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2009年12月

2009年12月31日 (木)

2009年総括

新作出せて良かったなーてのが半分。
一年以内に次のを出せずに残念だなーてのが半分。

そして次回に向けて、まぁここでもちらほら書いていたわけですが。
その後、ちょっとしたきっかけがあって、今大いに悩んでいる事がある。
もしかしたら物すごい大きな修正を加えるかもしれん。

なんか『夢幻の双刃』の時にもこんな事があって、ほとんど別物にしちまった経緯があるんだが、今回はさらに遠くへ吹っ飛ぶかもしれん。

まーあくまで出せればの話。あんま期待せずに気長に待っていてください。
一応、魔法な世界のファンタジーて路線は死守しますんで。

ま、和製ファンタジーだけどね。
昔、創元とかで日本人作家が書いてたような奴さ。
間違っても筋肉男が半裸で剣ふってるT&Tソロシナリオのイラストみたいな世界じゃない。絵師さん決める段階まで話が進められたら、その時にはまた漫画的な絵の人を頼むつもり。

今時、ゲームブック作家なんて、いつ終わっても不思議じゃない(むしろ2作も出せた事が不思議な)のが現状。次も「これで終わりなら、それはそれでかまわん」と自分で言える物にします。

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2009年12月27日 (日)

レビュー マージナル・ライダー(2) 第四話 ビリビリ迷宮探索者

Mr4  さて、ようやくマージナル・ライダーの2巻を手に入れました。途中までですが読んだので、その感想なんぞ書きたいと思います。

 なんか70年代の青春映画でも始まりそうな表紙ですが、中身はダンジョンアタックから始まり、街中での陰謀劇へと展開していきます。

 ストーリーも大きく動き、舞台となる国のお偉いさん方の勢力争いなんかも繰り広げられます。

 ま、ここらに関して詳しく書くと、ネタバレかつ物凄い長文になるので、このブログでは記載しませんが。

 あくまで個人の感想という事で、自分的に気になった・目にとまった所だけ書いていこうと思います。

 

 とりあえず四話は冒頭が一番驚きました。他人(馬)の嫁になった筈の愛馬・ストラーダですが、まだしばらくパーティが連れまわすようです。じゃあ結婚うんぬんとか言わんでも良かったんじゃ? それとも自分がわかっていないだけで、あれは何かルール上必要な展開だったのだろうか。

 とりあえず2巻からはラファルがバイク乗り魂を見せてくれると思っていた予想が外れました。ザンスカール的には不甲斐ない野郎だ。ギロチンにかけられるよ。

 そしてもう一つ、こっちの方が個人的には予想外だった事が。

 一度、ラファルの故郷に戻る場面があるのですが、そこでラファルが父親から「メルとナハト、どっちを嫁にするか決めたか?」と聞かれます。

 ナハトって娘さん、表紙でラファルのケツに乗ってるお嬢さんなわけですが。
 この娘、ルーンフォークという人造人間種族なわけですよ。
 この種族、確か子供を造る時は、ジェネレーターという機械で文字通り「造る」らしいんですが……。

 他種族との混血とかできるの?

 やり方次第、という事なのだろうか……

 

ルーンフォーク嫁「さあ、あなた。これから初夜だから」

人間婿「で、この機械は一体?」

ル嫁「ジェネレーター。既に私の卵細胞を1個、放りこんであるの。さ、どうぞ」

人婿「なにがなにやらさっぱりわからぬ……」

ル嫁「この中にして

 

 メカ娘とか本当に愛せるか否か、ここで問われるのだ。これは愛と性の問題に取り組む、壮大な挑戦なのである……!

 個人的見解としては、別に挑まなくていい。

 というか、自分が知らんだけで普通にできるのかもしれん。ジェネレーターってのは人工子宮な培養槽だと勝手に思い込んでたが、全然別物だとどこかに書いてあるのかもな。

 

 本編では貴族の坊ちゃんの護衛をしたりダンジョンに突撃して激戦になったりしてるけど、まぁ些細な事だ。

 ちなみにこの話が終わると、回復壁のルシアスとガンマンエルフのセレスが別れてしまうが、別に死んだりするわけではなく、別の仕事が二人に舞い込んだので円満に別れるだけです。FF2みたいに強制死亡イベント連発でなくて良かった……。

(C)田中公侍・グループSNE/富士見書房 

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2009年12月24日 (木)

ブラッドソードリプレイ2-6 魔女の宝

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:4 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:7 機敏度:8 生命力:25
装備:ブラッド・ソードの鞘 ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金89) 弓 矢筒(矢6本) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 膏薬の瓶(残り5回)

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8 機敏度:7 生命力:21
装備:六尺棒 鎧(鎧強度:3) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金90) 魔法の弓 矢筒(矢3本) 回復薬(生命力をサイコロ2個回復) 青い目の宝石

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+1 精神力:8(+1) 機敏度:6 生命力:21
装備:剣 銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金94) チェッカー盤 コマ

前巻までのあらすじ

レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。彼らは腕試しがてらに迷宮突破競技へ挑んだ。そこで幾多の罠や敵を切り抜け、見事に優勝の栄冠を手にする。激闘を終えた三人は、再び気ままな旅を続けるが、この地で新たな冒険に巻き込まれるのであった……。

宝剣ブラッドソードの鞘を手に入れた三人は、一路、柄を持つというワイアード王国のワーロック王の下へ向かう。その道中の宿屋で、三人は老騎士、ヴァラダクソールと知り合った。彼に乞われるまま、三人は彼の復讐に加勢し、魔女・灰色のレディを倒した……。

【項目108】

女の首から灰がこぼれ落ちるのを、ゾッとしながら見守る。
しかし、ヴァラダクソールはどうにか笑い顔をつくって言った。

「これで、わしの兄弟の魂も浮かばれるだろう」

そしてとどめを刺すように、灰の山につばを吐きかけた。

テツヤ「案外あっけなかったな。さて、ちとこの部屋を調べてみるか」

ミヤ「なんか強盗みたいだなー」

ディアブロ「そうは言うがねえ。化け物からギるのはRPG黎明期からの、冒険者の習性だぜぇ

ムラサマブレードが出るまで、無数のドラゴンとデーモンを血祭りにあげろ!

テツヤ「そこまでの物じゃないにしろ、何かしらめぼしい物はここにもあるだろ」

久しぶりに盗賊らしく、テツヤは部屋を調べ出す。

【項目311】

靴の上に積もった灰をはらいのけ、象牙の王座に近づいていく。
そこに何かの宝が隠されているような気がしたのだ。
すぐに、王座の台の下にある引き手が見つかった。
それを引くと、王座が傾いて、下へ降りる階段が現れた。

テツヤ「見つけたぜ。いきなりな」

ミヤ「おー。叔父ちゃん、やるじゃない」

ディアブロ「それじゃあ降りてみますかねえ」

松明をかざしてみると、階段の壁には邪悪なデーモン達が描かれている。
階段を降りる事にする。
階段はうねりながらどこまでも続いている。
ようやく二つの扉の前に辿り着いた。
その前には、ヒキガエルのような小さなデーモンがニタリと笑いながらしゃがみこんでいた。

テツヤ「チッ、隠し階段の向こうに警備員なんぞ配置せんでよかろうに」

ディアブロ「しかし、向こうからは襲ってこないようだぜぇ」

ミヤ「ホントだ。ちょっと話しかけてみよっか。もしもーし……」

【項目139】

小さな化け物が言った。

「俺のご主人様を殺したな。だが俺はやはり、ご主人様の命令を守らなければならん。この二つの扉の片方を開けると、あの方の財宝が、もう片方には恐ろしい運命が待っている。正しい扉を選ぶには、次の謎を解け。

剣よりも鋭く 布地よりもやわらかで 輝きはエメラルドをしのぐ
にもかかわらず何の価値も無い物は? 」

テツヤ「……おかしいよな、コレ。なんで魔女本人を倒さないと来れない場所で、謎かけを仕掛ける衛兵がいるんだ? 魔女本人の部屋の戸で合言葉を確認させるならわかるがよ」

ミヤ「こらこら叔父ちゃん、そういう所を突っ込むのはよくないよ。魔女さんは部屋をしょっちゅう留守にする人で、あたしらがたまたま御在宅の時間にかちあっただけかもしれないじゃない

ここで考えるべきは衛兵の配置と理由ではなく、謎かけの答えだ。まぁ何度もクリアしているゲームだから、とうの昔に知っちゃいるが。

【項目171】→【項目265】

一度だけひっかけがあり、「火と答えたなら479へ」と指示がある。わかってなかったクセにその項目に進むと、デーモンに襲われるのだ。
だがズルをする奴は指を挟んで引き返すので、あまり意味の無いひっかけだと思う。

【項目127】

ミヤ「答えは“草”だよね!」

デーモンはゆっくり頷いた。

「よく答えたな。左の扉がそちらの求めている扉だ」

テツヤ「それじゃあ左へ行くか」

右は単なるトラップなので注意だ。死後も契約を続行している事からわかるとおり、こいつは正直なデーモンなのである。

【項目398】

扉を開けると、壁には魔法の松明がついていた。
四角い部屋の床はチェッカー盤のように黒と白に色分けされている。
部屋の真ん中には、石の台座にのったブロンズの箱がある。

