗。
従者2~4:何もできない。

テツヤ(ダブルアクション):従者1を攻撃。出目7で命中。ダメージ7(被害6)。撃破。

テツヤ「どんなもんよ!」

ミヤ「おお、叔父ちゃんやるね!」

○第2ラウンド
テツヤ:従者2へ射撃。出目5で命中。ダメージ1(被害0)。

ミヤ:従者2へ射撃。出目5で命中。ダメージ2(被害1)。残り生命力7。
ディアブロ:白い火の呪文を詠唱。出目9で失敗。

テツヤ「チッ、このラウンドは全員不調か!」

従者2~4:東へ1マス移動。

○第3ラウンド
テツヤ:従者2を攻撃。出目7で命中。ダメージ4(被害3)。残り生命力4。
ミヤ:従者2を攻撃。出目3で命中。ダメージ8(被害7)。撃破。

ミヤ「よし、調子が戻ったぞ!」

ディアブロ:白い火の呪文を詠唱。出目9で成功。従者3にダメージ10(被害9)。撃破。

ディアブロ「こっちもやったぜぇ」

スクリーボ(いつのまにか敵は残り一匹だナ)

従者4:E-1へ移動。

○第4ラウンド
テツヤ:従者4へ射撃。出目7で命中。ダメージ1(被害0)。
ミヤ:従者4へ射撃。出目7で命中。ダメージ4(被害3)。残り生命力5。
ディアブロ:白い火の呪文を準備。

従者4:F-1へ移動。

ミヤ「このラウンドも低調だなあ。敵さんが目の前にきちゃったよ。あたし、矢が残り1本しかないや」

○第5ラウンド
テツヤ:従者2を攻撃。出目6で命中。ダメージ5(被害4)。残り生命力1。
ミヤ:従者2を攻撃。出目5で命中。ダメージ5(被害4)。撃破。

ディアブロ「結果だけ見れば、無傷で大勝利だぜぇ

テツヤ「おう、次はオーガスタスだな。覚悟してもらうぜ!」

【項目26】

従者が不利と見てとると、オーガスタスは絨毯の上に退いた。
奴に飛びかかろうとしたが、絨毯は既に胸壁から離陸していた。
安全な距離を保って、奴はこちらを睨みつけた。

「そこで朽ち果てるがいい!」

彼は怒りに顔をゆがませて叫んだ。
拳を振り上げると、彼は絨毯に、クラースへ戻れと命じた。
絨毯は白い靄の彼方に消えていった。

テツヤ「チッ、逃げやがったか」

ディアブロ「どれ、せっかく案内してもらったんだ。奴のねぐらを屋探しといこうぜぇ」

ミヤ「なんか強盗みたいだなぁ」

スクリーボ(しかしここで手に入るアイテムは結構便利だゾ)

塔の中に入ると、吹き抜けを見おろす円形の回廊がある。吹き抜けがあるのに、各階を繋ぐ階段が見当たらない。
下にはあと二つ回廊があって、その下は一階の広間になっている。

ミヤ「どうすんの? あたしが空中浮遊術で運ぶの?」

ディアブロ「いやいや、ここは俺にまかせてもらうぜぇ」

【項目93】

Photo_2 (魔術師)

緊急救出の呪文を使えば、どの階に行く事もできる。
階段が無い事など問題ではない。
これを使って塔を探検する事にした。

ディアブロ「と、まぁこういう事だ」

ミヤ「そっか。この呪文、パーティ全員に有効だもんね」

スクリーボ(なのにたまにそうでない時があるのが不思議だゾ)

テツヤ「さて、ボッタクリタクシーの運ちゃんから何か貰うか」

 ではここに何があるのか? それは次回の探索にて。

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2010年1月10日 (日)

ブラッドソードリプレイ2-7 港町カノング

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:4 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:7 機敏度:8 生命力:25
装備:ブラッド・ソードの鞘 ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金89) 弓 矢筒(矢6本) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 膏薬の瓶(残り5回)

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8 機敏度:7 生命力:21
装備:六尺棒 鎧(鎧強度:3) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金90) 魔法の弓 矢筒(矢3本) 回復薬(生命力をサイコロ2個回復) 青い目の宝石 聖アシャナクスの十字架

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+1 精神力:8(+1) 機敏度:6 生命力:21
装備:剣 銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金94) チェッカー盤 コマ 火の球

