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2009年11月21日 (土)

ブラッドソードリプレイ1-17 勝利の紋章

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:3 戦闘力:7+1 打撃力:サイコロ1個+1 精神力:6 機敏度:8 生命力:19
装備:剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金15) 弓 矢筒 ロジ・スカイランナーの剣 オパールのメダル 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り ブロンズのハンマー

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:3 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+1 精神力:8 機敏度:7 生命力:16
装備:六尺棒 鎧(鎧強度:3) 金貨袋(所持金13) 弓 矢筒 オパールのメダル 八角形のプリズム 八角形のプリズム カリウムの破片 回復薬

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:3 戦闘力:6 打撃力:サイコロ1個 精神力:8 機敏度:6 生命力:16
装備:剣 銀の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金13) 炎の護符

クラースのダンジョンレースへ参加した三人。街の領主マグス・カルーゲンの雇われ戦士として地下迷宮へ挑む。数々の強敵を退けてゴール目前に達した三人だが、古代の魔術師の亡霊により、その復讐に協力させられてしまう。操られるがままに霜巨人スクリミール蘇生の手伝いをした三人だが……

風化しかけた骨を集めると、いかな魔力によるものか、巨人スクリミールは復活を始めた。黙って見ていれば程なく完全に蘇ってしまうだろう。

ミヤ「うわー、どうしよう? こいつが復活しちゃったら、絶対にマグスさん達に大迷惑かけるよね?」

テツヤ「確かにな。なにかできる事は無いもんか……」

ディアブロ「ここでアイテムを使う事ならできるぜぇ?

テツヤ「よしそれだ! とりあえず背嚢から何か出せ!」

【項目302】
巨人の肉や筋骨が再生する前に、何を添える気だ!

テツヤ「この項目で使える物は何だ!?」

ディアブロ「まずは氷の宝石……」

テツヤ「もう使った! 無え!」

ディアブロ「じゃあ鉄の籠手……」

テツヤ「拾ってこなかった! 無え!」

ディアブロ「なら後一つ。カリウムの破片だな」

ミヤ「それなら持ってる! よし、これを突っ込むよ。えいや!」

【項目441】
小箱からカリウムの破片を取り出して、化石の心臓の奥に差し入れる。
やがて心臓が脈を打ち始め、ピンク色の鮮血が心臓に流れ込んだ。
部厚い筋肉や軟骨や皮膚がすでに骨を覆っている。
スクリミールは死の縁から蘇ったのだ。

ミヤ「あれ? 効かなかったのかな?」

テツヤ「水に濡れると爆発するって話だったが、血液じゃ成分が違うから駄目だったんじゃねぇのか?」

ディアブロ「だとすると厄介な話だぜぇ。ま、こいつさんが友好的である事に期待するかい?」

彼は切り立つ氷壁のように、こちらの前にそびえたった。
顎鬚にはつららが輝き、両眼の奥底には冷たい憎しみの炎が燃えている。

「スクリミールがこの世に再び蘇ったぞ!」
彼は怒鳴った。
岩の壁を揺るがすような声だ。

「この声をよく聞け。クラースの王座の上で縮こまっているマグスども、用心するがいい。明日の日の出を拝む事はできないぞ。その血で空を真っ赤に染めてやるからな!」
その時、彼はこちらに気づいた。
暗いまなざしは、まるで冬を告げる初霜のようだ。
彼は呟いた。

「スクリミールは人間の手によって墓場から呼び戻された。こんな事があっていいのか? 誇り高いヨタンハイムの巨人の俺が、こんな屈辱を耐え忍ばなければならんのか? いや、断じて許せん。この蘇った手で、お前達を最初に血祭りにあげてやろう……」
彼はこちらに向かって手をのばしてきた。

ミヤ「えええ! 何それ! 報酬は思いのままだったんじゃないの! このウソツキ!」

ディアブロ「ご本人の思いのまま、という意味だったのかもな」

テツヤ「単なる詐欺だろそりゃ! チッ、しょうがねぇからエキドナやイコンの時みたいな戦法でなんとかするぜ!」

ディアブロ「できるかねぇ……」

なにせスクリミールは機敏度・戦闘力・打撃力、全てが物凄く高いのだ。そしてこのゲームの『防御』は敵より機敏度が高くないと無駄なので、魔術師が充分に距離を離す前に味方が殺されかねない。ブラッドソードはグズやウスノロにとって非常に住み難い世界なのである。