罠の存在を疑うべき場所だし、実際にあるのだが、盗賊単品ではこの部屋を調べる事はできない。単独で行動できるのは魔術師と僧侶なのだ。

ミヤ「叔父ちゃん、気を落とすな。あたしは常に叔父ちゃんの味方だよ! 役立たずな場面でもめげないで」

テツヤ「めげてねぇし要らん事言わんでいいんだよ!」

ディアブロ「あっちがじゃれてる間に、俺は真面目に呪文でも唱えるかねえ」

【項目192】→【項目423】

Photo_2ディアブロ「ファルタインの召集と魔法探知が使えるが、例によってファルタインじゃない方を選ぶぜぇ」

(魔術師)

白い敷石は、魔法の力で明るく輝いている。
君はそれを踏まないようにして箱までたどり着き、蓋を開けた。

ミヤ「ありゃりゃ。これまたあっさりクリアしちゃった」

テツヤ「やけに魔術師が役に立つ城だな、ここは……」

元々、魔女の城である。目には目を、餅は餅屋という事なのだろう。

【項目294】

箱を開けると、奇妙な光景がこちらの目に映った。
箱の底はインクのように真っ黒な池で、そこから五本の手が突き出している。
それぞれの手には、色の違う球が一つずつ握られている。
一本の手には赤、別の手には青、また別の手には灰色、そのまた別の手には金色、そして最後の手には白の球が握られていた。
そして、箱を開けた時には何もなかった蓋の裏に、突然、大きな口が現れて、こちらに話しかけた。
大きな口は、あたりに轟くような大声で言った。

「この五つの球には魔法のエネルギーが詰まっている。一つの合言葉を話しかければ、そのエネルギーが放出される。赤い球は虐殺の球だから“血”、青い神秘の球には“死”、灰色の疫病の球には“ペスト”、金色の贈り物の球には“愛”、白い火の球には“大火”と話しかけよ。そのとき球のエネルギーが解放される。この中の一つを持っていくがいい。心して選べ」

ディアブロ「というわけで、持っていけるのは1個だけだぜぇ」

実はここで持っていくべき球はほぼ決まっている。ルール通りに遊ぶなら、白い火の球がほぼ必須なのだ。パーティに戦士がいればそうでもないのだが……まぁいない物は仕方が無い。
よってディアブロは火の球を選び、それを手に取る。

ディアブロ「ま、他の球も使わない物ばかりだから、別に惜しくないしねえ」

【項目297】

球の一つを選んだ途端に、他の手は箱の底の黒い池の中に沈みはじめ、やがて見えなくなった。
残った一本の手も、こちらが球を受け取ると、池の中に沈んでいった。
そして箱の裏の大きな口が消えたとき、どこからともなく一陣の風が吹いてきて、箱はバタンと音を立てて閉まった。
戸口に戻ることにする。

ミヤ「もう片方の扉にも入れるよ?」

だがそっちは罠しか無い部屋だ。

テツヤ「じゃあ行っても仕方ねぇ。もう城を出ようぜ」

こうして一行は魔女の隠し部屋を後にした。

【項目406】

城の外に出ると、ヴァラダクソールは鞍袋から銀の十字架を取り出した。
老騎士が言った。

「これは聖骨箱になっていてな。中には、聖アシャナクスの指の骨が入っている。持っていくがいい。全ての聖人がそちらの旅を見守ってくれることだろう」

この贈り物を受け取ることにする。
老騎士は満足げに笑うと、馬に乗り、北をさして去って行った。

ミヤ「さようーならー。元気でねー!」

テツヤ「しかし聖アシャナクスって誰だ? 初耳の名前だよな」

しかし例によって僧侶の知識で、それを知る事ができる。

【項目286】

3(僧侶)

聖アシャナクスとは、旅人や道に迷った者の守護聖人である。

ミヤ「その人の聖骸が入った、ありがたい御守りなんだよ。この十字架はね」

テツヤ「仏さんの骨を詰めた物なんぞ、バチあたりな気もするけどな」

ミヤ「いやいや、聖骸は中世ヨーロッパでは実際にありがたがられた物だからさ。そういう日本人的な感覚で考えちゃいけないよ」

ディアブロ「なんせこのレジェンドという世界、一般的な宗教は“真教”という一神教で、多神教はマイノリティらしいからねえ」

バイキングやケルト風戦士がバーバリアンとして存在し、明らかにアラビア風の町や人種も出てきます。北欧神話おなじみな神様達やアラーも出てくるし、南の海の向こうにはアフリカ風獣人なんぞもいる模様。中世のヨーロッパを真ん中に置いた地図そのまんまな舞台世界のようだ。ここまで本気で西欧風ファンタジーなゲームはザラには無いまぁ中世イギリスが舞台の「混沌の渦」なんてTRPGも昔はあったが(日本では全然流行らなかった。あれでは仕方が無いが……)。

【項目444】

去っていくヴァラダクソールの後ろ姿を見送ってから、東へ向かう事にする。

ミヤ「さあ、旅を再開しようよ! カノングの港町から、船に乗るんだよね!」

テツヤ「まぁな。目的地が海の向こうなんだから仕方があるめぇ」

ディアブロ「2巻は本当にワイルダネスアドベンチャーだぜぇ」

 次回は海の向こうを目指すが、船旅は平穏にすむのだろうか? 無論、そんなわけは無い。

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2009年12月21日 (月)

ブラッドソードリプレイ2-5 灰色の魔女

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:4 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:7 機敏度:8 生命力:25
装備:ブラッド・ソードの鞘 ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金91) 弓 矢筒(矢6本) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 膏薬の瓶(残り5回)

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8 機敏度:7 生命力:21
装備:六尺棒 鎧(鎧強度:3) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金92) 魔法の弓 矢筒(矢3本) 回復薬(生命力をサイコロ2個回復) 青い目の宝石

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+1 精神力:8(+1) 機敏度:6 生命力:21
装備:剣 銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金96) チェッカー盤 コマ

前巻までのあらすじ

レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。彼らは腕試しがてらに迷宮突破競技へ挑んだ。そこで幾多の罠や敵を切り抜け、見事に優勝の栄冠を手にする。激闘を終えた三人は、再び気ままな旅を続けるが、この地で新たな冒険に巻き込まれるのであった……。

ブラッドソードの鞘を手に入れるやいなや、いきなりブルームーンの刺客・幽鬼(ストーカー)に襲われた三人。難なくあっさりと退けてしまうが、これ以上の追撃を受けないうちに森を抜けようと歩き続ける。この先に待っている物は……?

ミヤ「あたしの念力で必殺だったね! あの程度なら、ざまあかんかん何度でも来いだよ」

テツヤ「本当に何度も来られたら面倒だ。どこか宿を見つけるまで歩くぞ」

ディアブロ「この近くにゃ無さそうだから、こりゃ徹夜かねえ」

『夢幻の双刃』を執筆していた時、最も多かった誤字が「徹也」を「徹夜」と変換してしまう誤記であった。無論、そんな事は今このリプレイと何の関係も無い。

【項目165】

何時間も歩き続ける。
やがて、ブルームーンは木立ちの向こうに沈み、本物の三日月が頭上に昇った。
月明かりを頼りに歩き続けて、ようやく森から出る事ができた時、前方に太陽が昇ってきた。

ディアブロ「本当に徹夜かね」

ミヤ「そういう事もあるって! 元気出してどんどん歩けば、地の果てに行くまえにどこかには着くよ! さあ前進ゼンシン! はっはー!」

テツヤ「徹夜でハイになってる奴が横にいると微妙にウゼェな……」

疲れてはいたが、昼まで歩き続け、やがて一つの村に着いた。
村の大通りに宿屋が一軒見つかった。
入り口には「冬の太陽」という看板が出ている。

テツヤ「ここに泊るとするか」

ミヤ「村の人に声かけたりはしないの!? もっと現地とのふれあいが無いと! 旅は道連れ世は情け、袖ふれあうも他生の縁で猿も木から落ちるしカッパも木から落ち……」

ディアブロ「うん、こりゃもう寝た方がいいと思うぜぇ」

実際、辺りの人間に話しかけても、どうでもいい情報しか聞けなかったりガラクタを買う事しかできなかったりするので、ここはさっさと寝ちまった方がいいのだ。

【項目429】

宿屋に入っていくと、主人が大声で迎えた。

「部屋はお一人様金貨1枚です。夕食もやはり金貨1枚となっております」

テツヤ「一人金貨2枚か。一食金貨1枚で寝床も金貨1枚なら一日に金貨4枚で生活できるな。クラースのダンジョン突破の報酬だと、15日しか暮せねぇのかよ

ディアブロ「ゲーム世界の貨幣価値ってのは理解し難いもんもあるからねえ」

昔々、美味く焼けたステーキが中盤までの武具より遥かに高額なので、パーティーの誰かに一刻も早く料理のスキルを高く習得させて資金対策するのが攻略法という凄いRPGがあった。ちょっと経験値を稼いだらひたすら焼肉。なんとなくバカゲー臭いが、ゲーム自体は面白かった事を明記しておく。