前巻までのあらすじ

レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。彼らは腕試しがてらに迷宮突破競技へ挑んだ。そこで幾多の罠や敵を切り抜け、見事に優勝の栄冠を手にする。激闘を終えた三人は、再び気ままな旅を続けるが、この地で新たな冒険に巻き込まれるのであった……。

宝剣ブラッドソードの鞘を手に入れた三人は、一路、柄を持つというワイアード王国のワーロック王の下へ向かった。ブラッドソードを狙う“真のマグス”の刺客、道中で出あった騎士の旧敵・灰色のレディ等を退け、三人はワイアードへ向かう旅を続ける。

ミヤ「ちょいと遅めですけど、あけましておめでとうございまーす! 今年も元気に冒険の旅を続けますんで、よろしくね!」

テツヤ「世界観ブチ壊しだな。まぁ挨拶自体はあるべきだがよ」

ミヤ「正月は一日中食べて寝てたから、あたしも体重が心配でさ。だから二日目は近所の河川敷で、父ちゃん母ちゃんも強制参加の耐久凧揚げ合戦をずっとやってたよ。思い切り走りまわって凧が見えなくなるまで上げるのがウチの掟なんだけどね、父ちゃ……」

テツヤ「俺らは旅の途中って設定なんだよ! 黙れよ!」

ディアブロ「ご両親も、娘がそんな歳になってまでそんな行事に付き合わされるとは思ってなかっただろうねえ……」

ミヤ「でも毎年、最後には母ちゃんが一番はりきって熱中してるよ」

テツヤ「だから凧揚げの話はやめろって言ってるだろ! レジェンドの世界に凧があるとでも思ってんのか?」

ミヤ「この世界、忍者がいるんだから凧だってあるかもしれないじゃん?

テツヤ「少なくともカノングまでの道程に凧は無ぇ!」

ディアブロ「雑煮も無いし炬燵も無い。正月を迎えるには寂しい地方だぜぇ。……おっと、向こうに街が見えてきた。その向こうには海も見えるな」

ミヤ「じゃ、あれがカノングだね! よし、一気にダッシュだ!」

テツヤ「なんですぐ走りたがるんだよ、お前は!」

【項目116】

東に向かう。
港町のカノングに着いたのは昼近くだった。
退屈そうな顔をした衛兵が一人、町の入口の狭い門の横に立っている。
町はごったがえし、タールと魚と潮の臭いに満ちていた。
静かな田舎を旅してきた後に、急に町の喧騒に巻き込まれて、一瞬ぼう然と立ちつくす。

ミヤ「うわー、人が多いなあ! 新年も十日となると、みんな忙しく働いているんだね!」

テツヤ「正月からそろそろ離れろ」

そこへ、顔に傷あとのある水夫がやってきた。水夫は尋ねた。

「捕鯨船を探しているんじゃないのか? そんなら、もう探すには及ばんぞ。俺たちの船で頑丈な若いもんを集めてるんだ」

水夫は見えるほうの片目でこちらをじろじろ眺めた。

テツヤ「で、その船はどこへ行くんだ? 俺らはワイアード王国へ行くんだがよ。寄ってくれんのかい?」

【項目395】

男はふくみ笑いをしながら、首を横にふって言った。

「ワイアード王国だと? あそこに渡るには春まで待たなくちゃな。ワイアードの周りの海岸は、今頃の季節、固い氷に閉ざされてるのさ。そりゃあもちろん、どんな苦労をしてもというんなら、行ける所まで船で行って、あとは歩いて渡るって事もできん話じゃないがね。へっへっへっ」

男は溝につばを吐いて、人ごみの中へ消えていった。

ミヤ「うーん、上手くいかないね。もっといろいろと探してみた方がいいかな?」

テツヤ「そうするしかねぇだろうな」

ディアブロ「じゃ、一休みとしますかね。ちょうどそこに宿屋があるぜぇ」

 宿屋には“ウルリック・ボーンズ”という看板がかかっている。三人は宿の戸を開けた。

【項目17】

宿屋のバーに入る。
客の水夫のほとんどがタバコを吸っていて、煙が充満している。
部屋の向こうには、僧の一団がいて、黒の錦織りのマントをはおった老人に熱心に話しかけている。
そしてカウンターの近くには商人の一団が陣取っていて、騒々しく品物の売り買いをしている。

