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2009年10月26日 (月)

ブラッドソードリプレイ1-11 死者を呼ぶ橋

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:3 戦闘力:7+1 打撃力:サイコロ1個+1 精神力:6 機敏度:8 生命力:18
装備:剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金17) 弓 矢筒 ロジ・スカイランナーの剣 オパールのメダル 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:3 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+1 精神力:8 機敏度:7 生命力:15
装備:六尺棒 リングメイル(鎧強度:2) 金貨袋(所持金15) 弓 矢筒 オパールのメダル 八角形のプリズム 八角形のプリズム

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:3 戦闘力:6 打撃力:サイコロ1個 精神力:8 機敏度:6 生命力:15
装備:剣 銀の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金15) オパールのメダル 

クラースのダンジョンレースへ参加した三人。魔術師クレフとのゲーム勝負に勝利し、さらなる地底の深部へと案内された。そこで魔物の群れを退けた三人は、地底の断崖へ降り立つ……。

【項目142】
踊り場は、洞窟の壁から突き出した広い岩棚だった。
深い谷の向こう側では、ペットのダージを殺されて、ハッグ達が怒り狂っている。

テツヤ「だったらけしかけんなよ。テメエらの無責任で他人に怒るとかバカじゃねぇの?」

ミヤ「ま、あの人達も仕事でやってるんだろうし。仕方なしとはいえ、世話してた動物がやられちゃったら心中穏やかじゃいられないんだよ」

ディアブロ「そして俺らがそれを気にしてやる義理は無い、と。さ、気にせず目の前の谷を渡るとしようぜぇ」

111_3 その谷を渡るには、神殿のテラスと岩棚の間にかかった二本の橋を行くしかない。
踊り場の中央には、滝が流れ落ちて踊り場を二分しているので、滝を越さなければ向こうの橋にはたどりつけない。
ふと見上げると、天井近くの壁に大きなガーゴイルの頭の彫刻が刻まれている。
滝はその口から流れ出して踊り場を分断し、はるか眼下の激流に流れ落ちているのだった。

ミヤ「落ちたら死ぬよね……」

テツヤ「そして易々とは渡れないような仕掛けがある、て事までは容易く想像できるぜ」

ディアブロ「ま、安心しな。洋ゲーではあるが、ブラッドソードシリーズには選択間違い=即死、なんて場面はほとんど無いぜぇ。これはじきに死ぬ、という目にならちょくちょく遭うけどな」

ミヤ「うーん、じゃあどっちを渡ればいいのかなあ?」

どちらの橋を行こうかと思案していると、地響きを立てるような声が聞こえた。
もう一度上を見上げると、ガーゴイルの口が動いている。
よく聞くうちに、なんとかその言葉が聞き分けられるようになった。
その声はくり返しくり返し節をつけて言っていた。
「お前が最も恐れるものに立ち向かえ。あるいはより恐れぬものと対決せよ」
おそらく二つの橋の事を言っているのだ。
手前の橋は、一見、なんの苦労もなしに渡れそうだった。
しかし、向こう側の橋は滝の下をくぐらなければならない。
ガーゴイルの言葉は、曖昧で意味深だ。どちらを選ぶべきなのだろう?

テツヤ「先ずは俺から行く」

ミヤ「叔父ちゃん、がんばれ!」

【項目113】
二つの橋のどっちを渡って行くかを決めなければならない。
二つはほとんど同じように見えた。
ただ遠い方の橋へは、ガーゴイルの口から流れ落ちる滝の下をくぐって行かなければならない。

テツヤ「よし、ここは手前だ」

【項目267】
Photo_3 橋の上をゆっくりと歩いていった。
その時、雷のような声が響き渡り、ふと我に返る。
「死より蘇れ」
ガーゴイルの頭が叫んでいた。
それに応えるように、前方の橋の上にぼんやりした人影が現れた。
人影が前に進み出た時、噴出した溶岩の赤い光がその男を照らし出した。
男は錦織りのガウンを身に着けていた。
そして片目に宝石を鏤めた眼帯をかけ、もう片方の目は白く濁って、見えない様子だった。
そいつは、数年前の決闘で倒した狂った魔法使い、盲目のヒュロンダスだった。
そいつの盲目を額面どおりに受け取ってはいけない事を、こちらは知っていた。
それを補って余りある別の感覚を持っているのだ。
「ヒュロンダス、お前の待ち望んでいた敵が橋を渡ろうとしている。やつを食い止めろ。そして生き返るのだ」
ガーゴイルの頭が言った。
「俺の待ち望んだ敵か。ついに復讐の時が来た……」
ヒュロンダスは悪意のこもった声で言った。

