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2009年10月10日 (土)

ブラッドソードリプレイ1-5 マグス・カルーゲン

【このリプレイには原作本文を度々引用しますが、都合により細部に修正を施しています。ご了承ください】

Photoテツヤ (18歳・盗賊)

著作『夢幻の双刃』から出張。
販促活動の一環として様々な世界を放浪させられる青年。
全てを破壊し全てを繋げ!
今回は洋物ゲームブックで1,2を争う名作に挑む。

ランク:3 戦闘力:7+1 打撃力:サイコロ1個+1 精神力:6 機敏度:8 生命力:18
装備:剣 革の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金15) 弓 矢筒 ロジ・スカイランナーの剣

3 ミヤ (15歳・僧侶)

著作『夢幻の双刃』から出張。
テツヤの従兄の娘であり、彼を『叔父ちゃん』と呼ぶ。
本来なら20年ほど時間軸がズレているが、今回の企画ではそれは無視。

ランク:3 戦闘力:7 打撃力:サイコロ1個+1 精神力:8 機敏度:7 生命力:15
装備:六尺棒 リングメイル(鎧強度:2) 金貨袋(所持金15) 弓 矢筒 

Photo_2 ディアブロ (年齢不詳・魔術師)

著作『魔人竜生誕』から出張。
元々は天地自然の精霊の世界で暮らす妖精の一種だが、酒目当てや暇つぶしで度々人界に彷徨い出るホームレス。

ランク:3 戦闘力:6 打撃力:サイコロ1個 精神力:8 機敏度:6 生命力:15
装備:剣 銀の鎧(鎧強度:2) 金貨袋(所持金15)  

 クラースのダンジョンレースへ参加しに来た三人。他の立候補者を倒して参加資格を手に入れ、ようやく決まったスポンサーに会いに行く……。

テツヤ「結局、ケルって魔術師は殺しちまったか。逃げるか降参するなら見逃してやったんだが……」

ディアブロ「ま、この手のファンタジー作品(特に洋物)は命が軽いのが常だからな。異世界に現代日本の感覚が通じないのはある意味当然だぜぇ」

【項目52】
オリーブグリーンのペナントを手に取ると、カルーゲンの執事は厳かに告げた。
「あなたはこの町の支配者、カグス・カルーゲンの旗を選ばれた。さあ、宮殿にお連れしよう。五つの苦しみの館と呼ばれる宮殿へ。きっと歓迎されるだろう」
彼がそう言うと、一団の兵士がこちらの周りに現れて整列した。
そして、曲がりくねった薄暗い細道を先に立って進み始めた。
押し合っていた人々は、兵士のオリーブグリーンの制服を見ると、嘘のようにどこかへ消え失せた。

ミヤ「なんかその宮殿の仇名って、町の人が嫌ってつけたんじゃないのかな。辺りの人の反応を見る限りそんな気がするよ」

ディアブロ「カルーゲンの旦那が悪ぶったカッコつけで、自分でそうつけたのかもしれないぜぇ」

テツヤ「俺としては真夜中なのに周囲に町人が押し合うぐらい居た方が驚きだ。それと領主の館への道なのに、やけに狭い路地を通るのもな」

やがてカルーゲン宮殿の表門を潜り抜ける。
どっしりとした黒い館の窓という窓には閂がおろされ、建物の一隅にはしみだらけの高い塔がそびえている。
表門が背後でぴしゃりと閉まった。
そこは、ぼろをまとった人々の群れがひしめき合う中庭だった。
彼らは嘆願書を握りしめ、カルーゲンの拝謁を賜ろうと列を作っていた。

ミヤ「なーんか、領主様のお屋敷なのにイメージと違うなあ。バラザールさんのお屋敷はいかにもお貴族だったのに、ここは貧乏臭くてさ」

テツヤ「真夜中なのに嘆願書もった貧民が順番待ちしてんのかよ。受付時間はどうなってんだ?」

ディアブロ「噂通り、あまり良い領主様じゃなさそうだねぇ」

群衆の間を通り抜けて、暗いホールの中へ案内される。天井は煤けた暗がりの向こうに隠れて見えない。
ホールの外れまで連れていかれると、王座に腰かけた人の姿がぼんやりと見えた。
カルーゲンに違いない。