ミヤ「どっちかの団体さんに話を聞いてみようよ。あの人達も船旅をしてきたのかもしれないし」

ディアブロ「あるいはこれから船に乗るのかもしれないぜぇ。どちらにしろ、航路について聞けるかもな」

テツヤ「じゃ、坊さんの方から聞いてみるか」

【項目83】

バーの人だかりをかきわけていくうちに、僧の一団を見失ってしまう。
ようやく彼らの姿を見つけたときには、さっき彼らと一緒にいた老人の姿はなかった。
僧たちは色鮮やかな漆塗りの面をつけていた。

「ここへ来て、お座りなさい」

一人の僧が言った。
面で口を覆っているため、声はくぐもっている。
僧はテーブルの端の椅子から、彼らの飼っているカラスを払いのけた。
カラスは怒って金切り声をあげると、テーブルの側を気取って歩きまわった。

テツヤ「……なんか物すごく怪しい一団だな」

ディアブロ「常時顔を隠しているってのも不気味だぜぇ」

ミヤ「ま、気にしない、気にしない。それよりワイアードへの行き方を聞こうよ」

ワイアード王国の事を教えてくれないかと言うと、しばらくの沈黙の後、僧達は次々に話し始めた。

「ワイアード王国はここから北東の方角にあります」

最初の僧が言った。

「冬になると、北から流れついた流氷の上を渡らなければなりません。骨の折れる旅です」

次の僧が言った。

「どんな船もあそこまでは乗せていってくれませんし、どんな船長もワイアード王国の海岸に近づこうとはしないでしょう」

三人目の僧が言う。
四人目の僧がため息をついたので、またしばしの沈黙が流れた。
彼はテーブルの下で歩きまわっているカラスを悲しげに見つめて言った。

「私達の老いぼれカラスを買う気はありませんか? スクリーボという名でしてね。金貨一枚で結構ですが」

Photoテツヤ「……なんだ、このブサイクなカラスは」

ミヤ「やーん、可愛いじゃない! おいで、スクリーボ。こっちこっち!」

ディアブロ「買う事に決まったらしいぜぇ……」

テツヤ「この肥満鳥をかよ……。坊さん達が厄介払いで売りつけるような代物なんだよな、コイツ」

僧達はもう話す事もなさそうなので、彼らに別れを告げる。

【項目54】

ミヤ「スクリーボ、あたしの肩に乗る? ほらほら、いい子いい子!」

テツヤ「大丈夫かよ、このデブ。かなり頭悪そうだがよ……」

スクリーボ(お前に言われるのは納得がいかんナ)

ミヤ「この子は賢いよ? 自分でちゃんと着いてくるから荷物として扱わなくていいって本文に書いてあるもん」

スクリーボ(まぁそのぐらい余裕だナ。フラグ立てないとフラフラほっつき歩いて邪魔してくるスカンタコとはデキが違うゾ)

ディアブロ「ま、邪魔にならないならいいんじゃないの? 商人の方とも話してみようぜぇ」

【項目358】

こちらが近づいていくと、商人達はひじを突っつきあい、慌てて荷をほどいて、商品を並べ始めた。
一人が、豹の毛皮のマントを手にして言った。

「どうです! この辺りじゃ最上の毛皮ですよ。これさえあれば、どんな寒さもこたえやしません」

別の商人が片手に金属製の小さな火鉢をつかんで、飛び出して来た。

「いやまったく、今年の冬はかつてなく寒さが厳しいようで、だからこそ、これをお勧めしたいのですよ!」

値切りに値切って、いくつかの品物の値段を決める。

分厚い毛皮のマント(金貨10枚)

非常携帯食1週間分(金貨2枚)

手袋(金貨2枚)

寝袋(金貨5枚)

燃料つきの火鉢(金貨7枚)

ここで必要なのは手袋だけだ。三人は己のぶんの手袋を買う。

スクリーボ(他の物は後で拾えるからナ。付け加えるなら、ここの商人どもにこの先の道を尋ねる必要もないのダ。街の入り口で出会った水夫と同じような話しか聞けないからナ)

ミヤ「おー、手袋あったかいね。ここからどうする?」

テツヤ「そろそろ船を探すか」

三人は宿を出る事にする。目指すは港だ。

【項目306】

カノングの港町の人ごみの中を進む。
悪態をつく水夫達、油布に身を包んだ鯨獲りの男達、高価な毛皮を着た商人達で、通りはごったがえしている。
派手な色の衣裳を身につけ、通りすがりにこっそりウインクを送ってよこす女もいる。

やがて港に着いた。
二隻の大洋を行く頑丈そうな船が目にはいる。
一隻は捕鯨船のようで、甲板には釣り針や銛や鉄の鎖といった捕鯨の道具が山積みにされている。
その後ろには「マグダレーン号」という名の一本マストの帆船が停泊していた。
各地の港をめぐる交易船のようだ。