【項目80】

きれいに洗濯されたシーツを手早くベッドに敷き、夢も見ないでぐっすり眠る。

ディアブロ「これで己のランクの生命力の半分まで回復できるぜぇ。朝飯を食って、さらに+1点な」

テツヤ「既に半分以上だったら、回復は飯のぶんだけかよ」

半分ぐらいだったら死ぬ時はあっさり死ぬので、やはり僧侶の存在意義は大きいのだ。

【項目245】

夜明け近くに目を覚ます。

ミヤ「おはよう! さあ、今日も一日元気にはりきって頑張るぞ!」

ディアブロ「君がしょぼくれてはりきらない所を見た覚えが無いぜぇ?」

テツヤ「結構なこった。飯食ったら出るぞ」

宿の主人は起きて雑用をしていた。

「ミスドラックスにはいつまで滞在する予定かね?」

主人が尋ねた。
返事を待たずに彼は続けた。

「お客さんは東へ向かうんでしょう? カノングの港へ?」

答えようとすると、彼はさらに続けた。

「そこから船に乗るってわけですな」

主人は箒にもたれかかって、こちらを見つめた。
この時とばかりに喋ろうとすると、主人はそれを遮るように話を続けた。

「いや、かまいませんよ。答えたくないんなら、わたしの知った事じゃない。昼には客が着くから、それまでに出発してくれるとありがたいんですがね」

女房の足音を聞きつけると、主人は床磨きの仕事に戻った。

テツヤ「……よく客商売をしてられるな、あのオッサン」

ディアブロ「俺達の他の客と言えば、スープ鍋のかかっている炉端に座ってる年老いた騎士だけだねえ」

ミヤ「他にもお客さんがいたんだ! 挨拶していこうよ」

返事も待たず、ミヤは老騎士と同じテーブルに座る。肩をすくめて後の二人も続いた。

【項目143】

近づいていくと、老騎士はしょぼしょぼの目でこちらを見上げた。
自己紹介をすると、彼は横に座るように合図した。
火かき棒で炉の残り火をかきまわしながら、彼は話し始めた。

「わしもかつては若く、元気だった。今でこそこんなに老いさらばえたが、若い頃は一本気な若者でな。そこのころのわしは胸板は厚く、腹も出ていない、締まったいい身体をしておった。年月という容赦の無い敵は、ルションの騎士ヴァラダクソールを思いやってはくれなんだ。復讐する事もかなわず、わしはただこうして座って、生涯の終りの時を待つしかない。だが死んでも死にきれんのは、あの邪悪な灰色のレディが恐ろしい罪を犯しながら、いつまでも生きのびている事じゃ!」

ミヤ「そうなんだ!? それでお爺さん、その女の人ってどんな人なの?」

テツヤ(あーあ、食いつきやがったよ)

ディアブロ(長話になりそうだぜぇ。俺、寝てよ)

【項目301】

老騎士は喜んで話し始めた。
なかなかこちらを解放してくれそうもない。
灰色のレディが、どうやって三人の兄弟を罠に落として殺したかを長々と物語ってから、老騎士は、レディの住む城はここから三マイルの所にあると言った。
レディの話をする時、老騎士の声は感情の高ぶりのために震えた。

「あの女は人間の皮をかぶった悪魔だ。この世の物とは思えぬ美しさと教養を身につけながら、心の中には悪魔が住んでいるのだ。さあ、わしの手助けをしてくれるだろうな?」

ミヤ「もっちろん! 義を見てせざるは勇無きなり、だよ! 意味はよく知んないけど」

テツヤ「なんにでも首突っ込めばいいってもんじゃねぇ、て意味かもな」

ディアブロ「おっと、話は終わったかい? マジでちょっと寝ちまったぜぇ」

【項目164】

ヴァラダクソールは協力の申し出を受けて、飛び上がらんばかりに喜んだ。
涙をぬぐうと、彼は言った。

「今すぐ、馬で出発するとしよう。灰色のレディに今日の朝日は拝ませんぞ!」

老騎士は椅子から立ち上がり、よろよろと部屋を出て行った。
そして間もなく、鎧をつけて現れた。
足取りは危なっかしいが、老騎士は大はりきりで、宿屋の主人に馬の用意を命じた。
彼の馬は年こそ取っていたが、まだまだ元気いっぱいで、猛々しい目つきをしていた。
まもなく、皆で南に向けて出発した。

ミヤ「馬、いいなあ。あたしもなんか飼おうかな。猫と犬、どっちがいいかなあ?」

テツヤ「腹減った時に食える奴にしな」

夜明け前の薄明かりの中で、夜露がキラキラと光っている。
木立からは小鳥の鳴き声が聞こえる。
途中で、野良仕事に向かう農夫の一団とすれちがった。
ヴァラダクソールはたいそう浮き浮きしている。
死を賭けた戦いに赴くというよりも、祭りに出かけるようなはしゃぎぶりだ。
老騎士の若い頃の冒険談を聞くうちに、目指す城に着く。
ヴァラダクソールが言った。

「さて、これからが大仕事だぞ。我が兄弟の魂よ、我々の戦いぶりを見ていてくれ。母なる神よ、我々に強い勇気を与えたまえ」

城の周りは蔦で覆われ、落とし門の側には、埃をかぶった頭蓋骨が転がっている。
用心しながら門を潜り、階段をそっとのぼっていくと、天井の低い部屋に出た。

ミヤ「ここまで誰もいないね。もっとわんさと敵がいるかと思ったよ」

ディアブロ「この部屋にはちゃんといるみたいだぜぇ?」

小さな窓があるが、太陽がまだ昇っていないので、部屋は暗い。
暗がりに目が慣れた時、部屋の隅で大理石の王座に座っている女に気づく。
女の両脇には、中身が空っぽの鎧が立ててある。
若い女の姿をしていながら、女の髪は真っ白で、肌は石のような灰色をしている。
女はこちらを見た。
鷹が餌食を見るような鋭い目だ。
女が立ち上がろうとした……。

テツヤ「はん、いきなり大将かよ。話が早くて結構なこった!」

ミヤ「綺麗な人だって言ってたけど、あれじゃまるで彫刻像みたいだね」

ディアブロ「なるほど、“お人形さんみたいに”綺麗な人ってことだねえ。ま、俺はもっと豊かで柔らかそうな女性が好みだぜぇ。特に胸部と臀部」

ミヤ「あたしにケンカ売ってるかあー!annoy

テツヤ「そんなくだらねぇ事に青筋立てるより目の前の敵をブッちめんか!」

その時、朝日がわずかに部屋の中に射し込んだ。
その光を浴びると、灰色のレディは凍りついたように動かなくなった。
ヴァラダクソールは勝ち誇ったように叫んだ。

「夜明けの光を浴びて石になったのじゃ! この機をとらえて、あの女を殺さねばならん」

老騎士は、剣をふり上げて女に向かって進んだ。
しかし、突然、老騎士も動かなくなった。
彼は灰色のレディの側で剣を振り上げたまま、彼女と同じように凍りついてしまった。

ディアブロ「おやま。馬鹿やってる間に向こうが大変な事になってるぜぇ」

【項目163】

灰色のレディは陽の光で凍りついていたが、まだ魔法の力を失ってはいなかった。
ヴァラダクソールの刃がふり下ろされる前に、魔法の力で彼を動けなくしたのだ。
身体は凍りついて動かなかったが、彼女の目は右、左と動いて、部屋を見ていた。

テツヤ「チッ。世の中、楽にはいかねぇようになってやがんな」

レディの声がこちらの頭の中に入り込んできた。

「すぐに私の城から出ておいき。そうすれば命だけは助けてやるわ。言う事を聞かないと、地獄の軍団を差し向けるよ」

ミヤ「お断りだよ! ヴァラダクソールさんを置いていけないじゃない!」

テツヤ「さすがにこの状況で見殺しにはできねぇな」

ディアブロ「戦闘準備しとくかね。バトルオーダーは1:テツヤ、2:ミヤ、3:俺。俺は白い火の呪文を準備、と」

【項目421】

女の目がギラリと光った。

「勝手におし!」

女の怒った声が、頭の中に響いた。
王座の傍らに立っていた肉体の無い鎧が、突然槍をかかげ、ガチャガチャと大きな音を立てながら、向かってきた。

鎧の化け物(S)
戦闘力=7 精神力=9 鎧強度=5 生命力=21(二つとも同じ)
打撃力=サイコロ3つ 機敏度=4

ヴァラダクソール(V)は動けない。灰色のレディも同じだ。女に呪文をかけたり、攻撃をしかける事はできる。ただし、女は強力な魔法の力で身を守っている。

灰色のレディ(L)
精神力=9 鎧強度=4 生命力=20

テツヤ「チッ、この鎧の化け物ども、クソ固え!」

ディアブロ「じゃあ灰色のレディを遠隔攻撃で狙うかね」

B8_2○第1ラウンド

テツヤ:防御

ミヤ:防御

ディアブロ:白い火の呪文を詠唱。出目5で成功。灰色のレディにかけるが……

【項目514】

女は超能力の壁(バリア)を作って、こちらの呪文をはねのけた。

テツヤ「チッ。あの女、呪文もはじきやがる! 接近戦しかねぇのかよ!」

ディアブロ「ところがどっこい」

呪文で女を傷つける事はできなかったが、呪文を避ける事に気をとられた女は、ヴァラダクソールを縛り付けていた魔法の手を緩めた。
身体の自由を取り戻した老騎士は、この機を逃さなかった。
老騎士の鋭い剣が灰色のレディの首を刎ねた。
首は石の床の上で石膏像が砕けるように粉々に砕けた。
首の血管から流れ出たのは、血ではなく灰だった。