【項目471】
12 カルーゲンは、金の縁取りのされたオリーブグリーンの見事なサテン・シルクのガウンをまとって、王座に腰かけていた。
両の耳にはエメラルドのイヤリングが光り、どの指にも、露の雫が落ちたように指輪が煌めいている。
唇の厚い口は、小さくて冷酷そうだ。

「くつろいで話すとしよう」
彼は冷たい声で言った。
「わしは明日の戦いに、たいした関心を持ってはおらん。既に多くの土地を手に入れてしまったからな。わしは何も勝つ必要など無いのだ。そこでわしはちょっとした遊びをしようと思う……」
途端に、彼は背筋を伸ばして腰かけなおし、両膝を手でぴしゃりと打った。
「ゲームをしよう! わしはゲームが大好きでな。何をするかな? “山の老人”はどうだ? それとも“フレイの雄鶏”がいいかな? もっとも、こいつはあまり面白いゲームではないが」

テツヤ「……まぁなんだ、屋敷のありさまがよく理解できるお人だな」

ミヤ「あはは、不真面目で博打好きなんだ、この人! なんか冷酷で残忍な人なのかなーと思ってたけど、実は子供っぽいだけなんだね!

ディアブロ「しかも飽きたらやる気無くすが、ゲームはやめないときた。『このゲームつまんねえ!』と言いながらコントローラーは手放さない、だらけたゲーマーみてぇだぜぇ

テツヤ「とりあえずスポンサーなんだ、付き合うか。やりたがってる“山の老人”でいいや。どうせどっちもルール知らねぇからな」

【項目162】
「よろしい」
カルーゲンは頷きながら言った。
「これは面白いゲームだ。まず最初に、互いに賭け金を決めなければいかん。そちらからだ……」

 テツヤは金貨を一枚取り出す。

ミヤ「叔父ちゃん? たった一枚だけ?

ディアブロ「どこぞの博徒漫画じゃ、賭け金はできるだけ用意すべしと言って上限まで借金してたぐらいなんだぜぇ」

テツヤ「勝ちたけりゃな。付き合いでやるだけのゲームだ、負けた時に笑い飛ばせる金額にしとくんだよ

ミヤ「うわー、セコイなあ……」

【項目189】
カルーゲンは召使いに合図をして、金入れを持ってこさせた。
彼はこちらの賭け金を確かめると、金入れに太った指を突っ込んで、一枚多くの金貨を出した。

「親は多少有利な立場になくてはな」
そう言うと、彼は忍び笑いをした。

テツヤ「……2枚じゃねぇか。笑うほどか?」

ディアブロ「まぁ考えようによってはこっちの手持ちの2倍だぜぇ」

「さてゲームを始めるとしよう。どちらかが一つの数を宣言する。最初はそちらだな。2から12までの数の中から、一つの数を選ぶのだ。わしはサイコロを二つふる。出た目の合計が、そちらの言った数より少ない時は、わしに言った数と同じ枚数の金貨を払わねばならん。反対に目が多いときは、わしが同じ枚数の金貨を払う。目がそちらの言った数と同じ時は、二人ともその枚数の金貨を失う事になる。賭け金が先に無くなった方が負けだ。よし、ではそちらから始めるがいい」

ミヤ「叔父ちゃん、イカサマでひぃひぃ言わしちゃえ」

テツヤ「しねぇよ。ここにはサマするって選択肢が無いんでな

ミヤ「じゃあせめて、あたしからアドバイスだよ。僧侶の知識の出番だね」

【項目311】
3 (僧侶)

