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2009年10月29日 (木)

ブラッドソードリプレイ1-12 神殿の魔女

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:3 戦闘力:7+1 打撃力:サイコロ1個+1 精神力:6 機敏度:8 生命力:18
装備:剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金17) 弓 矢筒 ロジ・スカイランナーの剣 オパールのメダル 鋼鉄の笏(残り4回) エメラルドの御守り

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:3 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+1 精神力:8 機敏度:7 生命力:15
装備:六尺棒 リングメイル(鎧強度:2) 金貨袋(所持金15) 弓 矢筒 オパールのメダル 八角形のプリズム 八角形のプリズム

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種。
酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:3 戦闘力:6 打撃力:サイコロ1個 精神力:8 機敏度:6 生命力:15
装備:剣 銀の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金15) 

クラースのダンジョンレースへ参加した三人。死者の蘇る橋での個々の死闘を切り抜けたが、次は不気味な神殿が待ち受けている……。

 断崖の橋を渡り終え、三人は古い神殿のテラスで合流した。ケガの治療や荷物の受け渡し等を終え、三人は改めて地下迷宮の突破に挑戦する。

ミヤ「決意もあらたに、いっちょいきますかあ!」

テツヤ「しかしな。ここにはケッタクソ悪いハッグどもが群れていやがる筈なんだが……」

ディアブロ「あいつらなら、ほれ、あそこにいるぜぇ」

ディアブロが指差す方では――

【項目98】
ショーが終わり、ハッグ達は大鍋の側に戻っていった。
彼女達の粘りつくような視線を感じながら、テラスを歩く。
おぞましい彼女たちの仲間が、こちらの足元に押しかけてきた。
目の腐りかけたカラス、黄色い牙をむく鼠、人間のような顔をしたイボだらけの奇形のヒキガエルといった化け物たちが、あちこちから近寄ってくる。

ミヤ「うっひゃあ、気持ち悪う! なにこれ、敵? 戦闘?」

テツヤ「実害のありそうな連中じゃねぇな。しかしペットは飼い主に似るとはよく言ったもんだ!」

ディアブロ「ま、蹴っ飛ばして進むしかないぜぇ」

かまわず通りすぎようとすると、そいつらは踵に噛みついてきた。
こんな気味悪さに耐えなければならないのなら、橋の上の戦いの方がまだマシだ。
ハッグ達は互いに喋り合い、気違いじみた笑い声をたてながら、神殿の階段の上に寝そべっている。

ミヤ「襲ってこないなら、何か話きけないかな?」

テツヤ「うさんくせぇな、あのババアどもは」

ディアブロ「ま、話す“だけ”なら無害だぜぇ。ちと声かけてみるか」

【項目212】
ミヤ「こんにちは! お婆ちゃんたち、ここで何してんの?」

こう尋ねると、彼女たちはにたりと笑ってこちらを見上げた。
その乱杭歯を見ると、吐き気を催した。

「料理をしているのさ」
一人が言って、鍋の石の蓋を開けた。
嫌な臭いが立ちのぼり、目がチクチク差すように痛む。
それを見て、ハッグ達は狂ったように笑った。
別のハッグが小走りでやって来て、尋ねた。

「味見をしてみるかい?」
彼女は湯気の立った粥を、ひしゃくですくって差し出した。

テツヤ「やっぱ先へ行く方が良さそうだな……」

「お待ち、こっちのほうが味がいいよ」
別のハッグが金切り声をあげたかと思うと、腐った片手を煮えたぎる自分の鍋の中へ突っ込んだ。

テツヤ「おい、このババアどもを斬り殺していいか?

ミヤ「叔父ちゃん、気持ちはわかるけど短気は良くないよ」

なお、ここでは魔術師が行動を起こす事が可能だ。

ディアブロ「ふむ、じゃあちっとばかり呪文を試させてもらうぜぇ?」

【項目283】
Photo (魔術師)

盲目的服従の呪文を心に準備した。
ハッグたちは疑り深い目で見守っている。

ここで呪文を判定するのだが、この項目の指示は少し解釈に戸惑うところだ。以下に本文のまま抜粋する。

呪文を無事唱える事ができたら、服従させようとした一人のハッグの抵抗ぶりをチェックせよ。
彼女の精神力は7だ。
成功したら374へ。
失敗の場合、相手のハッグは君の企てを見抜き、鍋の中身を君に向かってぶちまける。
そのため、君は生命力を1点失う。
再び呪文を唱える事ができるが、失敗するたびに生命力を1点失う。