船長を呼ぶと、背の高いやせた男が道板の上に現れ、こちらをじろじろと眺めまわした。
船の目的地と船賃をたずねると、男は耳障りな声で言った。

「俺達はダーヘブンへ行くんだ。漕ぎ手をやる気があるなら、ただで乗せてやろう」

ミヤ「おー、タダだよ! どうする?」

テツヤ「急いで決めるのはやめとけ。他にも無いか探してからだ」

ディアブロ「もっと近くまで行ってくれる船があるならよし、無ければ戻ってくればいいんだしな。金は多少あるから、無理にタダの船に乗る必要はないぜぇ」

【項目72】

三人は船から離れた。次にどこへ向かった物か、頭を寄せ合って考える。

桟橋を離れた所で、紫色のマントをはおった痩せた男が近づいてきて、挨拶をした。

「わしはヴァントリーのオーガスタスと言って、少しは名の通った魔法使いだ。今の会話を偶然聞いてしまったのだが、ワイアードへ渡るのは楽じゃないぞ。だがどうしてもというなら、わしが手助けをしてやろう」

彼は、紐で首からぶら下げた白い石のお守りを指でさわって言った。

ミヤ「へえ、魔法でどうにかしてくれるのかな?」

テツヤ「そりゃあ魔法使いと名乗って近づいてきて、普通に別の船を紹介するパターンは無ぇだろ。まぁこの状況ならそれでも一向に構わないけどよ」

ディアブロ「じゃあ話だけでも聞いてみるかねえ」

【項目166】

魔法使いは、港の露店で買ったお茶をすすめた。

テツヤ「手助けとはどういう事だ?」

彼に尋ねる。
お茶は苦いが、その温かさが、冷えきった体にしみ入るようだ。

彼は頭をふってにっこり笑った。目が輝いている。

「お見せするのが一番だ!」

彼は手を打って、魔法の言葉を叫んだ。
すると、足の下に広げてあった絨毯がフワリと空中に浮かんだ。
水夫や荷揚人足たちが驚いて見守る中、絨毯は湾を出て行った。

絨毯の上でうずくまっていると、オーガスタスは笑って助け起こしてくれた。

「怖がる事はない。まだ乗客を落とした事は無いからな」

ミヤ「うわー、凄い凄い! 本当に飛んでるよ! いけいけGOGO!」

テツヤ「お前も飛べるだろ。浮遊術で。ま、この絨毯ほどの速度は出ないだろうけどな」

ディアブロ「これでなんとか足は確保できたぜぇ。無事にワイアードへ行けりゃいんだが」

本当に無事に済むかどうか……それはまた次回の話。

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2010年1月 7日 (木)

レビュー マージナル・ライダー(2) 第五.五話 竜の子再会

 ここからいつも通りブラッドソードのリプレイを再開しようかと思いましたが、マージナルライダーの次の話がまんま5話の後編だったので、先にこっちをレビューします。

 といってもこの5.5話は非常に短い話です。
 まず、5話最後の戦闘は既に終わった状態から始まります。戦闘したけど省略したのか、イベント扱いで強制勝利にしたのかはわかりませんが。
 よって内容は、死んだメルティーの蘇生“のみ”です。

 昔のソードワールドリプレイでは……

○死んだキャラクターはそのままリタイアしてプレイヤーは新しいキャラクターを使う。

○とっとと蘇生して復帰。代金をGMが勘違いして相場の1割の蘇生費用で復活、復帰して最後まで参加した例もある。

 このどちらかでした。
 しかし2.0になり、蘇生に少々ルールが追加されたので、それを掘り下げているのです。

 このゲームにおいて、蘇生すると“穢れ”という物が溜まります。これが一定値に達するとアンデッドモンスターになってしまうので、蘇生には事実上の回数制限があります。
 また舞台世界の設定において、人間社会では“穢れ”を持つ者は魔物に近い存在として扱われるという事なので、社会的にも忌み嫌われる……という事になっています。