ミヤ「あれ? やっつけちゃった?」

ディアブロ「まぁね。前回に続き、今回も案外楽に片付いたぜぇ」

女が死ぬと、鎧の化け物の動きは鈍りはじめた。

ディアブロ「案の定、操る主が倒れて鎧どももこのザマだしねえ」

ミヤ「うーん、ちょっとだけ拍子抜けだよ」

テツヤ「ま、無事に終わるにこした事は無ぇわ。さて、これからどうすっかね」

無事に灰色のレディは倒したが、この城の捜索は終わっていない。それはまた次回に続くのだ。

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2009年12月18日 (金)

ブラッドソードリプレイ2-4 青い月からの刺客

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:4 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:7 機敏度:8 生命力:25
装備:ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金91) 弓 矢筒(矢6本) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 膏薬の瓶(残り5回)

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8 機敏度:7 生命力:21
装備:六尺棒 鎧(鎧強度:3) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金92) 魔法の弓 矢筒(矢3本) 回復薬(生命力をサイコロ2個回復)

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+1 精神力:8(+1) 機敏度:6 生命力:21
装備:剣 銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金96) チェッカー盤 コマ

前巻までのあらすじ

レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。彼らは腕試しがてらに迷宮突破競技へ挑んだ。そこで幾多の罠や敵を切り抜け、見事に優勝の栄冠を手にする。激闘を終えた三人は、再び気ままな旅を続けるが、この地で新たな冒険に巻き込まれるのであった……。

旅の途中の野営地で、三人は人狼が率いる暗殺部隊に襲われる。それらを退けた三人は、その襲撃で命を落とした老吟遊詩人から、剣の鞘を託された。

それこそは伝説の秘宝、ブラッドソードの部品だったのである。
男は今わの際に、別の部品をワイアード王国のワーロック王が持っている事を言い残す。

テツヤ「そしてこの剣が完成しないと、じきに天から降りて来て地上の征服に乗り出す5人の“真のマグス”を止める事はできない……か。なんか通りすがりにずいぶんたいそうな事を託されちまったぜ」

ミヤ「でもそういう事ならやるしかないよ! もう他人事じゃないんだし、ね!」

ディアブロ「しかし昔のゲームの悪役だけあって、目的が世界征服とはわかり易いぜぇ。因果がどうたら、運命がなんたら、どこぞの大いなる意思がかんたら、とかそういう事で悪事を始められるよりはなんとかしようって気になるわな」

他人を巻き込むなら、何をするにせよ自分の意思とやる気はもて……と思う自分は古い人間なのかもしれん。

【項目159】

しばらくの間、男の蝋のように白い顔を見おろしてから、やがて目を上げると、夜空にはブルームーンが冷たく輝いている。
辺りの景色は、青白い光を浴びて不気味そのものだった。

テツヤ「青い月……? この世界の月は青いのか?」

ミヤ「そういう名前の星なんだよ。5人の真のマグスの一人が、天空に逃げた際に姿を変えた星の一つなんだって

ディアブロ「それよりこれをどうするかなんだが」

宝石がちりばめられたブラッド・ソードの鞘に目をやる。
気は進まないが、年老いた竪琴をひく男の言葉通りに行動するしかないようだ。

テツヤ「これはこれで1個の所持品になるのか」

ディアブロ「しかも紛失するとゲームオーバー

テツヤ「ただの足かせじゃねぇか!」

ディアブロ「しかし時々、アイテムとして使えるぜぇ。その時には結構有用な効果を発揮したりする。ま、順当にゲームを進めたら、そんな機会は無いがね

ミヤ「いいじゃん、別に。今は壊れてるんだから。大事に持っていこうね」

テツヤ「わかったよ。じゃ、この原っぱから出るとするか。さすがにこんなに死体がごろごろしている場所で寝る気にはなれねぇ」

23 ディアブロ「じゃあワイアード王国に向かうとするかい。とりあえず地図はこれな」

テツヤ「今いるのがカルーゲンの砦の側だな。闇の森の側って所か」

ミヤ「ワイアードは北東にあるんだね。結構、遠いなあ」

テツヤ「じゃ、東に向かってカノングから海路を取る事にするか。陸を延々と横切るよりはそっちの方が早い筈だぜ」

こうして三人の旅が再開された。きままな放浪から一変、重要な使命のもとに、ワイアード王国を目指すのだ。

ミヤ「ワイアードの王様は、あたし達にブラッドソードの部品をくれるのかなあ?」

テツヤ「この鞘を見せてわけを話せば、ちゃんとした人間なら力になってくれんだろ」

ミヤ「ちゃんとした人間じゃなかったら?」

テツヤ「ぶん殴ってもらっていきゃあいい」

ミヤ「泥棒さん相手に泥棒しても、悪さは悪さなんだよ……?

テツヤ「聞こえのいい理屈で結局は周りにも迷惑を被らせるってやり方が、俺は嫌いだ

幸い、ワーロック王は悪者なので近づくだけで攻撃してくれる。正当防衛が成り立つので、ブラッドソードの部品を『結果的に』手に入れても無問題なのだ。

【項目363】

暗い森の中を苦労して進む。
空気は凍りつきそうに冷たい。
たどろうにも道らしい道は無い。
うっそうと繁る木々の枝の隙間から、夜空にひときわ宝石のような光を放つブルームーンがのぞいている。
一時間あまり森の中を行くと、原っぱに出た。
ほっと一息ついて立ち止り、もう一度ブルームーンを見上げた。
するとそれは、目の前で、鋭い閃光を放った。
夜空に目をこらすと、青い光の点が地上へ落下してくるのが見えた。
最初は蛍ほどの小さな点だったが、みるみる大きくなっていく。
静かな夜空にヒューという高い音が響き渡る。

テツヤ「流星か? ブルームーンから落ちてきたように見えるが……」

ミヤ「こっちに落ちてくるみたいだね。どうする?」

ディアブロ「とりあえず俺が呪文を唱えてみるかね」

【項目33】

Photo_2(魔術師)

ディアブロ「ファルタインを呼ぶか、予言の呪文を使うかを選べるが……。ま、こういう時は、ファルタインを呼ばない方が正解と考えてほぼ間違いないぜぇ

よって使うのは予言の呪文だ。

【項目386】

(魔術師)

心に未来の絵が浮かんだ。
無数のイメージの流れが、頭の中を通り過ぎて行く。

突然その流れが止まると、ニタリと笑う骸骨の化け物の顔が見えた。
そいつは肉の無い指をゆっくり差し出して来た。
その指の間に死が潜んでいると告げる声がした……。

やがて未来の絵は消えた。
はっと気づくと、己の目がさらに接近した青い閃光を見つめていた。
閃光が地上に激突する前に原っぱから立ち去ろうというのなら、もうあまり時間は無い。

ディアブロ「という結果が出たぜぇ」

テツヤ「ようするに敵が来るんだな」

ミヤ「骸骨のお化けが空から降って来るのも変な話だよね」

ともかく、三人は原っぱから出る事にした。直後、光が地上に到達する……。

【項目397】

24 原っぱのはずれの草むらに隠れて見守るうちに、閃光は木立の間を通り抜けて原っぱに激突し、四方に青い光が飛び散った。
落下音が突然やみ、閃光の激突した地面から立ち昇る蒸気の音が聞こえた。
蒸気の中央に黒い石が見えたかと思うと、それはまるで卵のように、目の前で真っ二つに割れた。
あたりに墨のような暗闇が広がり、その中から人影が現れた。
ぼろぼろの黒マントを羽織った幽鬼(ストーカー)だ。
目が、青い水晶玉のように光っている。
そいつはかぎまわるようにして辺りを見まわした。

ミヤ「本当に骸骨だよ!」

ディアブロ「今なら気付かれる前にここから逃げ出す事もできるぜぇ?」

テツヤ「先制攻撃を仕掛ける事もな」

選択できる行動は、逃げる・弓で撃つ・呪文を唱える・僧侶が悪霊払いを試みる……の4つだ。

ミヤ「よし、ここはあたしがやってみよう!」

テツヤ「おう、景気良くぶちかませ」

ミヤ「任せて、叔父ちゃん!」

【項目131】

3(僧侶)

