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2009年11月17日 (火)

ブラッドソードリプレイ1-16 古代の亡霊

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:3 戦闘力:7+1 打撃力:サイコロ1個+1 精神力:6 機敏度:8 生命力:19
装備:剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金15) 弓 矢筒 ロジ・スカイランナーの剣 オパールのメダル 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り ブロンズのハンマー

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:3 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+1 精神力:8 機敏度:7 生命力:16
装備:六尺棒 鎧(鎧強度:3) 金貨袋(所持金13) 弓 矢筒 オパールのメダル 八角形のプリズム 八角形のプリズム カリウムの破片 回復薬

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:3 戦闘力:6 打撃力:サイコロ1個 精神力:8 機敏度:6 生命力:16
装備:剣 銀の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金13) 炎の護符 

クラースのダンジョンレースへ参加した三人。街の領主マグス・カルーゲンの雇われ戦士として地下迷宮へ挑む。神殿の魔女エキドナ、火口の死闘、そして最後のライバル・イコンにも勝利。栄冠は目前かに見えた……

神をも恐れぬイコンを倒し、三人は浮かれ歩調で丘へと向かう。だがその足が不意に止まった。

ミヤ「うわ……何あれ?」

【項目68】
やがて驚くべき光景が眼前に現れた。
大きな玄武岩の島が、なんの支えもなしに、地上から五十メートルほどの空中に浮いているのだ。

島の真下の地面には、ブロンズの銅鑼が置かれていた。

テツヤ「青銅の銅鑼、か。そういえばイコンの奴がブロンズのハンマーを落としていったっけか」

ミヤ「よし、使ってみよう!」

【項目508】
ハンマーで銅鑼を打ってみる。
ゴーンという音が鳴り響いたかと思うと、いつのまにか転送の魔法によって、玄武岩の島の上に移動させられていた。

ミヤ「こう都合よく転送されたという事は、やっぱハンマーはここに来るためのアイテムで、イコンさんは迷宮のどこかでそれを拾ったんだね」

テツヤ「で、ここは何なのかって事になるが……」

ディアブロ「あれを置くための場所だろうぜぇ」

ディアブロが島の中央を指差す。

島の中央には宝石で飾られた大きな石棺が置かれていた。
石棺の陰のあたりから、年老いた男が一人、こちらに向かって歩いてくる。
その男の身体を通して、洞窟の天井からしみ出る燐光を放つ地下水が見えた。
普通の人間ではないのだ。
男は幽霊のような両手を上げた。
歓迎のしるしか、それとも攻撃のしるしなのか……?

テツヤ「いきなり戦闘にならねぇなら、少し様子を見てみるか?」

【項目509】
男の声は、一千年の歴史の向こうからこちらに話しかけてきた。
「生前、わしはマグス・ジンと呼ばれていた。わしは最も強いマグスとして、全てを支配していた。しかし他のマグス達はわしを妬み、わしを罠に落とした。馬鹿者どもは、わしの下男の巨人スクリミールまで殺した。だが彼らはわしを殺す事ができずに、ここにわしを閉じこめた。わしはここに千年のあいだ眠っていた。千年だぞ! なんと長かった事だろう……。千年の間、わしは入念に計画を練ってきた。復讐の計画が今こそ実を結ぶ時だ。だがこの計画には助けが必要だ。どうだ、助けてくれるか?」

テツヤ「マグス達の内輪揉めかよ。正直、関わり合いになりたくねぇ話だな」

ミヤ「だよねー。じゃあ帰ろっか……帰り道、わかんないけど」

 ここには銅鑼が無い。なんと転送装置は一方通行なのである!