 というわけで、随分とシリアスな話が展開されています。
 仲間を生き返らせるか否か、キャラクターには葛藤があるというわけですね。

Mr7_2  まぁ結局は生き返らせるわけですが。

 ラファルも嬉し泣きです。決して渾身のスリーパーホールドではありません。

 ちなみに“穢れ”が忌み嫌われるので、場合によっては蘇生させた術者も「悪の呪術師」扱いされるようです。銭があっても安易な復活はできないぜ、という事でしょう。

 まー銭あまり状態だからってほいほい特攻されたら確かに周囲のプレイヤーは冷めるけど。
 正直、回数制限だけでも充分だったのでは? と思わない事もなし。
 なにせ人間、使用回数に限りがあると無駄に節約したがる物だからな。消耗品アイテムを拾いはするが全く使わないままエンディングに辿り着く場合のなんと多い事か。クリア前の薬草とか毒消し草とか、民家の箪笥から集めはするが使いも売りもしやしねえ。スパロボでもリペアキットとプロペラントタンクは全残しばっかだわい。

 というわけでメルティーは無事蘇生完了。まぁ“竜の守り人”とかいう特殊設定持ちなので、今いなくなられるとマスターも今後の路線を修正するのが大変。蘇ってよかったよかった。“穢れ”がある事で外見にも変化が起こる場合もあるのですが、それもダイスでランダム決定。今回は外見の変化は無かったとの事。

 こういうルールを作ると面白がってサイコロをふりたがり、ガンガン特攻かける奴が出てくるんだよな。
 昔、身内でやってたウォーハンマーを思い出すわい。狂気点の溜まった奴は手術(焼けた鉄を頭に押し当てるとかの原始的ショック療法)を受け、かつ精神病を患うというヤバめのギャグみたいなルールがあったんだが。
 プレイヤー一同が面白がって混沌の魔物どもを見たらすぐ特攻し、わざと狂気点を溜めては「焼き鏝だ! 根性焼きをいれろ!」とほざいてサイコロをふり、気がつけば躁鬱病とか癇癪持ちとかアレな人の集団になっておったわい。

 なお、ソードワールド2.0には“穢れ”の影響を現す表がありますが、重度になればなるほどアンデッドモンスターに近くなるようです。

( 0w0)ノ<キウォツケナイドカラダハボドボドダ! ウェーイ!

 それでも喜んで特攻する奴はするんだろうなあ……

「やった! 体から瘴気が沸き出した! これで勝つる!」
「俺の角もどんどん伸びてるぜ!」
「俺なんか生き血吸わないと生きていけなくなってるぜ!」
「うはwwwそれもう死んでるんじゃないのwwwおkwww」

 こういうプレイしているグループももう既にありそうだ。つーか探せばあるだろう……。

(C)田中公侍・グループSNE/富士見書房 

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2010年1月 4日 (月)

レビュー マージナル・ライダー(2) 第五話 錯綜情報戦

 色々あったりなかったりでゆっくりとしか読み進めていない、ソードワールド2.0のリプレイ。ようやく五話を読みましたが……ストーリーはどんどん複雑になっていますね。仮にあらすじを簡略化せずに文章にすれば、2巻までで「たのだん」全3巻ぐらいの分量になりそうです。

Mr5  この五話では、前話で抜けた二人の穴を埋めるべく、新たな助っ人が参戦します。
 それがグラスランナー(小人種族)のキャンパスなのですが……彼はバードとスカウトの技能を高めたキャラクターで、明らかに肉弾戦に向いていません。
 しかし、シナリオが戦闘回数少なめで、目標の動向を探る事を重視する物なので、彼の存在は決して軽くありません。
 実はマスター側の仕込みにより、彼はラファル達三人の知らない情報や仕事を持っており、シナリオの上でもなかなか重要なキャラクターです。普通ならPC側は一枚岩で、皆が情報も目的も共有する物ですが、このリプレイではそこらへんにも挑戦的なプレイに踏み切るようです。

 そして舞台となるデュボールの機密を巡り、彼らが貴族家をバックに右往左往しながら縦横無尽に……

 まぁそんな事は細かい話だ。この五話の一番の問題かつ目玉は、ついにここでパーティから犠牲者が出てしまう事にある。

 

 

Mr6_2  シナリオの早い段階でボスに肉薄されそうになり、二人ずつの別行動をとっていたパーティの片方に足止めのため荷の重い敵をぶつけてしまった結果。

 パーティメインキャラの一人、メルティーが死亡してしまった。

 正直言うと、読んでるうちに「ここでこんな事したらキャラクター死ぬよ」とゲームマスターに思う場面が二つ三つあるんだが。
 マスター氏も反省の意を文中に書いているので、後で思い返した時に「ちとやりすぎたか」と思ったのであろう。