精神を統一して、化物のエネルギーの源を探り、それを消滅させようとした。

ミヤ「成功判定はサイコロを2個ふる事、と……えい!」

テツヤ「11か。行き先は6以下か7以上かで分岐だな」

ミヤ「ここは大きい方で良かったのかな?」

【項目484】

(僧侶)

精神を統一すると、化け物の考えている事がわかってきた。
すると突然、奴は蜂の群れにでも襲われたように、きりきり舞いを始めた。
そして青い目が光ったかと思うと、こちらに向かってふらふらと歩き始めた。

ミヤ「何それ? 判断に困るなあ」

ディアブロ「精神攻撃を続けるか、諦めて逃げるか選ぶ所だぜぇ」

ミヤ「ここは続けてみるよ。効いてないわけじゃなさそうだしね」

【項目41】

(僧侶)

化け物は近づいてくると、骨ばかりの手を差し伸べてきた。
しかし不意に全身を震わせ、こちらの足元にドサッと崩れた。
精神統一をやめ、奴の死体を見おろす。

ミヤ「ふう……ざっとこんなもんだよ!」

テツヤ「結局、交戦前にあっさり倒しちまったな」

まぁこれは運が良かっただけで、サイコロの目が6以下ならば逆に傷一つつけられなかったのだが。
この幽鬼、実は5人の真のマグスの一人、ブルームーンの直属の部下なのである(生前は執事をやっていたらしい)。そのため能力の結構高い強敵なのだ。
逃げる事もできるのだが「ストーカー」という名通り、行く手に先回りして罠を張るし、さらに逃げても結局は追いついて袋小路での戦闘に持ち込まれる。しかも時間の経過とともに能力を上げて行き、最後には現時点では勝ちのおぼつかない超難敵になる。

ディアブロ「こいつが前半の山場なんだぜぇ」

……が、実はこのパーティ、対幽鬼戦では完璧と言える編成なのである。
まず僧侶の悪霊払いで、6割ほどの確率で即死させる事ができる。これに失敗しても、逃亡のチャンスはあるので逃げてしまえばいい。先回りされて罠をはられるが、盗賊がそれを見抜く事ができる。さらに逃げても追いつかれるが、魔術師がいれば緊急救出の呪文でそこからも脱出し、逃げ切る事ができるのだ。
幽鬼はこのパーティに初めから勝ち目が無いのである。

テツヤ「しかも最初の悪霊払いに成功しちまって、いきなり撃破できた……と」

ミヤ「そういう事もあるよ。あたしも頑張ったしね! さ、ほめれ」

テツヤ「へいへい。なでてやるから頭だせ」

ディアブロ「俺は幽鬼が何か持ってないか調べてみるかね」

【項目303】

化物の骨は、次第に青白くて黴臭い塊に変わっていった。
胸の悪くなるような臭気があたりに漂う。
ぼろぼろのマントは黒から灰色に変わり、やがて蜘蛛の巣のように、風に吹き飛ばされていった。
数分後、そこに残されたのは、
青い宝石のような二つの眼球と、白っぽい埃の山だけだった。

テツヤ「アンデッドモンスターの目玉か……」

ディアブロ「かさばらないから2個で一つの所持品だ。持っていくぜぇ」

もうこれ以上この森の中にぐずぐずしていたくない。
野宿をせずに、ここから出て行く事にした。

テツヤ「いきなり襲撃されるとはな。この先も面倒は付きまといそうだ」

ミヤ「でも楽勝で退けたじゃない。あたしらならこれからも大丈夫だよ。軽い軽い♪」

ディアブロ「さて、そろそろ森を抜ける頃かねえ」

その先には何が待つのか? それは次回のお話。

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2009年12月15日 (火)

ゲームブックDS ソードワールド 7剣

魔術師編開始。

MPという概念が無い代わり、2d6で6以上が出ないと魔法が失敗するというルール。
打撃攻撃は3以上で成功(1ゾロ以外はとりあえず命中する)に比べると、とんでもない成功率の低さだ。

だが魔術師は回復魔法も使えるので、戦士と違いアイテムに頼らなくても回復を図る事はできる。それとひきかえの攻撃面の弱さだと考えれば、まぁバランスは取れているのか?

元のルールの面影が微塵も無いけどな……。

とりあえず、親切な人に教えてもらったとおりに第一章クリア。
街のチンピラごときに強制敗北させられるのは気に入らんかったが、宿屋を営むルーンフォークの兄ちゃんはなかなか良い感じだ。
あとリルドラケンの戦士も、古き良き時代の頼もしい仲間キャラで好感がもてる。何時の頃からか「とりあえずイケメンか美少女にしとけ」みたいな風潮になっていたからな。

まぁおいおい2章もやっていこう。しかしこれ、両方の章クリアしたらそれで終わりなのかね。エンディングがいくつもあるとかEXダンジョンに潜れるとか無いのか。

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2009年12月12日 (土)

ブラッドソードリプレイ2-3 秘宝

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:4 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:7 機敏度:8 生命力:25
装備:ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金73) 弓 矢筒(矢6本) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 膏薬の瓶(残り5回)

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8 機敏度:7 生命力:21
装備:六尺棒 鎧(鎧強度:3) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金73) 魔法の弓 矢筒(矢6本) 回復薬(生命力をサイコロ2個回復)

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+1 精神力:8(+1) 機敏度:6 生命力:21
装備:剣 銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金78)

前巻までのあらすじ

レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。彼らは腕試しがてらに迷宮突破競技へ挑んだ。そこで幾多の罠や敵を切り抜け、見事に優勝の栄冠を手にする。激闘を終えた三人は、再び気ままな旅を続けるが、この地で新たな冒険に巻き込まれるのであった……。

街道沿いの野原にて、商人とチェッカーの指し手達の動向に不審な物を感じた三人。周囲の人間が寝静まった頃に何かを始めようとしている事を突き止めたので、事前に行動を開始する。

テツヤ「少々荒っぽい手になるが、無理にでも口を割ってもらうしかなさそうだな」

ミヤ「これで『夜中に友達のお誕生日おめでとうパーティーをゲリラ開始するつもりでした』とかなら、あたしら完全に空振りだね」

ディアブロ「それならむしろOKだと思うぜぇ。戦闘になる事に備え白い火の呪文を2つ準備しておくかね(精神力9→7)。あとバトルオーダーはテツヤ=1、俺=2、ミヤ=3で頼む」

準備を整え、三人はぬき足・差し足・忍び足、行動を開始する。

【項目172】
何か不穏な動きがあるとすれば、その背後にあのチェッカーの指し手達がいると考えるのが妥当だろう。
指し手の一人に近づき、喉もとに短剣を突き付ける。
男は恐ろしい目でこちらを睨みつけ、獣のようなうなり声をあげた。
男の口の端に鋭い牙がちらりとのぞく。
そして顔や手にはかたい毛が……。そうだ、こいつは狼男だ!

テツヤ「なるほどな、月が昇ってからどうこうと言ってたはずだぜ!」

木々の梢を見上げ、月がまだ昇っていない事を確かめる。
しかし、月に気をとられたのが間違いだった。
男はその隙をとらえて、うなり声で命令を発した。
商人達が寝袋からいっせいに飛び出した。
目をギラつかせ、長いナイフをふりかざし、彼らは、眠っている森の民達に襲いかかっていった。

ミヤ「ええっ! ちょっと、とめないと!」

ディアブロ「おいおい、指し手さん達よ。自分らの境遇わかってる? 今すぐ止めさせたほうがいいと思うぜぇ」

もう一人の相棒の指し手が、立ちあがってうなった。
「我々は必ず勝つ。我を忘れたあの馬鹿どもが、たっぷりと殺しの仕事をしてくれるだろう。降伏しろ。兄弟から手を引くんだ」

テツヤ「こいつにはこの世から身を引いてもらおう!」

そう答え、狼男の喉もと深く短剣を突き刺す。
もう一人の狼男は恐ろしげな声を発し、顎からよだれをたらしながら向かってきた。
しかし、まだ月は昇っていない。
男は狼の姿になった時ほどの力は持っていないはずだ。

テツヤ「今ならこいつら、さほどの敵じゃねぇ筈だな」

ミヤ「早くこいつら倒して、悪さやめさせないと!」

森の民の中には目を覚まして、必死に戦っている者もいた。
しかし、催眠術をかけられた商人達が相手では勝ち目は無い。
こちらは、一人の狼男とその手下三人を向こうにまわして、戦わなければならない……。