テツヤ「あー……もしかして、この爺さんに協力しねぇと事実上の行き止まりって事かよ?」

ディアブロ「はは、NAKERUDE」

ミヤ「しょうがないなー。じゃあ協力するけどさ……」

【項目116】
男は無感動な笑顔で言った。
「うむ、それは結構。マグス・ジンの栄光は臣下の栄光だ。誰よりも多い報酬で報いよう」
そいつが石棺の蓋の上に手をかざすと、蓋はゆっくりと宙に持ち上がった。
石棺の中には手に花崗岩の塊を握りしめた朽ちた骸骨があった。
男は懐かしげに言った。
「わしの身体だ……。芳醇なワインを舌の上で味わい、柳の間を吹き抜ける風を肌に感じたのは、遥か遠い昔の事だ……さあ、その石を取れ! 早くしろ! わしはもう一刻たりとも思い出の中に埋もれていたくないのだ」
こちらは従うしかなかった。
男を助ける事を承諾した時から、男に逆らう力を奪われてしまっていた。
骸骨の手から花崗岩の塊を取り上げると、石棺の蓋が再びゆっくりと閉まった。

見れば手の中にあるのは、化石になった心臓だった。
男が言った。
「それは巨人スクリミールの心臓だ。奴はマグス達に殺された。わしは奴を使って、昔のマグス達の末裔である現在のマグス達に復讐するつもりだ……」

テツヤ「とばっちり食らうのは今の人間かよ」

ディアブロ「親の因果が子に報い……とは言うが、当時負けた奴が無理に報わせているだけの話だぜぇ」

ミヤ「ぶっちゃけ八つ当たりだよね、それ」

男の発する光は一瞬明るくなったかと思うと、次に暗くなり、やがて冷たい輝きになった。
「あの丘へ向かえ。わしはけちな試合に興味はない。そちらが勝利の紋章を手に入れようと入れまいと、わしの知った事ではない。手に入れたければ、そうするがいい。しかし、頂上の紋章にたどりつくまでに、スクリミールの死体の一部が残る部屋を通るはずだ。巨大な足や胴体や腕や頭蓋骨を見つける事だろう。それを拾って進め。そして頂上に着いたら、それらを組み合わせて、胸の中に化石になったその心臓を収めるのだ。そうしたら、すぐにそこから離れろ。マグス・ジンの魔力が、再び昔日の威力を発揮するだろう。スクリミールの黄色くなった骨に肉が付き、心臓は鼓動を始め、温かい血が血管を巡りはじめる。奴は目を開け、このクラースの変わりようを見るだろう。そして成り上がりのマグス達に、最も相応しい運命をつきつけてやるだろう。さあ、下へ降りる準備はいいか……」
彼が両手を上げると、灰青色の光がこちらを包んだ。
風景が一変し、気付いた時には、空中に浮かぶ島の真下の平地に立っていた。
さあ、前進するがいい。
ただし、スクリミールの
化石の心臓を持っていかなければならない。
捨てていく事はできないのだ。

ミヤ「ハンマーでこの心臓をブッ壊す事、できないかな?」

ディアブロ「残念ながら……」

テツヤ「チッ、実際に手を下すのも下男とやらにやらせるのかよ。人間、歳はとりたくねぇな」

 悪態をついていても話は進まない。仕方なく三人は丘へと再出発する事にした。

【項目238】
ついに、めざす丘のふもとにたどりついた。
平原は妙に広く感じられ、三キロ近くも歩いたような気がした。
頂上をめざして斜面を登っていくと、上のほうから霧が流れてきた。
勝利の紋章が風にひるがえる悲鳴のような音が、荒涼とした風景の中に響き渡っている。

ミヤ「風に翻る……て事は、勝利の紋章てやっぱり旗なんだね」

テツヤ「ビクトリーフラッグを己の手でふれ、て事か。へ、洒落てるじゃねぇか」

一本の坂道をたどっていくと、丘の裂け目に入っていき、その先にはくねくねと曲がりながら登っていくトンネルのような通路があった。
登りが急で、足を休める事ができる小さな部屋にやっとたどりついた時には、正直ほっとした気持ちだった。
一息入れてあたりを見まわすと、部屋の奥に赤い光が射している。
そこには、巨大な頭蓋骨があった。
しかし、なんという大きさだろう!
たぶん、四メートル近い大男の物に違いない。

