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2009年11月 9日 (月)

ブラッドソードリプレイ1-15 最後のライバル

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:3 戦闘力:7+1 打撃力:サイコロ1個+1 精神力:6 機敏度:8 生命力:19
装備:剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金15) 弓 矢筒 ロジ・スカイランナーの剣 オパールのメダル 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り 金色のくつわ

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:3 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+1 精神力:8 機敏度:7 生命力:16
装備:六尺棒 鎧(鎧強度:3) 金貨袋(所持金13) 弓 矢筒 オパールのメダル 八角形のプリズム 八角形のプリズム カリウムの破片 回復薬

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:3 戦闘力:6 打撃力:サイコロ1個 精神力:8 機敏度:6 生命力:16
装備:剣 銀の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金13) 炎の護符

クラースのダンジョンレースへ参加した三人。街の領主マグス・カルーゲンの雇われ戦士として地下迷宮を進み、神殿で強敵・魔女エキドナを撃破。転移装置で先へ進み、火口にて死闘を切り抜ける。そしてついにゴール目前へと迫ったが……

三人は立ち往生していた。目の前には深く広い断崖が口を開けている。飛び越せる幅でもなく、左右どちらを見ても橋など無い。

ミヤ「あたしの空中浮遊術の出番かなあ? でも叔父ちゃんとディアブロはどうしよう?」

僧侶の浮遊術は他者を運べるほどの力は無いようで、後の巻を見ても仲間を運んでいる描写は見当たらない。

ディアブロ「ま、ここは落ち着いて、もう一度辺りを見ることだぜぇ」

テツヤ「ん? そういえば、橋は無いが妙な連中がいるな

【項目482】
深い谷のあちこちに、翼を持つダージが飛びかっている。

テツヤ「だからダージって何なんだよ……。詳しい描写無しだが、そんなに有名な魔物なのか?」

ディアブロ「どうだろな。それを考えると、色々と途中省略してドラゴンクエストは物凄く偉大、という話になるんだぜぇ」

日本のファンタジーRPG黎明期、ゴブリン・オーク・トロール、プレートメイルやロングソード等の「洋物TRPGではおなじみだったが、まだまだ聞きなれない人間も多かった」名前を極力使わず、漫画じみた絵を現役漫画家に描かせて「がいこつ」「あくまのきし」「はがねのよろい」等のわかり易い名称にしていた辺り、受け入れられる事に対して本気だった事が窺える。そしてそれがあのシリーズの成功の一因である事は間違いあるまい。
なお、自分はRPGのイラストについて、洋物絵画よりも和製漫画絵の方が好きだ。これもまたドラクエの影響である。洋絵が嫌いってわけじゃないが「サムライの剣」の表紙を見て「男塾の人が描けばいいのに」とか考えていた。まぁそんなガキだった。

ミヤ「そんなもんかな? あたしが生まれる前の事だからよくわかんないや」

テツヤ「それよりもダージどもをどうするかだな」

一匹が風に押し流されて、こちらの側にやってきた。
そいつは、前に出くわした連中と違って、襲いかかってくる気は無いようだった。
それに、その顔はまるで人間の顔のようだった。
前に見たダージとは全く違う。
こちらを見つけると、奴は降下してきて、しゃがれ声で言った。
「おい、翼が無くては、この谷を渡れまい?」

テツヤ「やっとダージの描写が出てきたぜ。前の連中はよくわからんが、こいつは羽根の生えた人間なんだな」

ミヤ「むむ。あたしはこいつについての知識があるぞ」

テツヤ「マジか!?」

【項目393】
3 (僧侶)

これはただのダージではない。
オカルト種のダージだ。
おそらくこいつは、元は人間で、クラースのマグスに逆らうか何かしたために、その罰としてこんな化け物の姿に変えられてしまったのだろう。
確かクラースでは、よほどたちの悪い極悪人でなければ、こんな恐ろしい、永遠に続く罰は受けないという話だ。
今のクラースに正義など無いが、それでも犯罪者の多くは慈悲をもって、速やかな死という罰を受ける事になっている。