テツヤ「じゃあどうすんだよ!」

ミヤ「あ、叔父ちゃん! あれ見て!」

そのとき突然、彼は胸をかきむしり、身をよじって苦痛の悲鳴をあげた。
「俺の心臓! 俺の心臓が燃えている! お、お前らのしわざか……」
彼は倒れた。
物凄い勢いで地面に激突したために、そばにいた者は吹っ飛んだ。
舞い上がる土ぼこりの向こうで、カリウムに心臓を焼き尽くされたスクリミールの身体が痙攣をおこしている。
氷の巨人は熱と炎の力の前に屈したのだ。
炎はみるみるその巨大な身体を包みこみ、ほどなく全てを焼き尽くした。
後には骨の欠片すら残らなかった。

ミヤ「やっぱり効いてたんだ! 効果が出るのがちょっと遅れてただけだったんだね!」

テツヤ「チッ、驚かせやがる。しかし流石に心臓を直接攻められりゃ、古代の巨人といえども呆気ないもんだな」

ディアブロ「ははっ、心臓を焼かれても平気な顔で襲ってくるような奴と戦わされちゃかなわんぜぇ」

ミヤ「結果的には大勝利! さ、勝利の紋章をとるよ!」

【項目432】
クラースのかつての偉大なマグス達を悩ませた氷の巨人スクリミールを葬る事ができた。
この偉大な勝利に対しては、
200点の経験点が与えられる(生き残っているキャラクターの間で平等に分配せよ)。

ミヤ「あたしが取っていいよね!」

テツヤ「ああ、無論だ」

丘の頂上に登って、勝利の紋章を手に取った瞬間、光の柱の中に閉じ込められた。
転送の魔法だ!
気がつくと、クラースの大会堂の中にいた。
そこには、勝利を誉め称えるためにマグス達が集まっていた。

ミヤ「おお! いきなり祝勝会場だよ!」

テツヤ「もう集まってるって事は、案の定、終始観戦していたらしいな」

ディアブロ「ま、生還者のいない年も多いらしいからな。むしろ命を賭けたレースを観戦するのがメインなのかもしれないぜぇ」

まず、マグス・トールが近づいてきた。
「マグスの代表として告げる。年一回のこの試合に勝つ以上の事をやってのけてくれたな。我々の先祖の時代からの恐るべき敵スクリミールを倒したのだ。だから、惜しみなく最高の報酬を与えよう……」
彼が手を打つと、賞品を山積みにした翡翠の盆をささげた奴隷達が進み出てきた。

ここでは各キャラクターに応じたアイテムが貰える。

ディアブロ「例えば、魔術師の俺なら魔法の指輪だ。こいつは精神力を1上げてくれる。今後は魔法の成功率が上がるってわけだぜぇ」

テツヤ「俺なら魔法の弓か。戦闘力+1で命中判定、打撃力はサイコロ1個+1で普通の弓より1高いってわけだが……」

しばらく考え、テツヤは弓をミヤに渡す。

テツヤ「大概バトルオーダー1番にいる俺が持っていてもあまり使わねぇのが見えてるな。お前が使えよ」

ミヤ「いいの? じゃああたしが貰う盾の御守り(鎧強度が1上がる)は、代わりに叔父ちゃんが……」

テツヤ「それもお前が持ってろ。僧侶は生命力回復術のために、自身の生命力を残しておく必要があるからな」

ミヤ「あたしばっか二つになっちゃうよ?」

テツヤ「俺がいいんだからいいんだよ、それでな」

ミヤ「ありがとう! さっすが叔父ちゃん、かっこいい!」

テツヤ「へっ、今さら気づくとは目がでかいわりによく見えてやがらねぇ」

ディアブロ「オモチャを姪に買ってやって自分の方が喜ぶ叔父の図、かね……」

【項目540】
勝利はこちらの物だ。
ダンジョンから戻ったこれまでに数えるほどしかいない生存者の一員になれたのだ。
マグスの試合は命を賭した危険な試合だから、生存者が一人もない年もしばしばだった。
生きて戻ったキャラクター全員に対して1000点の経験点が与えられる。
これを平等に分けるがいい。

テツヤ「さっきのと合わせて一人399点て事か」

ミヤ「合計して1200点、3人割で400点にならないかなあ? 1点お得だよ?