ミヤ「もしかして、これが……」

ディアブロ「そのもしかしてだぜぇ」

呆れて見ていると、その頭蓋骨の口から呻き声が聞こえた。
そしてそいつは喋り始めた……。
「俺は巨人のスクリミールだ。俺はマグス達に戦いを挑んだ。それはずっと昔、スパイト火山の大爆発が起こり、その結果いまのマグス達が王座を横取りする事になる以前の事だ。昔のマグス達は正真正銘の魔法使いだった! 彼らは呪文を唱えて、俺の肉を塵に変え、心臓を石にしてしまった。俺の血を煮え立たせ、骨を砕いてしまった……しかしお前達の助けを借りて、俺は再び立ち上がる事ができる。俺はマグスを名乗っているペテン師どもをこの地から一掃するのだ。俺の骨を集めてくれ。いま俺は、頭蓋骨の口を通してお前達に話している。あとの骨を見つけてくれ。そして頂上に登って、集めた骨を組み立ててくれ。俺に命を与えてくれたら、どんな報酬もお前達の思いのままだ!」

テツヤ「骸骨で千年野ざらしだった奴が、何をくれるというのやら」

 しかし化石の心臓を持っているため、その魔力によりこの頭蓋骨を持っていかねばならない。持ち物がいっぱいなら、他の所持品を捨ててでもだ。一人パーティだとこれが非常に辛い。

ミヤ「ま、しょうがないね。よいしょっと……」

 背嚢に被せるようにして頭蓋骨を背負う。なんかモゴモゴ言ってるが、そんな事はこの際気にしないのだ。

【項目271】
トンネルのような通路をさらに登っていくと、別の部屋に達した。
石化した木があり、その枝の一つに巨大なあばら骨が南京錠で固定されている。
他の枝にはいくつもの人の首がぶら下がっている。

ミヤ「あたし、こういうイタズラは感心しないなぁ」

ディアブロ「趣味で本気のデコレーションしてるのかもしれないぜぇ?」

テツヤ「だとしたら頭沸いてるぞ、そいつ」

外壁の割れ目からはダンジョンを一望のもとに見渡す事ができた。
石柱の点在する平原とその上空に浮かぶ玄武岩の島、ダージマンの飛び交う谷、沸き立つ溶岩の池の中央にそびえる塔門、その向こうには神殿と拝殿が見えた。
なんとはるばる来た事だろう。
しかしなぜか今、どうしようもない虚脱感がこみあげてきて仕方がなかった。
なぜか冒険の旅が無意味な物に思われはじめてきた。
このままここにいた方が、なんの苦労もなくて、どんなに楽な事だろう。
負けを認めてしまえば……。

テツヤ「……て、何でここまで来て諦めるんだよ!」

ミヤ「おかしいなあ? 何かの魔力に攻撃されてるような気がするよ」

その時、木の方向から風が吹いてきた。
そして石化した木の幹の上に、歯をむき出しにした無数の口が現れて、こちらに向かって泣き叫んだ。
同時に、はかりしれない深みから無数の黒こげの手がのびて、おいでおいでをしている。
狂気の中に今にも引きずりこまれそうな光景だ……。

ミヤ「気持ち悪!」

デイアブロ「さて、どう対抗したもんかねぇ?」

【項目176】
マグス・ジンの声が頭の中に響き渡った。
「マグスの衛兵達は、魔法を使ってお前達を阻止しようとする。しかし、ジンの臣下は常に主人の助けを得る事ができるのだ……さあ、この古いクラースの音楽を聞け」
頭の中に流れる音楽に耳を傾ける。
それはとても単調な歌だった。楽しい歌とはいえなかったが、確かにそれは、気が狂うのではないかという不安を取り除いてくれた。

ミヤ「こんな方法で覆せる精神攻撃だったんだね」

ディアブロ「催眠術の一種だったのかねぇ? だから別の事に集中されると破れるのかもな」

ミヤ「つまり頭の中で、今日の晩御飯の事を考えれば良かったんだよ!」

テツヤ「催眠術なめんな」

 ジンが言った。

「さあ、スクリミールのあばら骨を取れ」

【項目161】
頭蓋骨の口から、まるで弔鐘でも打ち鳴らすような重々しい号令が発せられた。
すると南京錠が開いて、
あばら骨が石化した木の根元にドスンと落ちた。

テツヤ「こいつもやっぱり、強制的に運搬か?」

ディアブロ「ま、そういう事だぜぇ」

ミヤ「荷物があふれてきちゃったよ」

 とはいえ仕方がないのであばらを背負って先へと進む。

【項目159】
さらにトンネルを登っていくと、また部屋があった。
頂上まではあと半分というところだろう。
部屋の奥に別の上り坂のトンネルが見える。
しかし、そこに行くには、巨人の足と骨盤の骸骨が鎖で繋がれた石の王座の横を通らなければならない。