呪文の発動に失敗する度に1点のダメージなのか。最初の1回は無条件に成功していいのか。はたまた、呪文が成功するまで唱え放題で、敵に抵抗された時だけダメージなのか。
少し迷ったが、やや厳しめに「呪文の発動失敗でも敵に抵抗されても1ダメージ」とする。ただし呪文の準備だけはノーダメージでやらせてもらう。
結果、5回ほど発動に失敗したが、6回目の詠唱で呪文が成功。幸いハッグは抵抗に失敗したので、5点のダメージで相手を服従させる事ができた。

ディアブロ「やれやれ、変な汁まみれになっちまった」

テツヤ「次の項目へ進む前によく拭いておけ……」

【項目374】
(魔術師)

ハッグは魔力の奴隷になった。
彼女は言った。

「さあ、なんでも尋ねてください。お答えしますから」
しかし彼女の生来の頑固さが、呪文と戦っている様子が目に見えるようだった。
質問を1つする暇しかなさそうだ。

ディアブロ「さて、何を訊くかねぇ」

ミヤ「他の挑戦者が気になるよ!」

ディアブロ「じゃあそれで。婆さん、ここを誰が通ったかね?」

【項目49】
(魔術師)

彼女は答えた。
「神を恐れぬイコンのワーロックが通りました。そして下劣な悪漢が二人。最後に来たのは、あの橋を渡る時に仲間を失い、一人ぼっちになった僧侶。あの男は私たちの料理の役に立ってくれましたよ」
彼女は鍋の一つをちらりと見る。
その時、服従の呪文がとけた。

ディアブロ「おっと、こいつは危ねえや」

とっさに近くの鍋のひしゃくをつかみ、毒を含んだ中味を相手の上にぶちまける。
ハッグはシューッと音をたてて溶けはじめ、灰色のどろどろした液体になってしまった。
他のハッグ達は大声で喚きたてたが、こちらの力を恐れて、何もしようとはしなかった。

ミヤ「うっわ……ちょっと酷くない?」

ディアブロ「正直、ここまでの威力がスープにあるとは思わなかったぜぇ。ま、さっき汁まみれにされた仕返しって事で」

【項目67】

テツヤ「さて、先に進むか」

ミヤ「たんま。鍋の中身が気になるよ

テツヤ「今のを見てなかったのか!? 毒だろ、それは

ディアブロ「しかしそうとは限らないんだぜぇ?

テツヤ「マジか!?」

 マジです。

【項目103】
鍋は五つ。
一つにつき金貨2枚で中味を飲ませてもらえる。

ミヤ「それで、あたしは中味を毒見できるんだよ」

 しかも無料で。

テツヤ「まぁ止めはしねぇけどな……」

【項目9】
3 (僧侶)

泡立つ緑色の液体は治療の薬。
黒い液体は“キメラのつば”という、効果がゆっくり表われる毒薬。
シューシューと泡立っている液体はキメラのつばの解毒剤。
ドロドロの緑の液体は死の毒薬。
無色の液体は分析不可能。

ミヤ「というわけだ。さ、皆で緑色のスープだけ飲もう! 見てくれは悪いけど、きっとホウレン草か何かだよ」

ディアブロ「案外、僧侶が放り込まれた鍋かもしれないぜぇ? 生命力回復術の力がダシになってるというオチでな」

テツヤ「笑えねぇからやめろ……」

【項目62】
この液体を飲んだ効果は、誰の場合も同じだ。
身体の中をエネルギーの波が走るのを感じる。
生命力を、最高点に1点加えた点にまで増やせ。
損傷を受けている場合も、この新しい最高点にまで生命力は回復する。