狼男(変身前)(W)
戦闘力=7 精神力=7 鎧強度=1 生命力=12
打撃力=サイコロ1個+1 機敏度=8

手下(S)
戦闘力=6 精神力=6 鎧強度=0 生命力=10
打撃力=サイコロ1個 機敏度=5

テツヤと狼男の機敏度が同じなので1d6勝負。テツヤ3、敵4で敵が先攻。

テツヤ「チッ、先手は取られたか。さすが狼だけあってすばしこい奴だ」

ディアブロ「個々は強くないが数で攻めるタイプだな。早いラウンドでラッシュかけたい所だぜぇ」

ミヤ「よし、がんばるぞ」

B21_4○第1ラウンド
狼男:テツヤを攻撃。出目3で成功。ダメージ4(被害2)。
テツヤ:狼男を攻撃。出目3で成功。ダメージ4(被害3)。
ミヤ:手下3へ射撃。出目7で成功。ダメージ3(被害3)。
ディアブロ:白い火の呪文を詠唱。出目8で失敗。

ディアブロ「ここで成功してれば流れは完全にこっちだったんだけどねぇ」

ミヤ「ま、思うようにはいかないもんだよ」

手下1:C-2へ移動
手下2:B-3へ移動。
手下3:B-5へ移動。

テツヤ「このままじゃ囲まれかねんな。ここで攻勢に出るとするか!」

テツヤ(ダブルアクション):狼男を攻撃。出目7で成功。ダメージ5(被害4)。

テツヤ「なんとかボスのHPは半減させたぜ」

ディアブロ「次あたりが正念場かねぇ」

○第2ラウンド
狼男:テツヤを攻撃。出目7で失敗。
テツヤ:狼男を攻撃。出目9で失敗。

テツヤ「チッ、膠着気味だぜ」

ディアブロ「不調だねぇ」

ミヤ:手下3を攻撃。出目6で成功。ダメージ7(被害7)。撃破。

ミヤ「おおっ! なんか調子良いよ!」

ディアブロ「こっちは好調だねぇ」

ディアブロ:白い火の呪文を詠唱。出目6で成功。狼男にダメージ8(被害7)。撃破。

狼男「ギャースっ!」

ディアブロ「よし、屠った。ボスが落ちたから後は掃討するだけだぜぇ」

テツヤ「へえ、やるじゃねぇか」

手下1:D-2へ移動。
手下2:B-4へ移動。

○第3ラウンド
テツヤ:手下1を攻撃。出目5で成功。ダメージ4(被害4)。
ミヤ:手下2へ射撃。出目6で成功。ダメージ6(被害6)。
ディアブロ:白い火の呪文を詠唱。出目7で成功。手下2にダメージ12(被害12)。撃破。

ミヤ「おおっ、撃墜数2つ! やるじゃん!」

ディアブロ「弱った敵にハイエナ絶好調だぜぇw」

テツヤ「まぁ戦法としては間違っちゃいねぇよ」

手下1:テツヤを攻撃。出目6で失敗。

○第4ラウンド
テツヤ:手下1を攻撃。出目11で失敗。
ミヤ:手下1へ射撃。出目9で失敗。
ディアブロ:白い火の呪文を準備。
手下1:テツヤを攻撃。出目5で成功。 ダメージ2(被害0)。

テツヤ「このラウンドは敵味方ともにダメージなしか……」

ミヤ「まーよくある事だよ」

○第5ラウンド
テツヤ:手下1を攻撃。出目7で成功。ダメージ6(被害6)。撃破。

テツヤ「よし、とどめ!」

ミヤ「これでカタがついたね! 森の民さん達はどうなってるの……?」

【項目85】
原っぱには、死体やちぎれた手足がごろごろ転がっていた。
森の民も商人も一人残らず死ぬか、あるいは森の中へ逃げ去ってしまっていた。
原っぱを歩きまわって、散らばっている
金貨を集める。
全部で
五十五枚にもなった。
チェッカー盤とコマも見つかった。
狼男の一人のマントには銀製の
狼の頭のバッジがついていた。
欲しければ、どれでも持っていっていい。

ミヤ「助けられた、とは言い難いね……」

テツヤ「気を落とすな。お前のせいじゃねぇよ」

ディアブロ「とりあえず金貨とチェッカー盤、コマは持っていくとするかね」

その時、突然、たき火の向こうから低い呻き声が聞こえた。
行って見ると、竪琴をひいていた男が胸から流れ出る血の海の中に横たわっている。
まだ息をしている。だが虫の息だ……。

ミヤ「あの人、まだ生きてるよ! 助けないと!」

テツヤ「しかし……こりゃどう見ても……」

ディアブロ「手遅れだな。でも何か言いたそうにしているぜぇ」

【項目335】
男の上に屈みこみ、最後の言葉を聞きとろうとする。
「やつらは私をとらえようと……とうとう……」
男の言葉は、口からあふれ出る血のためにたびたび途切れた。
「……歳をとりすぎた……私はずっとこれまで、この事のために……」
男はこちらを見上げると、起き上がろうと必死にもがいた。
そして苦しげに食料袋に手を突っ込むと、中からベルベットの布地にくるまれた何かを引っ張り出した。
ベルベットを血に染めながら、男は取り出した物をこちらに手渡した。
金箔の施された見事な鞘だった。
ちりばめられた宝石が、ブルームーンの冷たい光を受けて、まばゆい輝きを放っている。

テツヤ「さっきの連中は、こいつを手に入れるために襲撃しやがったのか」

ミヤ「関係ない人まで巻き込んで……?」

「五候は力を集結しつつある……」
男がささやいた。
「まもなく彼らはこの世に復活するだろう……。その時、このブラッド・ソードだけが、彼らを食い止める事ができるのだ……。あとの部分を見つけ出せ……。ワイアード王国の魔術王ワーロックが柄を持っている……。刀身の行方は、私にもわからん……」
男の声は、突然、低くなった。
そして、青い目がカッと見開かれた。
「私はこの鞘のために殺された。今度はそちらがこれを守る番だ。五候の手下は私を追い続けたように、そちらを追うだろう。決して鞘を身体から離してはいけない。ワイアード王国へ行け。それが唯一の生き残る道だ……」

五候――五人の真のマグス。彼らは古代スパイト市が天変地異で滅んだ時、自らを天の星へと変えて災厄を生き延びた魔術師達である。彼らは再び地上に舞い戻り、その魔力で大地を支配しようとしているのだ。
彼らを討てる唯一の武器が、魔剣ブラッドソードなのである。

男は、もう手のほどこしようが無かった。
彼はこの最後の時を、凄まじい気力だけで持ちこたえているのだ。
こちらに自分の任務を託し終えると、低いうめき声をもらし、ガックリとくずれ落ちた。
死者の見えない目は、煌めく鞘に釘づけにされたまま動かなかった。
その時、男が想像以上に歳をとっていた事を悟る。

ディアブロ「死んだぜぇ」

テツヤ「ああ。安らかに眠りな」

ミヤ「埋葬してあげたいけど、この人含めて数が多すぎるし……」

せめて、というわけで手を合わせて祈りの言葉をとなえるミヤ。
ようやく三人の前に姿を現したブラッドソード。次回から、この剣を中心に事態が動き出す……。

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2009年12月 9日 (水)

ブラッドソードリプレイ2-2 旅立ち

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:4 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:7 機敏度:8 生命力:25
装備:ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金73) 弓 矢筒(矢6本) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 膏薬の瓶(残り5回)

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8 機敏度:7 生命力:21
装備:六尺棒 鎧(鎧強度:3) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金73) 魔法の弓 矢筒(矢6本) 回復薬(生命力をサイコロ2個回復)

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+1 精神力:8(+1) 機敏度:6 生命力:21
装備:剣 銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金73)

前巻までのあらすじ

レジェンドという世界、クラースの地にて冒険者として旅する三人。彼らは腕試しがてらに迷宮突破競技へ挑んだ。そこで幾多の罠や敵を切り抜け、見事に優勝の栄冠を手にする。激闘を終えた三人は、再び気ままな旅を続けるが、この地で新たな冒険に巻き込まれるのであった……。

占い師の老婆に意味深な予言と薬瓶を貰った三人は、改めて周囲を見渡した。

【項目126】
老婆の占いの意味を考えながら、原っぱを行く。
今夜はここで野宿するつもりだ。
夕陽が森の向こうに沈んでいこうとしている。
クラースの南東に広がるこの広大な森を無事に通り抜けるため、数多くの旅人達が行動を共にしていた。
原っぱは既に、野宿の用意をする商人や巡礼や狩人達でごったがえしていた。

ミヤ「結構な人がいるね」

テツヤ「人通りの多い街道なんだな。何かに襲われる心配も少なくて結構なこった」

ディアブロ「俺らも寝る準備をするかねえ」

老婆と話している間にやってきた、家族連れの森の民の一団は、もう鹿の肉を焼き始めていた。
肉の焼けるいい匂いが漂ってくる。
森の民の一人が肉を少し切り分けてくれた。
礼を言い、たき火をする場所を探して歩く。

ミヤ「らっきー! 人の情けが身にしみるよね」

テツヤ「現地の人とのふれあいも旅の醍醐味だぜ、と。ん……?」

ディアブロ「なにか曲が響いてくるな」

22原っぱの向こうから物悲しい調べが聞こえてきた。
見れば一人の旅芸人が竪琴をひいていた。
男は白い木綿の上着とズボンを身につけている。
もっとも、それが白かったのは昔の話で、旅のほこりにまみれて、今ではすっかり灰色になっている。
男の顔には強い意思と誇りが見てとれ、彼のかなでる調べには、そこらの旅芸人のにぎやかな音楽とはまるで違った物思わしげな響きがあった。