テツヤ「ここには罠はなさそうだな」

ミヤ「さすがのマグスさん達も弾切れかな?」

【項目433】
頭蓋骨が再び声を発した。
すると
骸骨の足を縛っていた鎖がほどけ、カチャカチャと音を立てながら石の床の上に落ちた。

ディアブロ「付け加えるなら、足は二本あるので荷物としても2個なんだぜぇ」

ミヤ「そりゃ大変だよ。でも荷物の空きからしてディアブロが持つ番だね」

ディアブロ「おっと、こりゃしまった」

テツヤ「重たけりゃひきずってもいいぞ」

頭蓋骨「もうちょっと丁寧にせんかい……」

【項目538】
次の部屋に何が待っているか、こちらにはもうわかっていた。
その部屋は奇妙な形に歪み、焼けただれていた。
まるで物凄い熱風に襲われた古代の神殿のようだ。
参拝の人々が突然の天災に逃げ惑うかっこうのまま固まっている。
柱の向こうには、思ったとおり
骸骨の両腕と肩甲骨があった。
片方の腕は
鉄の籠手をはめたままだった。

テツヤ「なんで人々は石化してて、部屋は焼けてるんだ?」

ミヤ「まずは石化、その後に熱風と時間差で襲われたのかなあ?」

【項目394】

ディアブロ「ちなみに腕も二本だから持ち物としては二つだぜぇ。肩甲骨は幸いにも個別の荷物にはならない」

テツヤ「どっちにしろ持つのはお前だぞ」

ディアブロ「あれま。でも籠手は置いていくぜぇ?」

ミヤ「しょうがないなぁ」

石化した人々の悲しげな顔を見ていると、落ち着かない気分になってきた。
急いでその部屋を出て、頂上への階段を登る事にする。

【項目322】
トンネルの外に出ると、丘の頂上の勝利の紋章はすぐ目の前だ。
地底の溶岩の明かりはとうてい達しそうもない場所なのに、紋章は明るい白色の光に包まれていた。
マグス達がかけた魔法の照明に違いない。
だがそれは、単なる照明ではなさそうだった。
よく見ると、洞窟の天井に向かって、一本の光の柱が真っ直ぐにのびている。
すぐに、それが地上へと転送する魔法の柱である事に気づいた。
さあ、あとは壇上の紋章を手に取るだけだ……。

テツヤ「けど、俺らは真っ直ぐ地上へは出られないんだったな?」

ミヤ「でも、どこでこの骨を組み合わせればいいの? 頭蓋骨さん、知らない?」

頭蓋骨「あそこだ……よく見ろ」

紋章の立っている石の台は、鉄の枠組みに支えられていた。
近づいて見ると、それは巨大な枠組みで、その中に巨人の骨を組み立てる事ができそうだった。

【項目412】
意思とは無関係に、鉄の枠組みの中に骸骨を組み立て始めている自分達に気づく。
意識ははっきりしているのに、マグス・ジンの魔法の力に逆らう事ができないのだ。
巨人の骨を組み立てていく自分達の手を、ただ見つめているしかなかった。

ミヤ「おおっ!? これは学校の宿題をやる時に欲しい魔法だなー」

テツヤ「チッ、こんな事する奴らが正直に礼をしてくれるとは思えねぇな」

ディアブロ「ま、今は組み立ててやるしかないねぇ」

組み立て終わって、巨大なあばら骨の下に化石の心臓を置く。
冷たい一陣の風が泣き叫ぶような音とともに丘の周囲から吹きつけた。
スクリミールの魂が死の縁から蘇ろうとしていた。

ひからびた骨の上に、苔のような皮膚が少しずつ広がり始め、頭蓋骨の眼孔の奥で命の光がキラリと光った。

この後、三人はどうなるのか? それは次回、1巻の最後で。

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