レビュー たのだん(1) 4回目・二話
【ソードワールド2.0リプレイ「たのだん」のレビューです。当然ネタバレしているので注意してください】
著作『夢幻の双刃』の主人公。
虚弱で貧弱だが悪燃費の特殊能力と姉への愛で物と戦う好青年。
著作『夢幻の双刃』の主人公その2。
直情・短慮・迷走癖の三重苦にもめげず魔物と戦う好青年。
耕治「では第2話の紹介に入ります。サブタイトルは『ばんぞくとのたたかい』」
徹也「第1話は『はじめてのくえすと』だったよな? なんでことごとく平仮名なんだ?」
耕治「初心者向けだからね。小学校低学年も読者対象にしているんだよ。或いはそれと同じような頭の持ち主も」
徹也「そんな理由だったら俺はマジでたまげるわ」
耕治「ではキャラクター紹介だよ」
二刀流で戦う盗賊少女。
派手な活躍を全くしないが、これは根が奥ゆかしいからだと思われる。
両手武器で戦うパワーファイター。
生粋のデストロイヤーだが、これは中身が男だからと思われる。
セクハラ神官戦士。
シャーリィを赤面させる事に命かけてるが、これは好意の証であると思われる。
ウサギ獣人。魔法も使える。
魔法の杖が鉄球ハンマーだが、これは昔のスーパーロボットへのリスペクトだと思われる。
耕治「それでは2話の解説を始めます」
前回のミッションで得た経験値によるレベルアップも済ませ、一行は次の仕事を受注する。景気が良いのは良い事だ。最近、ちょっとそいう事で嫌な事があったので本当にそう思う。仕事の内容は人里近くに住み着いた蛮族の退治であった。
ソードワールド2.0の舞台となる世界・ラクシアでは、ヒューマノイド型モンスターの大半を「蛮族」と総称している。逆にプレイヤーサイドの種族は「人族」だ。基本的にこの2勢力は敵同士だと思っていい。
耕治「展開されている商品を見る限り、このゲームは人族と蛮族の戦いを基本フォーマットにしているみたいだね。あとダンジョンと」
徹也「まぁ何やるかのパターンがわかり易いのは良いんじゃねーの。外れようと思えばいくらでもできるわけだしな」
何日かかけて敵の住み着いている遺跡に辿り着いた一行。
しかし蛮族どもは結構やる気のある連中だった。普段から屋上に見張を立てて、いつでも外敵を迎え撃てるようにしていたのである。ダンジョンの中でただ引き篭もっているだけの敵配置もごろごろしているRPG世界において、かなり本気だと言えよう。とはいえそれでプレイヤーが困るのも事実……。
他に手段も無さそうなので、レクサスとポポは魔法で屋上の敵を攻撃し、シャーリィとチロルは入り口へ突撃をかける。
徹也「他に手段が無いから不利な条件に『飛び込まないといけない』のはなんか気に入らねえな。探せば対等に持ち込める手段を用意しとくべきなんじゃねーの?」
耕治「まぁそれを考慮しての戦力配置かもしれないしね」
接近するまでに矢が一つならず放たれる。
当然、その全てを避ける事などできず、1発は2発は命中する。
チロル「矢ドワーフだー!」
レクサスとポポの魔法組も敵の矢を受け、矢ウサギも出来上がっていた。
被害を受けながらも屋上の狙撃隊を倒す事には成功。
しかし蛮族も一行の存在を当然の事ながら知り、入り口からも敵が沸いて来る。
5匹の新手と連戦を強いられ、どうにも今回は苦戦だ。
耕治「幸い、チロルが亡くなってシャーリィさんの一人ヒロイン時代が来るような事にはならなかった」
徹也「死者が出るとしたらシャーリィさんの方が危ないと思うが。仮にチロルがくたばっても、また女キャラが参入するだけじゃねえの」
勝つには勝ったが疲労の極み。シャーリィさんなんかは皆の期待どおりにHP1まで弱ったらしい。仕方が無いので遺跡から一旦離れ、一泊休憩してから改めて攻める事にする。
予想通りにレクサスがシャーリィにナニか仕掛けたりしているうちに朝が来た。一行は再度の突撃を試みる。どうも遺跡内の蛮族は複数種類のようだ。中に入ってシャーリィが罠にかかったり、チロルが敵を粉砕したりしているうちに、話し声の聞こえる部屋に行き着く。