ミヤ「つまりクラースはカルーゲンのおっちゃんが困った人なせいで、あまり誉められた統治がなされていないと言う……」

テツヤ「政治批判は今はいらん。要するに、このダージは元人間て事だな

ディアブロ「だったら交渉も可能かもな。ま、ファンタジーRPGの人間の3分の1はモンスターだがね」

ミヤ「そんで半分はモブと背景だよね」

テツヤ「名前の無いキャラの話はいらねぇんだよ。今は目の前のコイツだ」

【項目79】
ダージマンはこちらの立っている階段の上の段に降りてきて、大きな皮の羽根を折りたたんだ。
一休みできたのを喜んでいるようだった。
普通のダージと違って、手には鋭い爪が無く、しかも人間の手の形をしている。
しゃがれ声で彼は言った。
「俺ならお前らを乗せて飛んでやれるぞ。だが一つ疑問があるんだ。それが俺に何の得になるんだろう?」

ミヤ「むむ。このダージさんはあたしら全員を乗せられるんだ。くそう、あたしの浮遊術に勝った気でいるな?」

テツヤ「お前の被害妄想はおいといて、とりあえず交渉すっか」

ここでは魔術師が盲目的服従の呪文をかけたりもできるが、アイテムを報酬として差し出す事も可能だ。テツヤは背嚢を探り、金色のくつわを見せた。

テツヤ「金色だからといって本物の金だとは限らねぇ……というより、持ってた連中的に偽物な気はするがな」

【項目301】
金色のくつわを取り出すと、折りよく、近くの間欠泉が新たに溶岩を噴き上げたので、くつわは燦然と輝いた。
ダージマンは驚いて息を呑んだ。
「なんと見事な宝だ! それを俺にくれ。くれたらすぐに谷を渡してやる」
彼は叫んだ。
欲が全ての理性を追い払ってしまった。

テツヤ(こいつはチャンスだな。ちと予定変更といくか)

テツヤ「いいとも」

そう言って、くつわを彼の頭の上に放り上げ、留め金をかける。
背中に飛び乗って手綱を強く引くと、ダージマンは一度苦しげな悲鳴をあげたが、くつわの鋲が皮膚に突き刺さるので、すぐにおとなしくなった。

テツヤ「よし、コイツに乗るぞ」

ミヤ「叔父ちゃん……なんか妙に盗賊らしいよ」

ディアブロ「ま、お前さんの知識によれば、このダージが正直者かどうかわからんし。確実に渡してもらうためには間違いではないぜぇ」

あきらめた彼は大きな羽根を広げ、そのまま飛び立った。

ダージマンの背は激しく揺れ、クレーターからの突風にもまれ続けた。
ダージマンは一度背中の重荷を放り出そうとしたが、手綱を強く引いてやると、悲鳴をあげてあきらめた。
そしてついに向こう岸に降り立つ。
彼の抗議の鳴き声などには耳も貸さず、手綱を傍らの大きな石に繋いで先を急いだ。

ミヤ「やっぱりなんか酷くないかな?」

テツヤ「やってから俺もちょっとそう思った」

ディアブロ「ま、超合金の鎖でもなし。ただの革紐ならいずれ千切れて自由になるさ。その時には約束通りくつわも手に入って、めでたしめでたしだぜぇ」

【項目359】
霧に包まれた平原を、とぼとぼと歩くにつれて、足元の小さな生き物がクモの子を散らすように逃げていったが、地面を覆う厚い霧のために、その姿ははっきり見えない。
途中に一つの石碑が立っていたので、近づいて調べてみた。
ひびのはいった石碑の表面には古代の文字が刻みつけられている。
その文字の魔力はまだ生きているようだ。
伝説によると、二世紀も前に、罪深い都市スパイトを全滅させた火山の噴火があったという。
その際に死んだマグスが書き残したルーン文字がこれなのだろうが、今のマグス達でさえ、この文字を読む事はできないだろう。