テツヤ「チッ、戦闘かよ。なんとか楽に切り抜けられればいいんだが……」

 手前の橋は、各クラスのキャラクターに因縁のある敵が登場する。どの敵もこちらのランクにあわせて能力調節がなされ、こちらが強い時は相応に強くなる。ランクに関わりなく難敵なのだ。
 一応、盗賊には戦闘せずに切り抜ける方法もある。身軽さを利用し、敵を飛び越えられるのだ。機敏度で判定を行うのだが、問題は失敗すれば即死というリスクの高さ。テツヤの機敏度は8なので、成功率は7割程度だ。

テツヤ「3割の確率で即死か。ちょっと勘弁願いたいぜ……」

 ならば正面きって戦うしかない。

【項目171】
ヒュロンダスは、こちらのどんな動きも見逃すまいと、鼻をきかせ、耳をそばだてながら、そっと近寄ってきた。
背後には既にエネルギーの障壁ができていて、後退は許されなかった。
奴の待ち望んでいた決闘を受けて立つしかないのだ。

 狭い橋の上、後退も前進もできないので戦闘MAPは無い。小細工もできない力比べである。

ヒュロンダス
戦闘力=7 精神力=7※ 鎧強度=0 生命力=18
打撃力=サイコロ1個+1 機敏度=7
※ヒュロンダスは既にソードスラストの呪文を準備している(本来の精神力は8)。呪文が成功した後は、ヒュロンダスは通常の攻撃で戦う。

テツヤ「なかなか面倒な相手だぜ。けど悪い、こっちの準備は万全でな」

ロジ・スカイランナーの剣で戦闘力を補強し、鋼鉄の笏で追い込まれた時の逆転手段を確保しており、エメラルドの御守りで万が一の保険もある。どの程度消費するかはともかく、結果が勝利である事だけは疑いようがない。

○第1ラウンド
テツヤ:ヒュロンダスに攻撃。ダイス目7で成功。ダメージ6。残り12点。
ヒュロンダス:ソードスラストの呪文を詠唱。ダイス目6で失敗。
テツヤ(ダブルアクション):ヒュロンダスに攻撃。ダイス目3で成功。ダメージ5。残り7点。

○第2ラウンド
テツヤ:ヒュロンダスに攻撃。ダイス目9で失敗。
ヒュロンダス:ソードスラストの呪文を詠唱。ダイス目7で失敗。

○第3ラウンド
テツヤ:ヒュロンダスに攻撃。ダイス目5で成功。ダメージ2。残り5点。
ヒュロンダス:ソードスラストの呪文を詠唱。ダイス目7で成功。ダメージ10(被害8)。残り10点。

テツヤ「一発で半分近く持っていかれたか! だが時既に遅しって所だな」

○第4ラウンド
テツヤ:ヒュロンダスに攻撃。ダイス目6で成功。ダメージ5。撃破。

ヒュロンダス「ぬうぅう……! 無念……」

テツヤ「悪いな。愚痴は地獄の鬼相手に言っといてくれ」

くずおれて動かなくなるヒュロンダスを跨ぎ、振り向きもせずに対岸へ向かうテツヤ。

【項目88】
橋を渡りきり、テラスの上に立った。
ハッグ達はこちらを見ていたが、近づこうとはしなかった。

テツヤ「ふん、自分らが挑んでくるわけじゃねぇのかよ。さて、後の二人を待つとするか」

【項目494】
Photo_4 ディアブロ「テツヤの奴、無事に渡ったようだぜぇ」

ミヤ「よし、叔父ちゃんに続くよ!」

ディアブロ「ああそうだな。と、ここは俺が先に行かせてもらうぜぇ。後、これを預かってくれ」

 ディアブロはミヤに、剣と鎧以外の所持品全てを渡す。

ミヤ「???」

 首をかしげるミヤを尻目に、ディアブロは気軽な足取りで橋へ向かった。まずは白い火の呪文を準備。そして目指すは滝をくぐる方だ。

滝の中に踏み込んだ時、ひりひりするような奇妙な痛みを感じた。
滝の向こう側に出てみると、鎧と剣以外の所持品が全て無くなっていた。
幸先が悪いな、と思いながら、橋の上に足を踏み出した。

ディアブロ「ま、俺は剣と鎧しか持っていなかったから、何も無くしてないけどな

そのとき、橋の向こうから若い女がやってきた。
女は自分の髪をもてあそび、美しいドレスに触れて得意げに高笑いしながら進んできた。
「私の魔力を証明するために、死んでもらいます」
近づきながら女は言った。