突撃準備をする一行。しかし補助呪文を唱えている声をききつけられては元も子も無い。そこでレクサスは種族独自の特殊能力を使う事にした。ナイトメア族には変身能力があり、変身後の姿ならば詠唱無しで呪文を使う事ができるのだ。
しかしこの変身は“穢れ”の証であり、ある意味で魔物側に近い物がある。よって腫れ物のような扱いを受ける事も多いらしく、ナイトメア自身もこの姿に複雑な感情を持つ事も少なく無いようだ。
【異貌】と呼ばれるこの姿、肌の色が変わり、角が生え、悪魔めいた姿になるのである。
まぁだいたいこんな感じだと思えば間違いないだろう。
「やめてくれ村上さん! 僕は貴方と戦う事なんてできない!」
ついに戦闘形態(バトルスタイル)を表した獣神将(ゾアロード)、イマカラム・ミラービリスに叫ぶ、ガイバーⅠ・深町晶。それもその筈、彼はかつての戦友だったのだから。
しかしゾアロード・イマカラムは聞く耳を持たない。
「さあ覚悟するがいい。クロノスに仇なす者たちよ」
彼の戦闘力は恐るべき物だ。
飛行能力やバリアーは当然の事、重力制御を得意とし、それによって切断波や超重圧攻撃を仕掛けてくる。
繰り広げられる激戦。そして空間圧搾・プレッシャーブラストが晶を襲った。
さしものガイバーもこれには重傷を負い、瀕死となって捕らえられてしまう!
イマカラム
「さて……制御装置をいただくとしよう。
我が君アルカンフェルがこれを御所望なのでね」
強殖装甲システムの制御装置・コントロールメタル。
これこそが半ば不死身を得たガイバーの急所であり、同時にゾアロードの超進化を促すオーバーテクノロジーなのだ。
クロノスの首領・アルカンフェルは、とある理由からこれを自身に必要としているのである。
だが晶はそれを跳ね除けた。二人の激突はもう避けられない。晶の悲痛な叫びが響く。
晶
「村上さん! 俺達はどうあっても戦わないといけないのか!」
「そうだ、晶君。迷うのは勝手だが、私は容赦せんぞ。
君がそう言っていると戦闘に時間がかかり連載が益々長引くだけだ。
今ではもう月刊誌なのに週間ペースになっている。おまけに連載される雑誌がことごとく途中で息絶えるので、しばし回想シーンが必要となってしまう。
おかげで時々『超人ロックの従兄弟』などと言う輩がいるぐらいだ」
「しかし、ガイバー自体はマイナーメジャーとでも言うべき地位にあるじゃありませんか!
OVA2回、深夜枠1回で3回もアニメ化されているんですよ!
ファンは無かった事にしたがっているけど、アメリカで作られた2作の実写映画もそれなりにちゃんと面白かった!
ハリウッドで映画化した日本の漫画なんていくつあるんですか! 快挙でしょう!」
「そうか。ならば教えてやろう。
私がバトルスタイルをとってから、2009年で15年以上が経つ。
しかし連載はまだ終っていない!」
「な、なんだってー!
15年あれば、打ち切り漫画が100本以上生まれては消えるじゃないか!」
「それどころか新キャラがまだ追加中だぞ。
これであと10年は連載が続けられるな。
ゾアロードも一部の例外を除いて元気に長期戦闘を慣行している」
←一部の例外:エドワード・カールレオン閣下。
新キャラのカマセ犬として即行で死亡。
「安心しろ、晶!
こちらとて順調にパワーアップを続けている! 俺とてほれ、この通り!
10年どころか20年でも連載できるぜ!」
「くっ、みんな本気で風呂敷を広げ続ける気か!
今の雑誌が死んだらどうしようとか考えてないのか?
このままじゃ、月間エンドレスとか言って終わりの見えない漫画のみの姥捨て山雑誌が必要になってしまうぞ!」
「わかったら戦いたまえ、晶君。少々本気を出しても、どうせまだまだ連載は終らない。
私も死んだふりは得意な方だ」
晶
「うおお!」
イマカラム
「ぬううん!」
吹っ切った晶は激しく激突する。
その脳裏に、かつての戦友の、クロノスと戦った先輩の姿を思いだしながらも、懸命に。
殖装せよ、深町晶! 戦え、ガイバーⅠ!
最終回まで作者の寿命が保つ事を信じて……!
【続く】
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