テツヤ「ここらの神殿やら拝殿やらも、そのスパイトの物だったわけか?」

ディアブロ「多分な」

 そしてその滅びた都市名やマグスの伝説を、後の巻で再び見る事になるのだ。いわば伏線なのである。

ミヤ「うーん……あたしにもこの字は読めないなー」

115 「なんて書いてあるんだろうな?」
背後から声が聞こえた。
びっくりしてふり返ると、黒い鎧を着けたマグス・ウルの戦士イコンのワーロックが立っていた。
彼は攻撃的な動作はいっさい見せずに、おじぎをして言った。
「イコンのワーロックだ。神を恐れぬイコンと呼ばれる事もあるが、まあそっちの好きなように呼んでくれ。俺は先の事をとっくりと考えてみた。そして我々が協力し合えば、勝利の紋章を手に入れる見込みがあると踏んだ。別々ではきっと失敗する。協力しようではないか。競技の規則で許されているはずだ。賞金は分け合わなければならんが、分けたとしても、十分に潤うだけのものが得られるではないか……」

テツヤ「へえ、礼儀正しい奴だな。しかし言ってる事には納得できねぇ」

ミヤ「なんで?」

テツヤ「違う雇い主の選手が手を組んでゴールしていいなら、出会い頭でどんどん合流していってクリアーしても良いって事になっちまうだろうが。それじゃあ競技が成り立たねぇ」

ディアブロ「ははっ、マグス連中の賭け金配当もややこしい事になりそうだな。カルーゲンみたいな奴が、そんな事を認めてくれるかねえ?」

テツヤ「ここは戦いを挑むぜ。違う雇い主についた者同士、そうなる事は承知している筈だから苦情は受け付けねぇよ」

バトルオーダーを1:テツヤ、2:ディアブロ、3:ミヤに変更。ディアブロはネメシスの電光の呪文を準備。

【項目341】
イコンの顔は怒りに歪んだ。
彼は怒鳴った。
「それでは勝手にしろ! その愚かさがきっと命取りになるぞ……」
彼は何やら呪文を唱えて、パチパチと音を立てるエネルギーで身体を包むと、突然こちらに向かって襲いかかってきた。

イコン(I)
戦闘力=8 精神力=8 鎧強度=2 生命力=28
打撃力=サイコロ2個+2 機敏度=7
※イコンには盲目的服従の呪文は通用しない。また、彼は報復の炎の呪文で身体を包んでいるので、彼に接近して攻撃に成功した者は、この呪文のために火傷を負う。鎧を着けていても着けていなくても、生命力を1点引け。

テツヤ「チッ、厄介な能力だぜ。接近戦がやり辛え」

ミヤ「でもディアブロの準備を見る限り、またハメくさい戦法で戦いそうだよ」

ディアブロ「おっと、先にバラすのは感心しないぜぇ

 ミヤとイコンの機敏度が同点なので1d6勝負。ミヤ2、イコン4で敵が先攻。

B7○第1ラウンド
テツヤ:防御。
イコン:テツヤを攻撃。出目14で失敗。
ミヤ:C-5へ移動。
ディアブロ:E-6へ移動。

○第2ラウンド
テツヤ:防御。
イコン:テツヤを攻撃。出目16で失敗。
ミヤ:何もしない。
ディアブロ:E-7へ移動。

○第3ラウンド
テツヤ:E-3へ移動。
イコン:C-4へ移動。

ミヤ「あれま。あたしを追いかけてきたよ、この人」

テツヤ「チッ、このロリコンめ!」

ミヤ:B-5へ移動。
ディアブロ:充分距離をとったのでネメシスの電光の詠唱を開始。出目12で失敗。

しかしこの時点でもはや勝負あり。ひたすらミヤを追いかけまわすイコンを横目に、8ラウンド目で詠唱成功。ダメージ34(被害32)で一撃必殺。イコンの絶叫が地下に響いた。