数学を学んだから、統計学上の確率について多少とも知っている。
こちらが勝ち、カルーゲンが負ける確率が最も高いのは4だ。

ミヤ「だったんだけど。あのルールだと、2を選べば引き分けか勝ちだよねー

テツヤ「それでも俺に先攻やらせてくれるとは、思ったより太っ腹な人だぜ」

ディアブロ「やる気無さが伝わったのかもしれないぜぇ」 

【項目499】
 ゲーム開始である。宣言する数は当然「2」。サイコロを2個ふると、出た目は8。当然のように勝利した。

テツヤ「金貨2枚儲かったぜ

ミヤ「あはは、これは凄い塩ゲームだ」

【項目228】
「これはいささかおかしいぞ。まぐれ勝ちに決まっとる!」
カルーゲンは不機嫌そうにがなりたてた。
「とはいえ、そちらの勝ちには違いない」

ミヤ「やっぱこれじゃあご機嫌ななめだね。接待ゲームでこんなしょっぱい事する叔父ちゃんは流石ならず者だなあ」

テツヤ「はん、金持ちの道楽にそこまで真剣な付き合いできるかよ」

ディアブロ「おやま。恵まれている者への敵意があふれているぜぇ。ま、俺は共感する側だがな」

【項目177】
カルーゲンは、衛兵達に命じて、廷臣達を部屋から追い出した。
すると、王座の後ろからカルーゲンに仕える道化が顔を出して、こちらを手招きした。
進み出ると、道化は王座の側にある大きな手箱を指差し、それを開けろと身ぶりで示した。
手箱の中には、こちらの人数と同数の
オパールのメダルが入っていた。
そしてもう一点、カルーゲンの緑色のろうで封印された
犢皮紙の巻物があった。

テツヤ「これを持っていけって事か。いきなり荷物が増えたな」

ディアブロ「ま、いつでも捨てる事はできるからな。特にその巻物、即行で尻拭いて捨てちまった方がいいぜぇ

ミヤ「へ? なんで?」

 悪質な罠だからだ。カルーゲンは本当に勝つ気が無く、PCを邪魔して喜ぶ悪い性癖がある。実は先刻の博打も、PCが負けると武器を取り上げてしまうのだ!

カルーゲンはひんやりした石の小部屋へ入れと合図した。
「夜明けまで休め」
彼は冷たく言った。
「力を蓄えておくがいい。いずれ必要となろう」

ミヤ「えーっ!? 寒いんですけど! お風呂は? 晩御飯は? お布団は?」

テツヤ「お前、職業設定的には過酷な僻地で修業してきたんじゃねぇのか」

ミヤ「今は修業中じゃないもん! 無駄に我慢する意味ないし!」

ディアブロ「ま、RPGじゃ飯・風呂・便所は『どこかで何時の間にか』が基本だぜぇ。定期的に用便を済まさねぇとパラメーターが悪化するゲームとか、斬新かもしれねぇがバカゲーの烙印は免れないだろうよ」

そしてくるりと背を向けると、高笑いをしながら、肩をゆすって暖かい自分の寝室へ立ち去っていった。

ミヤ「自分はぬくい部屋で寝るんじゃない! くそー、きっとさっきのしょっぱい負け方を内心で恨みに思ってるな。やっぱり叔父ちゃんがイカサマで屋敷ごと巻き上げてやるべきだったんだ」

テツヤ「ゲームの趣旨変わってるじゃねぇか、それは。そんなに飯と風呂が恋しいなら、ほれ、さっさと行くぞ。出歩くなとは言われてないから勝手にさせてもらおうぜ。食堂でごねりゃ、食う物ぐらい出してもらえるだろ」

ディアブロ「確かに鍵をかけたとも見張りがいるとも、この項目には書いてないぜぇ」

ミヤ「そっか! じゃあ冷蔵庫を勝手に開けるのもお風呂に無断で入るのも全然オッケーだね! さっそく突撃だよ!」

 堂々と部屋から出ていく三人。次回、ダンジョンへ潜るまでには戻ってくるだろう……。

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