ミヤ「おお、なんか力が湧きあがってくるね! 無性に走りたい気分だよ!」

テツヤ「見た目はアレだが、まぁいけるな。どれもう少し……」

もう一口飲もうとすると、鍋の側にうずくまっていたハッグが、こちらの手からひしゃくをひったくった。
彼女は甲高い声で笑った。

「一人に一口だけだよ。そうしないと、身体に毒だ。おわかりだろう……」

テツヤ「そんなもんか。ま、他の鍋に手を出すつもりにはなれんし、そろそろ先へ行くぞ」

ミヤ「あいあいさあ!」

【項目481】

テツヤ「さて、神殿に向かうわけだが。よく見たら中に入らなくても横手に回れるな」

ミヤ「入らないの? なーんか残念……」

テツヤ「いや、入っても構わねぇよ。何かあるかもしれないしな」

事実、ここは最重要ポイントと言っていい。良くも悪くも、それ相応のモノが待ち構えている……。

ディアブロ「ま、恐れる事無く前進、と」

【項目298】
ハッグ達の前を通り過ぎた時、一人が聞えよがしに囁いた。
「私の鼻が嗅ぎつけたところによると、誰か勇ましい奴があっちへ行くようだよ……」
そして彼女達はどっと甲高い笑い声をたてた。

煤で汚れた階段をのぼり、神殿の柱廊へ入る。
間欠泉の光はそこまでは射し込んでいなかった。
しばらくの間、真っ暗闇の中を進む。
やがてふいに大理石の祭壇にぶつかった。
手をのばしてみると、その上には鋭いナイフと大きな石の壺があった。
壺の中には、温かくてべとべとした物があふれそうなほど入っている。
驚いた事に、それは血だった。

テツヤ「さっきのババアのたわ言といい、やっぱり魔物がまっていやがるようだな……」

ディアブロ「しょうがねぇさ。このダンジョンは挑戦者を蹴落とすための物なんだからな」

ミヤ「ねぇ。その魔物って、あれかなあ……?」

112 薄暗がりに目が慣れると、青白く光る顔が目の前に現れた。
美しい女の顔だ。
ただ、その女の肌は緑色がかっていて、顔の周りにはヘビがシューシューと音を立てながら、とぐろを巻いている。
僧侶に教わるまでもなく、そいつは人の生き血を吸うという半人半蛇の魔女エキドナだった。
九頭の蛇ヒュドラの母である彼女は、悪魔の中でも最も恐ろしい一人だ。

テツヤ「そんな神話級の悪魔が、なんで博打の対象になる競技場に飼われているんだよ!

ミヤ「不景気だから仕方なく探したお仕事がこれだったのかもしれないよ?」

ディアブロ「はは、神様の世界ってのは、負けたら悪魔の一族にされちまうような世知辛い所だからな。場末で働く羽目になる奴も出るだろうぜぇ。どうする? 試しに話してみるかい?」

テツヤ「壺いっぱいに生き血を溜めてるような奴が友好的なわけねぇだろ! 速攻だ!」

三人は古代の悪魔に挑む!

【項目129】
エキドナが、大理石の床の上を滑るようにして進んできた。

エキドナ(E)
戦闘力=8 精神力=9 鎧強度=2 生命力=40
打撃力=サイコロ2つ+2 機敏度=8
※彼女の牙は強い毒を持っている。従って、攻撃を受けてダメージを受けたときは、通常のダメージをそのキャラクターの生命力から引いた後、さらにサイコロを1つふれ。出た目が1から5なら、毒は傷口に入らない。しかし6が出たら、そのキャラクターはさらにサイコロ3つ分の生命力を失う。

機敏度が同点なので、テツヤと敵で1d6競争。テツヤ6、エキドナ5。今回はテツヤが先に動く事ができる。

テツヤ「うおおっ、コイツ強え! 能力値に全く隙が無え! しかも毒を食らえば俺らじゃほとんど即死だ!」

ミヤ「うわあ、大丈夫かなあ?」

ディアブロ「相当に高い確率で勝利できる方法があるんだが……はっきり言って格好悪いんだな、それが」

テツヤ「あるのか! よし採用だ! 格好なんぞクソの役にも立たん物はロンゲのイケメンだけが死ぬまで気にしてりゃあいい」

ディアブロ「わかった。じゃあ俺の指示通りに頼むぜぇ」

B4_2○第1ラウンド
テツヤ:防御
エキドナ:テツヤを攻撃。テツヤは防御しているので、エキドナがふるサイコロは3個。出目9で失敗。
ミヤ:D-2へ移動。
ディアブロ:F-4へ移動