テツヤ「旅の吟遊詩人か」

ミヤ「なんか悲しい感じの曲だね。あたしはもっと明るい方が好きなんだけどなー」

ディアブロ「ま、そういう方向性の芸人さんなんだろうね。とはいいつつ、俺にはそういう方面はとんとわからないぜぇ」

テツヤ「安心しろ、俺もだ」

男の後ろの原っぱのはずれには、灰色の旅装の商人の一団が固まっていた。
彼らは、二人の背の高い男が指しているチェッカー盤を熱心にのぞきこんでいる。
チェッカーを指している二人は、青い毛皮のマントを肩に羽織っている。
複雑で華麗な戦術を使うクラースのチェッカーに、商人達が夢中になっているのを見て、意外な気がした。
商人には、この芸術とも言えるゲームの面白さなどわかりはしないと思い込んでいたからだ。

テツヤ「あっちはゲームに熱中か。さて、飯食ったらどうするかだが……」

ディアブロ「さっさと寝ちまうかい?」

ミヤ「せっかくたくさんの人がいるんだし、ちょっとのぞいてみようよ!」

 ミヤに引っ張られるようにして、まずは吟遊詩人の方へ。

【項目502】
竪琴をひく男は年寄りではなかったが、髪は雪のように真っ白だった。
近づいていくと、男は目を上げた。
その目は、森の上に広がる空のように真っ青だった。
竪琴をひく手を止めずに、彼はこちらに笑いかけた。
「一緒にどうだい」
そう言うと、彼はこちらの存在も忘れたかのように、再び一心に竪琴をひきはじめた。

ここでは盗賊が行動を起こす事ができる。このゲームの盗賊には音楽の心得もあり、演奏を披露する事ができるのだが……。

ミヤ「叔父ちゃんがハープの演奏? 似合わないなー」

ディアブロ「はは、確かにな。そういうのはもっとイケメンであるべきだぜぇ

テツヤ「チッ、こちとらだって楽器なんぞに興味ねぇよ!」

実はもう一人、魔術師も行動を起こす事ができる。どうするかというと……

【項目20】
Photo_2 (魔術師)

男に話しかけると、彼は竪琴をひく手をとめて、いぶかしげに見上げた。
楽器を演奏はできないが、できる者をしっていると告げる。
男は驚いた様子を見せた。

ディアブロ「さて、この魔法を使うのはこのリプレイ初だったな」

目を閉じて天上界のファルタインを呼ぶと、ファルタインは天上の芳しい香りの雲にすっぽり包まれてやってきた。

Photo_3ファルタイン「やれやれ、やっとお呼びがかかったかね。存在を忘れられているんじゃないかと思っていたよ」

実はこのファルタインの召集の呪文、大概の場合において間違った選択となっている。仕事が不確かな割に報酬が高くつき、その上、本人に誠意とやる気があまり無い。異次元の妖精らしいが、おそらく故郷でも使えない奴呼ばわりされている事が予想される。

ファルタイン「余計なお世話だよ。それより仕事は何かな? できればあまり手も口も動かさずに危険も無い単純で拘束時間の短い作業が好ましいんだけどね」

ディアブロ「適当に芸を披露しな」

ファルタイン「はぁ?」

音楽を演奏するように命じると、馬鹿にしたような顔をしながらも、ファルタインは空中から見えない竪琴を取り出し、遠い昔の美しい歌を歌い始めた。
歌が終わる頃には、ずるがしこいファルタインの悪だくみに今までさんざん手こずらされて来たこちらの頬にさえ、一筋の涙が流れていた……。

ミヤ「すごーい! 上手、上手!」

ディアブロ「こいつにも一つは取り柄があったんだな。驚いたぜぇ」

ファルタイン「逃げ回る仲間の後ろから電撃を飛ばすしか脳の無い人が言う言葉じゃないと思うな」

テツヤ「なんか同類だよオマエら」

森の民たちも同様に聞きほれていた。
彼らはこちらの手の上に金貨を一枚ずつ置いた。
ファルタインは、
五枚の金貨といつものくすくす笑いとともに姿を消した。
こちらの手には
五枚の金貨が残っていた。

ディアブロ「おっと、小銭が儲かったぜぇ」

ちなみに盗賊が演奏すれば、金は儲からないが腕前に感心した吟遊詩人が竪琴をくれる。ファルタインに演奏させた場合は貰えない事を考えると、召喚した魔物に演奏させるのは吟遊詩人的に邪道なのだろう。

セッションを終えた三人、吟遊詩人に別れを告げて、今度は商人の一団を覗いてみる。

【項目554】

ミヤ「さあて、ゲームの方はどんな感じなのかなー……と」

チェッカー盤を夢中でのぞきこんでいる商人たちに近づく。
あいさつをしても、誰一人、ふり向こうとはしない。
彼らの目はチェッカー盤に、釘づけになっていた。
そのうち、だんだんコマの動きに引き込まれている自分に気づく。
敵を包囲して力を奪うために、コマは実にこみいった動きをしていた。

テツヤ「ルールを知らないから、何がどうなってるのかよくわかんねぇな」

ディアブロ「お前さん、カードやサイコロには詳しいのにねえ」

博打に参加すればほぼ必ずイカサマをやれる盗賊だが、こういうまっとうなゲームの知識は無いのが「らしい」ところだ。反面、このゲームの僧侶は知識人なので、チェッカーのルールなんかも知っている。

ミヤ「あれ? なんかおかしいぞ……?」

【項目214】
3(僧侶)

商人たちの間からチェッカー盤をのぞきこんだ。
しかし、チェッカー盤のコマの動きを読む事ができない。
知っているクラースのチェッカーとはまるで違う動きなのだ。

ミヤ「みょーに不自然だなあ。これ、本当にチェッカー?」

すかさず行動を起こす事にする。この項目では読心術を試す事ができるのだ。僧侶の超能力には詠唱や動作が必要無いので、周囲の人間はミヤのしている事に気づかない。

【項目348】
(僧侶)

読心力は、コマの指し手達の思考の奥深くへ、入り込む事はできない。

ミヤ「あれ? なんでだろ? 普通の人間の心なら難なく読めるのに……」

それでも、そのゲームがチェッカーでない事だけは理解できた。
二人の指し手は、敵対するどころか、互いに協力しあって、チェッカー盤のコマで何かの模様を描こうとしているかのようだ。
そうやって作りあげられた模様に、見物人達は我を忘れて見入り、模様の裏に隠された意味を必死で読み取ろうとしている様子だ。

ミヤ「これ……ひょっとして、何かの打合せなのかなあ?」

【項目170】
勝負が決まったのは、夕陽が森の向こうに沈みきった直後だった。
白いコマがチェッカー盤の中央に集まってくると、黒いコマが除々にそれを取り囲み、白いコマの一掃にとりかかった。
黒いコマがそんな動きを始めると、見物の商人達はゲームに興味を失い、各自の寝床へひきあげはじめた。
白いコマの数が減り始めた頃には、見物人は一人も残っていなかった。
毛皮をはおった指し手達は、最後に頷きあうと、チェッカー盤を片づけて立ち去った。
たき火のちらちら輝く光の中に、こちらは取り残された。

テツヤ「ミヤ、どうかしたか?」

釈然としない様子のミヤに尋ねるテツヤ。

ミヤ「うんとね。かくかくしかじかうんぬんかんぬん」

デァイブロ「へえ? そりゃまた気になる事だぜぇ」

テツヤ「もう寝る時間だが……どうしたもんかな」

【項目120】
チェッカー盤を見守っていた商人達には、どこか気になる様子があった。
それが何なのかははっきりわからなかったが……。

ここでは戦士以外のキャラクターなら何らかの行動を起こす事が出来る。

テツヤ「じゃあ俺がやろう。気になる事ははっきりさせねぇと。何も無えならそれでいいわけだからな」

ミヤ「うん、お願いね」

【項目132】
Photo(盗賊)

原っぱのはずれの暗闇の中へそっと足を踏み入れ、そこに眠る商人の一人に近づいていった。
不規則な息をしているところを見ると、男は目を覚ましているようだ。
どうやら、何かが起こるのを待ちかまえているらしい。
しかし、こんな何も無い原っぱで、いったい何が起こるというのだろう?
習い覚えた腹話術を使って、仲間の商人を装って男に話しかけてみる事にする。

テツヤ「もう時間だろう?」

男は低い声で、叱りつけるように答えた。
「黙ってろ、間抜け、森の民達が聞きつけるぞ! ブルームーンが昇らなくては、俺達は動けないはずではないか」
男の言った言葉を考えながら、そっとその場を離れる。

テツヤ「人に聞かれたら困る事を、今から多勢でやろうって事だな、これは……。そして多分、俺らもその対象に入ってやがる」

仲間のもとに戻るテツヤ。ひそひそと今見てきた事を話す……。

【項目468】
何か良くない事が起こりそうだ。しかし、何が?