 ラファルが敵に謝った時点で二人を追い払うとか、せめて全力攻撃はやめておくとか、そういう判断もあったと思う。
 まぁ“殺さないよう、とりあえず手加減してあげる”マスタリングは嫌う人もいると思うが……そもそも敵の数も強さもマスターの裁量であろう以上、敵を一度に100匹出さない時点で手加減しているとも言えるのだ(極論だとわかってはいるが)。
 真面目な話、ラファル達は危険を感じた時に、退こうという態度を見せている。それをもっとおおらかに汲んであげても良かったように思う。

 まぁ後からなら何とでも言える。リアルタイムだといろいろとやっちまうものだ。

 しかし書籍化の時に編集を入れて、ここら辺を変更してしまっても良かったと思う。とりあえず可愛い女の子よりは新登場のデコスケが犠牲になった方が読者の心象も良いと思うので、多少強引にでもデコを身代わりにすべきだった。

GM「ダメージは(コロコロ)23点」

メル「HP-14で倒れ……」

ラファル「そこで俺のターン! 即時召喚・手札から場に“キャンパス”を召喚!

GM「なにぃっ!?」

ラファル「まだ俺のターン! 魔法カード“後出編集”の効果で敵のダメージはキャンパスに適用される!

GM「なにぃっっ!?」

ラファル「ずっと俺のターン! トラップカード“場面転換”を発動! キャンパスの亡骸を墓地に捨てる事で、俺とメルティーはこの場から退避した事になる!

GM「なにぃっっっ!?」

 多少の批判は出るかもしれないが「デコの命の方が大事なのかよ!」と言い返せば黙るだろう。デコスケはなぜか冷遇される傾向にある。例えばごひとか。※

ごひ=ガンダムWのキャラクター、五飛(ウーフェイ)。美少年ぞろいの主役五人のうち、なぜか一人だけデコで弁髪。敵の総大将を前にわざわざ肉弾戦に応じて負けたから逃げ帰る、映画では他の主人公の邪魔をして足を引っ張る等の奇行が目立つデコ。
 後にスーパーロボット大戦で、数々の輝かしい偉業を成し遂げる。

F(初参戦):敵として登場。ロクな対空兵器をもっていないので、飛行ユニットに囲まれリンチされる。

F完(初参戦続編):味方として登場。敵味方ともインフレ極まった最終盤、半端な性能のユニットを半端に強化した状態で戦場に殴りこみ。相変わらずロクな対空兵器が無いので、敵のザコ1匹に手も足も出ず吹き飛ばされる。

64:敵に洗脳され「ズール皇帝が正義だ!」とかほざいて登場。当然リンチされる。

A:戦闘回数が能力上昇に関わるシステムなのに、仲間になるのは終盤。ジュドーと二人で歯軋りする事に。

D:和解したトレーズ(原作の敵)に青龍刀で斬りかかろうとする(未遂で終わる)。

第三次α:敵3匹組15小隊(計45匹)での増援が1シナリオ2回ぐらい出てくるゲームバランスなのに、愛機に単体攻撃武器しか無い。超強力な範囲攻撃型のウイングゼロカスタム(映画では互角に戦った相手)に、神とムシケラぐらいの差を見せつけられる。
 そもそも愛機のナタクがいつも回避力・防御力ともに半端なので守勢にまわるとキツイのだが……武器も駄目ならもうどうしようもないだろう……。

スクランブルコマンダー2:いきなり強キャラに! しかし機動力と攻撃範囲が要の同作において、飛べない接近型でパワーも防御力も回避率も半端なナタクはちょっとザコに囲まれるといつの間にか撃墜されてる。
 そんな彼だが、ドラゴンハングのスタン効果でボスでも行動を停止させられるし、指揮能力で他者の攻撃力を上げる事ができる。よって敵の動きを封じながら味方にリンチさせるという卑怯な戦法で大活躍できる。ただしボスに攻撃を当てる・指揮能力を高めるために経験値を稼がねばならないのに、前述のように彼の通常戦闘力は極めて低いのだ……。

 

 今回の結論:バンプレストはもうちょっとごひに優しくてもいいと思います!

(C)田中公侍・グループSNE/富士見書房 

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2010年1月 1日 (金)

あけましておめでとうございます

なにとぞ今後もよろしくお願いします。
自分も作品の完成度を高めるべく、精進を怠らないよう心がけたいと思います。

 

だから今から近所のツタヤ行って来る。

あくまで参考になる物を探しに行くだけであり、決して寝正月にするためのDVD漁りではない。

本当だ。信じろ。

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