テツヤ「本当にこれでいいんだな? なんか俺だけ敵の目の前に放置なんだが!」

ディアブロ「なに、危険に身を晒すのはこのラウンドで最後だぜぇ」

○第2ラウンド
テツヤ:B-4へ移動
エキドナ:C-2へ移動
ミヤ:D-3へ移動
ディアブロ:ネメシスの電光の呪文を詠唱。出目10で失敗。

テツヤ「最強の呪文か。確かにそれならコイツ相手でも有効だろうが、成功率低いだろ。間に合うのか!?」

ディアブロ「間に合うも何も、もう勝ってるぜぇ

ミヤ「へ?」

このゲームの基本ルールとして、敵が接近戦を挑むとき、一番近い者へ向かって移動する。ディアブロがテツヤおよびミヤよりも遠い場所にいるので、この状態ではエキドナはディアブロへ向かっては移動しない。
そして移動するとそれだけで1行動終わってしまい、攻撃は次のラウンドとなる。テツヤとミヤが常にエキドナの斜めマスに移動すれば、エキドナはいつまでたっても二人に攻撃を仕掛ける事はできない。
つまり、テツヤとミヤがディアブロに近づかないよう動き続ければ、全員がいっさい攻撃を受けず、かつディアブロがいくらでも呪文を詠唱できる事になる。
このゲームの魔法はMP消耗型ではなく、強い呪文=詠唱に時間がかかるというシステムだ。射程も半無限(戦闘エリアのどこにでも届く)なので、詠唱時間が無限にあるなら、事実上無制限に唱え放題だ。

テツヤ「つまり、最強呪文を長々と唱え続ける間、俺らにひたすら反復横とびを続けろと……

ディアブロ「ああ、その通りだぜぇ

7ラウンド目にネメシスの電光が炸裂。ダメージ30(被害28)。
8ラウンド目にネメシスの電光の呪文を準備。
12ラウンド目に呪文炸裂。ダメージ35(被害33)。撃破。

ディアブロ「勝ったぜぇ。まさかの無傷で大勝利だ

テツヤ「恐ろしく自慢にならねぇ勝利だな……

ミヤ「ていうかさ。これって格闘ゲームでいところのハメ技って感じじゃない?」

 まぁイカサマ無しでも、鋼鉄の笏エメラルドの御守りを使えば高確率で勝てるし、ある地点で魔術師の精神力を限界突破して上げる技を使えば何も考えなくても勝てるんだが。こういうやり方もあるよ、という事で。

【項目253】

テツヤ「ま、勝てたんだから文句はねぇ。何か無いか探すとするか」

ミヤ「おお、叔父ちゃんが久しぶりに盗賊らしい事をしてる」

暗い神殿の中で、エキドナの宝を探す事にする。
祭壇の下で見つけたのは、灰白色の金属片の入った小さな小箱一つだった。

テツヤ「なんだこりゃ?」

ミヤ「ここはあたしの知識の出番だね!」

 しかしその時、マグス・カルーゲンから受け取ったオパールのメダルが……

【項目521】
メダルの中から雇い主の声が聞こえた。
声はかすかで、遠くから聞こえてきた。

「お前達は地下深くへ達したので、交信が難しくなってきた。お前達が見つけたのはカリウムの破片だ。持って行くつもりなら、小箱の蓋をしっかり閉じておけ。カリウムは、水に濡れると爆発的な反応を起こす揮発性金属だからな」

テツヤ「おやま、助言ありがとさん。これ、通信機だったんだな」

ディアブロ「あのオッサンもたまには役に立つぜぇ」

ミヤ「むう……あたしだってそのぐらいの知識あったのに」

テツヤ「ふくれんな。一度ぐらい博徒のオッサンにいい格好させてやれよ。お前はちゃんと、何度も役にたってるからよ」

ミヤ「そう? やっぱりそう思う? もっと誉める権利をやろう!」

テツヤ「はいはい、ありがとよ。とりあえず今は先へ進もうな」

この神殿から進むルートはいくつかに分かれているのだが……それについてはまた次回で。

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コメント

あるリプレイでは「エキドナを倒すと100点の経験点が得られたことにしています」こちらではないんでしょうか?

ネビュラロンを倒すと140点の経験値をもらえるのだから、エキドナを倒すと経験点が得られてもおかしくない。

投稿: しせい | 2016年11月20日 (日) 12時19分

ここでは和訳版の内容を基本としていますので、その本文にないボーナスは得ていません。
エキドナに限らず、倒せたら経験点を貰えても良さそうな敵はちらほらいますなあ。

投稿: 松友健 | 2016年11月20日 (日) 16時10分

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