ディアブロ「おやま、これは困った。若い女とは、死んじまうには勿体ないねぇ。ま、俺の命に比べればそうでもないけど」

ディアブロは平気な顔で攻撃呪文の詠唱を始めた。
若い女だろうが御釜だろうが、遠慮しない程度の神経はとうの昔から持っていた。

若い女
戦闘力=6 精神力=7 鎧強度=0 生命力=5
打撃力=サイコロ1個-2 機敏度=6
女は白い火の魔法を使って戦う。戦闘前、彼女は呪文を準備していない。

機敏度が互角なので1d6勝負で先攻を決める。ディアブロは2、女は5。残念ながら先手を打たれてしまった。とはいえ、ここまで弱い相手ならさほど問題にならないだろう。

○第1ラウンド
女:白い火の呪文を準備。
ディアブロ:白い火の呪文を詠唱。ダイス目9で失敗。

○第2ラウンド
女:白い火の呪文を詠唱。ダイス目7で失敗。
ディアブロ:白い火の呪文を詠唱。ダイス目7で成功。ダメージ5。撃破。

猛火が女を包み、断末魔をあげさせる。橋から落下する火達磨を尻目に、ディアブロは肩をすくめて橋を渡った。

テツヤ「無事に渡れたみたいだな」

ディアブロ「まぁな。簡単なもんだったぜぇ?」

滝をくぐる橋は、所持品を紛失する代わりに敵が弱い。よってパーティを組んでいるなら、メンバーの一人ないし二人は仲間に道具を預ける事で安全にここを通過できるのである。魔術師と戦士は因縁の敵が相手でも真っ向勝負するしかないので、この橋を渡る時には仲間の存在が大きな鍵となるのだ。

【項目157】
3_3 ミヤ「後はあたしかあ。むう、荷物を預ける相手もいないし、これは手前の橋しかないよね……」

手前の橋の上を進んでいった。
見下ろすと、百メートルも下の谷底を毒の川が激しい音を立てて流れている。
橋の中間点へ達した時、ガーゴイルの頭が再び喋った。
「再び息を吹き返せ」
それに応えるかのように、前方の橋の上に黒い影が現れた。
数分後、それは痩せて青ざめた女の姿になっていた。
女は破れた黒いドレスの下から鋭い鉄の剣を引き抜き、こちらへと進んできた。
こちらが得物を構えたのを見て、女の目は微かに輝いた。
その女は悪魔を母に、人間を父に持つネメシスだった。
六年前に殺したはずの、最も苦手とする敵だ。

テツヤ「なるほど。ミヤが九歳の時に倒した敵か。戦闘方法は口喧嘩か泥団子の投げ合いって所かよ」

ディアブロ「いやいや、殺した、とはっきり書いてあるぜぇ。九歳児ながら得物で殴り合ったわけだな」

テツヤ「サイコ臭え! キャラの年齢を十代に設定する事を作者は想定してなかったらしいな……」

「生と死は不変ではない。戦って、いずれか生者を決めよ」
ガーゴイルが低い声で言った。
ネメシスは軽く腰をかがめたかと思うと、やにわに襲いかかってきた。
彼女の剣がこちらの腕を直撃する。
(ダメージ4:被害2)。

ミヤ「うっわ、不意打ち卑怯! よし、あたしもここで超能力だ」

 この場面では僧侶の浮遊術を試す事が可能なのだ。

【項目282】
空中浮遊術は、学んだ超能力の中でも最も難しいものに入る。
それを行うには、大きさと重さの存在を忘れなくてはならない。
物質世界に囲まれた者にとって、これは容易い事ではない。
雑念を心から追い払う……。

 敵の死を望むか、勝ち負けに拘らない事にするか。それにより術の成否が決まる。

ミヤ「うん、拘らない事にしよう。自分が生き残れればそれでいいもんね」

【項目173】
全てを超越した境地に達した。
物質界は今も周りを取り巻いていたが、それを乗り越えて、解脱の境地へ達した。
そして重力の糸から切り離されたかと思うと、体はふわりと空中を漂いはじめた。
澄みきった境地から無私の心で下界を見下ろすと、こちら目指して突っ込んできた相手が、そのまま橋から谷底へ落ちていくのが見えた。
それがこちらを物質界へ引き戻した。
体が橋の上へゆっくりと降り立った。
谷底をのぞくと、相手の死体が激流に押し流されていく。
ため息をつき、橋の上を渡って行った。

ミヤ「あーあ。結局、ネメシスちゃんは死んじゃったか。何も喋らずに刃物ばかり振り回す困った子だったけど……

 少々後味が悪かったが、ミヤも橋を渡りきる。神殿のテラスにて全員集合。

ミヤ「おまたせー!」

テツヤ「よし、荷物と隊列を元通りにしたら先へ進むぞ」

 神殿で待ち受ける物は何か? それは次回のお話。

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コメント

>キャラの年齢を十代に設定する事を作者は想定してなかったらしいな……」

社会思想社版の T&T では 13歳のキャラもありうるのに。

投稿: しせい | 2016年9月25日 (日) 15時24分

あのTRPGの製作者達なら、13歳だろうが人間の屑だろうが不定形生物だろうが気にしませんからな。
一方、D・モーリス氏のTRPG「ドラゴン・ウォリアーズ」には、ある程度より高レベルには10代の青二才はいなくなります(時間をかけてマジックアイテムを制作するルールがあるので)。

投稿: 松友健 | 2016年9月25日 (日) 17時54分

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