ディアブロ「でも、どうせ今後で半端な数は出るぜぇ」

というわけで399点獲得、皆の経験点が899点になる。晴れてランク4に到達である。

マグス達の礼儀正しい拍手に祝福されるのもなかなかの気分だったが、大会堂の外で嵐のような群衆の歓呼に迎えられるのは、また格別だった。
今日は、彼らが暴君以外の者を誉め称える事のできる、年に一度の日なのだ。

ミヤ「やっほー! 皆さん、お誉めにあずかり光栄でーす!」

テツヤ「アイドル気分か。しょうがねぇな」

ディアブロ「お、向こうからカルーゲンのおっさんも来るぜぇ」

雇い主は得意満面だった。
この勝利によって、彼は他のマグスの広大な領地を獲得できたのだ。

ミヤ「なんだかんだ言って、カルーゲンのおっちゃんも嬉しそうじゃない」

テツヤ「もともと博打好きだからな。勝負事に勝てて悪い気はしねえんだろ」

ディアブロ「ま、いずれどこかで勝手に身を持ち崩しそうな御仁ではあるな」

祝福の挨拶ぜめの合間をぬって、彼はこちらのそばにやってきて言った。
「クラースを離れる時だぞ。一度ダンジョンに入った者は、以後数年間、試合に参加する資格がない。だが、そんな事はどうという事もあるまい。苦労の末に偉大な勝利を勝ち取ったのだからな。だがそち達を恨んでいる者が一人いる。これは水晶玉を覗かなくても断言できる。奴とは再び会う事になるだろう。くれぐれも油断をするな」
歓呼の声をあげる群衆を見まわすうちに、憎しみの目でこちらを睨んでいる黒装束の男が、ちらりと視界に入ったような気がした。
しかしそちらへ目を戻した時、男はすでに姿を消していた。

テツヤ「イコンの野郎か。ま、来るならいつでも来やがればいいぜ」

ミヤ「ふっ。勝者の陰には、常に敗者がいるのだ。おみそ汁で顔を洗って出直すがいいだろう」

 マイナーな本一冊出すだけでも何人もと競わなけりゃならんかったようだしな(正直、競争した意識あんま無いけど)。世の中は本当に面倒だ。

ディアブロ「気楽に寝て食ってだけで生きていけりゃあいいんだがねぇ

ミヤ「そんなんじゃつまらないじゃない。冒険の旅はまだまだ続くんだよ。さあ、今日はお腹いっぱいに食べて寝て、明日からはまた元気に出発進行だ!」

テツヤ「やれやれ。ま、元気があるって事は、無いよりも常に良い事だろうがよ」

肩を竦めて呟くテツヤ。こうして一つの冒険は幕を閉じる……今しばし。次の幕が開く時、三人の前には寒風吹きすさぶ荒野が待つだろう。

次巻「魔術王を倒せ!」 近日開始予定

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コメント

一巻シナリオ達成おめでとうございます。

めでたいところに水を差すようで申し訳ないのですが、
1000点の経験点を3人で分けて各399点になったのは、

その時不思議な事が起こった!

からなのでしょうか?
二巻でテツヤが悲しみの王子と名乗って戦士にクラスチェンジする伏線……?
(いや、そんなルールはなかったはず)

投稿: 玄田牛一 | 2009年11月22日 (日) 18時45分

先の200点を分けて66点、次に1000点を分けて333点、合わせて399点かなあと思います。

投稿: HA | 2009年11月23日 (月) 15時23分

>>HA 殿
 補足サンキューです。

>>玄田牛一 殿
 そういうわけで、スクリミールを倒して得たポイントも含めているのですよ。
 しかし盗賊→戦士のクラスチェンジはこのゲームにおいてはパワーダウンだなあ……。

投稿: 松友健 | 2009年11月23日 (月) 17時16分

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