テツヤ「また無傷で勝っちまったか……」

【項目377】
イコンにとどめの一撃を加える。
しかし、驚いたことにイコンは倒れなかった!
地面に膝まずき、彼は真っ青な顔を苦痛に歪ませながら、傷口から剣を引き抜いた。

ミヤ「電光で攻撃したんだよね?」

ディアブロ「フッ……俺の小宇宙を篭めた光速拳の一撃を『ネメシスの電光(ライトニングネメシス)』というのだ」

テツヤ「やっぱり剣じゃないじゃねぇか」

苦痛のうめき声をあげながら、彼は言った。
「傷を癒すあいだは、魔法が俺の命を守ってくれる。だが、その間は、無念だがここを退却せねばならん。勝利の紋章を目前にして、よくも俺の邪魔をしてくたな。この仇はきっと取る。覚悟してろ……」
口から血をしたたらせて、彼はこちらを睨みつけた。
呪文の言葉をつぶやくと、その姿は赤い煙に変わった。
そして、地面を這うようにして、何処ともなく消え去った。
彼はきっと、再び姿を現すに違いない。
とどめを刺せなかった事が心残りだ。

ミヤ「気化なんてできるんだ。そのまま戦えたら無敵っぽいのにね」

それを本気でやった仮面ライダーがいたのだが「強すぎ」「もはや卑怯」「敵が可哀想」とステキな評価となっていた。

イコンは気化の魔法で煙に変身して逃げる際に、忘れ物を残していった。
それは
ブロンズのハンマーだった。

テツヤ「あいつ、こんな武器を使っていたのかよ。捉えどころの無い野郎だな」

ディアブロ「使ってたのかねえ? 落としていくんだから手に持っていたとしても不自然じゃないけどさ」

丘を見上げても、他の戦士の姿はどこにも見当たらない。
さあ、勝利の紋章への道を妨げる物は、もう何も無いぞ!

ミヤ「よーし、それじゃあ優勝へと全力疾走だ! あたしが一番乗りだよ! うわーい!」

テツヤ「まてまて。お前な、ちょっとは落ち着けよ……」

ディアブロ「ま、後は報酬貰って表彰台で紙吹雪を浴びるだけかね。今夜は大酒かっくらって寝るとするぜぇ」

もはや勝利ムードの三人。しかしそうは問屋が卸さない。次回、もう一波乱が三人を待ち受けるのだ。

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コメント

自分はRPGのイラストはバタくさいほうが好きですねー。これもやっぱり原体験だと思います。ガキの頃ハマった要電源RPGはザナドゥとウルティマ4でした。
アナログだとやっぱりソーサリーですか。あの口が臭そうなイラストはクセになります(人それをトラウマと言うのかもしれませんが)

投稿: HA | 2009年11月15日 (日) 03時26分

原体験は大きいでしょうな。自分はウィザードリィも好きなんですが、生まれて初めてふれたWIZが双葉のゲームブックだったもんで、後年まで頭の中のキャラはずっと漫画絵でした。多分WIZユーザーの中では異端。

投稿: 松友健 | 2009年11月15日 (日) 22時15分

>僧侶の浮遊術は他者を運べるほどの力は無いようで、後の巻を見ても仲間を運んでいる描写は見当たらない。

4巻でサメに襲われた時も、浮遊術で仲間を助けたりしてませんでしたね。

投稿: | 2017年3月 5日 (日) 13時36分

2巻の橋もそうですな。
まぁ溝・穴・水が出る度に「僧侶が担いで飛べ!」になるのもゲームとしてどうなのかと思いますので、この程度の浮遊能力で良いのだとは思います。

投稿: 松友健 | 2017年3月 7日 (火) 23時05分

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