何がどうなるのか、三人がどうするのか。それは次回へ……。

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2009年12月 6日 (日)

ブラッドソードリプレイ2-1 予言

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

テツヤ「よーし、それじゃあブラッドソードの2巻を始めるぞ」

ミヤ「はいな! 準備は前の巻の最後で終わってるから即行で開始だね!」

ディアブロ「ま、もうちょいと無いでもないぜぇ。とりあえずレベルアップ後のステータスを確認だな」

現在のステータス

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:4 戦闘力:7(+1) 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:7 機敏度:8 生命力:25
装備:ロジ・スカイランナーの剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金75) 弓 矢筒(矢6本) 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+2 精神力:8 機敏度:7 生命力:21
装備:六尺棒 鎧(鎧強度:3) 盾の御守り(鎧強度+1) 金貨袋(所持金73) 魔法の弓 矢筒(矢6本) 回復薬(生命力をサイコロ2個回復)

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:4 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+1 精神力:8(+1) 機敏度:6 生命力:21
装備:剣 銀の鎧(鎧強度:2) 魔法の指輪(精神力+1) 金貨袋(所持金73)

ディアブロ「アイテム・所持金含めてこんなもんだぜぇ。今後も有用なアイテムを残してあるから、最初から荷物が多いな」

ミヤ「あたしなんかあと二つしか持てないよ。ところで、お金がなんかいっぱい増えてるけど?」

テツヤ「1巻で優勝した賞金だ。一人金貨60枚。一月ぶんの生活費程度にはなりそうだな」

ミヤ「命がけの大会なのに、なんかしょぼくない?

テツヤ「かといって、このゲームで金貨1万枚とか渡されても持ち切れないからな……。キャンペーンの第一歩で億万長者にしたら『そんな金持ちがなんで放浪を続けるんだよ』という話にもなっちまう。ゲームとの整合性を考えたら、この金額が限度って事なんろうよ」

ミヤ「ぬう。あのダンジョンで死んじゃった挑戦者の人達は、金貨60枚のために散っていったわけなんだ……」

ディアブロ「はは、NAKERUDE。それと生命力は完全に回復している。あの大会から1,2週間後から始まるから、その間に休息できたって事だ。矢も補充できるんで、矢筒の中身は6本になる」

ミヤ「矢は寝てても増えないと思うけど。木の枝から自作したのかなあ? だったら荷物の許す限り持ちたいんだけどな」

テツヤ「そういうセコイ考えはやめろ。どうせすぐに荷物が増えて捨てるはめになる」

ミヤ「当分、ディアブロが荷物持ちだね!」

ディアブロ「ありがたい話だぜぇ。それじゃあそろそろ出発しますかね」

ミヤ「はいな! レッツゴー!」

大会も終わり、すっかり静かになったカルーゲンの街を後にする三人。当面、行き先のあてはない。この時点では、彼らはきままな放浪者であり、気の向くまま足の向くままに土地から土地へ渡る旅人なのだ。
そして、街の側にある森ぎわの原っぱにて、次の冒険が幕を開ける。三人がそれと気づく前に……。

【項目1】
「これは避けがたい運命だね」
老婆は、たき火の明かりに照らされたカードをじっと見つめながら言った。
「運命の女神(ウィアード)が出たんだ。あんた達は大きな仕事にとりかかる事になる。恐ろしく大切な物を探し求める旅にね」
老婆は、占いの反応を見ようと、こちらの顔を見上げた。
そして茶色の萎びた手で一枚のカードをいじりながら、話を続けた。
「この最初のカードによれば、あんた達の仕事には、不正をただす、あるいは壊された物を元通りにするという任務が含まれている。そして、あんた達が長くつらい旅をするだろうと予言している」

ミヤ「そうなんだ……でも辛いか愉快かは人それぞれなんじゃないかなあ?」

ディアブロ「当人にとって辛い事がおこる、て話かもしれないぜぇ」

ミヤ「えー。じゃあこれからずっと空きっ腹で歩かないといけないのかなあ?」

テツヤ「おめーらうるせぇぞ。ちと静かにしな」

「次のカードは、数多くの危険な障害があんた達の前に立ち塞がるだろうといっている。手強い相手を向こうにまわす事になるよ。そして最後のカードには、あんた達がすぐにも出あう事になる男の姿が見える……厳しい顔つきの、氷のような目をしたアーコンという男だ。こいつは冷酷無情な男だよ。人々を意のままに従わせようとする支配者さ。あんた達の探求の旅が彼の不利になるようなら、容赦なく妨害してくるだろうね」

ミヤ「その人が手強い相手ってわけだね。でもイコンとかアーコンとか、そんな名前の人に妙に縁があるなあ」

ディアブロ「じゃあその次の敵はウーコンで、エーコン・オーコンと続くのかねえ」

ミヤ「そして最後には全員が合体して出てくるんだよ」

テツヤ「黙ってろってばよ!」

「だが、ごらん。こいつの隣に、わしらが賢母と呼んでいるカードがある。彼女は女の支配者さ。アーコンに顔をそむけているだろう。つまり、この二枚のカードが語っているのは、あんた達の前に敵対する男が一人現れたら、味方になる女も一人出てくるって事さ……」
老婆はカードを切ると、こちらをしばらく見つめ、深いため息をついた。
占いは終わった。
立ちあがろうとすると、老婆はしなびた手を突き出した。
「金貨二枚の約束だよ」
確かに、金貨を二枚やると約束していた。
しかし、老婆の占いはあまりにも漠然としすぎている……。

テツヤ「ま、占いなんてこんなもんだろ」

ミヤ「じゃあ次は恋占いをやってもらうね!」

ディアブロ「ほほう、君もお年頃だねえ。で、誰との相性を?」

ミヤ「あたしと叔父ちゃんと父ちゃんと母ちゃんと伯母ちゃん。組合せ全10パターンを占ってもらうの」

ディアブロ「……ほとんど血縁ばかりで性別もお構いなしかね」

テツヤ「もうテメーラは晩飯まで喋るな! おい婆さん、代金だ!」

テツヤは金貨を二枚、占い師の手に握らせた。

【項目355】
老婆はにっこり笑った。
その時、彼女が占い師によくあるような、歯の抜けたしわくちゃ婆さんではない事に気づく。
しわだらけの茶色い肌の下に、誇り高い、整った顔立ちがうかがえる。

ディアブロ「ほほう、若い頃はさぞお美しかった事だろうぜぇ」

彼女は袋の中から小さな瓶を取り出した。
「これは薬草から作った膏薬だよ。森の仲間が古くから使っている薬さ」
森の民の事だろうか、それともエルフの事だろうか?
もらうわけにはいかないと言おうとしたが、彼女はそれをこちらの手に押し付けた。
「これで傷の痛みがとれるからね」
そう言い添えると、彼女は自分の持ち物を集めて、森の方へ歩いて行った。
「幸運を祈ってるよ」

テツヤ「待ってくれ……!」

手の中の瓶に目を落とし、次に原っぱのはずれの木立の方を見上げた時、彼女の姿は消えていた。

ミヤ「ふむふむ……この膏薬の瓶は5回使えるね。1回でサイコロ1個、生命力を回復できるよ」

ディアブロ「なんだったのかね、あの人は。ま、薬もらえて得したねえ」

テツヤ「別に代金を余分に払ったわけでもねぇんだがな……」

そう呟くが、相手がもういないのでは仕方ない。捨てるのはもったいないし、相手の気持ちを踏みにじる事にもなる。瓶を荷物に加え、三人は野営の支度を始める事にした。

周囲には、三人と同じような旅人が大勢いる。それがどんな人達なのか……それは次回のお話。

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2009年12月 2日 (水)

ウィザードリィ

 せっかくDSを購入したんだから、他のソフトも探してみようかな……そう思ってちょっと調べた所、気になるタイトルが。

 ウィザードリィの新タイトルが発売されたとの事。自分が初めて購入したウィザードリィがゲームボーイの外伝1で、当時サルのごとくプレイした。そういえば「五つの試練」も久しく触ってないな……そんな事を考えながら公式サイトへ。

 

 顔も名前もある既製キャラでのゲームですか。つまりウィザードリィのシステムを使った3Dダンジョンのキャラ物RPGなのね……。そういうのも嫌いじゃないが、ウィザードリィなんかソレは? と思いながら主人公のイラストを拝見。

 

 これ、ドモンのハチマキ巻いた刹那じゃないですか。

 

 これで周囲のメンバーが偽シーブックとかヒイロの分身とかシンのそっくりさんとかなら、そのガンダミック魂あふれるクソ度胸に打たれて購入決定したんだが。残念ながらそういう路線ではないようだ。

 惜しい……本当に惜しかった。仕方ないので五つの試練にでも戻ろうか。誰もやろうとしないシナリオの第三弾でもぼちぼち考えるかね。WIZ好きなら五つの試練は本当にお勧めだ。理由の9割はシナリオ作製ツールの存在だがね。

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